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開拓期の北海道。 命が軽んじられる場所で、生き抜こうとする者たちがいた。 騙されてタコ部屋に送られ、過酷な労働を強いられる男。 貧困にあえぎ、子のため身を売る女――。 旅でこの地を訪れた現代の就活生・上原沙矢は、 彼らの人生に触れ、己の道しるべを見いだす。 時代を超え、生きる意味を問う傑作!
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Posted by ブクログ
とても深いストーリー。 故人の方々の努力もだけど、報われなかった感情や法律等々に縛られた経緯からの脱却? GHQのお陰で? 今の日本は、割と平和に秩序を守って生活が成り立っている。 映画にも出来そうだけど、とてつもなくお金が掛かるでしょう…ね。 文庫本での購入だけど、金額以上の中身だった。 久々の満...続きを読む足感。 ‘20.06.05読書完了
北海道の遊郭とタコ部屋の話でした 遊郭の娼妓の生活、タコ部屋の男たちの生活 いずれも壮絶で厳しいものでした その中で生きる人たちを少しでも感じながら 読みました そんな時代もあったのか しかもこの日本で・・・ 娼妓には強さを感じました
2020年、6冊目は、中一冊で蛭田亜紗子。 就活中の上原沙矢は、束の間の二人旅のために、恋人、宮澤拓真の住む北海道へ旅立つ。しかし、仕事に忙殺される拓真。結局沙矢は、石北本線で単身網走を目指す。途中、廃止が決まった金華駅で下車する沙矢。そこで常紋トンネルの歴史と、かつて網走にあった遊郭に興味を持つ...続きを読む。 コレまで読んできた蛭田亜紗子作品とは、テーマも、文体も、重みが違う。 メインパートは、大正期の娼妓、胡蝶(八重子)と、帝大生でありながら、タコ部屋で土工夫として働くことになってしまった、鱗太郎の話。 個人的に、胡蝶はじめ、網走の遊郭、「宝春桜」のパートが特に好き。流され生きてきたが、息子の死をきっかけに変わる胡蝶。宝春桜のお職(今で言う、お店№①)の百代。胡蝶の後輩娼妓、薄雲。古株の松風。等、それぞれのキャラ立ち、エピソードはかなりグッと来た。 逆に、鱗太郎のタコ部屋パートは、個人的にあまりのめり込めずだったし、現代の沙矢のパートがどうしても弱い印象は拭えない。 これまで読んだ、蛭田亜紗子作品『エンディングドレス』が一番好きだったが、わずか2ヶ月で首位交代。「宝春桜」のパートだけでも、★★★★☆評価決まり。
日々の発言に信頼のおけるフォロワーさんが絶賛していたのと、舞台が北海道だったこともあり、手に取ってみました。 遊郭、タコ部屋…タコ部屋はなんとなくあったんだろうなぁと想像ついてたけど、遊郭は最近まで北海道にもあったことを、歴史としても知らずにいて、これを機に調べてみたら、実は実家の通りにもあったこ...続きを読むとがわかって激しく驚き。 半分都市伝説みたいに、地元にもある「人柱」の件も、これを読むと現実味が増し。 激動の時代を生きた男たち女たちと、今を生きる男たち女たちが交差することで、いつの時代も生きるのは大変で、だからこそ生きなければ…みたいな、落としどころとしてはきれいにまとまっていて、かつ、描写はとても激しく、作者の作品は初めて読んだけど、同じ北海道出身の方で、もっと読んでみたいと思った。
蛭田亜紗子『凜』講談社文庫。 何となく『凛』というタイトルに惹かれて購入。最初は裏表紙に紹介されている内容と少し違うかなと思ったのだが、こういう構成なのかと納得。 上原沙矢の生きる平成から昭和、そして八重子の生きる大正と少しずつ遡り、北の大地で激動の時代を駆け抜けた逞しい女性の物語が描かれる。 ...続きを読む 八重子の壮絶な物語には、それなりに興味を覚えたのだが、平成時代の上原沙矢の物語は必要だったろうか。上原沙矢の物語があることで作品としての起承転結が曖昧になっているように感じた。また、八重子の時代に描かれる麟太郎の物語も読み終えると蛇足のように思えてしまう。 就職活動と卒業論文作成を控える大学生の上原沙矢は特急オホーツクに乗り、網走を目指していた。沙矢は途中にある金華駅で『常紋トンネル殉難者追悼碑』を目にしたことから、網走で見付けたある本により、北の大地に生きた女の人生を知ることになる。 大正三年、八重子は一人息子の太郎を知人にあずけ、網走の遊郭『宝春楼』で働くために東京から網走へ向かう。遊郭の初見世が終わったある日、知人からの手紙で息子の太郎が死んだことを知った八重子は何が何でもトップに立つことを決意する…… 本体価格820円 ★★★★
■土工夫と女郎、2人の目を通した苦難の北海道開拓歴史小説。 ■エロとグロの表現がどぎつい。だが、それくらい著者は資料を読み込んで自分のものにしたのだろう。 ■平成時代と大正時代、土工夫と女郎、その対比と時代・人物の交錯は面白い。 ■電車の中で一気に読んだ。読後感...さわやかでない。
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