【感想・ネタバレ】硫黄島に死すのレビュー

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Posted by ブクログ 2015年04月19日

1932年に開催されたロサンゼルスオリンピック、馬術の部で優勝したことで、華やかな欧米社交界で注目された男爵、西竹一の死への美学を描いた短編小説。

貴族としての見栄と家族、部下を思う気持ちを隠そうとしなかった西は当時の日本軍人の中では異色の存在だった。そんな西が硫黄島守備隊という玉砕確実の戦線に赴...続きを読むき、堂々と散っていった。スポーツマンであり、常に「勝たなくては」という言葉をかみしめていた西が、絶望的な戦場で死を待つという皮肉。戦争の虚しさを考えさせられる。

ちなみにイーストウッド監督の映画「硫黄島からの手紙」では伊原剛志がバロン西を演じている。

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Posted by ブクログ 2013年12月12日

主に第二次大戦末期の本土守備隊の状況に取材した短編集。旧作ではあるが、時代を感じさせない力作であり、特に幼年兵を描いた作品は実体験に基づくものだそうで、非常にリアリティを感じた。
異色だったのが、軍隊物ではない「断崖」という作品だった。昭和41年の作品だが、今日の時間に追われる閉塞感を見通したような...続きを読む内容であり、その慧眼はさすがに経済小説の先駆者だと感じた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年05月05日

ちらほらと、著者の体験や考え方が分散されつつも、根本的なものは何一つ変わらない。

時代の中で、みな、自分の立ち位置をきちんと理解し、その先を見通し、それぞれの場所で生きている。
考え悩むだけに終わらず、「生きている」のだ。

しかし、その生き方はがつがつとしたものではない、少年兵らは、まだ子供だと...続きを読むいうのに老成していて、「仕方ない」中で生きている。悲しいはずの死も仕方なく、ただの自然の中の流れ…ひどくさみしく、しかし最後の短編からは、この時代も今の時代も、どこか何かが欠けていて、それで完結しているような感じがした。

あの時代に生きていた人の、あの時代の感覚にもっと触れたい。

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Posted by ブクログ 2015年11月12日

どうしてもオリンピックで勝たなければならなかった馬術日本団。
どうしても戦争で勝たなければならなかった日本軍。

戦争物だけど、破裂するような悲惨さではなくて
鉛のように重い感じがじわじわ後まで残る、城山三郎の腕の良さが見えます。

7編ある内の最初の4つしか読んでないけど、どれもよかった。...続きを読む

次は「鼠」を読みたい・・

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Posted by ブクログ 2022年08月25日

「城山三郎」の戦争小説を中心とした短篇集『硫黄島に死す』を読みました。

「城山三郎」作品は昨年の夏に読んだ『一歩の距離 小説 予科練』以来ですね。

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〈硫黄島玉砕〉のニュースが流れた四日後、ロサンゼルス・オリンピック馬術大障碍の優勝者「西中佐」は、な...続きを読むお残存者を率いて戦い続けていた。
馬術という最も貴族的で欧米的なスポーツを愛した軍人の栄光と、豪胆さゆえの悲劇を鮮烈に描いて文藝春秋読者賞を受賞した表題作。
ほかに『基地はるかなり』 『軍艦旗はためく丘に』など、著者の戦争体験と深くかかわった作品全7編を収める。
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この季節… 太平洋戦争に関する作品の読書が続いています、、、

本作品は太平洋戦争に関する短篇5篇を中心に以下の7篇が収録されています。

 ■硫黄島に死す
 ■基地はるかなり
 ■草原の敵
 ■青春の記念の土地
 ■軍艦旗はためく丘に
 ■着陸復航せよ
 ■断崖
 ■解説 高野昭



『硫黄島に死す』は、「西竹一中佐」の目を通して、昭和19年7月に戦車連隊の連隊長として満州から硫黄島に転進する途中の横浜港での場面から、昭和20年3月22日に硫黄島で自決するまでの期間が語られる物語、、、

硫黄島の戦闘を克明に記録するとともに、「西中佐」の人生をフラッシュバックさせながら、彼の生き方や馬術競技におけるオリンピックでの活躍等が描かれています。

映画『硫黄島からの手紙』では、「伊原剛志」が「西中佐」を演じていました、、、

イメージがピッタリでしたね。



『基地はるかなり』は、死を免れて終戦を迎えた特攻基地の設営隊隊長だった「羽田野」と特攻隊員だった少年兵「白沢」の戦後の人生を描いた物語、、、

徴兵前に働いていたQ銀行に戻り頭取まで登り詰めた「羽田野」と、生き延びたことを申し訳ないと感じ「羽田野」に鬱屈した思いを感じながら、出世や金儲けとは縁のない人生を選び炭鉱夫として生活していた「白沢」… 「白沢」は、炭鉱の事故で片足を失い、炭鉱で売店の仕事をしていたが、炭鉱は閉山となり職を失い、働きに出て戻ってこなくなった妻を連れ戻しに行った先で殺人を犯し死刑となる。

階段を駆け上った人生と転がり落ちた人生… 対照的な生き方でしたね、、、

その違いは運だったのか、自信だったのか、何だったのかなぁ… 読んでいて心が苦しくなる作品でした。



『草原の敵』は、終戦間際にソ連の参戦により満州の曠野で戦死した少年戦車兵「菊川」の最期を描いた物語、、、

東洋平和に身を捧げるために従軍するが… 戦車兵にも関わらず守備隊には戦車は1台もなく、現地徴用された初年兵の教育係を任され、捕虜になった少年兵を処刑(銃剣での刺殺)させられるという、何もかも思い通りにならない状況下、ソ連の戦車部隊が攻め込んできて隊は蹂躙される。

命があまりにも軽視される異常な社会に憤りと虚しさを感じました… 心が締めつけられるような作品でした。



『青春の記念の土地』は、戦時中の少年時代に経験した離島での生活を回想する物語、、、

南国ムードいっぱいでリゾート地として有名になった島での戦時中における悲話… 自分では制御できない運によって大きく人生が変わってしまうんだよなぁ と感じました。

読んでいて辛くなる作品が続きますね。



『軍艦旗はためく丘に』は、太平洋戦争末期の予科練における十代の若者たちの人間模様を描いた物語、、、

パイロット養成目的で集められたはずなのに、配属された宝塚の予科練には訓練用の飛行機もなく、過剰なしごきやバッター(棍棒?)による体罰の日々… 厳しい訓練に耐えられず脱走や自殺が発生する中、淡路島への転属命令が下るが、移動中に輸送船が米軍機に襲われて沈没し、多くの命が奪われる。

現在では中学生から高校生くらいの年代の子ども達が予科練に入隊して命を失うなんて… 子どもを持つ親の身として、親の立場で感情移入してしまいました、、、

戦争の残酷さを改めて感じた作品でした。



『着陸復航せよ』は、草創期の航空自衛隊でのパイロットを描いた物語、、、

航空機事故やその捜索活動等を通じて、日米の考え方の違いや航空機への思いを描いた作品でした。



『断崖』は、九州行きの特急に乗車した主人公が、乗車中に遭遇した轢死事故や同乗者の言動で感じたことを随想風に語る物語、、、

時代や社会、風俗について辛辣な意見が述べられていますね… 高速道路の整備や列車の高速化により、移動がスピードアップすることへの警笛にもなっている作品でした。



ここのところ、戦記モノを続けて読んでいるので、私自身の学びにはなっているのですが、、、

ちょっと疲れたな。

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Posted by ブクログ 2021年08月08日

・東京2020大会で、「日本が馬術競技で89年ぶりのメダル獲得ならず」との報道を観て、では89年前にメダルを獲った人物のことが知りたくて読んだ。
・バロン西。男爵、西竹一。陸軍軍人としては異色の人物。白洲次郎と印象がかぶる面もあるが、自身の生死に関しては白洲と真逆の生き方だったように思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年08月20日

小説の中に戦車部隊の話があり戦車に乗る兵士なのに戦車に乗れなかった兵士の話がありました。
そこで日本軍がものすごく追い詰められていたことがわかりました。

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Posted by ブクログ 2020年08月16日

有名無名の人物の列伝。宝塚航空隊のささやかな悲劇。最後の『断崖』は戦後の話のようだが、変わる時代への警鐘。

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Posted by ブクログ 2018年03月17日

痛ましい戦争を知らない世代としてはその生々しい描写を読みながらも今の恵まれすぎる生活と比較してなんともいえない気分になる。有り難いという気分もないではないが、それ以上にどんな言い訳を以ってしても戦争という選択肢を選んではいけないし、このような現実の戦争と関わる小説を通して平和の大切さを認識し続けなけ...続きを読むればならないと感じる。
「草原の敵」での敵少年兵を人殺しの練習に使おうという発想、極限状態で出現する人間の持つ残忍さに寒からしめられる。
最後の「断崖」は戦争絡みであろうと勘ぐりながら読んだので何か肩透かしされた気分で、この本に収録するのは適切でない気がする。

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Posted by ブクログ 2017年09月13日

こういう物語は語り継いでいかないといけないんだろうな。
死を簡単に選択できる、死は美しい、そんな時代があった。

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Posted by ブクログ 2012年01月22日

ロサンゼルス五輪・馬術の金メダリストにして、当時としては型破りな国際人でもあった「バロン西」こと西竹一中佐が、どのような経緯で、陸軍の軍人として硫黄島に送られ、そこでどのように戦い、どのように亡くなったかを描く「硫黄島に死す」ほか、戦時中の出来事を題材にした短編が収められている。戦争が日常であった時...続きを読む代を少年兵として体験した著者ならでは描写が生々しい。

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Posted by ブクログ 2011年09月19日

城山三郎の短編集を初めて読んだ。

城山三郎の文章は常に簡潔である。それは砂漠に水を注ぐかのようなのに、気付けば洪水が起こっているような、そんな感じ。

ここに載せられている全ての話が、そんな読後感をを味あわせてくれた。

そんなに深く何かを投げかけるかのような感じでもないけど、心に何かを残し...続きを読むてくれた7つの短い話に乾杯!

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

オリンピック開催時期と終戦記念日が重なった今年、馬術・法華津選手の出場という話題もあり興味が出てきたのがバロン西。名前だけで、いつ活躍した選手だったのかも知らなかったです。戦争というとどうしても惨めさやひもじさ、浅ましさが先に来てしまうので積極的に触れたい話題ではなかった。中にはそういう作品もありま...続きを読むしたが表題作では何よりも妻・武子の悲しみが深く心に刻み込まれました。豪気で遊びも派手だった西の妻として、噂になった女性と仲良くなったり夫の顔や対面を崩さないように振舞うのが辛くなかったわけじゃない。将来年を取ってから「あんな苦労があったのよ」と笑えるようになりたい。そんなささやかな幸せがもう叶わない。たった数行のその下りが忘れられません。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

「硫黄島に死す」は同名小説を含む短編集で、
この間、新潮文庫の100冊フェアにも並んでました。新潮の100冊フェアも長いなぁ。

ちなみに「硫黄島に死す」は2007年12月公開予定で映画化も決まっているそうで、なんとなく見に行こうかななんて思いも。
その関係なのか、バロン西をテーマにした特別展「バロ...続きを読むン西と硫黄島の戦い」が、北海道本別町の歴史民俗資料館で開催中(期間:2007年7月3日〜22日)なんだって。

でも、この小説で一番心に残ったのは実はバロン西ではなく、同収録「基地はるかなり」の死刑囚の「あわあわと生きる」という言葉です。
「基地はるかなり」では、特攻隊として死ぬはずの元少年兵がやがて死刑囚となるまでを辿った終戦後の人生を描いています。その中で彼の人生観を「日々をあわあわと生きる」という言葉で表現しているのですが、この「あわあわとして生きる」という表現がとても気に入ってしまったのです。

私もまた彼の言う「あわあわ」とした生活を目指している、求めている人間と思うのですが、
「あわあわ」とした生き方はたぶん現実的に流れている実社会では実用的ではないんですよね。まして彼の生きた時代、立場ではより「あわあわ」が幻想だと気付かなくちゃいけないんだと。でも、戦後がさらに進み、ぼやっとした現代においては、この「あわあわ」とした人々が実はすごく多いんじゃないかなとも思わされます。うん、「あわあわ」と生きちゃダメなのかもしれません。でも、「あわあわ」と死にたいとは思います。

この他にも、

 「草原の敵」
 「青春の記念の土地」
 「軍艦旗はためく丘に」
 「着陸復航せよ」
 「断崖」

以上を合わせて全部で7編が収録されています。

いずれも、戦争というものに関わった人間のさまざまな視点・観点から描かれ、戦争という時代がよりリアルに伝わってくる気がしました。

戦争関係にはほとんど疎かった私ですが、この小説は本当にいい小説だな〜と思いました。

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Posted by ブクログ 2014年04月02日

一つ一つは面白いんだが、短編集。硫黄島の話は、一編だけ。短編集って、月刊誌とかの書き下ろしの寄せ集めのせいか、良い感じで肩の力が抜けているんだけど、好みではない。

城山三郎の随筆みたいなのは、珍しいのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2013年07月30日

城山三郎の本は正直言って読者の様々な思考・見解を呼び覚ますほどの深みはない。
ただ(面識などないのでいい加減な感想と言えばそれまでだが)実直な人柄そのままに、誠実で綺麗な文章で紡がれた作品が多いとも感じる。
この本もご多分に漏れず。
この作家のファンが根強くいるということ自体は凄く理解できる。
本当...続きを読むの戦争体験に裏付けられた反骨心にあふれていながら、抑制の効かせ方が絶妙。確かに良い意味で珍しい作家だと思う。

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Posted by ブクログ 2012年09月19日

ロス五輪馬術で金メダルを獲得したバロン西こと西中佐の最期を描いた表題作が印象的。
そのほか戦争末期に若過ぎる命を散らすことになった少年たちの話など、ある種の色のついた思想を少しも主張されることなく淡々と描かれていて、当時実際に祖国に命を捧げるつもりであった少年兵としての著者の体験に裏打ちされたリアリ...続きを読むティを感じる。

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Posted by ブクログ 2012年08月18日

「硫黄島に死す」では馬術オリンピックメダリストである、
西中佐の豪胆かつ冷静なリーダーシップが描かれている。

他、戦争時の短編が7編。
とにかく、登場人物が若い。
十代が中心だ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年03月22日

終戦直前~自衛隊初期の話をまとめた短編集。

やはり一番読みたかったのは,硫黄島に死すだ。既に結論が見えている戦いに挑む日本人兵たち。負けると分かっていても,女々しい戦い方はしない。力の限り戦ってみるまでである。硫黄島は帝都守護の最後の防砦である。軍人として選ばれてその戦場に赴くことは名誉・光栄以外...続きを読むの何ものでもなかった。硫黄島への米軍の攻撃はすさまじく,島の最高地の摺鉢山は砲撃と爆撃で形が変わったと言われる。そこへ栗林中将を司令官とする日本軍が送られたわけだが,それ以上の増援部隊を送り込む余裕は日本にはもはやなく,唯一の応援といえば,毎夜1時間放送される「硫黄島将兵を激励する夕」で流れる軍歌,わらべ唄,家族の読む詩文であった。2月19日に米軍は硫黄島に上陸を開始し,3月17日には,日本国民の祈りもむなしく,2万人の日本人兵たちをが玉砕した。

特攻隊の短編も掲載されている。若き特攻隊士を育てる士官の中には,戦争の先が見えるに従い,14~5歳でしかない隊員を戦場に送り込まなければならないことに,疑問を感じる士官もでてきた。日本はとても勝てない,それより,何とかお前たちは生き延びて,生き延びることで祖国の役に立つんだよと,どれほど彼らに話してみたかったか分からない。そんな特攻残りの彼らを待っていたのは,頭脳労働者が生き延びれる世界だった。生き延びた上に恵まれた生活をしては申し訳ない。出世とか金儲けとか微塵もない世界で果てるのが許された生き方だと感じていた。生き残りは長生きしては申し訳ないんだという思いで生きてきたという。

その他,淡路島沖で敵機の攻撃に遭い,沈没した若き兵隊たちの話などが収録されている。

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Posted by ブクログ 2011年09月14日

なかなかオチがいい作家だなぁ

 この作家は初めてに近い(キングスレイ ウォードの訳は読んだことがある)。

 「著者の戦争体験と深くかかわった作品7編を集めた短編集」といわれる本書を読んだ感想はなかなかいいものだ。

 なんというか、淡々としていて説教くさくなく、しかも余韻がある感じ。いいワインを...続きを読む味わう感じもしくは後から辛さがきいてくるインデアンカレーの感じだろうか。
(なんちゅうたとえや・・・)


作品は以下の通り。
硫黄島に死す
 まさに表題作。硫黄島で有名な栗林ではなく西から見た戦記かな。かたくなに「勝たなくては」と思う日本の狭さがよく表現されている。

基地はるかなり
 銀行頭取・死刑囚二人のそれぞれの生き様。二人の運命は戦争時の一点だけで交わっている。日常の中で戦争と戦友である死刑囚をさくっと振り切るラストが気持ちいい。

草原の敵
 遙か異国での少年兵の話だが、イマイチ感情移入ができずに終わった。

青春の記念の土地
 なんとなくいい感じがするんだが、戦争を知らない我が身にはイマイチ伝わらないものがあるのかもしれない。

軍艦旗はためく丘に
 淡路や宝塚が出てくるので親しく読むことができた。しかし、これも少年兵の頓死がテーマになっており、ピンとこない雰囲気かな。

着陸復航せよ
 米人航空技術教官の姿が描かれるなんか一風変わった作品。帰国直前に頓死させる必要があるのか? 伝えたいことが伝わってこないいらいらが残るな。

断崖
 前6作とは趣が大いに異なる作品。エッセイのような感じ。便利さ、快適さとかいったものへのアンチテーゼか。より深いテーマがあると思うのだが、この短編からは読みとれない。でも、この伏線はどこかで明らかにされるような気がする。そのときが楽しみだ。

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Posted by ブクログ 2011年08月26日

戦前も原材料はアメリカに頼っていたのでやっぱり
日本は戦争はしちゃいかんな。。

でもアメリカが対日輸出禁止とかしたから
踏み切らざる得なかったんだけど。

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Posted by ブクログ 2011年08月10日

バロン西の「硫黄島に死す」(表題作)と、ローリー大尉の「着陸復航せよ」が印象的でした。

どの物語にも、戦争を生き、死んでいく人々の姿がどこか淡々と描かれていて、
それが一層戦争の非情さを際立たせている印象です。
救いがなくて、1話読むたびに休憩をいれたくなってしまいます。

登場人物が皆とっても魅...続きを読む力的なだけに、余計つらい。

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Posted by ブクログ 2011年03月15日

城山さんの体験に基づいた短編集。
戦争の残酷さ、まだ幼い少年兵をいたぶる上官。戦争で人は内部までおかされてしまうのか。

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Posted by ブクログ 2011年01月01日

全7作品よりなります。
全5作が戦争小説です。
後半2作は城山三郎さんには珍しく私小説です。

自己の体験から,戦後の残された者たちや社会を書いた貴重な作品です。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

クリント・イーストウッド監督の「硫黄島」シリーズを観て、その勢いで買ってしまった本。でも、それは正解だった。映画の中で一番印象に残ったバロン西が主人公の表題はもちろん、戦争を題材にした短編の数々は、「戦争」がもたらすものの大きさ、計り知れない力は何だろうと考えさせる。こういう人が亡くなってしまった後...続きを読むには、一体どうなるんだろうとつい思ってしまう。

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