【感想・ネタバレ】硫黄島に死すのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

ちらほらと、著者の体験や考え方が分散されつつも、根本的なものは何一つ変わらない。

時代の中で、みな、自分の立ち位置をきちんと理解し、その先を見通し、それぞれの場所で生きている。
考え悩むだけに終わらず、「生きている」のだ。

しかし、その生き方はがつがつとしたものではない、少年兵らは、まだ子供だというのに老成していて、「仕方ない」中で生きている。悲しいはずの死も仕方なく、ただの自然の中の流れ…ひどくさみしく、しかし最後の短編からは、この時代も今の時代も、どこか何かが欠けていて、それで完結しているような感じがした。

あの時代に生きていた人の、あの時代の感覚にもっと触れたい。

0
2012年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小説の中に戦車部隊の話があり戦車に乗る兵士なのに戦車に乗れなかった兵士の話がありました。
そこで日本軍がものすごく追い詰められていたことがわかりました。

0
2020年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

終戦直前~自衛隊初期の話をまとめた短編集。

やはり一番読みたかったのは,硫黄島に死すだ。既に結論が見えている戦いに挑む日本人兵たち。負けると分かっていても,女々しい戦い方はしない。力の限り戦ってみるまでである。硫黄島は帝都守護の最後の防砦である。軍人として選ばれてその戦場に赴くことは名誉・光栄以外の何ものでもなかった。硫黄島への米軍の攻撃はすさまじく,島の最高地の摺鉢山は砲撃と爆撃で形が変わったと言われる。そこへ栗林中将を司令官とする日本軍が送られたわけだが,それ以上の増援部隊を送り込む余裕は日本にはもはやなく,唯一の応援といえば,毎夜1時間放送される「硫黄島将兵を激励する夕」で流れる軍歌,わらべ唄,家族の読む詩文であった。2月19日に米軍は硫黄島に上陸を開始し,3月17日には,日本国民の祈りもむなしく,2万人の日本人兵たちをが玉砕した。

特攻隊の短編も掲載されている。若き特攻隊士を育てる士官の中には,戦争の先が見えるに従い,14~5歳でしかない隊員を戦場に送り込まなければならないことに,疑問を感じる士官もでてきた。日本はとても勝てない,それより,何とかお前たちは生き延びて,生き延びることで祖国の役に立つんだよと,どれほど彼らに話してみたかったか分からない。そんな特攻残りの彼らを待っていたのは,頭脳労働者が生き延びれる世界だった。生き延びた上に恵まれた生活をしては申し訳ない。出世とか金儲けとか微塵もない世界で果てるのが許された生き方だと感じていた。生き残りは長生きしては申し訳ないんだという思いで生きてきたという。

その他,淡路島沖で敵機の攻撃に遭い,沈没した若き兵隊たちの話などが収録されている。

0
2012年03月22日

「小説」ランキング