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刺殺された作家・砂村悦子が死の直前に書いた自伝的小説は、かつて悦子に殺された従妹のアイが、鏡に宿り復讐するという内容だった!? 事実、刺殺現場に残された犯人の足跡は、部屋の隅にある鏡の前で忽然と途絶えていた。やがて明らかになる衝撃の真相……。i(アイ)とは何か? 絶妙のトリック、大ドンデン返し! 女流本格ミステリーの旗手が描いた長編傑作。
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Posted by ブクログ
刺殺された作家「砂村悦子」が,自らの遺作となる作品に見立てるような形で,殺害される。砂村悦子の遺作には,、自分が5歳のときに従妹である「アイ」を殺害したこと,「アイ」が鏡の中から自分の悦子の命を狙っていることなどが書かれている。 「悦子」の殺害現場は,鏡に向かって歩いていく血の跡が残っていた…。...続きを読む本当に,「アイ」が悦子を殺害したのか?…という設定だが,トリックは殺害現場が悦子のマンションではなく,悦子の実家であったというもの。悦子の母である里見充子が真犯人で,殺害時間に悦子の実家にいたというアリバイを,絨毯ごと移動させて,殺害現場を悦子のマンションに見せかけた。 これはなんというか…バカミス?絨毯を移動させたせいで,出入り口の位置が異なり,壁に向かって歩いたような跡が残ってしまったので,鏡に入っていったように偽装したというトリックだが,そんなトリックで警察をごまかせるはずもなく,トリックのためのトリックとしかいいようがない。 この作品は,絨毯を使った物理トリックがメインではなく,充子と充子の妹である鈴子との入れ替えがメイントリック。アイの悦子に対する復讐のホラーと思わせる描写が,叙述トリックであり,充子が,充子になりすましている鈴子に対する復讐のホラーという構成になっている。 物理トリック部分は,バカミスっぽいが,叙述トリックはさすが。トータルで見れば,ぎりぎり及第点の★3かな。
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