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長浦市で発生した2つの殺人事件。無関係かと思われた事件に意外な接点が見つかる。容疑者の男女が同郷出身でふたりは故郷で密会していたのだ。県警捜査一課の澤村は、雪深き東北へ向かうが……。
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Posted by ブクログ
警察ものでは、なかなか珍しいかたちのエンディング。多少モヤモヤは残るが今作は、事件そのものよりも人間の本質の描写のほうがメインだったのかも。個人的には人をおちょくったような橋詰の印象変化がとても心地よかったというか、この先も是非活躍してほしいと思わせる人物だった。
澤村側の描写よりも日向側の描写が面白く読めた。ただラストはシラけたな。ここまで書いたならもう更に深く日向達の心理を掘り下げて欲しかった。
犯人の視点と刑事の視点から書かれた、逮捕劇。振り込め詐欺の出し子を殺害した日向は、地元で高校の同級生・井沢に出会う。井沢も子どもを凍死させた彼氏を刺殺していた。井沢に半信半疑な中一緒に国外への逃亡を試みる。 この本のキーワードは雪だろう。地元の雪深さを嫌い都会に出てきたものの、殺人を犯して雪国を迂回...続きを読むして日本海を目指したが、日向は雪の中で井沢に殴られ、井沢は日本海までたどり着いたが警察に捕まりかけ日本海に散った(とみられる)。 気になったのは、2人が憎むほど地元が嫌いだったこと。そして、最終的には井沢の方が日向より一枚上手だったが、それは「空っぽ」だったから。だが、それらの深い根っこの部分については釈然としなかったので、☆4つ。
おもしろかったけど、何かなんで?って感じて本人同士の繋がりがあまりにも唐突に進展した感じがする。そこはもっと丁寧でも良かったのでは。
犯人側視点の話しのほうが長かったかも? あんな雪の中、普通は遭難するで… 最後の堤防のところで橋詰のアフロヘアが後ろから強風に煽られ前衛的な髪型になっていた、てところ想像したら笑えてしまった。 次がシリーズ最終作。
詐欺グループのリーダー日向と、内縁の夫を殺してしまった真菜は、ひょんなことから一緒に海外へ高飛びしようと逃避行を始める。刑事の澤村は二人を追う。 殺人や詐欺は許されない悪事だが、なぜか逃げている方の日向を応援したくなってくる不思議な感覚が芽生えた。
東京近郊の長浦市で発生した2つの殺人事件。振り込め詐欺グループのリーダー日向毅郎はトラブルからメンバーを殺害した。シングルマザーの井沢真菜は、娘を凍死させた交際中の男を刺殺していた。無関係かと思われた2つの事件に意外な接点が見つかる。ふたりの容疑者は高校の同級生で、事件直後に故郷で密会していたのだ。...続きを読む県警捜査一課の澤村は、ふたりを追って雪深き東北へ向かう…。
澤村慶司シリーズ第2弾。 2つの場所で殺人事件が起きる。その共通点は借主が共に同じ高校の同級生であるということ。そこから事件を追っていくお話。 再び出会った同級生の2人のどちらがどちらを支配するのかそこが最後までみどころ。 雪国の景色が表現されていて丁度今の時期と合った為か入り込めた。 ラストスパー...続きを読むトの追う刑事と逃げる犯人の緊張感が良かった。 ただ・・・・犯人2人共、頭が悪すぎてイライラするので注意。
警察小説のシリーズのはずなのだけれど、男女の逃避行に物語のほとんどが費やされている。 善悪の区別はつくけれど、何が悪いのかはわからない。 自分が生きるために、自分が思うように進んでいくために、何の逡巡もなく人を殺すことができる。 殺人という、人として高いハードルを越えることに対するためらいはない。 ...続きを読む日向とはそんな男だ。 だが、日向をさらに上回る人間もいる。 日向にとって他人は踏み台でしかない。 ときには恭順の意を示しても、それはけっして本心からではない。 嘘も方便と言うけれど、自分以外の人間を信じない日向にとって重要なのは「利用できるか、できないか」。 それがすべてのはずだった。 真菜は日向のさらに上をいく。 周りの人間がみんな馬鹿に見えてしかたがない。 くだらないことで喜び、くだらないことで怒る。 見下していた人間を捨て、嫌いだった街を捨てた真菜。 人の幸せって何だろう? 人によって違うのだろうけれど、それは結局のところ幸せを感じるセンサーの違いなのだと思う。 周囲から見れば十分幸せなのに、「まだ足りない」と満足しない人もいる。 満たされない思いに追い立てられるように、もっともっと・・・と求めるだけで自分は何も努力しない。 何故なら、自分は与えられて当然の特別な人間だから・・・。 淋しい人だなと思う。 日向も真菜も、寂しくて哀れな人だと思う。 どこまで行っても、どれほどのものを手にしても、きっと彼らは満足しない。 人の痛みがわからない鈍さと、自分の痛みにだけ反応する敏感さは反比例するのかもしれない。
堂場氏のシリーズものとしては珍しく犯人の一人称で書かれているパートが多いです。 事件の背景に明確な悪意が乏しく、澤村も読んでいる自分もモヤモヤしたまま終わってしまった印象。何か今後への布石なのか、そういう心理状態だったのか、疑問が残る一冊です。
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