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〈硫黄島玉砕〉のニュースが流れた四日後、ロサンゼルス・オリンピック馬術大障碍の優勝者・西中佐は、なお残存者を率いて戦い続けていた。馬術という最も貴族的で欧米的なスポーツを愛した軍人の栄光と、豪胆さゆえの悲劇を鮮烈に描いて文藝春秋読者賞を受賞した表題作。ほかに「基地はるかなり」「軍艦旗はためく丘に」など、著者の戦争体験と深くかかわった作品全7編を収める。
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Posted by ブクログ
1932年に開催されたロサンゼルスオリンピック、馬術の部で優勝したことで、華やかな欧米社交界で注目された男爵、西竹一の死への美学を描いた短編小説。 貴族としての見栄と家族、部下を思う気持ちを隠そうとしなかった西は当時の日本軍人の中では異色の存在だった。そんな西が硫黄島守備隊という玉砕確実の戦線に赴...続きを読むき、堂々と散っていった。スポーツマンであり、常に「勝たなくては」という言葉をかみしめていた西が、絶望的な戦場で死を待つという皮肉。戦争の虚しさを考えさせられる。 ちなみにイーストウッド監督の映画「硫黄島からの手紙」では伊原剛志がバロン西を演じている。
主に第二次大戦末期の本土守備隊の状況に取材した短編集。旧作ではあるが、時代を感じさせない力作であり、特に幼年兵を描いた作品は実体験に基づくものだそうで、非常にリアリティを感じた。 異色だったのが、軍隊物ではない「断崖」という作品だった。昭和41年の作品だが、今日の時間に追われる閉塞感を見通したような...続きを読む内容であり、その慧眼はさすがに経済小説の先駆者だと感じた。
どうしてもオリンピックで勝たなければならなかった馬術日本団。 どうしても戦争で勝たなければならなかった日本軍。 戦争物だけど、破裂するような悲惨さではなくて 鉛のように重い感じがじわじわ後まで残る、城山三郎の腕の良さが見えます。 7編ある内の最初の4つしか読んでないけど、どれもよかった。...続きを読む 次は「鼠」を読みたい・・
「城山三郎」の戦争小説を中心とした短篇集『硫黄島に死す』を読みました。 「城山三郎」作品は昨年の夏に読んだ『一歩の距離 小説 予科練』以来ですね。 -----story------------- 〈硫黄島玉砕〉のニュースが流れた四日後、ロサンゼルス・オリンピック馬術大障碍の優勝者「西中佐」は、な...続きを読むお残存者を率いて戦い続けていた。 馬術という最も貴族的で欧米的なスポーツを愛した軍人の栄光と、豪胆さゆえの悲劇を鮮烈に描いて文藝春秋読者賞を受賞した表題作。 ほかに『基地はるかなり』 『軍艦旗はためく丘に』など、著者の戦争体験と深くかかわった作品全7編を収める。 ----------------------- この季節… 太平洋戦争に関する作品の読書が続いています、、、 本作品は太平洋戦争に関する短篇5篇を中心に以下の7篇が収録されています。 ■硫黄島に死す ■基地はるかなり ■草原の敵 ■青春の記念の土地 ■軍艦旗はためく丘に ■着陸復航せよ ■断崖 ■解説 高野昭 『硫黄島に死す』は、「西竹一中佐」の目を通して、昭和19年7月に戦車連隊の連隊長として満州から硫黄島に転進する途中の横浜港での場面から、昭和20年3月22日に硫黄島で自決するまでの期間が語られる物語、、、 硫黄島の戦闘を克明に記録するとともに、「西中佐」の人生をフラッシュバックさせながら、彼の生き方や馬術競技におけるオリンピックでの活躍等が描かれています。 映画『硫黄島からの手紙』では、「伊原剛志」が「西中佐」を演じていました、、、 イメージがピッタリでしたね。 『基地はるかなり』は、死を免れて終戦を迎えた特攻基地の設営隊隊長だった「羽田野」と特攻隊員だった少年兵「白沢」の戦後の人生を描いた物語、、、 徴兵前に働いていたQ銀行に戻り頭取まで登り詰めた「羽田野」と、生き延びたことを申し訳ないと感じ「羽田野」に鬱屈した思いを感じながら、出世や金儲けとは縁のない人生を選び炭鉱夫として生活していた「白沢」… 「白沢」は、炭鉱の事故で片足を失い、炭鉱で売店の仕事をしていたが、炭鉱は閉山となり職を失い、働きに出て戻ってこなくなった妻を連れ戻しに行った先で殺人を犯し死刑となる。 階段を駆け上った人生と転がり落ちた人生… 対照的な生き方でしたね、、、 その違いは運だったのか、自信だったのか、何だったのかなぁ… 読んでいて心が苦しくなる作品でした。 『草原の敵』は、終戦間際にソ連の参戦により満州の曠野で戦死した少年戦車兵「菊川」の最期を描いた物語、、、 東洋平和に身を捧げるために従軍するが… 戦車兵にも関わらず守備隊には戦車は1台もなく、現地徴用された初年兵の教育係を任され、捕虜になった少年兵を処刑(銃剣での刺殺)させられるという、何もかも思い通りにならない状況下、ソ連の戦車部隊が攻め込んできて隊は蹂躙される。 命があまりにも軽視される異常な社会に憤りと虚しさを感じました… 心が締めつけられるような作品でした。 『青春の記念の土地』は、戦時中の少年時代に経験した離島での生活を回想する物語、、、 南国ムードいっぱいでリゾート地として有名になった島での戦時中における悲話… 自分では制御できない運によって大きく人生が変わってしまうんだよなぁ と感じました。 読んでいて辛くなる作品が続きますね。 『軍艦旗はためく丘に』は、太平洋戦争末期の予科練における十代の若者たちの人間模様を描いた物語、、、 パイロット養成目的で集められたはずなのに、配属された宝塚の予科練には訓練用の飛行機もなく、過剰なしごきやバッター(棍棒?)による体罰の日々… 厳しい訓練に耐えられず脱走や自殺が発生する中、淡路島への転属命令が下るが、移動中に輸送船が米軍機に襲われて沈没し、多くの命が奪われる。 現在では中学生から高校生くらいの年代の子ども達が予科練に入隊して命を失うなんて… 子どもを持つ親の身として、親の立場で感情移入してしまいました、、、 戦争の残酷さを改めて感じた作品でした。 『着陸復航せよ』は、草創期の航空自衛隊でのパイロットを描いた物語、、、 航空機事故やその捜索活動等を通じて、日米の考え方の違いや航空機への思いを描いた作品でした。 『断崖』は、九州行きの特急に乗車した主人公が、乗車中に遭遇した轢死事故や同乗者の言動で感じたことを随想風に語る物語、、、 時代や社会、風俗について辛辣な意見が述べられていますね… 高速道路の整備や列車の高速化により、移動がスピードアップすることへの警笛にもなっている作品でした。 ここのところ、戦記モノを続けて読んでいるので、私自身の学びにはなっているのですが、、、 ちょっと疲れたな。
・東京2020大会で、「日本が馬術競技で89年ぶりのメダル獲得ならず」との報道を観て、では89年前にメダルを獲った人物のことが知りたくて読んだ。 ・バロン西。男爵、西竹一。陸軍軍人としては異色の人物。白洲次郎と印象がかぶる面もあるが、自身の生死に関しては白洲と真逆の生き方だったように思う。
有名無名の人物の列伝。宝塚航空隊のささやかな悲劇。最後の『断崖』は戦後の話のようだが、変わる時代への警鐘。
痛ましい戦争を知らない世代としてはその生々しい描写を読みながらも今の恵まれすぎる生活と比較してなんともいえない気分になる。有り難いという気分もないではないが、それ以上にどんな言い訳を以ってしても戦争という選択肢を選んではいけないし、このような現実の戦争と関わる小説を通して平和の大切さを認識し続けなけ...続きを読むればならないと感じる。 「草原の敵」での敵少年兵を人殺しの練習に使おうという発想、極限状態で出現する人間の持つ残忍さに寒からしめられる。 最後の「断崖」は戦争絡みであろうと勘ぐりながら読んだので何か肩透かしされた気分で、この本に収録するのは適切でない気がする。
こういう物語は語り継いでいかないといけないんだろうな。 死を簡単に選択できる、死は美しい、そんな時代があった。
ロサンゼルス五輪・馬術の金メダリストにして、当時としては型破りな国際人でもあった「バロン西」こと西竹一中佐が、どのような経緯で、陸軍の軍人として硫黄島に送られ、そこでどのように戦い、どのように亡くなったかを描く「硫黄島に死す」ほか、戦時中の出来事を題材にした短編が収められている。戦争が日常であった時...続きを読む代を少年兵として体験した著者ならでは描写が生々しい。
城山三郎の短編集を初めて読んだ。 城山三郎の文章は常に簡潔である。それは砂漠に水を注ぐかのようなのに、気付けば洪水が起こっているような、そんな感じ。 ここに載せられている全ての話が、そんな読後感をを味あわせてくれた。 そんなに深く何かを投げかけるかのような感じでもないけど、心に何かを残し...続きを読むてくれた7つの短い話に乾杯!
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硫黄島に死す
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城山三郎
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