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3.61巻1,672円 (税込)こんなことになるなんて! 1行目は全員一緒、25編の「大騒ぎ」。 早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。 ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。 『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』『これが最後の仕事になる』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第四弾。 著者一覧(掲載順) 潮谷 験 真下みこと 須藤古都離 黒澤いづみ 岡崎隼人 砥上裕將 河村拓哉 五十嵐律人 荒木あかね 似鳥 鶏 皆川博子 清志まれ 金子玲介 舞城王太郎 高田崇史 伊吹亜門 背筋 芦沢 央 にゃるら 多崎 礼 柾木政宗 谷絹茉優 夕木春央 最果タヒ 麻耶雄嵩
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-【大藪春彦新人賞】 第8回大藪春彦新人賞発表 伽村あきら「檻の中のワルキューレ」受賞のことば 選評 今野 敏 馳 星周 野間裕樹(徳間書店文芸編集部編集長) 大藪春彦新人賞 映像化奨励賞発表 選評 原田眞人 第8回大藪春彦新人賞受賞作 伽村あきら 「檻の中のワルキューレ」 おもしろければ人を壊してもいいのか? 女子格闘技興行の裏にうごめく女衒たち 【大藪春彦賞】 第27回大藪春彦賞候補作発表 【連載小説 風味絶佳】 吉田篤弘 「月とコーヒー」 谷瑞恵 「こだま標本箱」 【連載小説 ミステリー】 矢月秀作 「警視庁特務部逮捕特科アレストマン2」 【連載小説 歴史&時代】 坂井希久子 「娘心中」 門田泰明 「汝 戟とせば 拵屋銀次郎半畳記」 【マンガ】 サメマチオ 「追読人間臨終図巻」
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3.9ミステリ作家やミステリファンに熱い支持を受ける“葉村晶”が帰ってきた──! タフで不運すぎる女探偵・葉村晶。 吉祥寺のミステリ専門書店〈MURDER BEAR BOOKSHOP〉でアルバイトとして働きながら、〈白熊探偵社〉のただ一人の調査員として働いている。 「さよならの手口」(2014年4位)、「静かな炎天」(2016年2位)、「錆びた滑車」(2019年3位)、「不穏な眠り」(2021年10位)と「このミス」上位常連の人気シリーズ、5年ぶりの書き下ろし長編が文庫で登場です。 「鼻からポタポタと血を垂らしながら考えた。いったいどこのどいつだ、わたしを殺そうとしているのは……。 心当たりは、ありすぎるほどあった」(本文より) 葉村晶も五十代に突入し、老眼に悩まされるお年頃。 魁皇学園の元理事長でミステリのエッセイストとしても名を馳せた乾巌、通称カンゲン先生に、<秘密厳守>で「稲本和子」という女性の行方を捜してほしいと頼まれた晶。 彼女の一人娘は学園の理事だったが、本屋で万引きしたとして留置中に急死していた……。 高級別荘地の<介護と学園地区構想>など、さまざまな思惑が絡み合い、 やがて誰もが予想のしない結末へ! 前回の書き下ろし長編「静かな炎天」は「このミス」2位、「読書芸人」のカズレーザーさんや、のんさんも絶賛、2020年には、NHK総合で「ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~」として連続ドラマ化もされています。 クールでドライでシニカルで、唯一無二の強烈な魅力を放つ葉村晶が、緑の古い小型車“毒ガエル”を駆って真実に迫ります。
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4.0不気味な伝説が残る村で起きるクビキリ殺人劇! 地図にも載っていない寒村・栖苅村。村では1000年以上昔から神の力を継承する一族の娘たちがいた。彼女たちは代々”スガル様”と呼ばれ、村を治めていた。 1985年、そのスガル様の跡継ぎ候補の少女が首を切断された遺体で発見される。事件に挑むのは水干姿で翡翠の左目を持つ美少女探偵・御陵みかげ。伝説の探偵を母に持つみかげは警察が見落とした事実を次々と発見し、真相に迫るかに思えた。しかし、事件は第二、第三の被害者を生み出し……。 日本推理作家協会賞・本格ミステリ大賞W受賞作が奇跡のコミカライズ!
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3.6仕事はできるが不運すぎる女探偵・葉村晶。 NHKドラマ化で話題の人気シリーズ! ミステリ専門書店でアルバイトとしながら、〈白熊探偵社〉の調査員として働いている葉村晶に今日も事件の依頼が……。 「水沫(みなわ)隠れの日々」 終活で蔵書の処分を頼んできた女性のもう一つの依頼は、死んだ親友の娘を刑務所から連れてきてほしいということだった。刑務所から女性の元に向かう道で、娘は拉致される。 「新春のラビリンス」 大晦日の夜、解体直前の〈呪いの幽霊ビル〉の警備をすることに。ヒーターが壊れ、寒さの中一夜を明かした葉村は、女性事務員から連絡が取れない男友達の行方を調べてほしいと頼まれる。 「逃げだした時刻表」 葉村の働くミステリ専門店でGWに〈鉄道ミステリフェア〉を開催することになった。展示の目玉として借りた弾痕のあるABC時刻表が盗難にあう。本の行方を追ううちに思わぬ展開に。 「不穏な眠り」 相続で引き継いだ家にいつのまにか居座り、そこで死んでしまった女の知人を捜してほしいという依頼を受けた葉村。女を連れ込んだ男の家を訪ねたところ、男の妻に危うく殺されかける羽目に。 解説・辻真先
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3.9謎を愛し推理を愛する読者の皆様は、ここにある六つの小説の問題編を読んで、真相に辿り着けるでしょうか。事件を解決に導くために必要な手掛かりは、紙上の名探偵たち同様、既に手渡されています。冷静な観察と論理的思考、そしてすこしの想像力を駆使すれば、犯人を、そして小説の向こう側にいる作者をも出し抜くことができるかもしれません。謎を解き明かす愉しさを、どうぞ心ゆくまでご堪能ください。六人の推理作家からの挑戦状は、たった一行──犯人は誰か? 豪華作家陣の犯人当て小説アンソロジー。/【目次】市川憂人「赤鉛筆は要らない」雪の夜の邸宅で起きた殺人/米澤穂信「伯林あげぱんの謎」当たりのお菓子を食べたのはだれ?/東川篤哉「アリバイのある容疑者たち」容疑者全員に犯行不可能/麻耶雄嵩「紅葉の錦」異色にして正統の○○○+犯人当て/法月綸太郎「心理的瑕疵あり」事故物件をめぐって相次ぐ死の真相は/白井智之「尻の青い死体」ホラー映画の撮影中に起きた殺人
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3.81巻800円 (税込)冒険、ミステリー、人間ドラマ、恋愛……。 11人の人気女性作家が同じテーマに挑む短編小説集! 誰しも、自分だけの隠しごとを心の奥底に秘めているもの――。 実力と人気を兼ね備えた11人の女性作家たちがSNS上で語り合い、「隠す」をテーマに挑んだエンターテインメントの傑作! 『アンソロジー 捨てる』に続く「アミの会(仮)」が送る、注目シリーズ第2弾。 多彩な物語すべてに、共通の「なにか」が隠されています。 (答えが掲載されている「あとがき」は、最後にお読みください) これが、本物の短編小説集。 ※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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3.31巻732円 (税込)こんな恋は、最初で最後。短編の名手9人が贈る、甘くほろ苦い恋の物語―― 大崎梢/篠田真由美/柴田よしき/永嶋恵美/新津きよみ/福田和代/松村比呂美/光原百合/矢崎存美 数多くの傑作アンソロジーを生み出してきた実力派女性作家集団「アミの会(仮)」による、極上の恋愛小説集。中学校で人気者だった女の子と再会した私。彼女が好きだった男性は……(「レモネード」)。妻の勧めでドイツ語教室に通い始めた夫。隣に座る女性が気になるが……(「アルテリーベ」)。ノスタルジックな9つの「初恋」の物語。
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-バビロンの最高神マルドゥクよりも崇拝を集める豊饒の女神イシュタル。いかなる地上の快楽よりも勝るというイシュタルの秘儀、聖なる獣との交わりを求め夜毎神殿を訪れる信徒たち。人と獣との交わりで生み落とされたという半人半獣の仔マヤとムー。紀元前5世紀の新バビロニア王国の首都バビロンで繰り広げられる、王宮、五国の守護神マルドゥク、女神イシュタルとの闘いを描く長篇伝奇小説。 ●篠田真由美(しのだ・まゆみ) 1953年、東京生まれ。1977年、早稲田大学第二文学部卒業。1992年、第2回鮎川哲也賞の最終候補に残った『琥珀の城の殺人』(東京創元社)でデビュー。1994年に『ドラキュラ公 ヴラド・ツェペシュの肖像』『未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿』(講談社)を発表。以後、ミステリ、幻想、伝奇ジャンルで執筆。
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3.7越してきて間もない街。初めて曲がった角の向こうで、いつしか「私」は奇妙にねじれた世界に足を踏み入れていた(表題作)。気に入ったものたちを、そのままの姿で永遠に保存したい――一人の男の歪んだ欲望が招いた悪夢(「琥珀(こはく)のなかの虫」)。ある環境団体が行っていた恐るべき儀式とは?(「窪地公園で」)。 読む者を夢幻世界に誘(いざな)うダーク・ファンタジーの傑作7編!
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3.3「虚構と現実のあわいに君臨する異能の作家。」(山口雅也) 「人形は死を告げる」「つなわたりの密室」「殺人者」「殺しの時間」「わたしはふたつの死に憑かれ」「恐ろしく奇妙な夜」の6編を収録した、『赤い右手』の作者ジョエル・タウンズリー・ロジャーズによる中短編傑作集。 【アラート】ネタバレの恐れがあるのであらすじ等は一切書きません。 《目次》 【炉辺談話】 『恐ろしく奇妙な夜』(山口雅也) 人形は死を告げる つなわたりの密室 殺人者 殺しの時間 わたしはふたつの死に憑かれ 恐ろしく奇妙な夜
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-フィオレンツァの職人ヴェロッキオの工房で働く少年アンジェロは、共和国政府の依頼を受けた親方たちとともに、水の都ヴェネツィアへとやってきた。そして彼は可憐な少女エウジェニアと出会い、恋をする。しかしそれは、自らと同じ存在……地上に生まれ出た天使・ケルヴィーノの策略であった。悪魔のような儀式をとりおこない、神をも恐れぬ実験で生命を弄ぶ。あまつさえアンジェロを手に入れようとしている彼の真の目的とは? 中世イタリアを舞台に描かれる華麗で残酷なゴシック・ファンタジー。『天使の血脈』の続編。 大幅に加筆修正された文庫を底本に、ノベルスの表紙・挿絵を収録した豪華版。 ●篠田真由美(しのだ・まゆみ) 1953年、東京生まれ。1977年、早稲田大学第二文学部卒業。1992年、第2回鮎川哲也賞の最終候補に残った『琥珀の城の殺人』(東京創元社)でデビュー。1994年に『ドラキュラ公 ヴラド・ツェペシュの肖像』『未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿』(講談社)を発表。以後、ミステリ、幻想、伝奇ジャンルで執筆。
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-新潮社×TBSラジオコラボ企画第1弾! 明るく優しいおばあちゃんはなぜ、ススムくんを誘拐したのか? 音声コンテンツAudioMovie®のために書き下ろされた、ハートウォーミングなミステリ! 「社長の息子を誘拐してるの」明るく正義感の強いおばあちゃんが、突然、そう告げた。大学生だったわたしは、もちろん動揺した。新幹線車内からかかってきた電話。広島駅で出会った小学生、田名部ススムくんと一緒なのだという。おばあちゃんは、ススムが会社を営む父を救うためにある計画を実行したのを目撃。ふたりの旅はそこから始まったのだ。おばあちゃんが起こした、人生でたった一度の〝犯罪〟。その真相が八年後の今、明らかになる。とびきり優しくて、ラストに胸がじんと暖かくなる絶品ミステリ。
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-この学園は呪われている!? 白雪にまみれ赤いロープで手首を結び合った三生徒の死体、男子の制服で死んでいた女子生徒……良家の子女が集う京都の名門高校で、またまた相次ぐ怪事件に、名探偵まりあの血が再び騒ぐ。神舞まりあは、自分以外の部員一人だけという零細古生物部を率いる化石オタクのお嬢様。そして、誰にも認めてもらえない女子高生探偵だ。これまた誰にも見向きもされない古生物部に、なぜか加入してきた怪しい一年生。むりやりお嬢様のワトソン役にされ続けてきた男子部員が抱え込んだ黒い秘密。その上、新たな生徒探偵まで登場。いかがわしさ倍増の果てに、絶対予測不能の結末が!ミステリ通をのけぞらせた、これが危なすぎる学園ミステリだ!
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3.81993年4月の創刊以来、わが国のホラー・エンターテインメントとともに歩んできた無二の文庫レーベル、角川ホラー文庫。その膨大な遺産の中から、時代を超えて読み継がれる名作を厳選収録したベストセレクションが登場。大学助教授の〈私〉が病院で知り合った美しい女性、由尹。ミステリアスな雰囲気をたたえた彼女は、自分の体は呪われていると告げる。ともに暮らし始めた二人だが、やがて悲劇的な事件に見舞われて……。ミステリとホラーの巨匠・綾辻行人90年代初頭に執筆した傑作「再生」をはじめ、『リング』の鈴木光司が東京湾のクルーズ船を舞台に戦慄の一夜を描いた「夢の島クルーズ」、故・今邑彩が角川ホラー文庫のために書き下ろした不穏な物件ホラー「鳥の巣」、の第72回日本推理作家協会賞に輝いた澤村伊智の学園ホラー「学校は死の匂い」など、バラエティ豊かに、ホラージャンルの面白さと可能性を示す全8編。最高にして最恐、これが日本のホラー小説だ。ホラー評論家・ライターの朝宮運河セレクション。 収録作は以下の通り。 綾辻行人 「再生」(『亀裂』、『眼球綺譚』) 鈴木光司 「夢の島クルーズ」(『仄暗い水の底から』) 井上雅彦 「よけいなものが」(『怪奇幻想短編集 異形博覧会』) 福澤徹三 「五月の陥穽」(『怪談歳時記 12か月の悪夢』) 今邑彩 「鳥の巣」(『惨劇で祝う五つの記念日 かなわぬ想い』) 岩井志麻子「依って件の如し」(『ぼっけえ、きょうてえ』) 小池真理子 「ゾフィーの手袋」(『異形のものたち』) 澤村伊智 「学校は死の匂い」(『などらきの首』)
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-十五世紀フランス。ジャンヌ・ダルクと共に戦った英雄にして、幼い少年たちを拉致虐殺したジル・ド・レ。性的興奮を得るために凄惨な殺人を繰り返した彼のそばには、常に若き錬金術師の姿があった。なぜ、ジル・ド・レは狂乱したのか。神の存在とは一体なんなのか。己の心が欲するものをひたすら求めた者たちが最後に見たものとは……。長篇伝奇小説。 ●篠田真由美(しのだ・まゆみ) 1953年、東京生まれ。1977年、早稲田大学第二文学部卒業。1992年、第2回鮎川哲也賞の最終候補に残った『琥珀の城の殺人』(東京創元社)でデビュー。1994年に『ドラキュラ公 ヴラド・ツェペシュの肖像』『未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿』(講談社)を発表。以後、ミステリ、幻想、伝奇ジャンルで執筆。
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3.0W大学文学部教授である神代宗のもとに、奇妙な手紙と小箱が届いた。「君にこの謎が解けるかな?」という挑発的な手紙と、箱の中には、精巧にできたバンガローの立体模型。その中には、背中から血を流す人形が配置されていた……。いったい誰が、何のために作ったのか? 記憶を辿るも、心当たりのない神代は途方に暮れる。やがて浮かび上がった二十数年前に遡る、神代の切ない過去とは?(「表題作」)ほか、馬の首が浮かび上がる心霊写真、女子学生の兄の不可解な自殺、神秘的な記憶を残した女性の不審死など、神代教授の日常に起こる数々の事件。大人気「建築探偵」シリーズの番外編ミステリーが電子書籍で初登場! 【電子書籍特典】 ●著者直筆サイン ●本書の舞台となった館写真(著者による解説つき)
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-大人気シリーズ「建築探偵」でおなじみの、W大学文学部教授・神代宗が、その日常で出会った奇妙な事件の数々を綴る『風信子の家 神代教授の日常と謎』と『桜の園 神代教授の日常と謎』と、青年時代の彼が遭遇した事件『黄昏に佇む君は』の3冊合本版! 精緻なトリックと叙情豊かな物語が交錯するファン必見の作品集。 【3冊合本版特典】 ●著者直筆サイン ●神代邸の建築(現東京都文京区西片二丁目)について(*間取り図)は、合本版だけのオリジナル特典。京介、深春、蒼によるにぎやかな解説付き! ※本電子書籍は『風信子の家 神代教授の日常と謎』『桜の園 神代教授の日常と謎』『黄昏に佇む君は』を1冊にまとめた合本版です。
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-雹と雨と雷鳴の狂乱とも形容すべきすさまじい嵐の夜、没落した名家バナーワース家の館の一室で眠るフローラは、ふと得体の知れない何者かが窓を破って部屋に侵入しようとしていることに気づく。恐怖で凍り付き、四肢を硬直させ、「助けて」とつぶやくことしかできないフローラが目にしたのは、血の気のない蒼白な顔、磨かれたぶりきのような目、深く裂けた唇、そしてぞっとするような瞳にも増して、なにより目を引く、白くぎらぎらした鋭い牙のような、猛獣のそれを思わせる突き出た醜悪な歯を持つおぞましい生き物であった。部屋に侵入した怪物は、不気味な咆哮をあげながらフローラに近づき、その長い髪を手にからめとって体をベッドに押しつけると、鋭い金切り声を上げるフローラの喉笛に牙のような歯を突き立てた。ほとばしる血潮が滾々とあふれ、室内にはそれを吸う異様な音が響いた…… ヴィクトリア朝時代のイギリスで、週刊の安価な媒体に連載された《ペニー・ドレッドフル》の代表的な作品であり、以後のあらゆる吸血鬼作品や吸血鬼造型の原点ともなったゴシック・ホラー小説の伝説的作品、世紀を超えて、ついに刊行開始! 装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design)
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3.7伝説の「さまよえるユダヤ人」を名乗るアハスヴェルが主宰する教団「光の子ら」を糾弾すべく準備を進めていたカルト宗教の研究者ウルフ・ハリガンは、ひょんなことから知り合った作家志望の青年マット・ダンカンの協力を得、二人は「光の寺院」で開かれる教団の集会に参加する。その集会の場で、全身に黄色い僧衣をまとった教祖アハスヴェルは、信者たちとともに「ナイン・タイムズ・ナイン」の呪いを唱え、ウルフの死を予言する。 その翌日、ハリガン家の家族とクロッケー場でゲームに興じていたマットがふとウルフのいる書斎を見ると、ウルフの机に身をかがめている黄色い僧衣を着た人物の姿が目に入る。窓は施錠されており、邸内の扉から書斎に入ろうとするものの、やはり鍵がかかっていて中に入れない。再び外に出て窓から中をのぞくと、ウルフは顔面を撃たれて床に倒れており、存在したはずの黄色い衣の人物は消え失せていた……。 この不可解な密室殺人の謎に直面したダンカンは、探偵小説嫌いのマーシャル警部補と共に「密室派の巨匠」ジョン・ディクスン・カーの《密室講義》を参照しながら推理・検討をするのだが、なんと《密室講義》のどの分類にも当て嵌まらないことが判明する。困惑する捜査陣を前に、難事件の経緯を知った尼僧アーシュラは、真相究明のために静かに祈りを捧げるのだった……。果たして異色の尼僧探偵の祈りが通じ、神をも畏れぬ密室犯罪の真相が看破されるのだろうか!? ジョン・ディクスン・カーに捧げられ、エドワード・D・ホックが主催する歴代密室ミステリ・ベストテンにも選出された、都市伝説的密室ミステリが新訳によって半世紀の時を経てここに甦る! 装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design)