あらすじ
岡山・倉敷の美観地区、その外れに佇む古書店「蟲文庫」。10坪にみたない店内には古本と一緒に苔や羊歯のグッズが並び、亀などの動植物がいて、時には音楽イベントが開かれる。知識、予算なしからの開業奮闘記、人と本のつながりが生んだ思いも寄らない出来事、そして偏愛する苔の話まで。ユニークな古書店の店主が、帳場から見た日常を綴る。増補して文庫化。
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Posted by ブクログ
『わたしの小さな古本屋』は、倉敷美観地区にある古書店「蟲文庫」の店主さんが書いたエッセイだ。年末にぶらりと倉敷に行ったときに、同店で購入。お店の方と特に面識がある訳ではないのだが、いつ行っても粛然とした佇まいで接客をしてくださる店主が、どうして古本屋を開くことになり、どんな想いでここまで続けてこられたのか自然と興味が湧いて読みたくなった。
「勤め働き」には自分は向かないと思い、21歳のときに仕事で貯めた100万円を元手に古本屋を始めた著者。そこからの悪戦苦闘の日々や、店を通じての出会い、好きな作家や苔についてなどが素朴な文体で静かに熱く語られている。
“「出来ることばかりが能ではない、出来ないからこそ出来ることもある」
これは、心身の成長が遅く、愚図と言われ続けたわたしが、それでもこうして、なんとか世間との折り合いをつけられるようになるまでに得た、自分なりの人生哲学みたいなものなのですが、囲碁や将棋の好きだった木山捷平の名文句、「駄目も目である」にどこか通ずるものがあるようで気に入っています。
投げやりでも開き直りでもない、ただ「ともかくにも生きている」という実感だろうと思うのです。”
きらきらと華やかな成功体験ではない。ゆっくりと、ちょっとずつ、ここまで続けてきた街の小さな古本屋さんの軌跡。「出来ることばかりが能ではない、出来ないからこそ出来ることもある」という言葉に、そっと勇気を分けてもらう。
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好きこそものの上手なれ
好きなことを続けたからこそ
トラブルをトラブルだと感じなかったのではないでしょうか
好きなことをおのずから見い出し
それを気負いなく続けていく強さ
ひけらかさない謙虚さが
憧れる生き方だなと感じました
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今年伺った際に店舗で購入。
店頭に並んでいたので手にとってみたらこちらの店主さんの著書。
驚いて思わず購入。
古書店の日常が書かれており興味深い。
実際行った土地なのでこの描写はここか〜と記憶を辿れて良かった。
岡山文庫なんてあるんだ〜と思ったら私岡山からの帰りに他の書店で一冊買ってた(笑)これ読んでから気付いた。岡山文庫って書いてある!これがそうか、と。このシリーズは色々出てるのね。
100万円でも古書店は開業出来ると分かり、今後の参考にしようと思った。
また倉敷に伺うことがあれば是非行きたい古書店。
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田中美穂さんが、古本屋さんをするまで、そして始めてからのお話が書かれています。読むと、こんな人生もあるんだなぁ、自分もまだまだ可能性を秘めているかもしれないと前向きな気持ちになります。
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今となっては「今どきの本屋特集」のような雑誌等でよく紹介されている岡山県倉敷市の古本屋「蟲文庫」。「苔」「古本屋」で検索出来ちゃいそうな(検索かけていないので、あくまで想像)店主による様々な媒体で綴られてきた文章を纏めた本。
21歳で経験も知識も豊かな売り物も無く、突如始めた古本屋店主のゆるやかな、河の流れのようなお仕事と本にまつわるエッセイ。
巻末の早川義夫氏(ぼくは本屋のおやじさん&歌手)の解説までひっくるめ、良い。じんわり染みる。何だろうこの味わい。これは…おでんの味わいなのかしら…(ちょっとカラシを付けすぎちゃった時もあるやつ)
Posted by ブクログ
これは、いい本だったなぁ〜(笑)
誰かに勧めたくなる1冊だね。
個人的には星5つだけど、自分の生き方に
誇りや自信がある人は読んでも多分、
ふ〜ん位の内容だと思うから星4つにした
.
ま。本の内容と全く関係ないけどさ(笑)
今の時代ってネット社会じゃんね❓
人々から、注目や称賛を浴びたり、
目立つ事が一種のステイタスでさ❓
知名度のある人の言葉や話が、
ネットで信仰されちゃう。
そう思って無くても、
有名人がそう言うと、
『そうかな❓』とか思っちゃったりさ。
『あの人がこう言ってた』みたいに
根拠無く有難がられる風潮がある
気がするのよ。
でも、この本の著者って
普通の人なんだよね❓
言わば『凡人が書いたエッセイ』
自分と同じ、なんて事無い普通人だから、
言葉に重みも説得力も何も無いハズなの。
だけど読んでいて、普通の人の言葉だから
共感できるし共鳴しちゃう。
読んでて、自分の中にすっと落ちてくる。
.
内容も良くて、読みやすくて面白くて。
素敵な本だな〜って俺は感じたね。
.
別に目立つ事や名声を得ることが
いい生き方って訳じゃないんだよ。
我関せずに、自分イズム貫いたって
それはそれで最高の生き方の一つ(笑)
スローライフ最高っ❗みたいな。
.
この本の著者のなんだかゆるくて
自然体の生き方が素敵でさ❓
何度も読み返したくなる本だった(笑)
Posted by ブクログ
地方にも行ってみたい本屋さんが沢山あります。
書店なんてどこ行っても置いてある本同じでしょ?
と言われてしまいそうですが。
本でも他のものでも、買った場所によってその意味が変わる事ってありませんか?
僕自身はこの店で買ったこの本。という風に思う事が多々あります。
古本屋さんに関してはさらに個性が爆発している店が多いので、
一期一会の出会いになる事もしばしば。
そうなるとさらにどこの書店に行くかという事が重要になってきます。
そんな行ってみたい書店の一軒「蟲文庫」の田中美穂さんのエッセイです。
もう30年位営業しているようなので大ベテランですが、
21歳からやっているなんて本当に驚異的。憧れます。
ぼくと年もほぼ同じなので自分の事を思い返しても驚異的です。
とても読みやすい本ですが、30年近い時間が醸成した、
落ち着いた文章が本当に心地よい本でした。
Posted by ブクログ
古本屋をしたくて読み始めた
数年前に蟲文庫を訪れたことがある
なんだか尖った本屋みたいなイメージを持っていたが、仕事をやめてなんとなく古本屋を始めたり、長い間バイト掛け持ちしたり、買い取りで苦労したり、ほっこりする
儲からないことや個性が必要なこと(苔)は他の本にも書いてあったが参考になった
Posted by ブクログ
21歳の若さでお店を始め、ここまで続けられたのがすごいなと思う。私もお勤めできる性格ではなく、何か自分で仕事つくっていきたいなという悶々とした思いでこの本を見つけ、読んでみた。
地方の小さな古本屋でも、こうしてなんとか続けていられるのは、地域の中で、それなりに何か役割みたいなものもあるからだろう。そしてその役割とは、漠然と公民館に近いものではないか、というようなことを考えるようになりました。という文を読んで、まちの中で何か地域の人たちのためになっている、本だけではなくて本を通してつながる何かがあるからこそ人が集まってくるんだろうなと思った。そんな地域の居場所を作れるといいな。
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倉敷の蟲文庫を訪れた際に購入。読んでから行きたかった。また行こう。
田中美穂さん。21歳で古本屋を始めて20数年。言葉の使い方がきれい。ナドさん、ミルさん。文学全集一掃顛末記。
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どんな仕事であれ、自分の「居場所」のために、自分に合った仕事をつくり出す人を、私はとても尊敬しています。
『わたしの小さな古本屋』の著者・田中美穂さんも、そんなお一人。
「ただただ自分の居場所がほしかった」
そんな動機から古本屋を始めたという田中さん。
何かに衝き動かされながら、でも自然体を崩さない。
その姿には、「自由に生きること」の静かなリアリティがあります。
難しく考えすぎず、力を抜いた先にこそ、未来が開くのかもしれない。
そんな気づきをもらえる一冊でした。
いつか行ってみたいです。田中さんの「居場所」。
Posted by ブクログ
岡山県倉敷市にある小さな古本屋・蟲文庫はいかにして生まれ、いかにして生きながらえてきたのか。古本屋といえば、おやじのイメージが強かった時代に20代の女子が様々な人と出会い、別れ、成長していく物語とも読める。
いつか行ってみたい。
Posted by ブクログ
将来やりたいこと、こんな風に迷いなく、一つ一つこつこつ繋げていけたらいいな。
苦労した話が少ししか出てこなかったけど、振り返ってみて、充実感や達成感に溢れている今だからこど、大したことに思えないことになれたんだろうな。
私も茅ヶ崎のとまり木さんで、一箱本棚オーナーをやってるので、イベントの多い古本屋さんていいな、と思います♪
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21歳で古本屋さんになった人の話。
岡山県の観光地でポツンとやってるらしい。
古本屋さんを営む人って、
こういう人もいるのね、
こんな取り組みもやるのね
とか分かる本
Posted by ブクログ
倉敷の美観地区にある本屋、蟲文庫店主のエッセイ集。前から蟲文庫に行ってみたくて、今度旅行で倉敷あたりに行く予定なので行こうと思って読んだら行きたくなったので行く。
Posted by ブクログ
亀のひみつが面白かったのでこちらの本も読んでみました
マイペースな生き方に好感が持てます!
ホッとできる古本屋さん
読んでいてリラックスできるいい本でした
自分も歩いていく毎にラッキーを引き寄せていきたい
Posted by ブクログ
倉敷美観地区にある、小さな古書店の店主によるエッセイ。店を構えるまでのこと、構えてから安定するまでの気苦労等の他、飼い猫だったり苔(!?)だったりと内容は雑多。
実際に倉敷へ足を運んだ際に偶然見つけたお店だった。店主自身が書いた本を買うなんてありそうもなかったので、他の本と一緒に衝動買いした。
実際に訪れた書店同様に、時間の流れ方が明らかに現世と違うように感じた(書店も現世にあるのだが)。お店に訪れた際は連休の真っただ中で、通りは人でごったがえしていたのだが、店の暖簾をくぐると外の喧騒が本に吸い込まれるのかとても静か。どうやって食って行ってるんだろうという疑問はこの本一冊読んでも完全に消えることはなかったが、時間を忘れて本を探せる雰囲気はとても貴重だったように思う。店員さんにレファレンス的なことをお願いしたのも、何年振りだっただろうか。
そうした空間・雰囲気がどうやって醸成されてきたのかが、様々なエッセイの間から伝わってくる本だった。
Posted by ブクログ
著者の本はこれが初めて。SNSでフォローしている人が実際に現地に行きそのことをブログに書いていたので一度読んでみたいと思っていた。
手持ちの本だけで店を開き20年以上営業を続けており、現在も古書組合などには加入せずお客からの買い取りだけで店を維持しているというのには驚いた。
大変な部分も多々あったのだろうが、これまでの古書店の運営にあたる孤軍奮闘の内容も面白く書かれている。
著者である田中さんは本当に本が好きなのだなとしみじみと感じさせてくれる内容になっており読んでいると安らぐ。
苔の話など多少ニッチな部分も楽しく読めた。
機会があったら自分も一度現地を訪れてみたいと思う。