検索結果

  • 蠕動で渉れ、汚泥の川を
    3.6
    『17歳の失敗は、人生の失敗じゃないのだ』と 貫多は私に教えてくれた――湊かなえ氏 こんな青春も、存在する――17歳。中卒。日雇い。人格、性格に難あり。しかし北町貫多は今日も生きる――。無気力、無目的に流浪の日々を送っていた貫多は、下町の洋食屋に住み込みで働き始めた。案外の居心地の良さに、このまま料理人の道を目指す思いも芽生えるが、やがて持ち前の無軌道な性格から、自らその希望を潰す行為に奔り出す――。善だの悪だのを超越した、負の青春肖像。渾身の長篇私小説! 解説・湊かなえ
  • 全訳 源氏物語 一 新装版
    4.3
    1~5巻770~814円 (税込)
    帝の寵愛を一身に集めた桐壺の更衣が産んだ美しい皇子と、かかわる人々の姿を情感豊かに写し取った、世界最古の長編小説「源氏物語」。切なさといとおしさに満ちあふれた恋模様や、熾烈な権力闘争など、いつの世も変わらない人間の営みを描ききった日本文学の最高傑作が、與謝野晶子の優しく格調高い筆致で現在によみがえる、54帖全訳の決定版! 第一巻には「桐壺」から「花散里」までを収録。
  • 蒼海に消ゆ 祖国アメリカへ特攻した海軍少尉「松藤大治」の生涯
    5.0
    米・サクラメントに生まれ、「日本は戦争に負ける。でも、俺は日本の後輩のために死ぬんだ」と言い残して死んだ松藤少尉。生前の松藤を知る一人ひとりを訪ね歩き、その生涯に迫った感動の歴史ノンフィクション。
  • 双仮面
    5.0
    日本一の造船成金といわれる大富豪雨宮万造が、喜寿の祝いに造らせた黄金の模型船。船首にはダイヤが燦然と輝やき、その豪華さには誰もが眼をうばわれた。ところが、謎の怪盗風流騎士がこの黄金船を狙っているという噂が流れ始めた。駆けつけた警察が邸の内外を監視し、黄金船のある大広間では万造の孫恭助がしっかりと見張っていた。だがその時、恐るべき怪盗はいつのまにか忍び込んでいたのである。由利先生と等々力警部の異色コンビが、狡猾な犯人と対決。表題長編ほか2篇収録。 カバーイラスト/杉本一文
  • 早期退職
    3.7
    1巻704円 (税込)
    辻本壮平、52歳。「エンゼル製菓」営業3課長。妻子あり、住宅ローンは完済ずみ。 ある日突然、早期退職募集が開始される。辞めるべきか、会社にとどまるか、どちらが得かで悩む辻本課長の選択は――。
  • 蒼穹の射手
    3.5
    1巻704円 (税込)
    日本がカンボジアでのPKO活動に踏み出した頃、航空自衛隊千歳基地に一人の男が着任した。真田二等空尉、戦闘機パイロットである。彼が搭乗を命ぜられたのは、コクピットの装備がこれまでとまったく異なるF15イーグル。一部の政治家、防衛産業、空自OBらによって極秘に開発されたこの機体には、夜間低高度侵攻能力と核装備能力が与えられていた……。大空に憑かれた男たちの過酷な任務と運命を描く航空冒険小説。
  • 草原の輝き
    4.3
    1巻462円 (税込)
    誰かと一緒に生きるということ。それは、隣にいる誰かを、100パーセント受け入れること――。母親が弟を道連れに無理心中したという知らせを受け、林間学校からとんぼ返りしたなつき。痛ましい記憶に支配された心をときほぐしたのは、結婚相手の優、ときおり新居を訪ねてくる少女・佐野佳奈子、そして一面に広がる心の草原だった――。圧倒的な哀しみにふるえる心が優しく共鳴する、感動の物語。
  • 逸脱 捜査一課・澤村慶司
    3.6
    10年前の未解決事件を模倣した連続殺人。立て続けに3人の惨殺体が見つかった。県警捜査一課・澤村は、コンビを組む初美とプロファイリング担当の橋詰と犯人を追うが、上司と激しく衝突し孤立を深める。澤村は過去に自分が犯した失態により心に大きな傷を抱えていた。トラウマを払拭すべく澤村が捜査に邁進する中、さらに4人目の犠牲が出てしまう。被害者の共通点を洗うと、浮かび上がってきたのは意外な人物だった――。
  • 歪 捜査一課・澤村慶司
    3.4
    長浦市で発生した2つの殺人事件。無関係かと思われた事件に意外な接点が見つかる。容疑者の男女が同郷出身でふたりは故郷で密会していたのだ。県警捜査一課の澤村は、雪深き東北へ向かうが……。
  • 捜査指揮
    3.0
    1巻682円 (税込)
    70件に及ぶ現実事件を素材として明かされる捜査指揮の形とは。伝説のノンキャリア警視庁捜査一課長・寺尾正大氏の協力も得て刊行され、第一級のリーダー論としても読み応えある一冊。
  • 捜査線上のアリア
    3.0
    銀行員の津村豊和は雑誌の懸賞小説に応募、幸運にも新人賞に入選した。入選後は会社も辞め、取材の依頼や講演が殺到し「時の人」となった。だが、それも一時期だけで、原稿依頼もとだえ、妻の則子は温泉街の芸者になり生活を支えることに。ある日、津村は泊まっていたホテルで殺人事件に巻き込まれ、“容疑者”として取調べられた。皮肉な事にこれをきっかけに津村の小説は急に売れ出した。一方、捜査線上には、意外にも流行作家のMが浮かんだが、Mには鉄壁のアリバイが―――。文壇の内幕を抉る、社会派ミステリー!!
  • 捜査流儀 警視庁剣士
    -
    警視庁捜査一課の郷謙治は、刑事でありながら警視庁剣道の選ばれし剣士。池袋で発生した連続放火事件の捜査にあたる郷は、相棒の竹入とともに地を這う聞き込みを続けていた──。剣士の眼が捜査で光る!
  • 相死相愛
    -
    カップルが集まるので有名な沼のほとりで、若い男女の死体が発見された。死んでいた銀行員の佐伯敏夫と水沢昌子の2人は相思相愛の仲であったが、両家が敵対する間柄だった。それを苦にしての心中ということで事件は結着が着くかにみえたが、佐伯が銀行で株券を横領していたという事実が判明するや、新たな局面をむかえ――!?
  • 喪失
    3.2
    京都市内のビルの非常階段で、有力不動産会社社長、真鍋征矢の妻、文香の遺体が見つかる。文香の手には夫・征矢の金属製のブレスレットが握られていた。妻は夫からの暴力被害を訴え離婚調停中だった。事件後、文香の担当弁護士の和光は、彼女は嘘をついていた、DVはなかったとして、征矢の無実を証明したいと名乗り出る。果たして嘘をついているのは誰か。京都府警の準キャリア刑事、大橋砂生が不可解事件に執念で挑むが……。
  • 喪失記
    3.6
    五年間、一度も友人と食事をしたことがない。他人と話をするのは、月二度程度という静寂だけの日々。――理津子は男に飢えていた。カトリック神父のもとで育った彼女は、恐ろしいほど規律正しい厳格な生活が、骨の髄まで染みついている。他人に、自分に嘘がつけない。誤ちには厳しい戒めもいとわない。そんな理津子の前に、本能の赴くままに生きる男・大西が現れて……。子供から大人へ――。精神と肉体の変化、個人と社会との関わりを残酷なまでに孤独な女性を通して描ききる。
  • 早春賦
    -
    徳川家康の治世、八王子には千人同心と呼ばれる半士半農の郷士たちがいた。風一も、そんな家に生まれ畑仕事に精を出す17歳の少年だった。だが、大久保長安が没し、その資産に目をつけた幕府の策謀が、風一の前途に暗い影を落としてゆく。長安の直轄家臣団と千人同心が反目。そのあげく父が風一の幼なじみに惨殺されて…。友情と別離、そして悲運。苛烈な運命に翻弄されながら風一は成長してゆく。万感胸に迫る時代長編。
  • 早春物語
    3.0
    もし、私の声が母に似ていなかったら、何も起こらなかったかもしれない。でも、そんなこと、今さら言ってみてもしかたがない。家にかかってきた一本の電話――。それは私の心に母へのはじめての疑惑を芽生えさせ、私を大人の世界に迷いこませるものだった……。私、沖野瞳。大人と子供、男と女の間で微妙に揺れる多感な年ごろ。超ベストセラー作家が、〈17歳〉の少女だけがもつきらめきと危うさを見事に描いてみせた青春ミステリー。
  • 創神 織田信長
    3.0
    「儂はのん、この世でこのうえなき神だで。今生で儂より偉き神はあらぬゆえ、後生にてもまた、儂はこのうえなき神になるのだわ」。天正7(1579)年、織田信長は天下統一の拠点として安土城天主閣を完成させた。 この幻の名城の内部には巨大な「吹き抜け空間」があり、その中心に宝塔が安置されていた。この宗教的演出は何を意味したのか。『下天は夢か』で爆発的ブームを起こした著者が、信長の実像に鋭く迫る!
  • 葬神記 考古探偵一法師全の慧眼
    3.1
    怜悧な頭脳とカミソリのような態度。一法師全は私設研究所に所属する文化財専門のトラブル・シューターで“考古探偵”の異名を持つ。アルバイトの古屋は遺跡の発掘現場で運悪く死体を発見して警察に連行されてしまう。“ぬかとさま”の祟りという噂が一人歩きをはじめる中、教育委員会から依頼を受けた一法師の登場によって事件は解決するかに見えたが、それは始まりに過ぎなかった。考古学ライトミステリ、シリーズ第1弾!
  • 双生児は囁く
    3.8
    真鍮で作られた檻の中に飾られた真珠の首飾りは、「人魚の涙」と呼ばれ、デパートで展示されていた。ところが平日の昼すぎ、数名の客の前で、「人魚の涙」の番をしていた男が殺され、また首飾りを持ち去った女も奇妙な死を遂げてしまう。幾重にも絡んだ謎を解き明かすのは――。表題作ほか、名探偵・金田一耕助を生み出したミステリの巨匠・横溝正史が遺した短篇。汁粉屋の娘/三年の命/怪犯人/空家の怪死体/蟹/心/双生児は囁く/を収録。
  • 総選挙ホテル
    3.7
    1巻704円 (税込)
    ○著者の言葉「働く現場でしか学べないことがたくさんあると思っています。育った環境も、考え方も、年齢も違う職場の中で揉まれることが、人として成長させてくれると思っています。しんどいけれど喜びもある、それが職場。そこにある感動を小説にしたいと考えました。」桂望実 ○単行本時帯推薦文より 「一丸となって」でも「勧善懲悪」でもない感動的な人間ドラマがここにはある。まさに極上のエンタテインメントだ。松田哲夫(編集者・書評家) ○内容紹介 ある中堅ホテルを立て直そうと、外からやってきた変わり者の社長が提案したことは「総選挙」! そう、ホテル内の従業員の配置を“選挙”で決めるという斬新な人材シャッフル案でした。しかもそれだけに終わらず、管理職の選挙まで! 果たして従業員の反応は? 今の日本の働く環境の閉塞感を打ち破るお仕事小説。さまざまな年代の男女が抱え働く悩みに答え、働くことの意味、働くことで成長できる喜びを読書で味わえる、お仕事エンタメ作品。
  • そうだ、やっぱり愛なんだ 50歳からの幸福論
    3.0
    家族の愛、夫婦の絆、親がくれた愛・・・生きていくには愛が必要です。おしゃれや若い人との付き合いを通して、おばさんを楽しむ術や、一人で過ごす豊かな時間の楽しみ方、女友達との買い物やストレスをためない方法などの小さな幸せの見つけ方、大人の同窓会や思い出にひたる幸福など、時がたったからこそ楽しめる人生の極意をエッセイで紹介。文庫化にあたり、犬との出会いや美しく歳を重ねるために必要なことなどのエッセイを収録。大人気漫画家が語る幸福論。 家族への愛、仕事への愛、友人への愛、根底に愛があれば、いやなことも易々と乗り越えられる。 築いたキャリアも、多少の貯金も、まったく何の役にも立たない手術台の上で、「愛」だけが力を与えてくれた、と語る著者の最新エッセイ集。
  • 総長への道 前篇
    5.0
    1~2巻682~726円 (税込)
    激動の昭和初期。急速に発達する資本主義の波にのまれ、やくざは一介の暴力団と化しつつあった。そのなかにあって前田一家の代貸・不動は、昔ながらの仁義を貫き通す男のなかの男として名をあげていた。「あんな男になりてえなあ…」。不動にあこがれる造酒屋の若旦那・信次郎は、ひとりの博徒を殺し、極道の世界に足を踏み入れるが…。「男とは何か」を問う、任侠小説の白眉!
  • 蒼茫の大地、滅ぶ (上)
    5.0
    1~2巻660円 (税込)
    突如、日本を襲ったバッタの巨大な群れは、東北地方で米、野菜を喰いあらし、人々をパニックに陥れた。不信、暴動、輪姦……最悪な事態をむかえ、対策は急を要した。しかし、政権を維持しようとする中央政府の出した結論は、東北六県を切り捨てる冷酷・非情なものであった。やむをえず、東北地方の県民による「東北地方守備隊」が組織され、中央との対立はついに限界に達する……! 空前絶後の想像力で描く、感動のスーパー・パニック・ロマンの傑作!
  • 総理大臣という名の職業
    -
    日本の総理大臣とは、どのような職業なのか? どのような権力をもち、どのように政策決定し、国を動かしているのか? ブレーンは? 日常業務は? 警備は? 収入は? 総理大臣 という職業の裏と表を、すべて紹介する。日本一忙しくて日本一孤独な職業、総理大臣。庶民の知らない権力者の実像に迫る。
  • 総理に告ぐ 新橋署刑事課特別治安室〈NEO〉
    3.8
    ノンフィクションライターの小林は、脳梗塞で療養中の元与党幹事長・佐竹の回顧録のゴーストライターを引き受ける。売れないライターからの一発逆転を狙い、小林は過去のスキャンダルを告白させようと試みるが、国の行く末を憂う佐竹が語り出したのは、戦争のできる国家へと大きく舵を切る現総理大臣のスキャンダルだった。しかし、佐竹の告解が終わった刹那、公安警察が現れて乱闘になり、脳梗塞を再発した佐竹は死亡してしまう。佐竹の告白と乱闘の一部始終が録音されたレコーダーを手に、現場から命からがら逃げ出した小林は、旧知の警察官の助けを得て、マスコミを巻き込んだ大勝負に出るが――。
  • ソウルズ
    3.5
    音楽だけでは食べてゆけないフォルクローレ・デュオの僕ら。クリスマスイブにコンサートの仕事が入った。場所は浜松の病院。ギターとケーナとチャランゴと、浜松ならばうなぎくらい出るのではないかという小さな下心とともに会場へ向かうと、そこには思わぬ観客たちが待っていた……。たとえすれちがっても、人は何かでつながっている。魂が、様々な色彩であなたを包む珠玉の短編集。
  • 葬列
    3.9
    不幸のどん底で喘ぐ中年主婦・明日美としのぶ。気が弱い半端なヤクザ・史郎。そして、現実を感じることのできない孤独な女・渚。社会にもてあそばれ、運命に見放された三人の女と一人の男が、逆転不可能な状況のなかで、とっておきの作戦を実行した――。果てない欲望と本能だけを頼りに、負け犬たちの戦争が始まる! 戦慄と驚愕の超一級クライム・アクション。第二十回横溝正史賞正賞受賞作。
  • 狙撃 地下捜査官
    3.0
    警察官を内偵する特別監察官に任命された上月涼子は、上司の鎮目とともに警察組織内の闇を追うことに。やがて警察庁長官狙撃事件の真相を示すディスクを入手するが、組織を揺るがす陰謀に巻き込まれ――!?
  • そして、楽隊は行く
    3.6
    木立ちに囲まれた静かなペンション〈三人姉妹〉。名前の通り、八重子・薫・沙江の三姉妹が切り盛りする、小さいながらも評判の良いペンションである。ある日、ペンションの常連客・谷口誠二が何者かに殺害された。谷口はセールスの出張でこの町を訪れるたびに〈三姉妹〉に泊まっていたのだ。この狭い町で、いったい誰が谷口をそれほど憎んでいたのか――? 閉ざされた人間関係と、そこに隠された愛憎を描き出す長編サスペンス・ミステリー。
  • そして誰も死ななかった
    3.8
    覆面作家・天城菖蒲から、絶海の孤島に建つ天城館に招待された五人の推理作家。やがて作家たちは次々と奇怪な死を遂げ、そして誰もいなくなったとき、本当の「事件」の幕が開く。特殊設定ミステリの真骨頂!
  • そしてベルナは星になった
    4.0
    つらい闘病生活を終え、夫の腕に抱かれて眠ったようなベルナ…。おだやかな早春の光の中、私は盲導犬ベルナと暮らした、もう二度と戻ることのない13年間の日々を思い出すのです。「ベルナのしっぽ」感動の続編。
  • そして僕等の初恋に会いに行く
    値引きあり
    -
    社会人生活に疲れていた雄也に、突然中学校時代の同級生から電話がかかってきた。話の流れで、文化祭で中途半端になっていたプライベート映画を完成させ、上映しようということになるが……。
  • そして私は一人になった
    3.7
    「六月七日、一人で暮らすようになってからは、私は私の食べたいものしか作らなくなった。」夫と別れ、はじめて一人暮らしをはじめた著者が味わう解放感と不安。心の揺れをありのままに綴った日記文学。
  • 訴訟合戦 オレ、あした、部長のこと訴えるわ
    4.3
    「部長の発言、訴えてもいいんですよ」。「殿山缶詰」の若手社員、飯尾、佐山、多賀井の3人は、日頃の鬱憤を晴らそうと「裁判」「慰謝料」などの言葉をちらつかせ、部長の久保見を謝らせることに成功する。これをきっかけに社内では部下が上司を訴える事態が頻発。容認できない課長の楠木、寺石たちは、弁護士をバックにつけ反撃を開始した。そんな中、会社が買収されるかもしれない事件が起こって……。実用ビジネスノベル!
  • そっと、抱きよせて 競作集 <怪談実話系>
    2.8
    「正月の二日に女が死ぬと、七人道連れにする」田舎町で囁かれる不吉な噂、古いマンションに漂う見えない子どもの気配、霧深き山で出会った白装束の男たち、どこからともなく聞こえる「ほおみい」という謎の言葉……現実と虚構のあわいに広がる不穏な世界へようこそ。辻村深月、香月日輪、藤野恵美、朱野帰子、伊藤三巳華、小島水青、安曇潤平、松村進吉、朱雀門出、詠坂雄二、10名の人気作家がつむぎだす、豪華怪談競作集。
  • 卒業式は真夜中に
    3.4
    高校2年生の如月映美は卒業式の後、誰もいない教室で鳴っている携帯を見つける。思わず中を見てしまうと、そのメールには、学校での殺人予告が! 青春サスペンス・ミステリー。
  • 袖すりあうも他生の縁
    3.0
    ちょっとした出来事も前世から因縁による。噂だけの知り合い、手紙だけでやりとりする文通相手、飲み屋での常連客仲間。生涯にわたってライバル心を燃やす姉と妹。ごく当たり前の日常生活の中にある様々な人間の絆を鋭く描いた連作短編集。
  • ソドム百二十日
    -
    時はルイ十四世治下の末期、「黒い森」の人里離れた城館で、悪名高き権力者プランジ公は弟の司教と友人二人を交え、彼らの絶対的権力に隷属した四十二人の男女とともに百二十日間にわたる性の一大饗宴を催す。強姦、男色、拷問、スカトロジー、虐殺という狂気の乱舞。性倒錯の総目録ともいうべき恐怖と戦慄のサド版“デカメロン”。他に偽作“ゾロエと二人の侍女”を収録。
  • その孤島の名は、虚
    3.7
    オーロラが教室を覆ったとき、女子高生たちの姿が忽然と消えた――。10年ごとに発生する神隠し。吉祥寺南高校・吹奏楽部24名は突如としてこの現象に巻き込まれ、謎の孤島に飛ばされた。忍びよる生きた影。螢のように輝く住人。常に変貌する自然や廃墟。襲撃による仲間の死。“存在”と“法則”に支配されたこの島で、彼女達は生き残れるのか!? 謎また謎、逆転に次ぐ逆転、そしてまさかの真実。衝撃の青春サバイバルミステリ!
  • その名は町野主水
    3.0
    慶応四年の戊辰の戦役に際し、会津藩の町野主水は、同藩士の佐川官兵衛、長岡藩の河井継之助らとともに北越戦線で壮絶な戦いを重ねるが、図らずも死すべき命を生き長らえる。会津開城後、民政局取締として若松に残った主水は、心ない新政府の施策に対し、会津の名誉回復へ向けて静かに心を燃やしつづけた。そして、貧窮する旧藩士の救済、無念の死を遂げた多くの戦死者の埋葬、慰霊をはじめ、戦後、荒廃した会津の復興に奔走する。“武士”の心を保ち、時に強引ともいえる剛直な言動から「最後の会津武士」と称された、稀代の人物の激しい生きざまを描く力作歴史長編。
  • その日の吉良上野介
    4.0
    浅野の刃傷沙汰から二年足らず、収賄の噂により役職を解かれた吉良は、隠居にあたって別れの茶会を準備していた。茶器を手にした吉良の脳裡に、ふとその日の光景が蘇る。天下の名器・交趾の大亀を前にした浅野のひどく思いつめた表情が……。赤穂事件最大の謎とされる刃傷の真因を巧みな心理描写で解き明かす表題作ほか、人情の機敏を濃やかに描き、鮮やかな余韻を残す五篇の忠臣蔵異聞。「千里の馬」「剣士と槍仕」「その日の吉良上野介」「十三日の大石内蔵助」「下郎奔る
  • 蕎麦屋の恋
    3.8
    秋原健一、四十三歳、ふつうの会社員。波多野妙子、OLを辞めた三十歳。それぞれに過去の小さくも苦い思いを抱えた男と女は、通勤の京浜急行で出会い、途中下車した駅の蕎麦屋でせいろをすすり、ただテレビを観る。淡く、不思議な甘さに包まれながら――。爽やかな感性の触れあいを描いた表題作他二編収録。日常に潜むふとした喜びやせつなさを掬い取った可憐な短編集。
  • 空が見ていた
    4.0
    9回裏、二死満塁。そこでフォアボールを与えてしまったピッチャーは、何を考えればいいのだろうか。数万の観衆に見つめられている男たちには、もうひとつのサイコ・ドラマがある。そこまで見透すことができるのは、おそらく〈空〉だけだ。空が見ていた――その視点は、異次元へと僕らを導いてくれる。エッセイ風に綴ったドラマチック・ストーリー。
  • 空と山のあいだ 岩木山遭難・大館鳳鳴高生の五日間
    4.3
    昭和39年1月、岩木山で高校生5人の遭難事故が起きた。連日の大がかりな捜索にもかかわらず5人の行方はわからなかった。岩木山は標高わずか1600メートルの円錐形の単独峰だ。その時5人に何がおきていたのか。※本作品は紙版の書籍から解説が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • 宙の家
    3.9
    女子高に通う雛子の家は、マンションの11階にある4LDK。どうにかこうにか宙空を、地球と一緒にぐるぐる回っている。暇さえあれば寝てしまう雛子、歳の割にしっかりした小学生の弟・真人、時々ヒステリックな母の圭以子。同居する祖母の萩乃が「運針の病」にかかってしまったことで、ぎりぎり保たれていた均衡がゆらぎ出した……。不安定な心のうつろいと喪失に、まっすぐにむきあう姉弟の物語。
  • 空、見た子とか
    -
    野田秀樹の処女長編小説? 子供だましなんじゃないの? 子供魂さ。ナンたって河竹黙阿弥の火曜放火(かようのほうかは)子供魂だもん。『火曜日のほオカマ事件』? 『僕帝国幻想』さ。8歳でノーベル賞だよ。 フン、しょせん人生は輪廻(ルーレット)ね。 僕は悪魔の国の代理執行人なんだ。 あら、あたしなんか「天使=オ・カ・マ」よ。ほら、その毎日中学生新聞の切り抜き。え、この切り抜きにまつわる未来の記憶? これが僕の物語の第1話だったんだ。この「僕の物語」の始まりだった第1話を語る頃、きっと「お前の物語」のその第十三話が、裏側では語られていたんだ。お前の第13話は、一体どこに……僕は切りぬきを、そうっと裏返してみた。そこにある、「お前の物語」の第13話……
  • それから
    3.9
    三部作の前作「三四郎」で描かれた淡い恋愛は、この作で、より深刻な人間的苦悩にいろどられる。自然の情念に引きずられ、社会の掟に反いて友人の妻に恋慕をよせる主人公の苦しみは、明治四十年代の知識人の肖像でもある。三角関係の悲劇を通して漱石が追求したのは、分裂と破綻を約束された愛の運命というテーマだった。西洋化する近代日本文明への失望と封建的道徳の偽善の狭間で苦悩する自意識を描き鋭い文明批評ともなっている。明治42年作。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
  • それでも空は青い
    3.9
    1巻748円 (税込)
    「うん」「いや」「ああ」しか言わない夫に、ある疑いを抱く妻。7歳年上バツイチの恋人との間にそびえる壁をどうにか飛び越えようと奮闘するバーテンダー。子どもの頃から築きあげてきた協力関係が崩壊の危機を迎える双子。外ではうまく喋れずに、じいちゃんと野球の練習ばかりしている小学生……。 すれ違ったりぶつかったり、わずらわしいことも多いけれど、一緒にいたい人がいる。人づきあいに疲れた心に沁みる7つの物語。
  • それでもドキュメンタリーは嘘をつく
    4.0
    「公正中立」な視点という共同幻想に支えられながら、撮り手の主観と作為から逃れられないドキュメンタリーの虚構性と魅力とは何か? 情報が「正義」と「悪」にわかりやすく二元論化され、安易な結論へと導かれる現代メディア社会の中で、ドキュメンタリーを作る覚悟と表現することの意味を考察したエッセイ。自らの製作体験や話題の作品を分析しつつ、自問と煩悶の末に浮き彫りにした思考の軌跡。
  • それなりのジョーシキ
    3.0
    タクシーの中で運転手から聞き出した、驚くべき入れ墨の歴史、突然、自分に憑依した極悪非道な別人格「よしこ」、カニバリズム(人肉食)の話題で大いに盛り上がるバーベキュー・パーティ、などなど……。ふと気がつくと、なぜか世間のジョーシキからちょっぴりはみ出てしまうキリコさん。でも彼女の目を通すと日常がとびきり楽しく見えてくるから不思議。横でハラハラドキドキ胸を痛める秘書Pを尻目に、今日ものんびりマイペース! 人気漫画家が超シュールなイラストと共に綴る、キリコ流ハチャメチャ日常雑記。
  • 存在しなかった男 警視庁捜査一課田楽心太の事件簿
    3.5
    北館奈々は、合コンで知り合った資産家の息子、津嶋栄とスピード婚を果たしタイにハネムーンへ。だが帰国便が羽田空港着陸寸前に、機内から津嶋の姿が忽然と消えた。失踪、誘拐、狂言、あるいは殺人…? 受け入れがたい現実を前に、夫の真の姿を追う新妻。周到にはりめぐらされた罠と数々の虚構を乗り越え、明らかになる驚愕の真相とは!? 警視庁捜査一課の田楽心太が空飛ぶ密室の謎に挑む、横溝賞作家、渾身のミステリ!
  • 存在証明
    -
    僕の友人で推理作家の内田康夫さんがエッセイ集を出します。ふだんは小説であるのをいいことに、あることないこと好き勝手に書いている軽井沢のセンセですが、エッセイを読んでみると意外な素顔が見えてきます。小説や社会のことを結構真剣に考え、得意の筆でそれを訴え続けるセンセも、世の中に対してきっと僕と同じ思いを抱いているのでしょう。これで、母や須美ちゃんも、照れ屋の正義漢である内田さんをちょっと見直してくれるかもしれません。  浅見光彦
  • そんなつもりじゃなかったんです THEY THEIR THEM
    4.0
    高校卒業後アメリカに留学したタカちゃん、鼻血症のRくん、自分の汗のにおいが好きなイケヤマちゃん、大学の入学式のとき隣りに坐ったナオコ、証券会社に勤める美女・ヒサコさん、それにマリコにリョウコにユージャに……。もう何年も前から(そして、きっとこれからも同じように)著者の周りで飽くことなくどうしようもないことをやり続け、いつでも、そしていつまでも良きネタ提供者でいてくれる友人たち。そんな「バカだけどゴキゲンな連中」をみなさんにも、紹介します!
  • そんなはずない
    値引きあり
    3.6
    松村鳩子は、三十歳の誕生日を挟んで、ふたつの大災難に見舞われる。自分を高く売ることを考えて、抜け目なく生きてきたというのに。婚約者に逃げられ、勤め先が破綻。失業保険が切れるころ、変りものの妹、塔子を介し年下の男、午来(ごらい)と知り合う。そして、心ならずも自分の過去の男たちとつぎつぎに会う羽目に。さらに、新しい職場である図書館の同僚たちに探偵がつきまとい、鳩子の男関係を嗅ぎまわっている、らしい。果して依頼人は誰? その目的とは? 大人の恋愛は純粋でもどかしい。恋愛にまつわる災難についての物語。
  • ソー・ザップ!
    3.5
    人を撃てる、こんな機会を誰が断るか――。「パブ・パピヨン」の広い店内で、自分の命に3000万円もの賞金をかけたレッドムーン・シバと名乗る謎の男。挑戦をうけたのは、素手の格闘では無敵の元レスラーのベアキル、手裏剣と小太刀の名人ハヤ、大型獣のハンターのブル、元警察官の金久木。そして――5人の男は、舞台として指定されたK山脈系の山野に分け入り、最も危険なゲーム“マンハント”をはじめる。
  • 臓器賭博
    -
    負けがこんだ男の代打ちを頼まれたギャンブラーの古賀。ゲームは現金の代わりに自分の臓器を賭けることができ、依頼主はすでに4つの臓器をとられていた。自分の臓器をカタに勝負に望む古賀。勝負の行方は?
  • 増補改訂 少年愛の美学
    -
    A感覚という磁場の上にきららかなオブジェを蒐集し、セックスの根源にせまるエロティシズム研究の集大成。三島由紀夫が絶賛した永遠の名著。このエロティシズム論にないものはセックスの生ぐささだけである。第一回日本文学大賞受賞作。
  • 増補版 国策捜査 暴走する特捜検察と餌食にされた人たち
    3.3
    「国策捜査」とは、特捜検察が政治や世論に後押しされて突き進んだ歪んだ捜査である。被疑者は特捜検察の筋書き通りの事件の犯人にされ、それをマスコミが煽ることが多い。犠牲となった人々の証言を聞く。
  • 賊将
    4.0
    西郷隆盛一筋に生きた「人斬り半次郎」こと桐野利秋は、フランス香水をその身にふりかけ、突撃してくる官軍の中へ斬り込んだ(「賊将」)。もはや将軍一個の力でおさえることができないほど強大になった守護大名の力、足利義政は迫り来る戦乱の予感になんら力を発揮できず憂悶した(応仁の乱」)。火付盗賊改の猛士・徳山五兵衛は、持て余した欲望のはけ口を夜毎描く秘画に求めた(「秘図」)。抗しえないものと直面する武人たち、その貌が著者独自の人間解釈の妙によって浮き彫りになる。直木賞受賞直前の力作6編をおさめた珠玉短編集。
  • 続 スカートの風 恨を楽しむ人びと
    4.5
    謝罪や御礼の仕方、人間関係における距離のとり方、同じ顔ながら、習慣が大きく異なる韓国人と日本人。私達はなぜかそれを文化の差と認め合うより先に、嫌悪を感じ反発し合ってしまうことが多い。また、頻発する日韓ビジネスのトラブルや容赦ない反日攻撃はなぜおこるのか? 留学生として韓国から来日して以来、長年の在日経験の中から見いだした、両国間の根深い感情や情緒の行き違いを検証する。深刻化する日韓摩擦のブラックホールを解き明かした衝撃のルポ・エッセイ第2弾!
  • 死霊狩り (1)
    4.5
    いま地球は、宇宙からの恐るべき侵略者に脅かされている。それは人体に寄生し、人間をたちまち狂暴な怪物に変えてしまう。この不気味な敵に対抗すべく、世界中から選び抜かれ、鍛えられた殺人専門家達で結成された国際秘密機関――それが《ゾンビー・ハンター》だ! 大事故に遭い、奇跡的に回復した天才レーサー田村俊夫は、再起に必要な大金と引き換えに、この秘密組織に身売りした。だが、彼を待っていたのは……。凄まじいアクションの連続、平井和正会心の力作!
  • タイ怪人紀行
    3.4
    金髪デブと兵隊ヤクザ、タイで大暴れ。不思議な国・タイで出会った怪人たちと繰り広げる、とにかく笑える”怒涛の記録”。サイバラ描き下ろしマンガも収録。ゲッツ板谷が贈る爆笑旅行記!
  • 大河の剣(一)
    完結
    3.0
    川越の寺尾村の名主の長男・山本大河は、村の者が呆れるほどのやんちゃ坊主ぶりを発揮していた。あまりの無法行為に手をやく父・甚三郎は、大河を勝光寺の和尚に預け、性根を叩き直すことを決めた。だが、大河の性根は直るどころか、やがて強い意志となって表れてきた。「剣で強くなりたい」との想いは、武者修行途中の剣士・高柳との出会いによって、大河の運命を大きく変えていく──。著者渾身の書き下ろし長篇時代小説。
  • タイガー&ドラゴン 完全版 上
    4.5
    1~2巻814~858円 (税込)
    幼い頃笑いを失ったヤクザの虎児。息子の夢につきあって借金を作る落語家のどん兵衛。笑いを捨てウラハラで服屋を始める竜二。借金の取り立てが縁で三人は出会い、人情劇が繰り広げられる。「三枚起請」を含む6編。
  • 大義の末 新装版
    3.8
    太平洋戦争末期、理想に燃える軍国少年・柿見。激動の時代に翻弄される少年の行く末は……。社会の価値観・思想が目まぐるしく変化する中で生きた少年の青春と葛藤を描く、城山三郎の最重要作品。
  • 狂桜記 -大正浪漫伝説-
    3.6
    中学生の柏木幹彦が暮らす家は近所から桜屋敷と呼ばれる古い屋敷だった。ある日、幹彦は入ってはいけないと言われている西の土蔵にいとこの聡とともに近づき、得体の知れぬ声を聞いてしまう。そしてその翌日、家にある“中将桜”で首を吊った聡が発見される。さらにいとこのまさ枝も行方が分からなくなってしまう……。桜屋敷に秘められた謎が奇怪な殺人事件を引き起こす。大正時代を舞台に描くゴシック・ミステリ。
  • 天の陽炎 -大正浪漫伝説-
    3.7
    華族たちがゴシップで世間を賑わせている大正時代。女学校を出たばかりの真珠子はその美貌を見初められ、綾瀬成祐子爵と結婚した。だが、夫は彼女を着せ替え人形のようにしか扱わない。そんな彼女の前に、大陸浪人の天童壮介が現れる。天童は綾瀬から金を騙し取り、大陸での成功を企んでいた。彼の思惑を知りつつも、真珠子は天童の語る大陸への思いに惹かれていく。そして姑の死をきっかけに、彼女の運命が大きく動きだす。
  • 大帝の剣 1
    4.3
    1~4巻880~1,232円 (税込)
    時は関ヶ原の戦塵消えやらぬ荒廃の世。身の丈二メートル、剛健なる肉体に異形の大剣を背負って旅を続ける男がいた。その名は万源九郎。忍術妖術入り乱れ、彼とその大剣を巡る壮大な物語が動き始める――!
  • 台風の目の少女たち
    -
    女子高生の杏奈が、台風の接近で非難した先で巻き込まれたのは……駆け落ちを計画している母や、美女と帰郷して来る遠距離恋愛中の彼、さらには殺人事件まで! 少女たちの一夜を描く、サスペンスミステリ。
  • 太平記(一)
    4.0
    鎌倉幕府の実態は腐り果てていた。執権は遊びほうけ、内管領が政治を思いのままにしていた。幕府討幕の志が捨て去れぬ後醍醐天皇は、近しい者と密議を繰り返していた。そして、夢のお告げに現われた天皇親政の先駆けとなる武士・楠木正成に使いを送るが、幕府側に動きを察知されて――。戦乱の世を激しく生きた英雄たちを、情熱的な筆致で描いた著者渾身の歴史大河小説。
  • 太平記【全6冊 合本版】
    3.5
    鎌倉幕府討幕の志が捨て去れぬ後醍醐天皇は、天皇親政の先駆けとなる武士・楠木正成に使いを送る。ともに幕府打倒を目指すふたりだったが、様々な壁が立ちはだかり――。戦乱の世を激しく生きた英雄たちを、情熱的筆致で描いた著者渾身の歴史大河小説。 ※本電子書籍は『太平記(一)』~『太平記(六)』を1冊にまとめた合本版です。
  • タイム
    4.0
    1巻1,012円 (税込)
    23年前「幼女悪戯」の無実の罪を着せられた青年が留置場で自殺し、数日後、その恋人が謎の死を遂げた。彼女は死の直前、西暦2000年に開封されるというタイムカプセルに無念の想いを綴った手記を託していた。一方、世捨て人のように生きているゴーストライターの松尾、あくなき上昇志向に燃えるエゴイストの桐原、さらに彼らの仲間2人は、秘密を抱いたままそれぞれの道を歩んでいた。やがて4人は運命に操られるが如く再会。だが、歳月は、かつての若者たちを容赦なく裁断する!
  • タイムマシンで戻りたい
    4.0
    「大腸がん検診率向上」を目指すまじめな団体、日本うんこ学会が贈る「うんもれエピソード」傑作選。他人にはなかなか言えない話だから、読めば「僕だけじゃないんだ!」と勇気が湧いてくる!
  • 太陽黒点 山田風太郎ベストコレクション
    4.1
    ”誰カガ罰セラレネバナラヌ”――ある死刑囚が残した言葉が波紋となり、静かな狂気を育んでゆく。戦争が生んだ突飛な殺意と完璧な殺人。戦争を経験した山田風太郎だからこそ書けた奇跡の傑作ミステリ!
  • 太陽の子
    4.7
    ふうちゃんが六年生になった頃、お父さんが心の病気にかかった。お父さんの病気は、どうやら沖縄と戦争に原因があるらしい。なぜ、お父さんの心の中だけ戦争は続くのだろう? 著者渾身の長編小説!(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
  • 太陽の世界 1 聖双生児
    5.0
    かつて、南太平洋には巨大な大陸が存在していた。それはムーと呼ばれていた。そこには、想像を絶するほど高度に完成された一大文明が栄えていた。だがある日、広大で肥沃な土地に住み、完成された国家を持ち、平和な日日を送るムーの人々を、突然の災厄がおそった。大地震、大洪水、そして火山の爆発があいつぎ、そこに栄えたあらゆるものを、跡かたもなく海中に没し去ってしまったのだ――。失われた大陸・ムーの誕生から滅亡に至る2000年の歴史を描く大河ロマン。
  • 太陽の世界 全18冊合本版
    -
    かつて、南太平洋には巨大な大陸が存在していた。それはムーと呼ばれていた。そこには、想像を絶するほど高度に完成された一大文明が栄えていた。だがある日、広大で肥沃な土地に住み、完成された国家を持ち、平和な日々を送るムーの人々を、突然の災厄がおそった。大地震、大洪水、そして火山の爆発があいつぎ、そこに栄えたあらゆるものを、跡かたもなく海中に没し去ってしまったのだ――。失われた大陸・ムーの誕生から滅亡に至る2000年の歴史を描く大河ロマン。2002年に作家が永眠するまで書き続けられた畢生の一大叙事詩18巻を1冊にまとめた合本版!
  • 対話篇
    4.0
    最初で最後の運命の恋、片思いの残酷な結末、薄れてゆく愛しい人の記憶。愛する者を失い、孤独に沈む者たちが語る切なくも希望に満ちた物語。真摯な対話を通して見出されてゆく真実の言葉を描いた中編集。
  • 高千穂伝説殺人事件
    4.0
    美貌のヴァイオリニスト千恵子の父・本沢は、M―商事の平凡なサラリーマンだった。秘密の留守番電話に〈ブツはニュータバルからタカチホへ。運んだのはノベウン。受けとったのは市川〉という謎のテープを残して、本沢は突然失踪した。その後、父の知り合いと称する男が、高千穂で不審死を遂げた。そしてまた、新たな殺人が…。 神話と伝説の国、高千穂に隠された巨大な秘密!! 千恵子は、私立探偵浅見の助けを借り、高千穂へと向かうが。気鋭内田康夫が、綿密な取材をもとに満を持して放つ、サスペンス・ミステリー。
  • 男役
    3.9
    1~3巻616~968円 (税込)
    トップになって二日目に舞台事故で亡くなった50年前の伝説の男役スター・扇乙矢。以後、大劇場の奈落に棲みつく宝塚の守護神ファントムさんとして語り継がれてきた。大劇場では月組トップスター如月すみれのサヨナラ公演の幕が開き、その新人公演の主役に大抜擢された永遠ひかるの前にあらわれた奇跡とは―。男役という稀有な芸への熱いオマージュを込めて中山可穂が情感豊かに描く、悲しく切ない恋愛幻想譚。
  • 宝塚シリーズ 【全3冊 合本版 電子特典付き】『男役』『娘役』『銀橋』
    5.0
    1巻1,980円 (税込)
    宝塚の希有な芸への熱いオマージュを込めて、愛と運命の業を情感豊かに描いた、悲しく切ない恋愛幻想譚『男役』。 新人娘役と、ひそかに彼女を見守り続ける孤独なヤクザの組長。決して交わるはずのない二人の人生の奇縁を描いた『娘役』。 芸達者なスペシャリスト集団「専科」に憧れて入団したえり子が、音楽学校時代からの特別な先輩・レオンのお披露目公演を見届ける魂の絆の物語『銀橋』。 ひたむきに芸の道に打ち込むジェンヌさんたちの愛と青春を描いた魅惑の宝塚シリーズ、全3冊をあわせた電子合本版!特別書き下ろしの合本版あとがき特典も収録。
  • 宝を探す女
    4.0
    岡坂神策は、ある晩ひったくりにあった女を助ける。が、なぜかその女は、東京御茶ノ水に埋まっているという幕末埋蔵金探しを持ちかけてきて(表題作)。失踪した男の近所で起こった殺人事件の真相。ある女子中学生が転落死した事故の謎。人気女優から依頼された、恋人の尾行調査の結末。「カティンの森事件」に埋もれた闇など、ハードボイルドの巨匠逢坂剛が描く5つの大人のサスペンス。「岡坂神策」シリーズ短編集。(『カプグラの悪夢』改題) 解説:千街晶之 ※本書は二〇〇一年八月、講談社文庫より刊行された『カプグラの悪夢』を改題、修正したものが底本です。
  • 誰がために鐘を鳴らす
    4.1
    翌年の廃校が決まっている、男子だらけの県立高に通う錫之助。ある日、担任から音楽室の片付けを命じられハンドベルを見つける。その音色に魅せられ、居合わせた3人の同級生――イケメンでそつがない播須、いじめられ体質の美馬、不良の土屋とハンドベル部を創立することになる。顧問は担任でお地蔵さん似の教師、あだ名は「ダイブツ」。チームワークもバラバラ、音楽の知識もないメンバーで、「女子高のハンドベル部との交流」という不純な目標から始まった部活動。だが、4人は徐々に演奏の面白さに目覚め、出会う人々の輪は広がってゆき…。卒業目前、錫之助がハンドベルの演奏を通して見た未来とは? 一人では絶対に演奏できない楽器、それがハンドベル。4人の凸凹男子高校生と独身教師が奏でる、笑えて泣ける青春物語! 文庫オリジナル書き下ろし短編「まつげに積もる雪」も収録!
  • タクシー
    3.5
    タクシードライバーの蛭間正は、深夜、一人の女を乗せる。だが、彼女は「佐賀県に連れて行って」という言葉を遺し、車内で死亡。女は何者かに胸を刺されていた……。女性の名前は香月雅代。しかも、雅代の遺族の懇願で、蛭間は死体を乗客として、タクシーを走らせることに――。東京から佐賀までの道程で発生する凄まじい豪雨、突然の落石、そして、正体不明の追跡者。タクシードライバーが未曾有の困難に挑む戦慄のサスペンス。
  • たけくらべ・にごりえ
    5.0
    古い浅草吉原の四季のうつりかわりのなかに、美登利、信如、正太郎ら少年少女の日常と幼い恋心を、女性作家ならではの肌理細かな観察と流麗な筆致で浮き彫りにした、明治文学不朽の名作「たけくらべ」。ほかに「大つごもり」「にごりえ」「十三夜」「わかれ道」「われから」を収め一葉文学の代表的作品集とした。
  • 竹島御免状
    5.0
    隠密として鳥取藩に送り込まれた裏柳生が、柳生ノ庄に急報をもたらす寸前、惨殺された。折しも、陰陽道に通じた柳生友信は朝鮮妖術師の日本侵入を察知する。朝鮮との衝突を避けるため、日本漁民に竹島渡海が禁止された「竹島一件」から4年、日朝関係に再び緊張が走るのか? 美女を従え、伝説の剣士たちを甦らせた妖術師の目的とは? 友信と共に鳥取に向かった柳生十兵衛が、因縁の敵との最後の戦いに挑む! 衝撃の伝奇長編。
  • 武田家滅亡
    3.9
    信玄亡きあと屈指の大国を受け継いだ武田勝頼は、内憂外患を抱えていた。近隣諸国からの脅威に加え、財政逼迫や家臣との対立も勝頼の孤立を深めてゆく。こうした状況のもと、同盟国・北条家から嫁いだ桂姫は、勝頼の苦悩に触れて武田・北条両家の絆たらんとするが……。信玄をも上回る武人の才に恵まれながら悲劇の主人公となった勝頼の後半生を、歴史小説界に現れた破格の才能が活写する本格歴史長編。
  • 武田信玄怨霊ツアー
    -
    8月14日。東西大学怪奇愛好会の面々は、夏休みを利用して5日間の合宿を行った。合宿の目玉は5日間にわたる肝試しツアー。戦国武将の武田信玄、勝頼が滅んだゆかりの場所を、AB2チームに分かれてめぐろうというもの。ところがツアーの参加者が、毎日1人ずつ消えていく。そしてついには殺人をもくろむ奴の魔の手が迫ってきた……。スリリングな青春模様を描いた学園サスペンス。
  • 竹取物語
    4.0
    『竹取物語』の大筋については、ほとんどの日本人が知っている。それほどポピュラーなこの物語が、世界で最も古い「SF」ではないかといわれている。アポロ宇宙船が月に到達するより1000年以上も前の日本に、月からやって来た美しい人がいた――という発想にはあらためて驚かされる。SF界の第一人者が、わかり易い文章で、忠実に「古典」の現代語訳に挑んだ名訳! 章の終わりごとに書き加えられた訳者の“ちょっと、ひと息”が、この物語の味わいをいっそう引き立てている。 ※本電子書籍には、紙版収録の竹取物語の原文は収録されておりません。あらかじめご了承ください。
  • 竹人形殺人事件
    3.7
    刑事局長である浅見の兄は昔、父が馴染みの女性に贈った竹人形を前に越前大観音の不正を揉み消すよう圧力をかけられる。そんな窮地を救うため北陸へ旅立った弟の光彦に竹細工師殺害事件の容疑がかけられ……。
  • 黄昏綺譚
    3.3
    ――この世に霊魂は存在する。そう確信するに至ったF君の幽霊との出会い、自らの前世を知った驚くべき経緯、記念写真に写り込んだUFO、各地の伝承に隠された意外な真実……。著者が実際に体験したとっておきの逸話と、様々な史料を丹念に読み解きながら導き出した、妙にして奇なる事実を紹介し、読者を興味尽きせぬ“怪異”の世界へ導く話題満載のエッセイ集。
  • 黄昏出張所 歴史修復官は時を駆ける
    3.3
    ある日の黄昏時。不遇の青年、遠野ハジメの目の前に、突然現れた古めかしい建物と、眼鏡をかけた不思議な男。 彼は自らを、時の蟲から歴史を守る「蟲番」だと名乗る。 蟲は、歴史上の人物の意識を喰い、過去を変えてしまうのだ。 蟲喰いを修復する3つのミッションに成功すれば、報酬がもらえると蟲番は言う。 一攫千金を夢見て任務に当たるハジメだが――。 温かな想いは、時空を超える。 感涙のラストが待つ、ダーク・ファンタジー! イラスト/伊東七つ生
  • たそがれに還る
    -
    惑星経営機構調査局員シロウズは、辺境星区航路を目指していたが、急遽、異変のあった金星へ向かう。金星で局員たちは荒廃した未知の巨大な建造物の幻覚を体験、遙かな時空を越えた滅びの声をきいた……。一方、冥王星に多発する地震を調査中の局員たちは、巨大な宇宙船を発掘。それは、自らを宇宙船にサイボーグ化した異星の生命体だった……。膨大な時の流れのなかで、戦慄すべき人類の未来を詩情豊かに描いた壮大な叙事詩。日本SFの名作。
  • 黄昏ゆく街で
    値引きあり
    4.0
    1巻264円 (税込)
    〈別れがあまりにも残酷なことならば、許すということはあまりにも切ないものだ。(中略)黄昏はそんな人間の心を影絵のように彩って、まるで叶えられなかったすべてをもとの場所へと連れ戻してくれそうだ――本文より〉真実の愛を求めるがゆえに、孤独な迷路をさまよう青年のやさしさと苦悩を描いた、未完の長編ラヴ・ストーリー。
  • 七人の手練 たそがれ横丁騒動記(一)
    3.5
    年配者が多く〈たそがれ横丁〉とも呼ばれる浅草田原町の紅屋横丁では、難事があると福山泉八郎ら七人が協力して解決し、平和を保っている。ある日、横丁の店主に次々と 強引な買収話を持ちかける輩が現れ、それを断った瀬戸物屋の権造が、何者かに殺された。買収話の裏に何かあると感じた泉八郎らは、探索を開始するが……。
  • 闘う皇族 ある宮家の三代
    3.0
    香淳皇后の実家として知られる久邇宮家。初代は明治天皇を手こずらせ、2代目は貞明皇后を激怒させ、3代目は婚約破棄事件を引き起こす。戦後、皇籍離脱したお騒がせ皇族の実態に迫る皇室ノンフィクション。
  • 戦う哲学者のウィーン愛憎
    3.0
    東大で二つの学部を卒業したものの、社会不適応を繰り返す中島青年。明日死ぬなら何をしたいか? せめて重度の「哲学病」を全うしたい、との願いのみ。三十三歳、逃げ場無し。ウィーンで自分を変えられるかもしれない……。だが、待ち受けていたのは頑固・高慢・偏見に凝り固まったヨーロッパだった。家を借りる、試験を受ける、映画を観る、とにかくすんなり事が運ぶためしはない。泣き寝入りもままならず、青年は決意する。ヨーロッパ人と顔突き合わせ喧嘩することを。戦うことと、哲学することはどこか似てる。自分自身になるための、怒りと涙と笑い溢れる奮闘を綴る、ウィーン喧嘩留学記。 ※本書は'90年1月、中公新書として刊行された『ウィーン愛憎』を、加筆、改題したものが底本です。
  • たたかう天気予報
    4.3
    1巻704円 (税込)
    ついに出た!火浦功の腹を抱えてトコトン笑える小説集「たたかう天気予報」がコレだ。一度読み出した者は、最後の最後まで涙を流して笑い続けるという、恐怖笑説でもりだくさん。
  • 戦うハニー
    3.5
    私立保育園「みつばち園」で、開園以来初の男性保育士として働き始めた星野親。女性ばかりの職場や、保護者からの偏見に戸惑いながらも、体当たりで子どもたちと向き合っていく。心温まる青春お仕事小説。

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