Posted by ブクログ
2013年12月27日
生まれも育ちも神奈川県は足柄上郡で、我が家のベランダからは富士山がよく見えた。富士山の頬をザックリとえぐった宝永火口は美的観点から疵だよなぁという印象しかもっておらず、まさか自分の故郷がその宝永噴火で最も被害を受けた地域だったとは迂闊にも知らなかった。
1707年の宝永大噴火は、駿東郡と足柄上郡に降...続きを読む灰による大被害を与えた他、その後の大雨が灰を押し流し酒匂川の堤が決壊、足柄下郡に深刻な洪水被害も与えた。その結果、これらの地域の農民は飢餓の危機にさらされた…
本書は、政府から見棄てられた飢民を救うために命を懸けて働く代官を中心にして、富士山噴火という大災害のその後を描いた物語だ。全国から集めた救済金が別の予算に使われたり、復興が遅遅として進まなかったり、現代にも通じる問題はまさに他人ごとではない。
小田原高校卒業生は必読!