あらすじ
山深き寒村で、大学生の種田静馬は、少女の首切り事件に巻き込まれる。犯人の罠により殺人犯と疑われた静馬を見事な推理で救った、隻眼(せきがん)の少女探偵・御陵みかげ。静馬は助手見習いとして、みかげとともに事件の謎に挑む。みかげは父を失いながらも難事件を解決するが、18年後に同じ村で再び惨劇が……。本格ミステリ界のグラディエーターが放つ、超絶の問題作登場! 日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した、超絶ミステリの決定版!
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Posted by ブクログ
さすが麻耶雄嵩としか言えない。
おもしろい。
随所に忍ばせる遊び心が好みすぎる。
主人公静馬が訪れた因習村の神、スガルの後継者が殺される。
隻眼の少女、御陵みかげは名探偵である母の名を継ぐ為、この事件の解決に挑む。
第64回日本推理作家協会賞
第11回本格ミステリ大賞
らしい。
殺人方法が派手で好き。
巧妙な犯行を重ねる何枚も上手の犯人に翻弄されるみかげ。
隻眼ってだけでかっこいいのに、聡明なみかげは、とにかく最後までかっこいい。
ネタバレ厳禁だし、できればあらすじも読まないでほしい一冊!
Posted by ブクログ
すっごく面白かったー!
山深い寒村で発生した少女の首切り事件。それに巻き込まれた主人公。って、内容について言えるのはここまで。あとは何をいってもネタバレになってしまう気がする。
ミステリ好きにはたまらない、本格ミステリの魅力が詰まった作品だった。
Posted by ブクログ
いやーかなり衝撃でしたね。
探偵が実は犯人でしたというパターンはいくつか読みましたが、この作品は特にインパクトが強かったです。
静馬と同じように完全に欺かれていました。
そして巻き込まれた琴折家が可哀想すぎます。
3代目みかげがとてもいい子だということだけが救いですね。
確実に驚くことができます
意外な犯人に驚きはするけど、モヤモヤします。モヤモヤするけど、そうきたか!と唸ります。唸るけど、モヤモヤします。そんなミステリーだと思います。ミステリーに必要なのは驚きだ!という人にはお勧めです。
Posted by ブクログ
なかなか難解でしたが面白かったです。途中何度もこの人が犯人なのかなと思いましたが、最後の展開は予想外です。何より御陵みかげのキャラが濃すぎて印象深かったです笑。これから推理小説をどんどん読みたいと思った一冊でした。
Posted by ブクログ
過去と現在で同じような事件が起こります。
ネタバレになるので詳細は書けませんが、設定だけなら探偵と助手(見習い)が琴折家で起こる事件を解決していく王道的な感じなのですが。普通に読んでいくと終盤ひっくりがえされます。
Posted by ブクログ
美少女探偵・御陵みかげ。
なんて魅力的なキャラクターなんだろう。
1作で終わらせるのもったいないからシリーズ化して欲しい。本格ミステリ大賞受賞作なだけに謎解きもあっと驚く意外性が…
横溝正史作品へのオマージュが満載なところも、個人的にめちゃくちゃ好みだった。
Posted by ブクログ
凄い物語でした。
犯人は、最後の最後まで分かりませんでした。
確かに超絶技巧ミステリでした。
後半が怒涛の展開なので、前半はある程度我慢が必要かも。
Posted by ブクログ
前半は麻耶雄嵩にしてはまともだなぁなんて思ってたら、終盤の怒涛の展開にしてやられました...w
偽物の手がかりをばら撒きまくる犯人に対して、手がかりの真偽をロジックによって愚直なまでに取捨選択していくのが面白いと思った。
麻耶作品特有のなんとも言えない後味を残す結末も好き
Posted by ブクログ
舞台、ヒロインの立ち位置、主人公の立ち位置、真犯人の真意は面白くて好きだと思えたがために、表紙の盛大なネタバレが勿体なく感じた…
ただ長い年月をかけた伏線の回収と結末の綺麗さは良いので、読んで損は無い作品。
Posted by ブクログ
最後の一文が心に残る…
本屋さんで見かけて気になって購入した作品。
読んでいるとどこまで信じていいのか、
誰を信じていいのか、
探偵としての少女の行動ですら疑ってしまう…
そんな風に感じる一冊。
18年後に起こる事件の真相が明るみになった時、
人とはなんと愚かでしたたかなんだろうと思う。
これまでになかった探偵像に引き込まれ、
家族とは…
と考えた一冊でもあった…
Posted by ブクログ
母の名跡を継ぐ隻眼少女探偵が自殺志望の青年を助手見習いにして連続殺人事件に取り組むミステリー。
キャラが立ち過ぎな名探偵と田舎の名家という取り合わせから横溝正史的なモノを予想させるがそれも恐らくは作者の手の内と思われる。批判も多いようだが個人的にはかなり意外な真相であり犯人の特異性が際立つ非人間的邪悪さは特筆に値する。
Posted by ブクログ
どう見てもシリーズ化できそうなのに、なぜしないのか。ラストで納得した。隻眼の少女、御陵(みささぎ)みかげ。母の名を受け継ぎ探偵デビュー戦が始まる。ミステリアスな雰囲気、「medium」を先に読んでいたので翡翠ちゃんをどうしても彷彿とさせてしまう。
しかし、舞台は1985年、山奥の村。村の権力者の娘が首を切られて殺される。疑義をかけられたのはたまたま滞在していた大学生種田。みかげの推理で無罪を晴らされ、事件解決のためみかげの助手として巻き込まれる。
そして18年後、解決したと思われた事件は再び起きていく。
古くからの言い伝えや家の事情も含まれており、雰囲気は「ひぐらしのなく頃に」のような独特の気味の悪さもある。力を持つ「スガル」の存在もあって伝承が鍵なんじゃないかと物語中でしきりに言われているのに、
なぜ伝承があまり語られないのか。
伏線回収の逆もある。読者に必要な情報は出てこない。ないものは、ないのだ。ラストの展開だけでも衝撃的なのに、ないものを作りあげてあたかも「ある」ように見せるのはすごい。
Posted by ブクログ
秋田の事件を解決する続編もあるといいな~なんて呑気に読んでいたら…うわっ衝撃!なんかいろいろ音をたてて崩れていったw
常に予想の先を行かれて裏切られ、最後は一筋縄でいかない後味の悪さ。全体を通して名探偵の宿命のようなものをひしひし感じた。
Posted by ブクログ
探偵の御陵みかげのキャラクターと、奇妙な村の舞台設定はいかにも本格推理ものめいてよかった。しかし真相はどこかインパクトに欠けていた印象だった。
Posted by ブクログ
ある寂れた温泉街に伝わる地域信仰を
巡る殺人事件を、
隻眼の名探偵みかげと
自殺願望のある青年が解決していく
ストーリー。
正直
色々と無理があるし長い。
謎解きパートも盛り上がりに欠ける。
ダブル受賞のインパクトに
期待し過ぎたかもしれない。
Posted by ブクログ
麻耶雄嵩さん初読です。「隻眼の美少女探偵・御陵みかげ」VS「村を守る絶対的信仰の女神・スガル」と云いましょうか、世襲制が核を成し、横溝正史の連続猟奇殺人事件に向き合わされた感覚でした。
本作は二部構成となっており、第一部の舞台は1985年の冬、信州の無名の秘湯です。スガル様の後継者となる少女たちが、悲惨な事件に巻き込まれます。御陵みかげが、助手見習いの静馬とともに、難事件の真相に迫っていく展開です。
諸々の違和感を拭いきれず…、みかげの隻眼、巫女装束、死に地を求めた静馬の軽い言動、みかげとスガルの世襲制の謎等々。多くの犠牲を払い解決したかに思えましたが…。
第二部は18年後の2003年。再び村を訪れた静馬は、再びかつてをなぞるようなスガルの後継者連続殺人に遭遇します。まだ終息せず計画的な意図なのか、偶発的な新たな展開なのか、静馬と二代目みかげが謎に迫っていきます。
終盤は、怒涛の伏線(違和感)回収の展開で様相が一変します。本書全面カバーの惹句「ここまで恐ろしいヒロインは他に存在しない」は、そういうことだったのかと唖然とさせられました。正体の意外性と動機の恐ろしさは、解決や真相の足元をぐらつかせ、インパクトマックスでした。
一見して、終末は爽やかな印象ですが、その裏にある代償は余りにも大き過ぎた気がします。設定の見事さは認めるものの、読後感が微妙なものとなりました。
Posted by ブクログ
1部がちょっと長かったなぁ。名探偵と名乗るわりに殺人は食い止められないし、推理も荒削りなみかげにイラっとして、400ページもあるし(単行本)これは期待外れ…と思ったら2部では全部をひっくり返す驚きの展開!
1部はこの為にあったのか!
それでもやっぱり長かったです…
Posted by ブクログ
【2024年98冊目】
自殺をするために村を訪れた静馬は、そこで一人の少女と出会う。白い水干に赤い袴を纏った少女はみかげと言う名の探偵なのだという。二人が出会った翌日、村で神様に等しいとされるスガルの候補とされていた少女の首なし死体が見つかり、静馬はみかげと共に殺人事件の調査を行うことになるが…。
ちょっと冗長でした〜。テンポが合わなかったとも言えます。こっちの説明は長いのに、ここはそんなあっさり?!みたいな部分も多かった。最初に登場人物や家系図表もありましたが、それを見つつでも登場人物の関係性が複雑で、第二章入ってからはお手上げでした。
あとは結構つっこみ所も多かった気がします。辻褄を合わせるためのよくわからない確認みたいなセリフがあったり。
あとは最後まで静馬に感情移入できなくて、ちょっと引いて見てました。人としての合わなさなのか、なんなのか。
感情よりも出来事に重きが置かれた書かれ方だったのもあるかもしれません。
Posted by ブクログ
物語の序盤で犯人は登場しているもの、そう思いながら注意深く読み進めた。二代目みかげの推理は一見もっともらしいけど、オーラを感じない。たしかに鋭いけど、読者に刺さらない。
春夏秋父とポンポン殺されて、それはみかげの力が足りないから?そして種田と?その後別の恋愛?最後は犯人の道連れ?
何もかも腑に落ちなさすぎる!
これはわざとそういうふうに演出しているなと気付く。
琴折に感情移入できる家人もいないし、犯人は誰かなんてどうでもよくなった。腑に落ちなさの答えを探して読み進める。
答え合わせに至り、ようやく納得。振り返れば、違和感はつねに二代目みかげにまとわりついていた。そういうことだったのか。なるほど、絶妙な演出だった。
読後感は、良くはない。琴折家の姉妹が可哀想すぎた。好きになれる人物がいなかった。オコジョの活躍と腹話術はどう受け止めたらいいのか分からなかった。
Posted by ブクログ
第64回日本推理作家協会賞、
第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞
長い本だが納得。2章立てで見事にひっくり返る。
犯人わかるわけ無いです‥
麻耶雄嵩は「神様ゲーム」等読んでるので
この一筋縄ではいかない邪道(?)ミステリーに違和感は感じない
むしろ望んでいた
プロレスで言えば大仁田厚でしょうか?
こんなのも許容できるミステリーというジャンルは奥深い
腹を立てたら何も始まりません
けど500頁は長い‥
Posted by ブクログ
ある村で連続首切り殺人事件が起こり探偵のみかげと助手見習いの静馬が解決する、話かと思ってた。2部制で構成されてて、この人犯人なんちゃう?とか予想はしてたけどこの犯人は予想外だった、動機も衝撃だった。とんでもないな。
Posted by ブクログ
話に登場する舞台は山深い村、昔からある言い伝え。系図必須のややこしい人物設定。
横溝正史っぽい匂いがする部分に
ワクワクしながら読みましたが、さほど暗くはなく割とあっさりと感じました。
主人公である探偵のキャラに、どうしても馴染めなかった。最後まで。
静馬、頑張れ。。。
Posted by ブクログ
死に場所に選んだ地で出会った少女・御陵みかげ。 探偵を志す彼女の不思議な魅力に私は救われてゆく。 村の跡取りを狙った連続殺人の終結から18年後、、、衝撃の第二章。
間違いなく好みの作風と裏切りなのだが麻耶雄嵩という先入観が足を引っ張ったね、うん。
Posted by ブクログ
トリックはありだと思う。もう1度読み返したくなる。ただし個人的には設定に無理があり、状況が非日常過ぎると感じ、好きにはなれなかった。あとは登場人物の名前が似ているのでややこしい。動機が面白かった。
Posted by ブクログ
毎度のことながら、摩耶雄高の本はモノすごい展開なのよ。
読んでて、違和感ありまくるんだけども。そっか、だからなのね。っていう。
おかしかったもの。その反応。
色々伏線があって、主人公の言葉を借りるなら不整合がいろんなところに現れるのよね。
いやーさすがにそれは。っていう展開が数々あるんだけどさ。読み終わったら、
摩耶さんがこれがやりたいがために、こういうストーリーにしたわけね。
ってなる。
あとがきに、摩耶さんの本を読むと悔しくなる。
ってホントにわかる。なんだよ。ってなる。
ミステリー小説ってもう言っていいのかいけないのか。笑笑
ミステリー好きの夢の展開とでもいえば、ミステリー流のファンタジーのようなそんななんでもありな展開で、途中わたし的には
ありえんわ。
って思ってしまうような内容もまぁ、そこにつなげるためかぁ。くぅーー!!!!!
そんな殺人現場最前線でそんな展開ありえんわ!って思うんだ。でもさぁ。あーー!!!!!!
そんな一冊です。
あーー!!!、なんか腹立つわぁーってのが悔しいになるのかな。笑笑
こんなミステリーなかなかないですょ。
Posted by ブクログ
麻耶雄嵩さんはこれで2冊目でした。腹話術の下りは強引すぎるかなと思ったけれど、面白かった!なんとなくみかげが某作品の天才っぽかったから娘も殺されるのかと思ったけど。そこだけが救いかな
麻耶作品で一番素直なミステリー
ちょっと無理あるストーリーだけど一番衝撃は少なかった。
なるほど、と思える素直なミステリー。
ただ、これだけの狂気を見たあとだと、最後の微笑ましい顔ですら疑いたくなる。
Posted by ブクログ
麻耶雄嵩は,文章が読みやすく,えぐい話が多いので,かなり好きな作家のひとり。「隻眼の少女」は,日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した作品ということで,読む前から期待が高まる。
内容は,二部構成になっている。
第一部は,1985年の冬に起こった連続殺人事件を二代目御陵みかげが解決する話。
第二部は,2003年の冬に起こった殺人事件を三代目御陵みかげが解決する話。
いずれの事件の真犯人は二代目御陵みかげ。1985年の事件は,自らの目を2歳のときに抉ったという父を殺害するために,カモフラージュとして琴折家の人間を殺害していく。自らの探偵としてのデビューという位置づけでもあったので,ダミーの犯人としてスガルという被害者の母親を用意するという鬼畜ぶり。
2003年の事件は,1985年の事件で,子どもを作るために利用した自殺志願者の種田静馬という男が生きていることが分かったので,三代目には父はいらないという理由で殺害を計画するというもの。またまた,カモフラージュのために琴折家の人間を殺害する。
種田静馬の視点から見ていると,二代目御陵みかげの手のひらの上で踊らされているという,非常に救いのない話にみえるが,みかげは静馬のことを本当に好きだったとも取れる描写もある。最後は,娘である三代目御陵みかげとともに生きていくというハッピーエンド。そこまで救いがない話ではないか。
どちらかというと,ハッピーエンドで終わらない方が,麻耶雄嵩らしく好みの作品になったと思うが,世間的な評判はハッピーエンドの方がよくなるのかな。
作品全体の雰囲気は好きだけど,最後が、ハッピーエンドだったところが個人的に気に入らないので評価としては★3で。
他のレビューでもちょっと書かれているが、トリックの暴露に無理があり過ぎる。
死んだ人間を生きているように見せるトリックが、動物を操って死体を動かして腹話術で死体がしゃべっているように見せかけていた・・・・いや、無理やろ。腹話術している犯人のすぐ隣にいたのに気づかない主人公は、頭がおかしいのだろうか?
他にも、とある女性キャラクターが、岩の上に座っている主人公の姿が格好良かったという理由で一目惚れしたり、無実の男が警察にちょっと責められただけで自分がやったんだと催眠状態に陥ってやってもいない犯行を自供したり・・・・。さらに、犯人が無差別連続殺人鬼になった理由もすごく無理がある。
小説全体として、作者が考え付いた展開に(整合性やキャラの心理描写とかは完全に無視して)無理矢理持って行ってる感じがあって、とにかくいろいろ破綻している。一昔前のご都合主義ラノベみたいなストーリーだった(実際この小説が出たのはご都合主義ラノベの全盛期だったので、作者はそういうのを意識して小説を書いたのかもしれないが)
余談だが、こんなご都合主義推理(?)小説がもてはやされて、他のまともな推理小説が日の目を見ないのは納得がいかない。日本の小説界が衰退の一途をたどっているのは、こういう変な小説ばかりが推されて、他のまともな作品が世間に紹介されないからではないだろうか?(ちなみに海外では小説は今も人気のジャンルで、市場は昔からあまり衰退していないらしい) 実際私も子供のころ、賞を取って推薦されていたとある有名小説を読んだが、まったくおもしろくなくてその後数年間小説は一切読まなかった。しかし、出張移動の時間つぶしに気まぐれに読んだ無名の小説がおもしろかったので、その後それなりに小説を読むようになった。