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Posted by ブクログ
この主人公は作者を投影したものらしい。「大義」という杉本少佐なる人の本に影響され、海軍に志願した軍国少年。天皇のために死ぬことに疑問もなく、自由に生きることなど、はなから考えられなかった時代。いざ軍に身を置いてみれば、全く理想とはかけ離れていた。復員してみれば、さらに同じ戦争を生き抜いた人たちの変わり身に、さらなる絶望を感じながら、天皇制について問い続ける主人公。
城山三郎氏は「軍隊という組織悪の標本みたいなものを書き留め、復讐したい」と言ったことを、作家になった理由として挙げているそうだ。
「大義の末」は1959年(昭和34年)に出版され、私の手にとったこの文庫本は、令和2年に改版されたものだ。今この本を読めた幸運に感謝したい。
今また戦争の危機が迫ってると感じる。「天皇というものは、権力者にとって便利な存在。自分たちの不都合なことを天皇の意志だと責任逃れできる」とかつて、城山氏は語っていたそうだ。そんな時代に戻ってもらっては本当に困る。
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