藤永茂のレビュー一覧

  • ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者

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    著者が科学者なだけに、ヘンな想像(勘ぐり)や思い込みがなく、正しい共感を持ってオッペンハイマーを描いている。とかく文系の人が描くと、取りつかれた全能感の権化みたいに書かれることが多いけど、そんなマッドサイエンティストがこれだけの規模のプロジェクトをこれだけの期間引っ張って成功させられるわけもなく。女好きではあるものの、教養もあるちゃんとした社会人であることをきちんと踏まえて書かれていることに好感が持てる。映画『オッペンハイマー』の予習にもよいのではないか。(原作は上中下三冊もあるので)

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    2024年04月02日
  • ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者

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    2025年3冊目

    オスカーで作品賞や主演俳優賞などを受賞したクリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』を観て、彼について詳しく知りたいと思い、読んだ

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    2025年01月06日
  • ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者

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    オッペンハイマーと核爆弾研究の歴史を通じて、20世紀前半の世界戦争の背景を学ぶことができた。
    現代と原爆までの歴史は100年も離れていなことが、今の日本の社会と比べると想像もできなく、面白い。

    個人的にはこの本で、学生の頃に学んだ歴史を振り返ることができ、今の社会がどのように構築されてきたかを考えるいいきっかけになる本だった。

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    2024年12月17日
  • ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者

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    原爆の開発に重要な役割を果たしたオッペンハイマーだが、量子力学を学び様々なアイデアを実現させた発想自体は凄いものだが、彼自身がそれ自体が莫大な威力を生み出す水爆につながることを察して開発に反対したことは何かの力が働いたと感じた.ウラン238には0.7%しか含まれていないウラン235が核分裂を起こすことを発見したが、分離が難しいため、プルトニウムに焦点を当てた着眼は素晴らしいと感じた.それぞれ広島と長崎に投下されるが、ソ連との開発競争に関連する政治問題はあまり面白くなかった.

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    2024年11月04日
  • ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者

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    とても読み応えがあって面白かった。
    サブタイトル通り、オッペンハイマーを英雄や奸雄としてではなく、その才能を評価されつつ時代の波に翻弄された凡夫として描かれているのが興味深かった。

    昨年(2023年)夏、アメリカで公開され話題になった映画『OPPENHEIMER』を観る前にと思い読み始めたものの、やはり物理学に関する読み物ってことで中盤くらいに入ると理論解説が増えてちょっと難しくなってきたり、映画が日本で公開されるのかどうか一向に発表されないのもあって、半年くらい読みかけのままずっと通勤鞄の重りになっていたのを、いよいよ日本公開が発表されたので再び読み始めた。

    やはり理論に関する部分は難解

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    2024年03月18日
  • ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者

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    科学者は罪を知ってしまった
    ロスアラモスの科学者の罪業は、原爆を作り出したその時、生涯最良の時を過ごしていたこと。国家が財政措置を行い、それに科学者が乗っかり、技術を甘美したこと。

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    2021年08月28日
  • ロバート・オッペンハイマー ――愚者としての科学者

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    オッペンハイマーの映画が2024年のオスカー賞を多数獲得したということで、映画を見る前にオッペンハイマーの人となりを知りたかったので読んでみた。

    物理の難しい部分はすっ飛ばしつつも、オッペンハイマーが原子爆弾を生み出した経緯がなんとなくではあるが、わかった。

    ただ、原子爆弾を生み出したのは彼ひとりではない。
    生み出したあとの経緯ももちろんある。
    原子爆弾を作って終わりでもないわけで。

    さあ、映画みよーっと!

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    2024年05月13日