山深き寒村で、大学生の種田静馬は、少女の首切り事件に巻き込まれる。犯人の罠により殺人犯と疑われた静馬を見事な推理で救った、隻眼(せきがん)の少女探偵・御陵みかげ。静馬は助手見習いとして、みかげとともに事件の謎に挑む。みかげは父を失いながらも難事件を解決するが、18年後に同じ村で再び惨劇が……。本格ミステリ界のグラディエーターが放つ、超絶の問題作登場! 日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した、超絶ミステリの決定版!
意外な犯人に驚きはするけど、モヤモヤします。モヤモヤするけど、そうきたか!と唸ります。唸るけど、モヤモヤします。そんなミステリーだと思います。ミステリーに必要なのは驚きだ!という人にはお勧めです。
Posted by ブクログ 2023年05月22日
最後の一文が心に残る…
本屋さんで見かけて気になって購入した作品。
読んでいるとどこまで信じていいのか、
誰を信じていいのか、
探偵としての少女の行動ですら疑ってしまう…
そんな風に感じる一冊。
18年後に起こる事件の真相が明るみになった時、
人とはなんと愚かでしたたかなんだろうと思う。
こ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月18日
母の名跡を継ぐ隻眼少女探偵が自殺志望の青年を助手見習いにして連続殺人事件に取り組むミステリー。
キャラが立ち過ぎな名探偵と田舎の名家という取り合わせから横溝正史的なモノを予想させるがそれも恐らくは作者の手の内と思われる。批判も多いようだが個人的にはかなり意外な真相であり犯人の特異性が際立つ非人間的邪...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月01日
どう見てもシリーズ化できそうなのに、なぜしないのか。ラストで納得した。隻眼の少女、御陵(みささぎ)みかげ。母の名を受け継ぎ探偵デビュー戦が始まる。ミステリアスな雰囲気、「medium」を先に読んでいたので翡翠ちゃんをどうしても彷彿とさせてしまう。
しかし、舞台は1985年、山奥の村。村の権力者の娘...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月12日
『獄門島』的舞台で、奇抜な探偵が活躍する本作は、麻耶作品に通底する「不穏さ」がより濃いクセの強い作品だった。
「クセ」というのはつまりは「不穏さ」に通じるのだが、作者のミステリに対する姿勢自体が「不穏」なんだと思う。「アンフェア」とか「後期クイーン的問題」とも言えるのかもしれない。
無数のしかけも推...続きを読む