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Posted by ブクログ
事件はこんな風にも始まるんだろうか、と青井由記は内心驚いていた。誰かが警察に相談に来て、それで捜査が動き出すこともあるんだ。まず現場があって、慌てて飛び出す──という経験しかしていなかった青井としては、新鮮な体験だった。 同席した強行犯係長の上杉は、明らかに不機嫌な様子だった。デスクを挟んで座る弁護士の三澤と名刺を交換した後、腕組みをして黙りこんでしまう。しきりに貧乏揺すりをしている。そんなに弁護士が嫌いなのだろうか、と青井は訝った。先月まで交番勤務だった青井は、弁護士と直接話をしたことがない。警察にとっては敵にもなる人間なのだが……青井はメモ用のノートを広げて、二人が言葉を交わし始めるのを待った。
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