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Posted by ブクログ
『密航船水安丸』は、新田の『アラスカ物語』のスピンアウト作品。『アラスカ物語』では、宮城県石巻出身のフランク安田(安田恭輔)をとりあげていた。
『密航船水安丸』は及川甚三郎(1855-1927)の生涯を淡々と描いている。フランク安田と同じく、及川は宮城県の山村の出身。1907年、82人の仲間と帆船でカナダへ密航。ヴァンクーヴァーの無人島を開拓し、日本人移住者の基礎を築いた。
ジョン万次郎や悲惨な移民の話の類かと思って読んだら、そうではなかった。及川はカナダに渡る時にはすでに42歳。150人がはたらく製糸工場の経営者だったのに、そんな途方もない冒険に乗り出した。波乱万丈、根っからの冒険的起業家だったのかもしれない。
単行本は,新田が亡くなる前年の1979年の刊行。巻末には、50ページほどの「取材記 黄金色のカナダ」が付いている。本文よりも、こちらのほうが貴重かもしれない。
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