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Posted by ブクログ
犯人の視点と刑事の視点から書かれた、逮捕劇。振り込め詐欺の出し子を殺害した日向は、地元で高校の同級生・井沢に出会う。井沢も子どもを凍死させた彼氏を刺殺していた。井沢に半信半疑な中一緒に国外への逃亡を試みる。
この本のキーワードは雪だろう。地元の雪深さを嫌い都会に出てきたものの、殺人を犯して雪国を迂回して日本海を目指したが、日向は雪の中で井沢に殴られ、井沢は日本海までたどり着いたが警察に捕まりかけ日本海に散った(とみられる)。
気になったのは、2人が憎むほど地元が嫌いだったこと。そして、最終的には井沢の方が日向より一枚上手だったが、それは「空っぽ」だったから。だが、それらの深い根っこの部分については釈然としなかったので、☆4つ。
Posted by ブクログ
警察小説のシリーズのはずなのだけれど、男女の逃避行に物語のほとんどが費やされている。
善悪の区別はつくけれど、何が悪いのかはわからない。
自分が生きるために、自分が思うように進んでいくために、何の逡巡もなく人を殺すことができる。
殺人という、人として高いハードルを越えることに対するためらいはない。
日向とはそんな男だ。
だが、日向をさらに上回る人間もいる。
日向にとって他人は踏み台でしかない。
ときには恭順の意を示しても、それはけっして本心からではない。
嘘も方便と言うけれど、自分以外の人間を信じない日向にとって重要なのは「利用できるか、できないか」。
それがすべてのはずだった。
真菜は日向のさらに上をいく。
周りの人間がみんな馬鹿に見えてしかたがない。
くだらないことで喜び、くだらないことで怒る。
見下していた人間を捨て、嫌いだった街を捨てた真菜。
人の幸せって何だろう?
人によって違うのだろうけれど、それは結局のところ幸せを感じるセンサーの違いなのだと思う。
周囲から見れば十分幸せなのに、「まだ足りない」と満足しない人もいる。
満たされない思いに追い立てられるように、もっともっと・・・と求めるだけで自分は何も努力しない。
何故なら、自分は与えられて当然の特別な人間だから・・・。
淋しい人だなと思う。
日向も真菜も、寂しくて哀れな人だと思う。
どこまで行っても、どれほどのものを手にしても、きっと彼らは満足しない。
人の痛みがわからない鈍さと、自分の痛みにだけ反応する敏感さは反比例するのかもしれない。
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小説・文芸
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