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美しき三姉妹の悲劇。二階堂蘭子が謎に挑む! ――江戸時代から遊廓を営んでいた旧家に、もたらされた殺人予告。かつて狂死した遊女の怨霊祓いの夜、果たして起きた2つの殺人事件。折しも乱舞する雪は、24年前の惨劇にも似て……。名探偵・二階堂蘭子が解きあかす「密室」そして「足跡なき殺人」の謎。美しき三姉妹を弄ぶ、滅びの運命とは!? 本格長編推理。
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Posted by ブクログ
ー こうして、この奇怪な殺人事件は、私たちが愛読するジョン・ディクスン・カーの『三つの棺』の冒頭の章とよく似た出来事で幕をあけた。しかもこれは、数々の凶悪犯罪を解決に導いた名探偵二階堂蘭子の事件簿の中でも、特に《足跡のない殺人》という謎に真っ向から挑戦した異色のものになった。 一般的に言って、不可...続きを読む能犯罪には、《鍵のかかった部屋》とか、《人間や物体の消失》とか、《不可解な死》とか、あるいは《姿なき殺人者》といった困難極まる謎が存在する。その中でも、柔らかい砂の上やまっさらな雪の上に足跡を一つも残さずに殺人を犯していく者の話は、現象が単純できわめて明確なだけに、かえって我々をひどく困惑させる。 ー 二階堂黎人の実質的な初長編ミステリー。 ミステリー好きの為のミステリー。 一族への呪い、美しい三姉妹、病弱な娘、霊媒師、雪の足跡、泥濘の足跡、密室、日本刀、そして名探偵!素晴らしいガジェット! 横溝正史的世界観の探偵小説。 25年前の作品でもはや古典だが、懐かしくて面白かった。
これはすごいな。 この本に載ってる推理小説、全部読みたい。 推理小説は、わたしの読書の原点で、ちょっと読みすぎて満腹になっていたから避けていたけど、やっぱり面白い。 トリックは全然わからなかった。 犯人も、もちろん。 犯人がわかってから、ようやく最初の事件の足跡の謎がわかったくらいで。 よくできた話...続きを読むだな。 本の厚さなんてまるで感じないくらい、一気読み。
雅宮家の悲しき血の所以がラストのなんとも言えぬ余韻となっていて良き! 24年前の雪に足跡のない殺人、除霊祭での密室殺人、テニスコートで足跡のない殺人と本格ミステリを堪能できる内容。 24年前の殺人がトリックも血の所以も相まって良かった!
二階堂蘭子シリーズ二作目。 とても読み応えのある本格ミステリー。 過去の殺人が一番好き!! ジョン・ディクスン・カーの『テニスコートの謎』読んでみたいな。
美人姉妹に旧家での惨劇…横溝作品を彷彿させる妖しさに冒頭から惹き込まれます。 『足跡なき殺人』が2つ、密室殺人が1つと内容が盛り沢山ですし、物語の作り込みが丁寧で好感が持てました。 24年前の『足跡なき殺人』はシンプル且つ虚を突いたトリックで感心しましたが、テニスコートの『足跡なき殺人』は微妙でした...続きを読む。巧く盲点を突いてはいますが、よくよく考えると、地面の状態を見ればバレバレだと思います。旧家でテニスコートというのも若干浮いているので、なくても良い気がしました。 その他、蘭子のネタバレつきの推理小説批評にが鼻につきましたが、総合的に見ると良作な推理小説だと思います。
蘭子シリーズ2作目(刊行順では2作目だけど、実際はこの作品が先に書かれて賞に応募。選には漏れたが編集者の目に留まって「地獄の奇術師」でデビューとなったようです)。遊郭を営んでいた旧家を舞台に、三人姉妹に降りかかる悲劇。「奇術師」よりトリックがしっかりしていてびっくり&すっきり感があって楽しめました。
電子で読むと註釈が読みにくいのが難点。なくても問題はないけれど。やや長めだけれどしっかり読んでいくとちゃんと真相が読めるので丁寧に書かれているなという印象。ドロドロした雰囲気から一点ラストはさっくりしていた。
二階堂蘭子シリーズの2作目。 蘭子ちゃんはコナンくんです。事件を引き寄せちゃう系の人。親戚筋でこんな大事起きるなんてあり得ないでしょうよ…。 最後の犯人の語りがかなり説明口調だが、基本面白かった、で読み切れた。令和からするとクラシックなトリックなのかもしれないが、きっと当時は画期的だったのかも。 ...続きを読むそしてほぼ当て馬になってしまうワトソン役の黎人くん。きっと神木隆之介とか鈴鹿央士あたりに任せることになるんだろうな…毎回お疲れ様…。
二階堂蘭子シリーズの長編推理小説。二階堂家の親戚筋である雅宮家で起きる事件を題材にした作品。 絶世の美しさを持つ一族。美しき三姉妹が暮らす旧料亭「久月」で起きた過去の事件。遊郭時代にあったとされる「翡翠姫」の伝説 喫茶店「紫煙」に現れた謎の女性が訪れ、二階堂家の人間に「久月」で殺人事件が起きる事...続きを読む、それを未然に防ぐ事を伝えてほしいと伝え残し、立ち去ってしまう。「紫煙」に集う人達は彼女の姿を追うが、不思議な事に見逃してしまう。 蘭子と黎人は報告を受け、親戚筋の「久月」事、雅宮家で起きた過去の事件を調べる。 過去の事件は蘭子達が懇意にしている中村刑事が過去に受け持った事件であり、足跡なき不思議な事件であった。合わせて、事件は事故として片付けられてしまい、中村刑事も煮え切らない想いを持った事件であった。 蘭子達は雅宮家で行われる降霊会に招待され、怪しげな面々と共に、雅宮家で起きようとしている事件へと関わっていく。 雅宮家という旧家を舞台にした作品であり、日本家屋がベースになっている事が新鮮。あんかや炬燵など。なかなかイメージすることなくが難しい世代もいるのではないだろうか。また、夜は暗い事は当たり前だが、現代と昭和時代の明るさは全く違うものであり、夜間に発生する事件の恐怖感をイメージしながら読み進めた。 事件が殆ど雅宮家で起きる為、中盤以降動きは少ないが、一方で腰を据えて昨年を読む事が出来る。 消えた足跡の謎、密室の謎といった部分がこの作品の主なトリックではあるが、ある程度現代迄に目にした事があるトリックで、想像は出来た。但し、活用方法が見事で、まるで過去と未来で全く同じトリックが起きた様に見えながら、全く違うものを用意しているのは流石だと思う。 幾つか不満点があるとすれば、もっと二階堂家と雅宮家の関係性を描いてからこの作品が出された方が衝撃的であったのでは。という部分と、犯人のキャラクター設定がいまいちしっくりしなかった点。そして、絃子の娘である冬子の人物像。この三点については少し物足りなさを感じてしまった。 もっと彼女達の設定、バックボーンがわかった上で同じ作品を読んでいたら恐らく印象は全く違ったものだったかも知れない。
初二階堂作品。 足跡のない殺人や、密室殺人など不可能犯罪に真正面から取り組んでいる。足跡〜のほうのトリックは見事だ。
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