わたしの小さな古本屋

わたしの小さな古本屋

小説・文芸
902円 (税込)

4pt

岡山・倉敷の美観地区、その外れに佇む古書店「蟲文庫」。10坪にみたない店内には古本と一緒に苔や羊歯のグッズが並び、亀などの動植物がいて、時には音楽イベントが開かれる。知識、予算なしからの開業奮闘記、人と本のつながりが生んだ思いも寄らない出来事、そして偏愛する苔の話まで。ユニークな古書店の店主が、帳場から見た日常を綴る。増補して文庫化。

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わたしの小さな古本屋 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    『わたしの小さな古本屋』は、倉敷美観地区にある古書店「蟲文庫」の店主さんが書いたエッセイだ。年末にぶらりと倉敷に行ったときに、同店で購入。お店の方と特に面識がある訳ではないのだが、いつ行っても粛然とした佇まいで接客をしてくださる店主が、どうして古本屋を開くことになり、どんな想いでここまで続けてこられたのか自然と興味が湧いて読みたくなった。

    「勤め働き」には自分は向かないと思い、21歳のときに仕事で貯めた100万円を元手に古本屋を始めた著者。そこからの悪戦苦闘の日々や、店を通じての出会い、好きな作家や苔についてなどが素朴な文体で静かに熱く語られている。
     
    “「出来ることばかりが能ではない、出来ないからこそ出来ることもある」
     これは、心身の成長が遅く、愚図と言われ続けたわたしが、それでもこうして、なんとか世間との折り合いをつけられるようになるまでに得た、自分なりの人生哲学みたいなものなのですが、囲碁や将棋の好きだった木山捷平の名文句、「駄目も目である」にどこか通ずるものがあるようで気に入っています。
     投げやりでも開き直りでもない、ただ「ともかくにも生きている」という実感だろうと思うのです。”

    きらきらと華やかな成功体験ではない。ゆっくりと、ちょっとずつ、ここまで続けてきた街の小さな古本屋さんの軌跡。「出来ることばかりが能ではない、出来ないからこそ出来ることもある」という言葉に、そっと勇気を分けてもらう。

    0
    2023年05月13日

    Posted by ブクログ

    好きこそものの上手なれ
    好きなことを続けたからこそ
    トラブルをトラブルだと感じなかったのではないでしょうか

    好きなことをおのずから見い出し
    それを気負いなく続けていく強さ
    ひけらかさない謙虚さが
    憧れる生き方だなと感じました

    0
    2023年03月19日

    Posted by ブクログ

    今年伺った際に店舗で購入。
    店頭に並んでいたので手にとってみたらこちらの店主さんの著書。
    驚いて思わず購入。
    古書店の日常が書かれており興味深い。
    実際行った土地なのでこの描写はここか〜と記憶を辿れて良かった。
    岡山文庫なんてあるんだ〜と思ったら私岡山からの帰りに他の書店で一冊買ってた(笑)これ読んでから気付いた。岡山文庫って書いてある!これがそうか、と。このシリーズは色々出てるのね。
    100万円でも古書店は開業出来ると分かり、今後の参考にしようと思った。
    また倉敷に伺うことがあれば是非行きたい古書店。

    0
    2022年12月31日

    Posted by ブクログ

    静かに、じんじんと、いつまでも胸に響く文章だった。世界を旅して得られるものもあれば、ずっと同じ場所にいて見えるものもある。

    0
    2022年10月16日

    Posted by ブクログ

    田中美穂さんが、古本屋さんをするまで、そして始めてからのお話が書かれています。読むと、こんな人生もあるんだなぁ、自分もまだまだ可能性を秘めているかもしれないと前向きな気持ちになります。

    0
    2019年05月07日

    Posted by ブクログ

    今となっては「今どきの本屋特集」のような雑誌等でよく紹介されている岡山県倉敷市の古本屋「蟲文庫」。「苔」「古本屋」で検索出来ちゃいそうな(検索かけていないので、あくまで想像)店主による様々な媒体で綴られてきた文章を纏めた本。

    21歳で経験も知識も豊かな売り物も無く、突如始めた古本屋店主のゆるやかな、河の流れのようなお仕事と本にまつわるエッセイ。

    巻末の早川義夫氏(ぼくは本屋のおやじさん&歌手)の解説までひっくるめ、良い。じんわり染みる。何だろうこの味わい。これは…おでんの味わいなのかしら…(ちょっとカラシを付けすぎちゃった時もあるやつ)

    0
    2017年07月01日

    Posted by ブクログ

    岡山の倉敷に蟲文庫ができる過程、できてからその後の日々を店主の田中さんがやさしい文章で語っている。どのような気持ちで始めた古本屋なのか、お世話になった大切な方々のことや、郷土作家木山捷平のこと、そして苔や猫のこと…。最近ブローティガンの本をいくつか読んでいるところだったので、『置きっぱなしのブローティガン』という章があったことに驚いた。何気ないことではあるが、やっぱりどこか繋がってる…と不思議な縁を感じた。

    とても自然体な文章で決して飾らない、店主の人柄が出ている読みやすい文章だった。
    店をやるためのノウハウが詰まった本というわけでないので、本屋に興味がある人であればどのような人も楽しめるのではないかと思う。

    0
    2026年01月11日

    Posted by ブクログ

    21歳の時、アルバイト先を辞めて、不意に「そうだ、古本屋になろう」と思い立ち、とりあえず手持ちの本を売ることにして開店。そのまま20年ほども楽しく営業を続けておられるという女性のエッセイ。古本屋さんの組合に所属することもなく、大半はお客さんから買い取った本を売りながら続けていけるなんて、すごいことなのでは。実際は店舗の運営も接客も楽しいことばかりではないにしても、基本的にはこの働き方がご自分に一番合っているということが継続の土台になっている。

    本書全体を覆う柔らかな物腰が醸しだす空気感と、おそらくその深いところにあるしっかりとした芯のようなもの。さまざまな人との出会いや交流が自然に広がっていく様子も、このお人柄の賜物なんだろうなと、羨ましいような尊敬するような気持ちに。

    「古本の妖精」という、可愛らしいタイトルがついた短い章の冒頭が好きだった。

    「ヒマなので、今日はもういいかと思い、引き戸を閉めて電気を消したら、まだなかにお客さんがいて、お互いに焦りました。」

    (笑)
    倉敷の美観地区の片隅に、なんだかおとぎばなしのようなこんなお店があるなんて。いつか行ってみたいな。

    0
    2025年12月31日

    Posted by ブクログ

    これは、いい本だったなぁ〜(笑)
    誰かに勧めたくなる1冊だね。

    個人的には星5つだけど、自分の生き方に
    誇りや自信がある人は読んでも多分、
    ふ〜ん位の内容だと思うから星4つにした

    .
    ま。本の内容と全く関係ないけどさ(笑)
    今の時代ってネット社会じゃんね❓

    人々から、注目や称賛を浴びたり、
    目立つ事が一種のステイタスでさ❓

    知名度のある人の言葉や話が、
    ネットで信仰されちゃう。

    そう思って無くても、
    有名人がそう言うと、
    『そうかな❓』とか思っちゃったりさ。

    『あの人がこう言ってた』みたいに 
    根拠無く有難がられる風潮がある
    気がするのよ。

    でも、この本の著者って
    普通の人なんだよね❓

    言わば『凡人が書いたエッセイ』

    自分と同じ、なんて事無い普通人だから、
    言葉に重みも説得力も何も無いハズなの。

    だけど読んでいて、普通の人の言葉だから
    共感できるし共鳴しちゃう。
    読んでて、自分の中にすっと落ちてくる。

    .
    内容も良くて、読みやすくて面白くて。
    素敵な本だな〜って俺は感じたね。

    .
    別に目立つ事や名声を得ることが
    いい生き方って訳じゃないんだよ。

    我関せずに、自分イズム貫いたって
    それはそれで最高の生き方の一つ(笑)
    スローライフ最高っ❗みたいな。

    .
    この本の著者のなんだかゆるくて
    自然体の生き方が素敵でさ❓
    何度も読み返したくなる本だった(笑)

    0
    2024年02月29日

    Posted by ブクログ

    こざっぱりとした文体に好感
    2回しか立ち寄ったことはないが、あの店構えや雑多な店内の様子を思い返しながら微笑ましく読めた

    0
    2023年06月13日

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