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トップになって二日目に舞台事故で亡くなった50年前の伝説の男役スター・扇乙矢。以後、大劇場の奈落に棲みつく宝塚の守護神ファントムさんとして語り継がれてきた。大劇場では月組トップスター如月すみれのサヨナラ公演の幕が開き、その新人公演の主役に大抜擢された永遠ひかるの前にあらわれた奇跡とは―。男役という稀有な芸への熱いオマージュを込めて中山可穂が情感豊かに描く、悲しく切ない恋愛幻想譚。
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Posted by ブクログ
宝塚を見始めて約10年程になりますが、こちらの作品は宝塚の世界の"リアルとファンタジーの狭間くらいの世界観"として十分に楽しませてもらいました。幾度となく読み返しています。宝塚ファンとしては、あるよねーわかるわかる、と言うことと、それはちょっとないかなーということの混じり具合が、...続きを読むあまりリアルすぎずに"お話"として楽しませてもらえる良いところだと思っています。それでいて、私個人としてはファンが思い描く宝塚の世界の理想像のような一部を小説の中を通して垣間見ることができて楽しかったりもします。この本に出会えてよかったです。
面白かった。夢中で読んだ。 宝塚は2度しか見たことがない(しかも東京公演)、ライトなライトなファンなので、純粋にフィクションとして楽しめた。 何より、中山可穂さんの大袈裟でない妖艶な文体とか、気が付けば異世界に触れているみたいな誘導の巧さとか、気持ちいい。 とはいえ、結構感情移入していた。何度か...続きを読む泣いた。
テレビで見たバラエティで、急に宝塚に興味が湧き3部作一気に購入。 本は分厚ければ分厚いほど、テンションが上がるので本作の薄さと価格にびっくり。銀橋にはさらに驚きを越し引いてしまった。 それはさておき、ちょっとファンタジー感はあったけど、宝塚を舞台としてるうえで納得というか、無知の私にはありそうかも!...続きを読むと思える設定で良かった。トップが故の孤独なども丁寧に描かれており魅力される。 うーん、みたいぞ宝塚!東京公演ではなく宝塚に行って舞台を見たくなってしまった!
つい先日、宝塚の沼にハマってから初めてファンクラブに入会してまで本気で応援していた男役さんのご卒業を見送った。だから、「男役・如月すみれの葬式です」など如月すみれの台詞の数々がファン側として突き刺さる。そう、宝塚を一歩出たらもう男役としての彼女たちはいないのだ。 もちろん好きな気持ちに変わりはないが...続きを読む、男役時代に得ていたときめきとは全く違う。芸名は変わらなくとも、やはり男役は男役にしかない無二のきらめきがある。 如月すみれが放つ男役としての最後のきらめきと、永遠ひかるが放つ新人公演という限られた時間の中での青春のきらめき。どちらも限りがあるから美しいのだと、このタイミングで改めて理解させられる一冊となった。
帯の惹句には「ヅカ版「オペラ座の怪人」!」とあるが、作者さんの意図は、男役が引退後の人生をどう生きるか? だったそうな。歌舞伎の女形と違って、宝塚の男役は若いうちに引退するんだなあ。それが直接描かれるわけではないんだが、確かにこれは重い。 設定的にドロドロした話になるかと思ったが、基本いい人しが...続きを読む出てこない。アニメの少女戦隊ものや学園アイドルものの雰囲気に近いか。要するにきれいごとだが、ここに引っかかってるとテーマが変わってしまう。それに女子芸能集団=ドロドロ的なステロタイプへにアンチもあるのかも知れない。
「男役は男役に惚れるものであり、娘役にではない。それが宝塚における正しい異性愛のあり方である。」 この一文だけでもこの本を読んで良かった。ストーリーよりも、文庫版あとがき、がささる。 「一体なんでこんなにも好きになってしまったのか理屈では説明できない全くわけがわからない。」「もう恋人なんかはいらない...続きを読むが、ヅカ友が欲しい。」
宝塚ファンが読めば、あるある~な話が詰まってて、 「ファントム」の伝説を主軸したものがたり。 宝塚ファンとしては、ありそーな話が出てきてそこまで面白味は感じなかっけど、宝塚知らない人が読んだら、あの特殊な世界に触れられて楽しめるだろうなーって思った。でも、読むのにも苦戦するくらい幻想的な「美」な表現...続きを読むは素晴らしかった。『娘役』『銀橋』もぜひ読んでみたい。
借り本。 舞台は宝塚歌劇団。 私は詳しくはないものの、去年、DVDで何作か観て用語や雰囲気はある程度わかっている状態で読んだので、状況は想像しやすかった。 DVDを貸してくれたのは宝塚を愛する先輩で、ひとつの作品のために皆がどれだけ心血を注いでいるかを何度も語ってくれていたのだけれど、この作品を...続きを読む読んで『ああ本当にそうなんだなあ』と、より実感できた。 たくさんの人の情熱と想いが込められた舞台。ひかるやほかの出演者たちだけでなく、周りで見守るひとたち、家族、観客、みんなの念が強くて濃い。これも、素晴らしい舞台のひとつの要素になっているのかも。 ファントムさんという存在は現実にはいない(はずだ)けれど、いてもおかしくないように感じた。一度宝塚にかかわったら、きっともう離れられない。心も体も宝塚に捧げずにはいられないんだろう。すごい世界だな、宝塚って。 ひかるが健気に頑張っていて、この舞台を実際に観たいなーと思ってしまった。作品は三部作のようだから、ひかるがトップになる姿も読めるといいな。 後半は切なかった。ファントムさんもチャメさんもパッパさんも。引き際が本当に美しいけれど、ただただ切ない。 10ベージ3行目 『アドリブではすみれコードをたびたび無視したが、』→『すみれは』? それとも、○○コードという言い方があるのかな
最初のうちは宝塚ファンとして興味深く読み進めたが、途中からは、純粋にフィクション、小説として楽しんだ。何てロマンチックなお話…!これからの彼女たち、も気になるところ。三部作読破予定。
何かの書評で知り読んでみた。 宝塚を舞台にしたファンタジー。 新人公演に大抜擢された永遠ひかる、トップスターの如月ひかる。二人を見守るファントムさん。そして、ファントムさんのかつての相手役。 よく出来たファンタジーでした。
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