講談社 - 講談社文庫作品一覧

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  • 十津川警部の怒り
    4.0
    狡知な犯人に十津川が放つ逆転の痛打! 毒舌で有名なプロ野球解説者が、甲子園球場の近くで刺殺された。容疑者は低迷するチームのヘッドコーチ。かつてポストを巡って揉め、動機は十分だが、犯行時刻には寝台特急「出雲4号」に乗っていたという。血まみれの切符、車掌がもらったサイン。十津川、逆転の一手は。殺意を乗せて走る列車、3つの事件!(講談社文庫)
  • 渡る世間は「数字」だらけ
    4.0
    「世の中や人生を、数字を通して考えてみると面白いかも」と思った"万"起男さん。本業の医学から、宇宙・統計までの「数字」の意味を考察する。遺伝子情報は3%しか活用されない意味、1日10万個の脳細胞が減っても大丈夫なわけ、日本の国番号81の意味、世論調査の数字のウラなど軽妙洒脱に切りまくる。(講談社文庫)
  • 海の空 空の舟
    4.0
    高台の神社からは廃墟と化した造船所が見える。喧噪と活気を失い、憧れの彼女もいない町で、中学生の辰雄は性のとば口にいる自分をもてあます。昔の祭りさながらに、渾身の力で引き上げた舟を海にすべらせた――少年の1日を活写した小説現代新人賞受賞の表題作をはじめ好編3作。(『雨を見たかい』を改題)
  • 滝山コミューン一九七四
    値引きあり
    4.0
    郊外の団地の小学校を舞台に、自由で民主的な教育を目指す試みがあった。しかし、ひとりの少年が抱いた違和感の正体は何なのか。「班競争」「代表児童委員会」「林間学校」、逃げ場のない息苦しさが少年を追いつめる。30年の時を経て矛盾と欺瞞の真実を問う渾身のドキュメンタリー。(講談社文庫)
  • 狐闇
    4.0
    魔鏡を競り市で手に入れたことで、宇佐見陶子の運命は変わった。市に参加していた男が電車に飛び込んだのを皮切りに周囲で命を落とす者が続出。陶子は絵画の贋作作りの汚名を着せられ、骨董業者の鑑札を剥奪されてしまう。狡猾な罠を仕掛けたのは誰か。満身創痍の捜査行は日本の歴史の断層に迫っていく! (講談社文庫)
  • 喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima
    4.0
    文字を読むことが不得意で、勉強が大嫌いだった僕。大学4年のとき卒論のために配属された喜嶋研究室での出会いが、僕のその後の人生を大きく変えていく。寝食を忘れるほど没頭した研究、初めての恋、珠玉の喜嶋語録の数々。学問の深遠さと研究の純粋さを描いて、読む者に深く静かな感動を呼ぶ自伝的小説。
  • 封神演義(上)
    4.0
    1~3巻880~902円 (税込)
    中国三大奇書を越える奇想天外な大伝奇小説商から周への易姓革命を舞台に、軍師太公望を擁する西岐軍と紂王軍の殺戮戦。妖術玄術が切り結び、飛び交う秘密兵器はSFを凌ぐ。幻の大伝奇ロマン、本邦初訳。(講談社文庫)
  • 死者は黄泉が得る
    4.0
    連続殺人事件と洋館の住人には関係が? 死者を甦らせる装置のある館。そこに住む生ける屍には記憶がない。死者を甦らせる装置のある謎の館。そこには生ける屍と化した女性達が、生前の記憶を一切失ったまま、仲間を増やしながら生活していた。その隣町では、美女を巡る不可解な連続殺人が……。犯人のねらいは? そして事件と生ける屍たちの関係は? 意外なラストは他言無用、奇手妙手を尽くした西澤流本格推理。(講談社文庫)
  • 星封陣
    4.0
    東北の一村がいま奇怪な勢力に狙われる! 古代、蘇我氏に敗れた物部氏一族が東北にとてつもない秘宝を封じ込んだという。それを守る物部の末裔に対し、秘宝奪取に権力と暴力を使える巨大組織が襲いかかる。村人の主緋星幸丸(あかぼしさいわいまる)は自分が秘宝の鍵を握ると自覚、仲間と共に絶望的戦闘に決起する! 伝奇超大作。(講談社文庫)
  • うなドン 南の楽園にょろり旅
    4.0
    世界的発見をしたのは、こんな「うなぎバカ」たちだった!東大研究チームのサバイバル・うなぎ採集旅行記遺伝子解析のために収集した標本は、全種制覇まであと一種類。そこへ、ドイツと台湾の研究チームも標本を集め始めたとの緊急情報。先を越されれば成果はゼロだ。慌てて飛び込んだタヒチで待っていたものは!「史上初! 卵みつけた」 ――研究員が綴る熱い冒険譚
  • オルファクトグラム(上下合本)
    4.0
    姉を殺害した犯人に、事件現場で襲撃された片桐稔。その後遺症から通常の“匂い”を失い、イヌ並みの嗅覚をもつことになる……。まったく違う世界に戸惑いながらも、失踪したバンド仲間を、嗅覚を頼りに捜し求めてゆく。新たな能力を駆使することで、姉の仇を討てるのか?新感覚の大長編異次元ミステリー。
  • 非合法員
    4.0
    神代恒彦(かみしろつねひこ)はメキシコ保安局の依頼で、ユカタン半島に潜む反体制派指導者4人を抹殺したが、任務終了後、相棒のベトナム人に報酬を持ち逃げされてしまう。その男グエンを追ってメキシコからカリフォルニアへ追跡の旅を続ける神代をロスで待っていたのは非情な組織の掟だった。船戸ハードボイルドの処女長篇。(講談社文庫)
  • 魔法使いの弟子たち(上下合本)
    4.0
    山梨県内で発生した致死率百パーセント近い新興感染症。週刊誌記者の仲屋京介は取材中に感染してしまう。感染者は400名以上に膨れ上がり、死者も続出。結果、“竜脳炎”感染者で、意識が戻ったのは京介を含めた三名だけだった。三人は身に着けていた不思議な「後遺症」はマスコミの注目を集め、テレビ収録中に謎の死者が出る。容疑者となった彼らは、己の能力に「最強」の特殊な力が加わっていることを知る。驚愕の終末へ!
  • 卒業写真(『霞町物語』講談社文庫所収)
    4.0
    大学受験を目前にしながら飲んだくれた翌朝、僕とキーチと良次の卒業写真を撮ると祖父が言い出した。震える膝と、節立った両掌、その体に写真を撮る力はもう残っていないはずなのに――。それは、僕らの青春の千分の一秒をなによりも正確にきりとった、奇跡のような写真だった。
  • 江田島殺人事件
    4.0
    江田島の主峰・古鷹山が炎上し、短剣を腹部に突きたてた不審な焼死体が発見された。そして10年――。帝国海軍の象徴・東郷元帥の盗まれた短剣の行方を追って浅見光彦が江田島へ。奇しくもその日、発見された短剣で男が「自殺」した。3つの短剣に秘められた戦後40余年の繁栄に酔いしれる日本の悲劇とは!? (講談社文庫)
  • パソコン探偵の名推理
    4.0
    名門=現代学園のハテナクラブが生み出したお化けパソコン「ゼニガタ」。口の悪さと計算力、それと正しい文字が1度でディスプレイに出ないのが悩みの迷短低、いや名探偵。私立探偵事務所の初潮、じゃなくて所長の鴨田英作ともども難事件をビットビットとなで切っていく快刀乱麻は、笑い死なぬよう要注意! (講談社文庫)
  • 柳生大作戦(上)
    4.0
    石田三成の正体は、朝鮮の古代国家・百済(ペクチェ)の流れを汲む、近江百済党の首領であった。百済再興を謀(はか)り、魔人と化した三成。これを阻まんと、剣客・柳生石舟斎ら大和柳生一族が立ち上がる。唐王朝、古代朝鮮、大和朝廷の動乱から関ヶ原の戦いまで、千年の死闘を大胆な歴史解釈と奇抜な着想で描いた伝奇大作! (講談社文庫)
  • 走れUMI
    4.0
    かつて捕鯨で栄えた、入り江の奥の小さな港町。僕は母さんの実家のミカン山で暮らすことになり、生まれ育ったこの町を離れた。一年後の夏、僕は父さんとジイチャン、後ろ足を失くした犬のコロが暮らす故郷を目指して、ひとり相棒のマウンテンバイクUMIのペダルを漕ぎ出す。小学館児童出版文化賞受賞作。(講談社文庫)
  • 山形新幹線「つばさ」殺人事件
    4.0
    山形新幹線「つばさ」で東北ヘ向かった若い女性が次々と蒸発した。囮として、単身「つばさ」に乗り込んだ北条早苗刑事に近づく謎の男・平沼。しかし、平沼は仙山線の踏切で列車と衝突して死亡。運転していた車からは若い女性の右足が見つかった。県警が平沼犯人説に傾くなか、十津川警部は独自の推理を展開する! (講談社文庫)
  • 鏡の中は日曜日
    4.0
    梵貝荘(ぼんばいそう)と呼ばれる法螺貝(ほらがい)様の異形の館。マラルメを研究する館の主・瑞門龍司郎(ずいもんりゅうしろう)が主催する「火曜会」の夜、奇妙な殺人事件が発生する。事件は、名探偵の活躍により解決するが、年を経た後、再調査が現代の名探偵・石動戯作に持ち込まれる。時間を超え交錯する謎。まさに完璧な本格ミステリ。続編「樒(しきみ)/榁(むろ)」を同時収録。(講談社文庫)
  • 美濃牛
    4.0
    病を癒す力を持つ「奇跡の泉」があるという亀恩洞(きおんどう)は、別名を〈鬼隠れの穴〉といい、高賀童子(こうがどうじ)という牛鬼が棲むと伝えられていた。運命の夜、その鍾乳洞前で発見された無惨な遺体は、やがて起こる惨劇の始まりに過ぎなかった。古今東西の物語の意匠と作家へのオマージュが散りばめられた、精密で豊潤な傑作推理小説。(講談社文庫)
  • 隠密拝命 八丁堀手控え帖
    値引きあり
    4.0
    春うららの鎌倉河岸。隠密廻り同心高村新三郎が死体で発見された。本所見廻りの深見十兵衛は、遠山奉行から後任に抜擢される。定町廻りと違い、単独行の多い隠密廻り同心。高村は誰に狙われたのか。恩人高村の岡っ引きらを譲り受けた無外流の“ぶらり十兵衛”は、先輩同心の無念を晴らせるか。熱き心で切れ味あざやか、傑作捕物帖! (講談社文庫)
  • デッドボール
    4.0
    仕事なし、彼女なし、借金あり。とにかくツイてない。律儀なことが唯一の取り柄。そんなノボルに持ちかけられたのは、絶対に失敗するはずのない完全誘拐計画。その報酬は一千万円。人生を立て直すためのたった一度の犯罪。そう誓って受けたこの仕事。だが彼は、身に覚えのない事件の殺人犯になっていた。(講談社文庫)
  • 書物法廷
    4.0
    世界の米海軍基地を標的にした同時多発テロを未然に防ぎ、冷戦時代に行方不明となった水爆のありかを示す。一冊の書物が持つ恐るべき力を知り尽くし、いかなる困難な依頼をも達成してきた書物狩人ユーイチ・ナカライ。だが、無敵を誇るル・シャスールの前に、ついに強大な宿敵が現れる。シリーズ第3弾! (講談社文庫)
  • 書物迷宮
    4.0
    世に出れば歴史の真相を覆しかねない本を、合法非合法を問わずあらゆる手段で入手するプロフェッショナル、“書物狩人(ル・シャスール)”。スペイン内戦末期に出版された、ロルカの幻の詩集獲得のためグラナダ地方を訪れたル・シャスールは、依頼人である老婦人を前に、この本に隠された驚くべき秘密を語り出す。シリーズ第二弾! (講談社文庫)
  • 箱庭
    4.0
    セピアに色褪せた写真のセーラー服の2人の少女。義姉・和子宛に届いた封筒にあるのはその一葉と謎めいた脅迫の言葉。相談をうけた浅見光彦は益田の消印を手がかりに独自の捜査を始めるが安芸の宮島と岩国で発見された2つの死体に、謎の手紙とを結ぶ糸を直観するのだった。(講談社文庫)
  • 被取締役新入社員
    4.0
    ダメ男・鈴木信男はたまたま試験を受けた一流広告会社になぜか採用される。彼に与えられた使命は、他の社員の軽蔑を一身に浴び、社内ストレスの“はけ口”となること。表向きは新入社員、実は役員待遇の「被取締役(とりしまられやく)」。信男は天性のダメ人間ぶりを発揮し、「ひとりいじめられっこ政策」は成功を収めたかに見えたのが……。森山未來主演でドラマ化! 1403作品の頂点に選ばれた、ドラマ原作大賞受賞作。
  • ああ、禁煙vs.喫煙
    値引きあり
    4.0
    店内の喫煙。嫌がる禁煙者。しかし喫煙者は悪者ではなかった? なんでもかんでも「いただく」ってのは丁寧な表現なのか? 「無差別殺人」って実は「差別殺人」ではないか?なんとなく「あたりまえ」とされる事も、大きな勘違いってこともある! 超然的な記憶力を保持する著者による、クリアで笑えるエッセイ。頑固な思い込みで凝り固まった頭を柔らかくする! (講談社文庫)
  • ドキュメント 太平洋戦争全史(上)
    4.0
    真珠湾奇襲から終戦の大詔まで、1347日間にわたった先の戦争。講談社ノンフィクション受賞作家が、ライフワークとして積み重ねた戦場体験者たちへの聞き取り調査をもとに、太平洋戦争全体を見わたす通史を著した。著者が出会った戦場体験者は、提督・将官・兵士を合わせて計300人超。その貴重な肉声から、戦場で何が起きていたのかはもとより、死力を尽くして闘った日本人の「魂」の真実を描く。作戦解説47図を収録。
  • 放射能に抗う 〈福島の農業再生に懸ける男たち〉
    4.0
    世界一うまい米作りを目指して、革新を続けてきた福島の農業集団「ジェイラップ」。しかし、福島原発事故以降、彼らが闘う相手は、目に見えない放射能と、世間からの偏見に変わった。絶望から立ち直れるか? 大宅賞作家、10年に及ぶ取材の集大成!『それでも、世界一うまい米を作る』を全面改稿して改題。(講談社文庫)
  • 地のはてから(上)
    4.0
    凍てつくオホーツク海に突き出し、人も寄せ付けぬ原生林に覆われた極寒の地・知床。アイヌ語で「地のはて」と呼ばれたこの地に最後の夢を託し、追われるようにやってきた開拓民の少女。物心ついたときにはここで暮らしていたとわは、たくましく生きる。今日から明日へ、ただ生き抜くことがすべてだった。中央公論文芸賞受賞。(講談社文庫)
  • 真説忠臣蔵
    4.0
    吉良邸で討死した鳥居理右衛門の首級(しるし)が消えた。その顔が、能舞台で「翁」を舞う将軍綱吉の面(おもて)に貼りついた――(「死面皮」)。周到な内蔵助の密命で後備えとして脱盟者に甘んじた高田郡兵衛らは、汚名にまみれた後半生を送っていたが――(「不義士の荊門」)。雪舞う夜を血に染め、士道を貫く赤穂浪士と主を護る吉良の家臣の凄絶な攻防。誉れある義士になれなかった者たちの栄光なき使命を描く第二の忠臣蔵。
  • 小説 日本興業銀行(1)
    4.0
    1~5巻586~607円 (税込)
    産業金融の雄、日本興業銀行が辿った波乱万丈のドラマを描く。戦後の日本経済界を彩る幾多の人材を輩出し、日銀特融をはじめ、さまざまな危機の局面にあって、回避にむけての打開策を全力でとってきたトップ銀行。その実像を、豊かな構想力と綿密な取材の下に、実名で活写する。
  • ヴァイブレータ 新装版
    4.0
    ヴァイブレータ――振動するもの。あたしの中身は震えつづけている。アルコールと食べ吐きで辛うじて自分を支えているライターのあたしは、コンビニで知り合った男のトラックに乗りこみ、航路の道連れとなる。肌の温もりとセックス、重ね合う言葉。四日間の「旅」を描く、痛いほどに切実な、再生の物語。『東京プリズン』で母と娘の物語を完成させた赤坂真理の代表作。映画も多くの賞を受賞。(講談社文庫)
  • 新装版 ムーミン谷の十一月
    4.0
    ものさびしい気配がおしよせる十一月。ムーミン一家に会いたくて集まってくる人たちがいました。ムーミンママになぐさめられたいホムサ、ひとりでいるのがこわいフィリフヨンカ、自分以外のなにかになりたいヘムレン、妹のミイに会いきたミムラねえさん、なにもかも忘れたスクルッタおじさん、五つの音色をさがすスナフキン。ムーミン一家のもどりを待ちながら、奇妙な共同生活がはじまります。「ムーミン」シリーズ最終巻!
  • 新装版 ムーミン谷の仲間たち
    4.0
    ムーミンシリーズ唯一の短編集。/スナフキンが「はい虫」に名前をつける話/ちびのミイがホムサをぺてんにかける、ちょっとこわい話/ムーミントロールが小さい竜をつかまえる話/いじめられて、すがたが見えなくなってしまったニンニのお話/ムーミンパパがニョロニョロと旅に出る話/よくばりスニフがだいじな犬を手放すお話/「クリスマス」というものがやってくるので、大騒ぎで準備するムーミン一家のお話他全9話。
  • 新装版 ムーミンパパの思い出
    4.0
    みなし子だったムーミンパパが、ムーミンママと出会うまでの大冒険をみずからつづった『思い出の記』。ユーモラスな竜と戦ったり、あらしでたどりついた島でゆかいな王さまと出会ったり、おばけと同居したり、深海にもぐったり……。ムーミンパパの親友である、スニフとスナフキンの父親、ロッドユールとヨクサルも登場。みんなが集うすばらしいラストシーンは、何度も読み直したくなってしまいます!  シリーズ第4作。
  • ロバに耳打ち
    値引きあり
    4.0
    昨日、酒を一升飲んでしまった。ぶ厚いイカの一夜干しが「お酒がほしいよう」とおれの左腕を引っ張るのだから、仕方ない。「記憶の中島」と呼ばれた異常な記憶力のおれも、今では昼に喰った飯すら忘れる。両親のこと、幼少期のこと。ゆる~い中に懐かしい匂いがする、らもエッセイ。(講談社文庫)
  • ふふふふ
    4.0
    繰り返される戦争やテロ、政治家の失言、脅かされる平和憲法、ないがしろにされる農業……。いつの間にやら窮屈になった世の中を、時には嘆き、おおいに憤慨しつつ、それでも真剣に愛し、格闘してきた著者が遺した言葉の数々。ユーモアと、定評のある観察眼が随所に光る、今こそ読みたい徒然の身辺雑記第二弾。(講談社文庫)
  • 遍路みち
    値引きあり
    4.0
    夫・吉村昭氏の死後、氏に関連する来客や電話の応対に明け暮れた日々。三年が過ぎ、再び筆を執った著者が身辺のことを綴った小説集。長年過ごした自宅を建て替え、独り誰も知る人のいない温泉地に滞在する。けれど何をしても感じているのは、夫の気配と思い出だった。(講談社文庫)
  • 大江戸遊仙記
    値引きあり
    4.0
    隅田川の川面に吹く心地よい春の風。船にゆられて墨提のお花見を満喫した後は深川で牡丹、谷中で螢を愛でる。せわしない現代の東京から、一気に160年前の江戸の町にタイムスリップ(転時)した中年男と意気で気風(きっぷ)のいい芸者の大江戸遊覧紀行。綿密な考証で江戸に遊び、江戸に学ぶ「大江戸シリーズ」第3弾。(講談社文庫)
  • 大江戸えころじー事情
    値引きあり
    4.0
    江戸時代に生きてきた先祖は、未舗装の道路を空調機代わりにしていたり、着古したゆかたを、おむつまで使い尽くしたりと、身の回りのものを有効利用していた。石油や自動車を使う現代人は、楽な生活を手にした。が、果たしてこのまま科学が発達しさえすればいいのか。物質社会のいまだからこそ、必読の書。(講談社文庫)
  • 大江戸省エネ事情
    値引きあり
    4.0
    現代人が1日1人当たり約10万キロカロリーも消費している化石燃料は地球温暖化の最大要因となっている。ひるがえって江戸時代は、ほぼ太陽エネルギーしか使わずに高度な産業と文化を築き上げていた。究極の「省エネ社会」を実現した合理的な知恵の数々を、江戸研究の第一人者が豊富な図版と共に解説。(講談社文庫)
  • ニッポンのサイズ 身体ではかる尺貫法
    値引きあり
    4.0
    手のひらのサイズを元にした「尺」、米の消費量を元にした「石」など、現代ではなじみが薄くなった尺貫法も、実は身体のパーツを元に作られた合理的な単位だった。江戸庶民の生活に根ざした単位をめぐる合理的な暮らしのヒントが満載! 豊富な図版と、便利な換算表を収めた、おなじみ江戸博士のサイズ解釈便利帳。(講談社文庫)
  • 蛮骨の剣
    値引きあり
    4.0
    〈亡者甦り、門戸を叩く。是、大凶変の前触れなり〉。謎の触状を残し、残忍な手口で火付け、押し込み、辻斬りを繰り返す“閻魔党”の出現に、江戸の安寧を陰で支える蓮見宗二郎ら始末人が立ち上がる。庶民を恐怖に陥れる、彼らの真の狙いは何か? 渋沢念流宗二郎と実貫流老剣客の勝負の行方は? 傑作時代長編! (講談社文庫)
  • 鱗光の剣
    値引きあり
    4.0
    江戸・深川の町で、人知れずもめ事を闇を葬る男たち。その“始末人”の1人が全裸で殺された。裏稼業の覇権を狙う男たちと繰り拡げられる凄絶な闘い。謎の一味の正体は何か。渋沢念流の達人・蓮見宗二郎の刃が妖しくきらめき、人斬り忠左の「追切りの太刀」と火花を散らす。(講談社文庫)
  • あした天気にしておくれ
    4.0
    なぜか江戸川乱歩賞を落選した、競馬界を舞台にしたミステリの最高傑作。北海道で3億2千万円のサラブレッド「セシア」が盗まれた。脅迫状が届き、「我々はセシアを誘拐した」で始まる文面は、身代金として2億円を要求してきていた。衆人環視のなかで、思いもかけぬ見事な方法で大金が奪われる。犯人たちの「裏の意図」とは。そして、「裏の裏」の出来事が! 『焦茶色のパステル』の前年に江戸川乱歩賞に応募、刊行はデビューの翌年1983年に刊行となった。(講談社文庫)
  • ちゃんちゃら
    値引きあり
    4.0
    江戸・千駄木町の庭師一家「植辰」で修行中の元浮浪児・ちゃら。酒好きだが腕も気風もいい親方の辰蔵に仕込まれて、山猫のようだったちゃらも、一人前の職人に育ちつつあった。しかし、ある日を境に、一心に作庭に励んでいた一家に、とんでもない厄介事が降りかかる。青空の下、緑の風に吹かれるような、爽快時代小説! (講談社文庫)
  • ドーン
    4.0
    人類初の火星探査に成功し、一躍英雄(ヒーロー)となった宇宙飛行士・佐野明日人(さのあすと)。しかし、闇に葬られたはずの火星での“出来事”がアメリカ大統領選挙を揺るがすスキャンダルに。さまざまな矛盾をかかえて突き進む世界に「分人(デイヴイジユアル)」という概念を提唱し、人間の真の希望を問う感動長編。Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。(講談社文庫)
  • 風来の剣
    値引きあり
    4.0
    料理屋の女将(おかみ)が襲われ、奉公人が殺された。同じ頃、材木問屋の主が川で謎の転落死を遂げる。事件を追う蓮見宗二郎ら始末人だが、魔手は始末屋の元締・文蔵にまで伸びる! 陰に見え隠れする謎の老武士は何者か?  宗二郎の秘剣“鱗返し”を突き崩す“風来の剣”とは? 始末人に最大の危機が迫る! (講談社文庫)
  • 吉田茂 ポピュリズムに背を向けて(上)
    4.0
    ワンマン宰相と呼ばれ、占領からの早期独立を果たした吉田茂。戦前、外交官だった彼は、ヒトラー、ムッソリーニと手を結ぶ三国軍事同盟に強く反対。最後まで開戦を回避しようと努力する。さらに、戦争中も早期終戦に奔走するが、反東条派と睨まれた彼は、スパイを送り込まれ、ついに憲兵に逮捕されてしまう。(講談社文庫)
  • 死ねばいいのに
    4.0
    死んだ女のことを教えてくれないか。三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美。突如現れた無礼な男が、彼女のことを私に尋ねる。私は彼女の何を知っていたというのだろう。交わらない会話の先に浮かび上がるのは、人とは思えぬほどの心の昏(くら)がり。極上のベストセラー。(講談社文庫)
  • 青銅の悲劇(上) 瀕死の王
    4.0
    1~2巻869~974円 (税込)
    天皇の容態悪化が伝えられる一九八八年、東京郊外頼拓(よりつ)市に近い媛神(ひめがみ)湖畔に滞在中の小説家、宗像冬樹は北澤雨香(うか)の別荘でナディア・モガール、鷹見澤緑と出会う。その頃、頼拓市の旧家、鷹見澤家では奇妙な事件が続けて起きていた。(講談社文庫)
  • 笑う花魁 結わえ師・紋重郎始末記
    4.0
    菊花結び、鶴結び、宝珠結びに五行結び――。あらゆる“結び”から超人的捕縛術までを操る、漢部紋重郎(あやべもんじゅうろう)は、江戸の花街・吉原で仕事をする結師(ゆわえし)である。ある日、金持の座興で花魁を縛るという依頼を受けた紋重郎は、特注の組紐を手に場に臨む。意外な事の成りゆきと、あらゆるものを結び、解く、神業が連続する痛快書下ろし長編時代小説!   (講談社文庫)
  • 円朝芝居噺 夫婦幽霊
    値引きあり
    4.0
    ある文学者の遺品から見つかった奇妙な暗号文。明治期に隆盛した田鎖式速記で書かれた暗号を解読すると、そこに書かれていたのは江戸時代の噺家、名人・三遊亭円朝、幻の落語だった!?  安政の大地震以前、江戸城から盗まれた四千両、その金に絡む色と欲。円朝よりも円朝らしい噺には、もうひとつ大きな噺が隠されていた……。磨き上げられた文章で円朝の怪談噺を蘇らせた手練れの一作。(講談社文庫)
  • 黙秘
    値引きあり
    4.0
    釧館ユニバーサルホテルで起きた殺人事件。犯人の女は、自ら「人を刺しました。救急車をお願いします」とフロントに電話をかけてきた。駆けつけたホテルマンは、絶命した男性を発見する。警察に連行された女は、札幌に住む主婦であった。住所・氏名を明かしたのち、黙秘を貫く被疑者は、なにを守ろうとしているのか。彼女を殺人罪で起訴した検事・森島が、真相に迫る。法廷を舞台にした傑作ミステリ。(講談社文庫)
  • ナナフシの恋~Mimetic Girl~
    4.0
    一学期の終業式、彼女は教室から飛び降り自殺を図った。夏休みが終わろうとするある日、親友の沙耶は一通のメールを受け取る。それは意識不明のはずの彼女から届いたメッセージだった。「明日の昼1時、私たちの新しい教室で待ってます」。集められたのは6人のクラスメイト。誰があたしたちを呼びだした? (講談社文庫)
  • 煙か土か食い物
    4.0
    腕利きの救命外科医・奈津川四郎に凶報が届く。連続主婦殴打生き埋め事件の被害者におふくろが? ヘイヘイヘイ、復讐は俺に任せろマザファッカー! 故郷に戻った四郎を待つ血と暴力に彩られた凄絶なドラマ。破格の物語世界とスピード感あふれる文体で著者が衝撃デビューを飾った第19回メフィスト賞受賞作。(講談社文庫)
  • おひとりさま、犬をかう
    値引きあり
    4.0
    「犬をかいたい」幼い頃の夢を30代で叶えてから十数年。子犬の育児に悪戦苦闘。湘南への移住と犬との暮らしで変わった人生。犬が教えてくれたこと。幸せな別れと次への一歩……。覚悟さえあれば手に入る“イヌ充ライフ”をユーモアたっぷりに描いた「独身・家持ち・40代」少女漫画家の赤裸々エッセイ。<文庫書下ろし> (講談社文庫)
  • 新装版 瞬間移動死体
    4.0
    妻に苛められることで愛を確認するヒモも同然の婿養子。何を言われても耐えられたが、どうしても許すことの出来ない一言を妻は口にしてしまう。愛は憎悪に変わり、男は自分の「ある能力」を駆使した殺人計画を練る。だが、事態はまったく予期せぬ展開を見せる――。『七回死んだ男』『人格転移の殺人』と並ぶ、西澤ミステリの傑作が新装版になって登場!(講談社文庫)
  • 子どもたちは夜と遊ぶ(上)
    4.0
    1~2巻825~880円 (税込)
    始まりは、海外留学をかけた論文コンクール。幻の学生、『i』の登場だった。大学受験間近の高校3年生が行方不明になった。家出か事件か。世間が騒ぐ中、木村浅葱だけはその真相を知っていた。「『i』はとてもうまくやった。さあ、次は、俺の番――」。姿の見えない『i』に会うために、ゲームを始める浅葱。孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は、さらなる悲劇を呼んでいく。(講談社文庫)
  • 40 翼ふたたび
    値引きあり
    4.0
    人生の半分が終わってしまった。それも、いいほうの半分が。会社を辞めて、投げやりにプロデュース業を始めた喜一・40歳の元を訪れる、40代の依頼人たち。凋落したIT企業社長、やりての銀行マン、引きこもり……。生きることの困難とその先にある希望を見つめて、著者が初めて同世代を描いた感動長編。(講談社文庫)
  • 新装版 一絃の琴
    4.0
    直木賞受賞作。土佐藩の上士の娘・苗は、祖母・袖の嗜みであった一絃琴を5歳の時に初めて聴き、その深い音色に魅せられた。運命の師有伯と死別した後、結婚生活で一度は封印したものの、夫の理解を得て市橋塾を始め、隆盛を極めた。その弟子となった蘭子は苗との確執の果て、一絃琴の伝統を昭和に伝える(講談社文庫)。
  • ソフトタッチ・オペレーション 神麻嗣子の超能力事件簿
    4.0
    拉致女性が密閉空間にテレポートしてくる奇怪な監禁事件、男の手料理が招く連続怪死、辻褄があわないことだらけの豪邸内の殺人事件ほか5つの不思議な超常事件を、おなじみ神麻嗣子(かんおみつぎこ)、神余響子(かなまりきょうこ)、保科匡緒(ほしなまさお)が、異常な動機の犯罪を論理で解き明かす。華麗な「論理の神業」が続出の<チョーモンイン>シリーズ。(講談社文庫)
  • 夢幻巡礼 神麻嗣子の超能力事件簿
    4.0
    人を殺すことが、こんなにも、おもしろいとは思ってもみなかった――。能解(のけ)警部の部下・奈蔵渉(なぐらしょう)は警察官でありながら、連続殺人鬼。自己の狂気を冷徹に見つめながら犯行を続ける奈蔵の、究極の目標は誰なのか? 複雑巧緻なトリックをちりばめた驚愕のサイコミステリ。大人気の「神麻嗣子(かんおみつぎこ)シリーズ」番外編。(講談社文庫)
  • 刑事長 殉職
    4.0
    クレジットカード偽造、麻薬取引、密入国手引きなど、活動を拡げるアジアマフィアを摘発する端緒を、若手刑事川喜多良一がつかんだ。“春団治刑事長(デカチョウ)”岩切鍛治を尊敬する彼は、社会的影響の重大さを怖れる府警上層部をよそに単独捜査を開始した。職務遂行と在職死。警察小説最大のテーマに挑む本格推理長編。(講談社文庫)
  • 刑事長
    4.0
    春団治と仇名され通称“ダンさん”。大阪府警御堂筋署の岩切鍛治は、上司にも平気で噛みつくベテラン刑事だ。市内で起きた婦女暴行殺人の決着に不審を覚えた彼は、独り地を這うような捜査を開始する。事件の背後に蠢く巨大な陰謀とは? 悪に挑む下積み捜査員の執念と無私の活躍を描く正統派警察小説の白眉(講談社文庫)。
  • 新装版 懲戒解雇
    4.0
    旧財閥系の合繊大手トーヨー化成で中堅の筆頭株と自他共に認める森雄造は、常務の川井が主張する拡大強硬路線を批判した。その後、川井の不正を指弾する投書が社長宛に届く。森の仕業だと勝手に決めつけた川井は、手下に彼の粗探しを命じ懲戒解雇に追い込もうとするが……。勇気あふれる企業小説の傑作。(講談社文庫)
  • キッド
    4.0
    きっかけは近所の煙草屋の少女からのSOS。ちっぽけなビリヤード場を経営する二十歳の兄(アン)ちゃんが出向いてみると死体が一つ。その死体を巡って事態は命を懸けた戦いへと発展してゆく。放火、リフォーム詐欺、死体遺棄、誘拐!? 恐るべき小僧が過剰な人助けに奔走する痛快・疾走エンターテインメント登場! (講談社文庫)
  • トレイシー 日本兵捕虜秘密尋問所
    4.0
    得体の知れない敵国、日本を丸裸にするため、アメリカはすさまじい執念とエネルギーを費やし極秘に捕虜尋問センターを準備した。暗号名はトレイシー。日本人の国民性、心理、戦術、思想、都市の詳細などについて捕虜たちが提供した情報が、やがて日本の命運に大きくかかわってくる。講談社ノンフィクション賞受賞作。(講談社文庫)
  • 英国太平記
    4.0
    「栄光のためでなく、富のためでなく、名誉のためでもない。ただ自由のためにのみ我々は戦う」。のちにアメリカ独立、フランス革命の礎となったその宣言は、隣の強国イングランドに迫害されながらも粘り強く戦いぬいたスコットランドの名もなき人々の魂の叫びだった。中世英国を描ききった一大歴史叙事詩。(講談社文庫)
  • にぎやかな天地(上)
    4.0
    1~2巻880~902円 (税込)
    熟鮓、醤油、鰹節といった日本の伝統的な発酵食品を後世に残す豪華限定本を作ってほしい――。謎の老人松葉伊志郎から依頼を受けた船木聖司は、早速祖母の死とともに消えていた糠床を蘇らせる。その後、料理研究家の丸山澄男の協力で日本各地の職人を訪ねるうちに、微生物の精妙な営みに心惹かれていく。(講談社文庫)
  • 虚夢
    4.0
    通り魔事件によって娘の命は奪われた。だが犯人は「心神喪失」状態であったとされ、罪に問われることはなかった。心に大きな傷を負った男は妻とも別れてしまう。そして事件から4年、元妻から突然、「あの男」を街で見たと告げられる。娘を殺めた男に近づこうとするが……。人の心の脆さと強さに踏み込んだ感動作。 (講談社文庫)
  • 四季 春 Green Spring
    4.0
    科学者・真賀田四季。幼くして発現する、真の天才。圧倒的人気のカリスマ、真賀田四季の物語、第1弾。天才科学者・真賀田四季(まがたしき)。彼女は5歳になるまでに語学を、6歳には数学と物理をマスタ、一流のエンジニアになった。すべてを一瞬にして理解し、把握し、思考するその能力に人々は魅了される。あらゆる概念にとらわれぬ知性が遭遇した殺人事件は、彼女にどんな影響を与えたのか。圧倒的人気の4部作、第1弾。
  • 乙武レポート’03版
    4.0
    「ぜひ一緒に仕事をしたい」TVプロデューサーの一言から、新たな挑戦は始まった。反響を呼んだイジメ・不登校生徒との出会いと再会、スタッフとの絆が深まった京都やアメリカでのバリアフリー視察、荒天の沖縄で決行したスキューバでの海底遺跡取材……サブキャスターとして奮闘した感動の記録、増補版。
  • 魍魎の匣(1)【電子百鬼夜行】
    4.0
    1~3巻660~743円 (税込)
    日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ。「加菜子を――死なせはしません」。被害者の姉はきっぱりと言った。その言葉が刑事・木場修太郎を異形の研究所へと導く。中央線武蔵小金井駅で発生した美少女転落事故と連続バラバラ殺人事件に接点はあるのか? 研究所長の美馬坂とは何者か? 深まる謎をよそに加菜子は衆人環視のなか忽然と姿を消した! 百鬼夜行シリーズ第2作。
  • 空港 25時間
    4.0
    パイロット、パーサーなどの飛行機の乗務員だけが飛行機を飛ばすのではない。空港カウンター、貨物の搭載、機内クリーニング、整備、運航管理、航空管制、税関など、空港で働く人々が携わる仕事のすべてを取材。彼らの語る自分の仕事内容と、安全に飛ばす誇りから、飛行機は誰が飛ばしているのかを描く。※本書は1996年1月、草思社より刊行された「大空港25時」を改題し、加筆・訂正したものです。
  • 知恵伊豆と呼ばれた男 老中松平信綱の生涯
    値引きあり
    4.0
    徳川三代、秀忠、家光、家綱に仕え、抜群の危機管理能力で徳川長期政権の礎を築いた男、松平伊豆守信綱。天草・島原の乱、明暦の大火、由井正雪の乱など戦国の気風の残る徳川黎明期は平穏にはほど遠く、文治政治への大転換期だった。野火止用水開削にも名を残す“知恵伊豆”と呼ばれた名政治家の謎を解き明かす。
  • 五体不満足 完全版
    4.0
    現在(いま)の思いを加筆した、感動の大ベストセラー! 「障害は不便です。だけど不幸ではありません」喧嘩にスポーツ、課外活動。大勢の仲間に囲まれて、明るく楽しい"オトちゃん"の物語は、生きる勇気を与えてくれる。日本中にセンセーションを巻き起こした感動のベストセラー。単行本刊行以降、多くの苦悩と喜びを経験した著者が"現在"の心境を加筆した完全版。
  • 医療大崩壊
    4.0
    医療現場はいま大混乱だ。OECDの調べで医師数が不足していることは明らかなのに、政府が放置したため、救急患者のたらい回し、お産難民、医療ミス……次々に問題が顕在化したのだ。医師の問題、制度の問題、そして患者の問題を考えることにより、患者ができる防衛策、病院選びを考察する。
  • お狂言師歌吉うきよ暦
    4.0
    路考お粂と謳われた水木歌仙の下で踊りの稽古に励むお吉。十三で「歌吉」の名をいただいて五年、ようやく大名家の奥向きで踊りを披露するお狂言師の一座に加えてもらえることになった矢先、嫉妬した相弟子に小鋸で頬に一生消えない傷をつけられる。そんな折、公儀の隠密より姉弟子を探れという密命が……。
  • 女形
    4.0
    歌舞伎の名門茗荷屋の松之助が京都公演中に突如苦悶し、変死した。同夜、東京の舞台でも大旦那松次郎が蜂に刺されショック死する。名優父子はなぜ同時に死なねばならなかったのか?大部屋役者の堀内すみれは事件を追う。名門をとりまく凄絶なる愛憎劇か?乱歩賞作家が挑む、驚きに満ちた歌舞伎ミステリー!!
  • 作家の値段
    4.0
    初版か再版か、帯や函は残っているか、美麗か、もちろん作家の人気も――さまざまな条件で古本の価値は大きく変わる。街場の古本屋は知っているのだ。本当に残るべき文学、消えていく文学とは何なのかを。読書好きのためにホンネで書ききった、「本邦初、読んで損はない、どころか読めば儲かる実益作家論」。
  • 小説 盛田昭夫学校(上)
    4.0
    世界が認めた名経営者盛田昭夫。町工場だった東京通信工業を皮切りに、テープレコーダー、トランジスタラジオなど常に時代の先頭を走り続け、ソニーを世界ブランドに成長させたその手腕。製品開発、アメリカ進出、商標裁判……笑顔で壁を次々に越えていく盛田の隣には、居並ぶ一騎当千の強者たちがいた。
  • わが坐禅修行記
    4.0
    全国各地の禅堂を訪ね歩き、自ら坐禅修行に就いて、自己を探る体験記。総持寺、永平寺、青苔寺などに参禅して、苦行のなかから自由・無・宇宙の真髄を把えなおす。すべての先入観を捨てて、即実践から新しい自己解放をなしとげようとした、貴重な記録がここにある。正直な参禅の告白に誰もが感動を覚える。
  • 京都・沖縄殺人事件
    4.0
    推理作家でニュースキャスターの沢木麻沙子のもとに、深夜、大学時代の友人野上恵子から電話が入る。彼女は恋に悩み沖縄へ不倫旅行をすると打ち明けた。特集番組の取材に那覇へ出かけた麻沙子は海岸で恵子の死体が発見されたと知らされる。許されぬ愛に隠された恐るべき事件の真相とは? 傑作長編推理。
  • ルイズ 父に貰いし名は
    4.0
    虐殺された大杉栄、伊藤野枝の遺児の青春と自立を追う。「主義者の子」という重い十字架を背負いながら、1人の女として自己を確立していく軌跡を、克明な取材で綴った感動の記録。単なる人間ドラマで終わらない、昭和という時代を明らかにする生きた証言がある。第4回講談社ノンフィクション賞受賞作!
  • 似せ者
    値引きあり
    4.0
    「似せ者とわかっていながら、なぜこんなにも心が騒ぐのだろうか」。時は江戸。歌舞伎芝居の名優のそっくりさんが二代目を名乗り、人々は熱狂して迎えるが……。表題作のほか、若い役者二人の微妙な関係を描く『狛犬』、お仕打が東奔西走する『鶴亀』、幕末混乱期の悲恋をめぐる『心残して』の全4編を収録。
  • 初恋よ、さよならのキスをしよう
    4.0
    柚木草平は元刑事でルポライター、別居中の妻とのあいだに小学生の娘が一人、時には探偵の依頼もこなす。不思議といい女に縁がある。ある日草平は、スキー場で高校時代の初恋の人、卯月実可子(みかこ)に出くわす。そして……、実可子の姪・佳衣(けい)が、草平に実可子の謎にみちた死を告げた……。人気の柚木シリーズ第2弾。
  • 夢幻地獄四十八景
    4.0
    バスの中で老人が隣席の若い男に話しかける――わたしは遠くで話す人間の唇が読めますが、この前も男女が心中の相談をしているので警察に知らせたところ、男女は俳優でした、芝居の稽古なのですよ、うっかり信じこめませんな、ですから今し方見た恐るべき相談も本当かどうか……。いろは48文字をタイトルに、才気溢れるショートショート集。
  • 秘伝
    4.0
    巨魚に挑む男たちを描いた直木賞受賞の大ロマン。長崎県西彼杵半島の西海岸を舞台に、二人の釣り名人と怪魚イシナギの死闘劇の幕は切って落とされた。まるで潜水艦のような黒い影が潜む海中に、特殊な工夫を施した必殺の仕掛けが送り込まれていった……。他に中編「赤い海」を収録。
  • 胸に棲む鬼
    4.0
    志賀島の竜女に恋着された、凜々しい若者の悲劇、奴隷の牧畜を考える冷酷な美女の本性、防人の留守家族に起った戦慄の事件、女奴隷と恋に落ちた高僧の宿業、女の奸計に引っかかり、生霊をとりちがえてしまった傀儡師の嘆き等、奈良、平安朝の下層民の、命のしたたかな強さとあっけない死を語る、傑作短編集。
  • 定年ゴジラ
    4.0
    開発から30年、年老いたニュータウンで迎えた定年。途方に暮れる山崎さんに散歩仲間ができた。「ジャージーは禁物ですぞ。腰を痛めます。腹も出ます」先輩の町内会長、単身赴任で浦島太郎状態のノムさん。新天地に旅立つフーさん。自分の居場所を捜す四人組の日々の哀歓を温かく描く連作。「帰ってきた定年ゴジラ」収録の完成版。
  • 古酒新酒
    4.0
    酒こそ人類最高の叡智、最高のよろこび。醗酵・醸造学の世界的権威が23編の文章にその蘊蓄をかたむけて、酒の文化と歴史を説き、世界の酒・日本の酒を論じ、酒にまつわる人と詩を語る。酒への深い愛情と豊かな学殖が行間に芳醇な香気を醸し、読むものを銘酒の快い酔い心地へといざなう、楽しくも味わい深い一書。
  • 〈冤罪〉のつくり方 大分・女子短大生殺人事件
    4.0
    冤罪――。多くの冤罪は、杜撰な見込み捜査、代用監獄での苛酷な取調べが元凶だ。人にありがちな誤謬ではなく、捜査当局のメンツ意識や責任逃れ、時には功名心の結果だ。実際にあった、女子短大生強姦殺人事件の“思い込み自白”のプロセスを明らかにし、冤罪という“罠”を浮き彫りにする力作ノンフィクション。(『夢遊裁判-なぜ「自白」したのか』改題)
  • 魔人学園
    4.0
    魔人の棲む街「トーキョー」の何の変哲もない学園に、ある日不思議な男がやってきた。沈滞していたキャンパスは突然、想像を絶する戦闘の場と化す。妖異な美女と世にも恐ろしい魔人たちが繰り広げるエロスの宴。魔人たちが目論む究極の目的とは何か? 凄絶痛快なバイオレンスと奇妙なリリシズムの傑作。
  • B-1爆撃機を追え
    4.0
    グアムのアンダーソン米空軍基地から核ミサイルを装備した爆撃機が飛び立った。極右組織の指令を受けてモスクワ攻撃に向うロックウェルB-1D戦略ステルス機である。米ソ全軍はこれを撃墜できるか? 核戦争の危機をはらむ、米ソ首脳たちの焦燥と苦難の一日を描く迫力にみちた戦略テクノ・サスペンス。
  • 口笛をふく時
    4.0
    汗くさい中学生小津と平目、そして彼等のアイドルの女学生・愛子。稚ない青春の日々。しかし戦争はすべてを変え、海軍士官の愛子の夫も、召集された平目も死んだ……。時はたち、小津の息子、野心家の医師・鋭一は、癌の新薬の人体実験にある女性患者を選ぶ。それは偶然にも、愛子であった。小津父子の断絶、美しくも懐かしいものの消失。感動の長編小説。
  • 神宿る手
    4.0
    伝説のピアニスト、バローは生きていたのか?四十余年ぶりの新録音がCD化され、話題を呼んだ。奇跡の楽壇復帰を仕掛けたのは、スイス在住の島村夕子であった。しかし、ベストセラーを続けるCDに疑惑の影が。美に憑かれた女のゆくところ、謎また謎。最終章に衝撃的ラストが待ちかまえる音楽ミステリーの一大傑作。
  • 狸ビール
    4.0
    24のお話。狸はビールによく合うと狸を食べ過ぎ2週間も狸の臭いが抜けずに困った話、鴨の沖撃ち、多摩丘陵の小綬鶏と河上徹太郎氏そして猟犬達の思い出など30年熟成、ユーモア+ほろ苦ビール。講談社エッセイ賞受賞。

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