講談社 - 講談社文庫作品一覧

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  • 億万長者はハリウッドを殺す(上)
    4.0
    アメリカ歴代の大統領は、二大家族の使用人に過ぎない? ――ハリウッドは、ほんとに映画の都なのか? 大宣伝や逆宣伝、金塊、エロチシズム、法律事務所、洗脳、殺人、ファシズム、戦争……ありとあらゆる人間の欲望が華麗に躍り渦巻く表舞台の裏側で、何が起こっているのか。億万長者の政界大資料が、20世紀アメリカのおそるべき衝撃的な実態を暴く。歴史の真実はどこにあるのか。それとも歴史の過去は幻か? 歴史の真実がよみがえる、傑作ノンフィクション。<上下巻>
  • タマネギ色のなみだ
    4.0
    孤独をいやしてくれるのは、都会のはなやかさではなく、ふるさとの母が、娘を思う心。(「タマネギ色のなみだ」)生活に疲れた男の身勝手さをせめながら、なお幸福をゆめみて、スミレになってしまう妻。(「野原をひとはこ」)――など、妻であり、母である作者が、日常のドラマを妖精の目と心で、ときにはユーモラスにときには凄絶な美しさで、あざやかにとらえてみせる、童話21編を収録。夢見がちな少女期を見つめ直し、失いかけた大切なものを探し求める……少女の心を失わないあなたに贈る心暖かな童話集。
  • いつも月夜とは限らない
    4.0
    銀行の倒産事件が世界経済に波紋を。事件を探るジャーナリストにおどしの言葉が……。根の深い国際問題が化粧を落とし、犯罪が全容を現す。闇の中から危険が迫る! ――欧州の1銀行が営業停止となり、世界の各地に恐慌をきたした。被害総額は3兆円。とりわけ預金者の大半が、アジア、アフリカ、中東、中南米の第三世界にまたがり、これらの国々では深刻な状況に陥った。事件を追うジャーナリストの前に謎の老人が現われ、背後に隠された事実を探ると、国際的犯罪の全容が明らかに。
  • 天駆け地徂く 服部三蔵と本多正純
    4.0
    忍者の誇りと信念を貫くとき……戦国の世を切り結ぶ二人の男の友情と別離を爽快に描いた力作! ――徳川家康をめぐり相反する、二人の男の信念とは? 孤高の忍者・服部三蔵は、自在に繰りだす剣と忍術をもって、単身、家康の打倒をめざす。一方、家康の懐刀(ふところがたな)の本多正純は、主君の胸中を自明のこととして読み、己の信念に従い、迎え撃つ。波乱万丈の戦国の世を切り結ぶ、男の友情と別離を活写した忍者小説。
  • 凶獣の島
    4.0
    田中光二の新しい衝撃! SF+冒険小説……。狩られるのは誰か? 伊豆沖の無人島でひっそりと催されたゲームのスリルとサスペンスを痛烈なパンチで描く「凶獣の島」。冒険と悲壮美にあふれた釣り物語の「最後の渓谷」など、異常の世界に躍動する爽快さと苦さに満ちた青春を描く8編を収録する傑作短編集。
  • 凜

    4.0
    開拓期の北海道。 命が軽んじられる場所で、生き抜こうとする者たちがいた。 騙されてタコ部屋に送られ、過酷な労働を強いられる男。 貧困にあえぎ、子のため身を売る女――。 旅でこの地を訪れた現代の就活生・上原沙矢は、 彼らの人生に触れ、己の道しるべを見いだす。 時代を超え、生きる意味を問う傑作!
  • 五郎丸の生涯
    4.0
    動物は、常に優しく人間に寄り添う。ただ、彼らの一生は本当に幸せだったのだろうか──。 秋田犬・五郎丸は、いく人かの飼い主を得ることになった。その生涯は幸せだったのか。 乱歩賞作家が動物を通して人間を描いた連作短篇集。 第一話 納屋の犬 第二話 フォックスファイア 第三話 救世主 第四話 捨てられし者 第五話 相談者 第六話 むくの犬 最終話 朝焼けの光
  • ビギナーズ・ラボ
    4.0
    文系で創薬素人が、まだこの世にない治療薬を創る!? 製薬会社で働く恵輔は、祖父が入所する老人ホームで千夏に出会い、恋に落ちる。 しかし、彼女は治療薬が存在しない致死性の難病“ラルフ病”に冒されていた。 彼女を救いたい一心から恵輔は、文系で創薬素人でありながら、自らの手で彼女のために治療薬を開発するという無謀な挑戦を始めるが――。 シリーズ累計57万部突破の「化学探偵Mr.キュリー」の著者が贈る感動作! ※本書は、小社より2017年に刊行された『ビギナーズ・ドラッグ』を文庫化にあたり、改題したものです。
  • 密航船水安丸
    4.0
    無償の情熱に生きた、開拓者・アメリカ及甚の劇的生涯! 待つのは栄光か悲惨か? ――1906年・明治39年、及川甚三郎が率いる82人の密航者は、宮城県の荻浜港から、帆船で新天地・カナダへ向かった……。日本人の理想郷をつくるため、あらゆる困難を乗りこえ、勇気と行動力とで、その夢の実現に生涯を賭けた、男及甚を描く長編力作。水安丸を待つのは、栄光か悲惨か?
  • 毒婦四千年
    4.0
    末喜(ばっき)、妲己(だっき)、褒ジ(ほうじ)、驪姫(りき)……。絶世の艶容、その性(さが)、残忍にして陰険。ケタはずれの中国後宮の毒婦、とりわけ武后――疑心暗鬼のままに幾千人を殺し、なお清々しい眸子と水々しさを保つ武后を、その眉をつくり化粧を施し続けた男の目を通して描く「皇后狂笑」。ほかに、西太后などを描いた7編を収録。ケタ外れのおもしろさ! 柴錬得意の中国物の世界。
  • 坂本龍馬の人間学
    4.0
    坂本龍馬は、幕末の混乱した時代を拓く新しい鉱脈を求めて、「第3の道」を発見した。彼に従う少数の人たちがその道を歩み続け、やがて彼らが幕末明治の歴史を創っていった。龍馬を想うとき、我々は生きる喜びを感ずる。龍馬を読むと、己れがわかり勇気がわく。龍馬は、行動の人、愛の人、そして、人生の師だ。
  • 午後の行商人
    4.0
    カメラマンを目指し、メキシコを旅する香月哲夫は、ある夜、暴漢に襲われたが、タランチュラと名乗る老いた行商人に助けられる。彼は、民族解放運動に揺れる南東部へ、行商の途中だった。香月は強引に頼んで旅に同行するが、タランチュラの真の目的は、冷徹・非情の復讐行だった! 直木賞作家による、灼熱の長編冒険ロードノベル。
  • 群青の湖
    4.0
    琵琶湖のほとりにひとり嫁いできた瑞子は、旧家の重みと夫の背信から、幼い櫻子をつれて生まれ育った四谷に戻る。かつて美しい染めや織りの技を競いあった仲間にむかえられ、瑞子は群青の湖の永遠の神秘を、その片鱗でもよいから1枚の布に止めたいと願うのだった。精魂をこめ格調高く織りあげた傑作長編。
  • 王昭君
    4.0
    長城の向こうに広がる愛。匈奴(きょうど)の王に嫁した伝説の美女が、苛酷な運命に挑んだ生涯を描く傑作。数奇な美女の運命は? ――長城の向こうには、どんな世界がひらけているのだろう? 前漢の末、たった1枚の似顔絵ゆえに、匈奴の王へと嫁した王昭君。薄幸の佳人として描かれてきた人物は、数奇な運命に立ちむかった女性だった。遊牧民と農耕民の架け橋となり、西域の地に愛と夢を育んだ一生を、清新な解釈で描きだした中国歴史ロマン。
  • 犬を飼う武士 十時半睡事件帖
    4.0
    松林に捨てられた子犬が縁で、めぐり合った若い侍と武家の娘。犬好きの二人は、やがてほのかな愛を互いに抱くのだが、現実には二人とも意に添わない縁談に縛られ、苦悩していた。やがて二人は、武家社会の掟破りに挑む。福岡・黒田藩の総目付・十時半睡が、泰平の世に起きる武家社会の難問を裁く、シリーズの第4集。NHKでドラマ化もされた名シリーズ!
  • 天正十年夏ノ記
    4.0
    天正年間――信長は天下統一をめざし、将軍・義昭、武田信玄、上杉謙信、顕如上人らとの戦いに、勝利を続ける。天皇を凌ぐ神の座に就こうとする征服者との交渉役をつとめた正親町(おおぎまち)天皇の秘書官・勧修寺晴豊。この青年貴族の目を通して、未曾有の動乱期をしたたかに生き抜いた天皇と公家たちを描く、渾身の歴史小説。信長上洛! 青年公家が見続けた征服者の貌(かお)。
  • 鷹ノ羽の城
    4.0
    大友義鑑のいたずら心から、肥後の巨漢武将と南蛮女との間に、子が生まれた。容貌のため人鬼と称された彼は、父から嫌われ、周囲から怖れられつつ、堂々たる偉丈夫に成長する。彼が合戦の先頭に立つと、敵はその迫力に逃げ腰となった。怪異な容貌と優しい心をもつ武士の数奇な人生を描く、ユニークな異色歴史小説。
  • 佐高 信の新・筆刀両断
    4.0
    声高の改革が、まやかしであることが、露わになりながら、動かない政局。新旧を問わず、粉飾と偽装と隠蔽にまみれた企業と、その経営トップの無責任体質。表層に目を奪われ、冷静な批判力を発揮できないメディア……。混迷が深まり、国際的な危機も近づく日本に警鐘を鳴らす、最新時評集。真の民主主義を問う!
  • ロシアは今日も荒れ模様
    4.0
    「ロシアとロシア人は退屈しない」――そう断言する著者は、同時通訳という仕事柄、彼の地を数限りなく訪れている。そして、知れば知るほど謎が深まるこの国は、書かずにはいられないほどの魅力に満ちあふれている。激動に揺れながら、過激さとズボラさ、天使と悪魔が、ともに棲む国を、鋭い筆致で暴き出す。ロシアの魅力と落とし穴がわかる。愛と笑いで本質を抉った、爆笑痛快エッセイ。
  • よい旅を、アジア
    4.0
    旅立つ人のうしろ姿に、そっと声をかけたい。よい旅を!と。気ままにゆっくり、アジアの街をひとり泳ぐ。つらくて泣きたい夕暮れ時、人恋しくてたまらない夜もあった。台湾、ソウル、香港、雲南、チベット、マレー半島、そして熱風のインドへ。私の旅は、アジアから始まった。はじける元気と好奇心と哀愁に満ちた旅本。
  • ピタゴラス 豆畑に死す
    4.0
    幻の動物・ツチノコを求めて、大和で変死した、セイケンの高校生。死因は、ツチノコによる咬毒死? 古老は、ツチノコの祟り説を譲らない。続発する変死の謎を解く鍵は、意外や意外、ピタゴラスの定理と江戸小咄にあるというのだが……。現代の高校生群像を描いては他の追随を許さない、乱歩賞作家の青春推理第2弾。
  • パンドラの恋愛能力共通一次テスト
    4.0
    銀座高校学年末試験の終了ベルが鳴る。その瞬間、おれは誓った。早急に恋人をつくるべし! が、どうやって? まず、積極的に女に近づくことだ。だが、その思いが強すぎたあまり、女がからむ不可思議なる事件の渦へと引きずりこまれた…。さあ、きみもいっしょに学力・恋愛能力・探偵能力の三重テストに挑戦しよう。きみは合格できるか? 連作青春ミステリー。
  • はじまりの記憶
    4.0
    心の原風景を探す旅。それは単なる回顧ではない。明日をより良く生きるための、不可欠の作業なのだ。仰ぎ見る空、ぽっかりとあいた心に吸いこまれていく音……。当代随一のノンフィクション作家と画家が、それぞれの記憶の深層を掘り起こし、「私という現象」の核心、自己形成の決定的な瞬間に迫る。刺戟的で稀有なコラボレーション。人はみな持っている、「失われた風景」を――。
  • スポーツマン一刀斎
    4.0
    奈良の山中から武者修行の旅に出た若者が、なにげなくプロ野球場の打席に立った時から、大騒動は始まった。連続本塁打37本、目かくしでも打球はスタンドへ一直線! 巨人軍に入団、とてつもない強打を連発した男こそ、一刀流始祖・伊藤景久17代目の末裔だった。そして1年後、故郷に引きこもった彼を口説くスカウトに、一刀斎は、あっと驚く条件を出した! 奇想とユーモア溢れる空前の快作。
  • 成就者たち
    4.0
    少年の「心と行動」の闇。小説「オウム事件」。――出家修行者たちは、麻原彰晃を信じて従えば、ハルマゲドン後に生き残り、自分たちの時代がくると信じていた。そういう事件をモデルに小説を書くにあたり、わたしが選んだ主人公は、15歳の少年だった。「王様は裸だ」と見破ったのが子どもであるように、醜悪な教祖たちを描きたかった。(佐木隆三)
  • 花鳥の乱 利休の七哲
    4.0
    剣と茶に命を賭ける魂熱き乱世の武士(もののふ)たち。千利休門下の7人の侍、古田織部、高山右近、荒木村重らの鮮烈な生! ――戦国時代、千利休の門下には、さまざまな逸材が、雲の如く集まった。信長に弓ひいた荒木村重や、キリシタン信仰に殉じた高山右近、師をも凌ぐ美意識の持ち主の古田織部ら、7人の弟子は、いったい何を求めたのか? 茶の湯に人生の真実を賭け、反逆の熱き心を燃えたたせた武将たちが織りなした、乱世の人間曼荼羅(まんだら)。
  • 治部の礎
    4.0
    大義、嫉妬、敵愾心。押しつぶされそうな時もある。 この三成は、屈さない。 あの嫌われ者は、何のために闘い続けたのか――。 豊臣家への「義」か、はたまた自らの「野心」からなのか。 覇王信長の死後、天下人を目指す秀吉のもと、綺羅星の如く登場し活躍する武将たちを差し置いて、最も栄達した男、石田三成。彼の「眼」は戦国を優に超えていた――。 歴史の細部を丁寧に掬う作家、吉川永青が現代人に問う、政治家石田三成の志。渾身の書き下ろし長編小説。
  • 九十八歳になった私
    4.0
    こんな作品は橋本治以外の誰にも書けない。 内田樹氏、欣喜! 人生百年時代に捧ぐ、橋本流・老後賛歌。 一体今日は、いつなんだろう? もうすぐ九十八だ。多分。ゆとり世代(もう五十だけど)の編集者に「戦後百一年」なんて原稿頼まれたり、ボランティアのバーさんが紅白饅頭持ってきたり。東京大震災を生き延びた独居老人の「私」が、老境の神髄を愉快にボヤく人生賛歌の物語。ああ、年をとるのはめんどくさい!
  • 花櫓
    4.0
    江戸芝居町・中村座。8代目・中村勘三郎には、二人の娘があった。妾の子・お菊。正妻の子・お珊。気性も、抱く夢も違う二人の、娘から女への成長と葛藤。市川団十郎、松本幸四郎、尾上菊五郎ら、きら星のごとき名優たちの息づかいの中に描かれる、凛々しくも、真珠のように輝く、恋物語。櫓が上がり、柝(ひょうしぎ)が鳴る。恋の舞台の幕が開く。
  • 天路 TENRO
    4.0
    人を殺した少年は、どうすれば、罪を償えるのか? 担任の中学女教師を刺殺してしまった幸雄は、児童自立支援施設を出た後、自らの罪を告白しながら、日本じゅうを歩いて周る「償いの旅」に出た。犯した「罪」の重さに値する「罰」とは何か? 暴力の連鎖を止め、残された者たちに、魂の再生が訪れる時は来るのか? 人を殺した少年の果てなきデスロード!
  • 男のうた
    4.0
    男よ、くじけるな! 真情あふれる人生の詩(うた)を、あなたに贈る。精神の若さ、権力に媚びない気概はどこから来るのか? 経済人、政治家、官僚、文学者の中から、まさに堂々と生きた男の姿を具体的にとりあげる。決断、挫折、人事、優しさのありようを汲みあげて下さい。共感を一杯にこめて書き綴った、著者のポエトリー。
  • 四十になるって、どんなこと?
    4.0
    女を捨てたわけじゃない。結婚の可能性も、放棄してはいない――。基本は、ひとりで、楽しく生きることなのです。シングルライフを続ける女性が、40歳を目前にして、新たなチャレンジを始めた。エアロビ、ヨガに、スキンケア。何気ない日常も、ポジティブ・シンキングの著者がみれば、こんなにドラマチックになる。女に大切なものって? 女を捨てない、チャレンジングな生活!
  • 三十過ぎたら楽しくなった!
    4.0
    20代の頃、人生いかに生きるべきかと、悶々としていた。他人(ひと)と違う自分でありたかった。そして30代、肩の力がすっと抜けて、世の中の流行事(はやりごと)にムクムク好奇心がわいてきて。とにかく、結婚以外なんでもやりました。占い、エステ、料理教室にスポーツクラブ、マンション購入……。葉子さん、怒濤の30代メモリー。これが私の歩いた30代だっ! 女30代、花ざかり、てんやわんやの日々!
  • 孤高を恐れず 石橋湛山の志
    4.0
    徒党を組まず、大衆に媚びず、大衆を無視しない政治家・石橋湛山。民権派リベラルの真髄を体現し、権力政治に抗した良心の軌跡を追う。いま、日本の政治は混迷のかぎり、将来への危惧は、日ましに高まるばかり。あらためて良日本主義のすすめを説いた「志」をさぐる。<『良日本主義の政治家』改題作品>
  • 奥羽の二人
    4.0
    不敵な野望と奔放さに満ちた若き伊達正宗と、奥羽で対峙する蒲生氏郷――二人にとって越えることのできない大きな存在が、秀吉であった。天下に志を得ずに終わった彼らの胸中の苦悶を描く表題作のほか、抗いがたい力に翻弄され、結局は身を滅ぼしていった武将たちの運命と悲話10編を収録。待望の歴史小説傑作短編集。
  • 完全無罪
    4.0
    21年前の少女誘拐殺人事件の冤罪再審裁判に抜擢された期待の女性弁護士・松岡千紗。しかし、千紗はその事件で監禁された少女の一人だった。間一髪で自分を殺めたかも知れない容疑者に千紗は敢然と対峙する。罪を作り出す罪「冤罪」法廷が迎える衝撃の結末。大ベストセラー『雪冤』を超える慟哭の「冤罪」ミステリー。(文庫書下ろし)
  • 大雪物語
    4.0
    ある冬、N県K町が観測史上初の99センチという豪雪に見舞われる。町民をはじめ観光客、仕事のため車でK町に訪れた人々は、駅や車中など長時間足止めを余儀なくされた。町、県、国レベルの除雪作業も追いつかず、町の深刻な状況から災害救助法が適用され、自衛隊の派遣も要請される。そんな非日常のさなか、紡がれる6つのストーリー。、避難所を設ける花屋、車に閉じ込められた人たちの救済支援にあたる自衛隊員、独居老人を救った青年の過去など、雪は冷たいからこそ、より一層心の温もりを感じられる短編作品集。
  • 北海道人 松浦武四郎
    4.0
    幕末、迫りくる列強の魔手を憂え、海防献策のため蝦夷地に渡った青年・松浦武四郎。彼の目に映じたのは、松前藩の圧政に呻吟するアイヌの姿だった。水戸の志士や吉田松陰との交遊を重ねながら、彼は時代の怒涛に呑み込まれてゆく。北に一生を捧げ、「北海道」の名付け親として今に知られる探検家の雄渾な生涯。
  • 母系制の研究(上)
    4.0
    女性解放に歴史的根拠を与えるべく、筆を折り、武蔵野の一隅に籠って7年余。厖大な古系譜をたどり、日本の母系制の存在を実証し、さらに母系が父系に移ってゆく過程を明らかにした。これは高群逸枝のライフワークで、女性史研究の第1作であり、同時にそれは、男性中心の歴史観を訂正する、タブーの中での女性の手になる、最初の科学的女性史の誕生であった。<上下巻>
  • 踊るひと
    4.0
    世にも不可思議な物語の扉がいま開かれる。死んだ姉に送られた義兄からの愛の書簡は盗作? 疑いを持った妹はたった一行の葉書を残して消えた。という表題作「踊るひと」をはじめ、7つの短編の迷宮。変幻自在に妖しい魅惑の旋律を、直木賞作家が奏でる。あなただけのお耳に届けましょう──。変幻自在に奏でる短編の妖しい魅力! <『あなたのお耳に』改題作品>
  • 新しいもの古いもの
    4.0
    ※本書は単行本版『新しいもの古いもの 池波正太郎未刊行エッセイ集4』と同一の内容です。重複購入にはご注意下さい。 私の秘密、父母、師友。旅や滋味の楽しみ。人生の喜びに溢れたエッセイ。 「私の父は、どこまでも不運であった」。ある晩、別れて久しい父とばったり出合い、「お父さん」と呼びかけるが、泣き出しそうな顔で「お前さんはだれだい?」と返されてしまう(「私の中の日本人」)。ほか、フランスや京都への旅の想い出、今日のごはん、芝居や映画のことなど、66編を収録した珠玉の随筆集。
  • 女流棋士
    4.0
    14歳から女流棋士として勝負の世界で生きてきた。4歳の時の交通事故。後遺症との闘い。そして将棋との出会い。20歳を前にして、手紙とともに渡された母の日記を読み、初めて知った愛と絆の深さ。誰にも打ち明けなかった真実の青春を綴った自伝エッセイ。結婚、そして引退に至る胸中を新たに書き下ろしで追加。結婚、引退、母の愛……感動あふれる自伝エッセイ!
  • スケバンのいた頃
    4.0
    2年10組、42人中、8割方が、暴走族の集会に集まるワルそなやつらばかり。なかでもスケバンのノンコは、女教師に目つぶしを食らわすほど。そんなクラスに産休代理で、新任熱血教師・江(こう)健一が赴任した。もちろんその後は、難儀なことばかり。江の熱い想いは、ノンコや生徒たちに伝わるのか。中場流青春学園小説。熱くて悪いか! スケバンvs.熱血教師。
  • 江戸風狂伝
    4.0
    実在した風狂な人々を情感豊かに描いた女流文学賞受賞短篇集 にらまれても、疎まれても、世間を騒がしても、貫きたい意地がある 無謀にも将軍綱吉に衣装自慢を仕掛けた豪商の石川屋六兵衛とその妻およし。 危ないと知りつつ幕府批判の風刺画を引き受けた人気浮世絵師の歌川国芳。 曰くつきの家を買った平賀源内が起こした殺傷事件の顛末。 時代の風潮に反発し、心の赴くままに意地を貫き、破滅をも恐れない風狂な人々を描いた七作の短篇集。 ※本書は2000年8月に中公文庫から刊行された作品に加筆・修正したものです。
  • ルパンの娘シリーズ 3冊合本版
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    テレビドラマで話題沸騰!  「ルパンの娘」シリーズ3冊(『ルパンの娘』『ルパンの帰還』『ホームズの娘』)をセットにした合本
  • 森家の討ち入り
    4.0
    赤穂四十七士――その中に、津山森家に縁が深いものたちがいた。神崎与五郎、横川勘平、茅野和助。彼らはそれぞれの理由から、赤穂藩主・浅野長矩に仕え、刃傷事件からの吉良邸討ち入り、そして最後は帰らぬ人となった。忠義のために生きた彼らと、そこには彼らを支える、「女」たちの戦いもあった。それぞれの忠義のために、己の生き様を貫いた男と女の姿が、そこにはあった――。新たな忠臣蔵の傑作が、ついに登場。『与五郎の妻』ゆいは5年前まで江戸詰めの夫と目黒の下屋敷で暮らしていた。ところが騒乱のせいで津山森家が改易、夫とは離縁を余儀なくされる。一度は実家へ戻ったゆいだったが、再び嫁ぎ、今は江戸作事奉行の妻となっていた。前の夫―神崎与五郎の消息は分からぬまま、日々淡々と過ごしていた。そんなゆいのもとに、謎の人物から、森家の家紋が入った扇が届けられた。一体誰が、何のために。そして前の夫は――。『和助の恋』国家老の密命を帯びた茅野和助は先代の死去に伴い、津山森家の家督を継ぐことになった式部衆利のもとへ急いでいた。その道中、何ものかに襲われる。そこに通りがかった、赤穂浅野家の陣屋に住まう郡奉行・吉田忠左衛門一行により助けられる。そこで和助は手厚い看護を、伊登から受ける。『里和と勘平』里和は津山森家存亡の危機を阻止するため、御犬小屋に忍び込んだ。そこで出会ったのは、かつて思い合っていた横川勘平、その人だった。遂げられれなかった思いが再燃する二人。だが、今は立場があまりにも違う二人がとった道は――。他2編収録。
  • 情熱の断罪
    4.0
    結婚式の最中に、新郎が刺殺された。しかし、被害者の新郎と加害者の間には、何のつながりもない。加害者を犯行に至らせた、驚くべき理由とは? という表題作をはじめ、名門高校の受験をめぐり、不幸の連鎖にずぶずぶとはまってしまった家族を描く「姦の毒」など、人の心の闇を照らしだす、初期発表の傑作短編6編を収録。殺しても、なお続く……負の連鎖!
  • としみつ
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 おかあさんと「としみつ」チャン。せんせいと「としみつ」くん。「まり子」と「としみつ」……「ねむの木学園」のとしみつチャンが、7年間の間に、宮城まり子さんと交わした、「手紙」と「絵」と「作文」を、1300通をこす中から選び、まり子さんの返事とともに、に小さな画文集にして、あなたの、やさしさに、おくります。「絵」64点&「手紙と文」55編の小さな画集――愛と祈りのデュエット!
  • アウト オブ チャンバラ
    4.0
    湯女(ゆな)風呂大好きな、江戸版ダメフリーターの平六。ひょんなことから刀を拾い、侍気取りで町に繰り出すが……という「拾い刀、錆び刀」。昇進して罪人を拷問することを夢見る同心の山園は、夜鷹連続殺人事件の囮捜査で女に扮するよう命じられ……という「夜鷹同心」。など、カオス・シティー江戸を舞台に描く、奇想天外の新感覚時代劇、全6編。カオス・シティー江戸には変な奴が溢れている!
  • 玲子さんのキッチンおしゃれノート
    4.0
    ちょっとしたセンスで、キッチンがこんなに楽しくなる! 食事というと……「ローズマリーの赤ちゃん」の悪魔のタニスのデザート、「ひまわり」の巨大オムレツなんか、印象的……イヤ、私のポート・リモーの朝食はあの日に帰りたいくらい……映画や思い出の中の食事、キッチン、食器、収納……夢から実用までキッチンの楽しさをパックしたエッセイ集。キッチンを愛しましょ!
  • 葉煙草の罠
    4.0
    森麻子は、京都の外国人観光客用ガイドである。フィリピンの貿易商・ベルナスを案内して清水寺にきたとき、英文パンフレットの購入を頼まれた。だが戻って来た彼女が目にしたものは、ベルナスの惨殺体だった。そしてベルナスの右手には、1個の10円玉が握られていた。彼は何を告げようとしたのか? 貿易と政争をからめた、意欲的推理長篇。
  • となりの韓国人 傾向と対策
    4.0
    仕事よりメシが大事な韓国人、完璧なんて望まない韓国人、はっきり言わなきゃわからない韓国人。似てるようでもちょっと違うし、違うところはずいぶん違う。そんな違いに、日本人と韓国人は、いつもつまずく……。20年以上韓国と関わってきた人気女優が解き明かす、ドラマではわからない「隣人」の真相。愛するなら、知ってほしい! 「礼」と「情」にあふれる「隣人」は、お節介で少しワガママ?
  • 嶽神伝 風花 (上)
    4.0
    1~2巻858円 (税込)
    元亀三年、武田信玄は上洛を目指し動き出す。家康所領の城が次々に落ち、要衝の二俣城もついに陥落する。三方ヶ原の戦いで完膚なきまでに打ちのめされ、敗走する家康の窮地を救うべく、山の者が快刀乱麻、躍動する。時に家康に味方し、滅亡に向かう武田に影のように寄り添い、義のために戦う男たちの姿に胸が熱くなる。
  • 変幻
    4.0
    警視庁捜査一課刑事の宇田川の同期、特殊班の女刑事が「しばらく会えなくなる」と言い、音信不通となった。かつて公安にいた同期と同じように……。「同期」シリーズ完結篇!公安を辞めさせられた男。特殊班で消息を絶った女。たとえいなくなっても、俺たちは同期だ――。
  • 日曜日の人々
    4.0
    「皆さん、おはようございます、日直の杏子(アンズ)です」「拒食も過食も不眠も自傷の一種だ」「僕はあなたがたを愛しているので、方法は記しません」「関東地区でパーティー希望です」「それでもお願いだから!」「俺は死にたくない!」「だってわたしはもう子供じゃないから!」人々の声は、あなたに届くでしょうか? 第39回野間文芸新人賞受賞作。
  • 大きな鳥にさらわれないよう
    4.0
    遠い未来、衰退の危機を認めた人類は、「母」のもと、それぞれの集団どうしを隔離する生活を選ぶ。異なる集団の人間が交雑することにより、新しい遺伝子を持ち、進化する可能性がある人間の誕生に賭け―。かすかな希望を信じる人間の行く末を、さまざまな語りであらわす「新しい神話」。泉鏡花文学賞受賞作はるか先を静かに見通し、慈しみ深く描いた未来の人類史
  • 踊る腹のムシ グルメブームの落とし穴
    4.0
    顔にコブのできた有名プロレスラーが、寄生虫博士の研究室にやってきた! 原因は海外で食べた刺身から感染した有棘顎口虫(ゆうきょくがくこうちゅう)。生の食べ物にはキケンがいっぱい! ブタ肉から有鉤条虫(ゆうこうじょうちゅう)、地鶏のレバ刺しからイヌ回虫……。グルメブームの日本人に警鐘を鳴らす、面白コワイ、メディカル・エッセイ。その刺身、食べるのチョット待って! カイチュウ博士の仰天エッセイ。<『獅子身中のサナダ虫』改題作品>
  • 日本のこころ
    4.0
    情緒・学問・信仰・教育など、日本人の原点的な精神生活に深い洞察の眼をむけて、〈春宵十話・すみれの言葉・私の人生観〉など、全21編の多彩な思想を集大成した、異色の随想集。碩学・岡潔博士の、現代におくる生きた思索の書。不朽の名作!
  • 西鶴人情橋
    4.0
    俳諧師から草本作家への転身をはかる井原西鶴。亡父ゆずりの豪剣をふるう磯部信十郎。二人の奇妙な友情を軸に織り成される人間模様の数々。米相場を左右する大阪商人たちの葛藤と幕閣中枢の暗闘には、謎の美剣士がからむ。――剣あり、恋あり、友情ありの、浪花元禄時代絵巻。第3回時代小説大賞受賞作。剣と恋がからむ西鶴と青年剣客の熱い友情を描いた、手に汗にぎる活劇ロマン!
  • 心ひだひだ
    4.0
    気になる動物を3匹挙げて、各々についての印象を3つずつ述べよ。……そうすればあなたの真の姿が分かります。というように、心理テストとともに読み進める、新タイプのエッセイ集。秘めた恋心から子供時代のささやかなトラウマまで。女優がチラリ垣間見た、人の心のひだひだの奥底。ムロイとあなたの本音を比べてみませんか? ムロイと一緒に自分を知る旅へ!
  • 花嫁は容疑者
    4.0
    秋野夕雨子は推理作家だが、TV「ナイト9」のニュースキャスターとしても活躍している。番組スタッフとバカンスに出かけたグアムのホテルで、新婚旅行中の新郎の墜落死に出会う。事故か事件か? 夕雨子の華麗な推理が真相を解きあすか表題作を始め、トリックと謎解きの醍醐味溢れる本格ミステリ連作集。
  • 運命の塔(上)
    4.0
    死刑制度について、職務を逸脱した発言をした元法務大臣・榎木雪夫の孫が、誘拐された。巧妙に仕掛けられたトリックによって、身代金1億円の奪取を図る一方で、反政府組織を名乗る犯人は、犯行声明文を公表する。榎木の義父で、政界の重鎮である大河原善造の特命を受け、元秘書・平岡道義は、事件の裏を探り始める。政治家一族を襲った誘拐と脅迫事件。<上下巻>
  • 蛇の湯温泉殺人事件
    4.0
    「あなたは私のお父さん」と、浮気しようとした美女から突然告げられ、人事部長の梨田進は、30年前に犯した過ちが、幸せな家庭を破壊しにかかってきたことを知る! 最愛の妻と一人娘にとっては、まさに青天の霹靂。信じていた夫の、父の過去を知って激震に見舞われた一家に、奥多摩の秘湯でさらなる悲劇が……。そこには、眉を剃られた女の死体が!
  • 風の旅団
    4.0
    中国奥地への学術調査隊に加わった青年・早見大介が、不審な死を遂げた隊長の「密命」を受けた。早見は任務を遂行すべく、バイクを駆って、雄大な天山山脈、タクラマカン砂漠、さらに秘境の地へ……。彼を襲う謎の男たちとの闘いののちに、彼が探りあてた未踏の地の秘密とは何か? 清新、熱血のバイク冒険小説。
  • 方丈記
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 失意の鴨長明が、日野の山奥、方丈の草庵に隠遁し、世の変遷と心の不安のなかに、自らの救いを求めようとする心境を、自伝的につづった、わが国随筆文学史上の不朽の名作。参考資料として、長明真跡の方丈記巻首、方丈庵遺跡を口絵に、現代語訳、解説、年譜、語彙索引を付し、川瀬一馬の名現代語訳でよみがえる。
  • 小説 三井物産(上)
    4.0
    1~2巻715円 (税込)
    幕末から明治中期、不平等条約の足かせのもと、欧米諸国に商権を独占されていた東洋市場に、独自の企業理念と創意・根性をひっさげて、敢然と躍り出た強者たちがいた――初代社長の益田孝、横浜支店長・馬越恭平、いまだ小僧の山本条太郎……。彼らの身を粉にした奮迅の活躍と、彼らが求め貫いた「商人道」の「誠」。「三井物産」疾風怒濤の草創期をダイナミックに描きながら、巨大商社の原点に迫る力作。
  • 散る花もあり
    4.0
    水産会社のフィリピン進出の尖兵となった越智は、現地で政治トラブルに巻きこまれ、危うく日本に舞い戻る。醜悪な現実に背を向け、故郷で屏息する彼のもとへ、ある日、刑事が訪れた。フィリピンで越智を救った青年ヒラリオが、ゲリラとしての密命をおび、日本に潜入したという。青年を助けねばと、越智は立ち上がった! 冒険小説の白眉。フィリピンでの恩人を案じて再起した男の死闘。男の友情が燃える鮮烈な長編。
  • 寿司屋のかみさん うちあけ話
    4.0
    寿司につられて寿司屋のかみさんになって二十年。カウンターの内側からみた、とっておきの話。寿司の値段、賞味期限、符丁のあれこれ、残った酢飯や魚のゆくえ、盛りこみと別盛り。なにかと誤解の多い寿司屋のホンネを飾らず気取らず綴る。寿司屋はこわいという方、このおいしい一冊で楽しく参りましょ!!
  • 新装版 会社蘇生
    4.0
    高杉良の代表作、待望の新装版!宝石、カメラ、ゴルフ用品などの高級ファッション、レジャー商品の輸出入で知られる老舗の総合商社=小川商会が総額1100億円もの負債を抱え、東京地裁民事8部に会社更生法の適用を申請してきた。1100人にのぼる従業員とその家族を守るため、保全管理人とともに商社再建に賭けた男たちを描く感動の長編。
  • 花ならアザミ
    4.0
    湯原直子がある邸から持ち帰った稀覯本(きこうぼん)は、直子の勤める古書店の客・磯部の蔵書から消えた品だった。驚いた直子がその邸を再訪すると、もぬけの殻。住人も家具も花壇もすべて、1日だけのトリックだった。誰が、何のために? 1冊の古書の謎が、やがて過去の惨劇を明るみに出す。練達の筆で描く出色サスペンス。
  • 田園の微風
    4.0
    景色にも気候にも恵まれた牧畜とワインの地、南フランスの田舎をのんびりと周遊する、旅のエッセイ。旧知を訪ね、点在する古城に中世をしのび、澄み切った大気をこころゆくまで吸い込む田園の中の散歩は、何だか寿命がのびるような思いがする……。著者の手になる、物語豊かなスケッチと写真を多数収録。
  • 課長島耕作の男と女の成功方程式
    4.0
    仕事や恋がいまひとつうまくいかないのは、あなたが女性を分かっていないから? 女性の感性、生理、そして論理の立て方を充分に理解することなくして、ビジネスの成功はあり得ない。女が分かり、人生に成功する60の基本型を満載。ヤング・ビジネスマンから圧倒的共感を呼んでいる「成功方程式」、待望の第3弾。女心のわからぬ男は、必ず仕事も失敗する!
  • 出口・廃墟の眺め
    4.0
    過ぎ去った遠い日や心の底深くに、しめやかな触手をのばし、生の根の不思議なゆらめきを鮮かに捉えた、虚無に献げる高貴な酒にも比すべき短篇集。真昼に現れ出た夢魔の如き「出口」、痛ましいまでの思春期の青年の心を描く「手品師」、瓦礫の中に青白い女の裸体が横たわる「廃墟の眺め」など14篇を収録。
  • 白い衝動
    4.0
    小中高一貫校でスクールカウンセラーとして働く奥貫千早のもとに現れた高校1年の生徒・野津秋成は、ごく普通の悩みを打ち明けるように、こう語りだす。「ぼくは人を殺してみたい。できるなら、殺すべき人間を殺したい」千早の住む町に、連続一家監禁事件を起こした入壱要が暮らしていることがわかる。入壱は、複数の女子高生を強姦のうえ執拗に暴行。それでも死に至らなかったことで、懲役15年の刑となり刑期を終えていた。「悪はある。悪としか呼びようのないものが」殺人衝動を抱える少年、犯罪加害者、職場の仲間、地域住民、家族……そして、夫婦。はたして人間は、どこまで「他人」を受け入れられるのか。社会が抱える悪を問う、祈りに溢れた渾身の書き下ろし長編。
  • 透明な歳月の光
    4.0
    人間の眼は常に曇っている。血走っていたり、酔っていたり、近視眼的だったりする。しかし、そういうときにこそ、歳月の光は静かに、透明に、ものごとを映していく――。人の一生の重み、そこに込められた濃密な意味とは何か。日本、アジア、中東、世界各国の街の中から、人間を見つめる作家のエッセイ集。
  • 空色カンバス 瑞空寺凸凹縁起
    4.0
    三十間近な日比野隆道和尚が高校三年生の妹・ゆかりと暮らす寺に、泣きぼくろが印象的な美女が行き倒れ!? 着の身着のまま「夫から逃げてきた」という千尋と日比野兄妹の暫定的三人暮らしが始まる。進路問題に悩むゆかり、真意の見えない千尋、思い出せない記憶を辿る隆道。「縁」の力は三人を救えるのか? あたしにとって、お寺は家だ。お釈迦さんの説いた教えは今一つピンとこなくても、お父さんや、歳の離れた兄ちゃんが頑張って守り、顔なじみのお檀家さんが優しい顔でお参りに来てくれるお寺は、あたしには一番大事な場所だ。──そんな、あたしの大好きなお寺に、あたしの「大っ嫌い」な、あの女はやってきたのだ。(本文より)
  • バブルと寝た女たち
    4.0
    バブル愛人たちの「SEX・金・恋愛」 大金が勝手に転がり込んできた「普通の女たち」はその時どうしたのか。バブルがはじけた今、彼女たちが「絵空事のような現実」を語りはじめた。衝撃のレポート。
  • 高杉晋作奔る
    4.0
    幕末の長州に生まれ、先取の気性と果断な行動で尊王攘夷の志士となった高杉晋作。乱世を鮮烈に駆け、明治維新の功労者となった、彼の短かく激しい生涯は、まさに動乱の世を奔るものだった。その晋作のユニークな素顔を、松下村塾時代の師、仲間、奇兵隊結成でバックアップした豪商、あるいは愛人だった芸妓などの視点から、生き生きと捉え鮮やかに描き出した、著者得意の領域の魅力的な連作歴史小説集。若き英雄の素顔を、関係者の眼で描いた傑作!
  • 萌がさね 藤原道長室明子相聞
    4.0
    「己が時を汚すことなく生きていきたい」……左大臣家に生まれながら、心ならずも政敵・藤原道長へ嫁いだ、美貌の女・明子(めいし)。優しく儚(はかな)げながら、凛乎(りんこ)たる心を持つ彼女こそ、権勢を恣(ほしいまま)にした道長が、愛を得ることに苦悩した唯一の女だった。正妻・倫子(りんし)とともに「二人妻」として記憶される、明子の生涯を綴る、絢爛たる歴史絵巻。道長を懊悩(おうのう)させた美貌の女!
  • 悲しき戦記
    4.0
    人間の感情や自由をいっさい剥奪され、戦争遂行の尖端に立たされた兵隊たち。彼らはいかに戦い、いかに生き、そして死んでいったか……。日中・太平洋両戦争に取材し、兵隊たちの死の道程を凝視して、戦争の真実の姿を厳しく捉えた、25編の挿話。戦死者たちの冥福を祈りながら描かれた「悲しき戦記」である。
  • 春秋戦国志(上)
    4.0
    中国故事名言の9割以上を産んだとされる春秋戦国時代は、また、国家形態の原型が造られ、諸子百家などすぐれた思想家を輩出させた、世界的に稀有な時代でもあった。その550年を軽妙につづる、出色の歴史物語。本巻は東周王朝成立から、管仲、鮑叔が大活躍する斉桓公の「覇王時代」までを描く。(全3冊)
  • 空に住む飛行機
    4.0
    異常に厳格で、病弱で、夫婦仲の悪い両親を持つ、大屋敷理加子は、礼儀正しく真面目に過し、29歳になった。他人との距離のとり方に、何かしらぎこちなさを感じる理加子は、ふつうの恋、あたりまえの生活を夢見るようになっていた。そんなある日、彼女の前に江木という男が現われて……。切なく心に迫る長篇小説。ふつうの恋と生活、それが29歳、理加子の夢!
  • 石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの
    4.0
    2001年に発覚した外務省機密費流用事件、官邸・外務省を揺るがせたこの事件を掘り起こしたのは名もなき刑事だった。 容疑者は、着服したカネで次々と愛人を作り、競走馬を何頭も所有する外務省の「ノンキャリの星」。地道な裏付け捜査と職人技を駆使した取り調べ、そして容疑者と刑事の間に生まれる不思議な人間関係。 機密費という「国家のタブー」に触れてしまった二課刑事(ニカデカ)たちを待っていたのは――。 人間の息遣いが聞こえるヒューマン・ノンフィクション。
  • 月と太陽
    4.0
    太平洋上の島に招待されてホラー作家はその双子と会った。皆既日食を見た後、弟のほうが言う。「ぼくらが世界を変えてやるよ」(「絆」)。きみは誰かの獲物になる――奇妙な男にかつて予言された女性からの連絡が絶えた。顔のわからない篤志家は敵だったのか(「瞬きよりも速く」)。圧倒的な想像力で未来の夢を描く傑作!
  • 八股と馬虎 中華思想の精髄
    4.0
    中華思想とは何か? 始皇帝やいにしえの聖賢から毛沢東に至るまで、中国のなかに連綿と脈打ってきた思想──。じつは中華思想という言葉はあっても、その実態が精査されたことはかつてない。いや、できなかった。それはなぜか? 中国3000年の歴史を通じての謎であるこの命題に、いま筆者は渾身の力で迫る。中国史完結編。
  • 空飛ぶ寄生虫
    4.0
    「眼に入れても痛くない虫」「助平な蚊はいるか?」「輸入マラリアの恐怖」……。サナダ虫を愛して、自らの体内でも育むカイチュウ博士が、海外から運びこまれる寄生虫をユーモアたっぷりに紹介しつつ、「清潔ニッポン」をめざす常識の危さに警鐘を鳴らす! ベストセラー『笑うカイチュウ』を越える仰天エッセイ。 外国産の寄生虫が日本を襲う! 読んでビックリ、寄生虫の仰天話と常識の非常識。
  • ハロー、スタンカ、元気かい プロ野球外人選手列伝
    4.0
    日本のプロ野球を興奮させた「助っ人」たちの熱き闘いの日々と、いま歩む第二の人生。外人選手第一号のバッキー・ハリスから、スタンカ、ジーン・バッキー、ハドリ、スペンサー、マニエル、アルトマン、ジョンソン、ホプキンス、ライト、ジョー・ルーツ、バルボン,カ-クランド……などの白人・黒人選手を、外交史の権威が訪ね歩いて、綿密な取材を通して描く、ドラマチックな人間記録。
  • 私家版 かげろふ日記
    4.0
    「私は身分違いの相手に想われ、玉の輿に乗った女である。」――並外れた美貌と作歌の才に恵まれた平安朝の一女性が、浮気の絶えない夫との生活から女同士の確執、一人息子への溺愛ぶりまでを赤裸々に綴る。無類に面白い千年前の記録を、大胆かつしなやかな日本語で生き生きと再現させた現代人必読の書。平安朝日記文学の傑作を、しなやかで優美な現代語で甦らせた名篇。女の人生、夫次第。古典のおもしろさ、新発見!
  • 切ないOLに捧ぐ
    4.0
    いま充実した仕事ぶりで輝く、脚本家&作家の内館牧子。「自分探しの道」だった大企業で過ごした13年半の奮闘を、1年ごとにていねいに辿ってつづる、心のあれこれ。後輩のOLたちに夢、仲間、同僚、上司、挫折、そして訪れたチャンスを、粋に、ユーモラスに告白する。日々の切なさを軽快にはねのける、元気の出るエッセイ集!
  • 文明の逆説 危機の時代の人間研究
    4.0
    地球というのは、刻々と増え続ける40億の人間と、150万種にも及ぶ生物を乗せた、満員の宇宙船だ。どこかで戦争があり、自然が破壊され、犯罪が頻発する。人は心身ともに病んでいる。これから現代人を乗せた宇宙船はどこへ行くのか? その先は破滅か、復活か? 現実に進行中の地球の危機の実態を示し警告する、衝撃のレポート。地球の破滅は、SFではない。宇宙船「地球号」は、破滅へ向かっている!
  • 桜下の決闘 吉岡清三郎貸腕帳
    4.0
    宮本武蔵をこの上なく憎み、「二」の字が大嫌い。吉岡一門の流れを汲む剣豪・清三郎は、その腕を貸して利息を活計(たつき)にしてきた。顔は美しいが陰気な下女・おさえに見送られ、今日も自慢の腕を揮(ふる)う。そして巡り合わせた、200年の時を超えた復讐劇。二刀流よ、覚悟! 破天荒な剣士の生き様を描く、痛快時代小説シリーズ第2弾!
  • 筋違い半介
    4.0
    「筋のとおった話は虫が好かねえ」……旗本の三男に生まれ、先祖も父も「ばか者」と切り捨て家を出た、岡っ引・半介が活躍する表題作。凶作に苦しむ村人を尻目に、米をたらふく食らう村役。それに腹を立てた村の男は、驚きの復讐法を考えた「口増やし」ほか、全7編。大胆な設定に、丁寧な筆致。時代小説の新星のデビュー作。
  • 秘剣 柳生十兵衛 隻眼一人旅
    4.0
    天才剣士・柳生十兵衛三厳(みつよし)は、将軍・徳川家光の信頼あつい小姓でありながら、朋輩との喧嘩の果てに、不意の飛刃で右眼を奪われる。一介の浪人となった若者は、甲州へ向うが、凄まじい闇の力の待ち伏せにあう。隻眼偉躯を堂々とさらして、非情の罠、殺到する暗殺団と闘い抜く十兵衛の、一身をかけた「秘命」を描く、傑作時代長編。天才剣士の修業の旅に隠された「密命」とは?
  • 独眼竜政宗(上)
    4.0
    時は戦国たけなわ。奥羽の名流・伊達輝宗の嫡男を病魔がおそった。疱瘡! 危く一命はとりとめたが、悪疫は彼の右眼を無残に奪った――独眼竜政宗の誕生である。だが、多難の前途を暗示するかのようなこの不幸に政宗はくじけなかった。国盗りに明け暮れる激動の荒海に、彼はさっそうと乗り出した!〈全二冊〉
  • 銀の糸あみもの店
    4.0
    親友の葉子から突然、「サホコ タスケテ」と隅のほうに編み込まれた、レース編みのスカーフが送られてきた。さほこはびっくりして、葉子の勤める編み物店をたずねたが……。編み物に魅せられた少女の運命をえがいた「銀の糸あみもの店」のほか、「西明かりのときに」「電話」「うす黄色のかさ」「透見めがね」など、斬新で都会の香りあふれるファンタジー短編を、11話収録した傑作童話集。
  • からす組
    4.0
    薩摩・長州・筑前を護衛に従えて、新政権の奥羽鎮撫総督が仙台に派遣され、会津討滅が命じられた。62万石の雄藩は混乱し、親政権派、親会津派に藩論は二分された。士道に生きる仙台藩士として、細谷十太夫は立ち上がったが……。奥羽越列藩同盟と新政権との死闘と、豪気な指導者像を鮮烈に描く、傑作長編。転換期の鮮烈な指導者像。魔風の如く暗夜に馳ける、男の意気を描く!
  • ビビビ・ビ・バップ
    4.0
    現代文学のトップランナーが、AI社会をポップに描いたSFジャズエンタメ巨編!「僕の葬式でピアノを弾いて頂きたいんです」それがすべての始まりだった。電脳内で生き続ける命、アンドロイドとの白熱のジャズセッション。大山康晴十五世名人アンドロイドの謎、天才工学少女、迫り来る電脳ウィルス大感染…。平成の新宿から近未来の南アフリカまで、AI社会を活写し、時空を超えて軽やかに奏でられるエンタテインメント近未来小説!
  • 極北クレイマー2008【電子特典付き】
    4.0
    1~2巻770~902円 (税込)
    財政破綻がささやかれる極北市民病院に赴任することになった今中良夫。極寒の北国、経費も人材も削減された医療現場に未来はあるか!?
  • スペインの食卓から
    4.0
    果てしなくひろがるブルーの空のあるところ――自分探しの旅に出たスぺインに、すっかり魅了され、とうとう子連れ留学してしまったちひろさん。文化は食にありと、料理ノートを片手に各地を廻り、スぺイン料理研究家になってしまった。迫力満点の体験記に加え、かんたんおいしいスぺイン料理フルコースレシピ付。『わたしのスぺイン食探険』を改題した作品。スペインはおいしい! おいしいスペインをたっぷりどうぞ!
  • アフロディーテ
    4.0
    人間の英知を集めて完成した、人工の理想の海上楽園都市の島「アフロディーテ」に夢を託して移住した青年・蒔田雄一。彼をを待つ試練とは何か? 美少女アニタをめぐる若者たちの熱い思い、権力者たちとの熾烈な闘い、雄大な陸海に展開するニュー・メカ群……。青年の夢とロマンを縦横に描く、傑作長編SF冒険譚。青春て何だ? ハイテク都市に愛と理想を追う青年の物語。

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