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論理ではなく、詭弁を身につけてみないか?詭弁と聞くと、子供だましの芸当と聞こえるが、口先だけ達者になることではない。詭弁には、思考そのものを鍛える力がある。人が詭弁を使う時、その人特有の癖があらわれる。その癖を見抜くことで、思考のパターンが理解でき、おのずと論議も強くなる。論理的思考に満足しない人のための一冊。
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Posted by ブクログ
詭弁のパターンを研究することは、人間の思考・認識の癖を浮き彫りにし、レトリックや詭弁を研究する面白味がある。なぜなら、人間が繰り返し詭弁に翻弄されるのは、詭弁(とされるもの)の中にも、一概に虚偽とは言えない場合があるからだという。 語り口は軽妙、内容も知的好奇心をそそる本。だが、使われている例文が外...続きを読む語の翻訳と保守対立をテーマにしたものが多く、内容に取っつきにくくしているきらいがあるのが惜しい。もっとも、筆者が示唆するように、実際にあからさまな詭弁をよく目にするのが、そういった場面でのかもしれないが……
これも笑える。 曖昧さによる虚偽とか見破るのは実際に難しい。 それにしてもこの多様なネタはどうやって手に入れているのだろうか…… 最後の語学の達人の話もいい。と、おそらくこれは詭弁の達人についての話にもなっていて、さっきの疑問への答えにもなっているわけなのだな。
[ 内容 ] 論理ではなく、詭弁を身につけてみないか?詭弁と聞くと、子供だましの芸当と聞こえるが、口先だけ達者になることではない。 詭弁には、思考そのものを鍛える力がある。 人が詭弁を使う時、その人特有の癖があらわれる。 その癖を見抜くことで、思考のパターンが理解でき、おのずと論議も強くなる。 論理...続きを読む的思考に満足しない人のための一冊。 [ 目次 ] 序章 馬鹿だから詭弁に騙されるのではない 第1章 詭弁なしではいられない 第2章 曖昧さには罠がいっぱい―多義あるいは曖昧の詭弁 第3章 弱い敵を作り出す―藁人形攻撃 第4章 論より人が気に喰わない―人に訴える議論 第5章 一を教えて十を誤らせる―性急な一般化 あとがきにかえて―語学の達人に学べるか? [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
二章の「多義あるいは曖昧の詭弁」と五章の「性急な一般化」は自分自身も相当悩み悩まされている問題なので参考になった。この方はレトリックを専門になさっているそうで、例証の仕方に説得力がある。「実例はすべて普段の読書で記憶しているものから取り、わざわざそのために本を読んだりすることはない」と仰ってますが、...続きを読む謙遜ですよね?
詭弁から学ぶというスタンスが新鮮だった。 詭弁かそうでないかは、判断のレベル次第で判定が変わってくる、非常に微妙な問題を含むことも、心しておかなければ、と思う。 それから、よくディベートの本などでも、「人と議論は別」などと書かれているが、本書では人と意見は完全には分離できないとあるのも、面白いところ...続きを読む。 詭弁には部分的な真実が含まれているだけに、詭弁と判別しづらいとのこと。 しかし…相手の議論をうまくかわせない人にとって、うかつに人の議論を聞こうとすると、取り込まれてしまう危険があるということでもある。 他者の議論に対し、生産的で批判的に向き合うということがいかに難しいことか。 それから、本書で「虚偽論」という学問分野があることを知った。 もう少し知りたいとも思う。 なるほど、この本は「だれでも言い負かせる」ための本ではなく、自分が詭弁を用いないようにという自戒を促すための本、ということなのだな。
詭弁を取り上げている本だが、人間が論理的であろうとすることには限界もあるようだ。具体的な例を示しつつ、詭弁の形態を挙げている。 理屈を積み上げてみれば、明らかにおかしいと分かるもの、そうとも言えないものもあったり、人間の思考の癖というものは、なかなか厄介なものだとも思える。
典型的な詭弁について,多くの例を挙げながら,また,過去の哲学者等の詭弁の分類等を含めながら,説明している.分かりやすく非常に面白い. 本編とは離れるがあとがきの「語学の達人に学べるか?」が,また楽しかった.読ませる文章である.
人間には考えるにあたっての「癖」のようなものがあり、どうしてもある種の非論理的な思考法を採用しちゃう。 でもそれがどんな「癖」かを知識として持っていれば、いくぶん「まし」にはなるんじゃないか。 そんな考えのもと、豊富な実例をもって「癖」を紹介するとともに、平易ながら本質的な考察が添えられた本。 本書...続きを読むにどこまで「効用」があるかはわからないけれど、面白く読めることは間違いない。 本書のこの前提は、もう少し広げて考えることもできるんじゃないかな。 たとえば、「自分だけの失敗学」を確立する。そこまで行かなくても、「自分の失敗データベース」を構築して、ときに整理する。 そこからもし「自分の失敗の癖」を見出すことができたのであれば、今よりもずいぶんと「まし」な行動ができるんじゃないか、と僕は思うのだ。 そしてもし実際にそれ(データベース構築)を実行した場合、失敗すればするほどデータが増えてデータベースが強化されるわけで、だから失敗することを望んでしまうという倒錯した心境に至るかもしれない、と想像したりもする。 それはそれで「失敗にも折れない強い心」を手に入れたということで、歓迎すべき事態なのだろうか。あ、なんか話がどんどん違う方向に行っちゃってるので、この話題はこのへんで。 最後に。本筋とは違うのだけれど、僕たちが議論に勝ちたがるのは不死を望んでいるからだというロジックは、なんだか否定できない魅力に溢れていて、さすがは修辞学者(なのかな?)と思わせる。
詭弁を学ぶことで、詭弁に対抗する術をみにつけようという本。 論理にこだわる人は詭弁にはぐらかされやすいしね。 詭弁は構造から学ぶととても対処しやすいということがわかります。 でも詭弁使う奴はクソ
詭弁とは何か。それは論理的にはおかしい、間違った論法である。ところが、我々はその詭弁を意識的にも無意識的にも使うし、また同様に意識的も無意識的にも騙されている。 詭弁の形としては、因果と相関の混同、必要条件と十分条件の誤判定、言葉の多義性からくる拡張と限定の使い分けがある。詭弁を弄する人はこれら...続きを読むをいろいろに使用するので、詭弁に免疫のない人は簡単に騙される。著者によれば、詭弁を知れば知るほど詭弁を使うことには慎重になるという。詭弁は囲碁や将棋におけるハメ手のようなもので、相手に正しく応手されるとこちらが窮してしまうことになる。 したがって、相手の論理力がある程度上か、未知数の人間に対しては詭弁を弄するのは危険だという。ただ、実際には詭弁を認識し、それに反撃を加えることの出来る人はごく少数である。おそらく日本人の場合には10000人に1人も存在しないのではないかと想像する。 日本人が特に詭弁に弱いのは、議論や対話経験がほとんど無いからである。一つのテーマを論理的に論じる経験がないために、思考を構築する言語リテラシー力が決定的に不足している。友人や知人とのほんわかとした当たり障りの会話しかしていないための言語力の顎がゆるゆるになっている。筋肉と同じで、言語力もそれに負荷を加えて使用しなければ見る間に衰えていく。 欧米のように他民族が集まって、周りの人間を全面的に信用できない状態では(それ自体は不幸な環境ではあるが)騙されないために、言語の意味を厳密に捉え、論理的に解釈する傾向が強いので詭弁に対する耐性はかなり強い。それが拡大して、外交力にもなり、日本が外交戦争でほぼ全敗している状況を生んでいる。 こういう詭弁に対する備えという点からも、教育で討論・作文技術の授業をもっと増やすべきなのである。
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論理病をなおす! ――処方箋としての詭弁
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香西秀信
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