中央公論新社作品一覧

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  • 荘子 古代中国の実存主義
    4.3
    人間はだれでも自由でありたいと願う。昔から人類の教師とよばれ、哲人賢者とよばれる人びとは、人間の自由について多くのすぐれた思惟と叡智を示し、その教説をさまざまな著作に書き残してきた。特に荘子は、観念的な思考方法ではなく、いかに囚われることのない自由な自己をもちうるかを明らかにした。 荘子を敬愛し、 「荘子」 によって人生の苦境を乗りこえてきた著者が「生を善し」とし、「死を善し」とする思想を深い感動をもって伝える。
  • 総司残英抄
    -
    その名も高い、新選組一番隊組長、沖田総司。足早に幕末の混乱期を駆け抜けた、剣豪と言うにはあまりに爽やかな素顔とその剣を鮮やかに描く連作集。
  • 惣十郎浮世始末
    4.1
    罪を見つめて、人を憎まず――その男、服部惣十郎 浅草の薬種問屋で火事が起き、二体の骸があがった。定町廻同心の服部惣十郎は岡っ引の完治らを使い犯人を捕らえるが、医者らしき指示役の足取りは掴めない。一方、町医者の梨春は惣十郎の調べを手伝う傍ら、小児医療書を翻訳刊行せんと奔走していた。浮世を騒がす事件の数々を追ううちに、惣十郎がたどり着いた驚愕の真実とは。 一人のかすかな心の揺れが、大事を引き起こすこともある。 信じるもののため、それぞれの場であがく先に正義はあるのか―― 【読売新聞好評連載】
  • 創世の契約1 龍族
    4.0
    迫害され、大陸の片隅に追いやられた人族の国境の町に「一生に一度会えたら幸運」とまでいわれている龍族が現れた。そして『世界』を揺るがす事件は始まった――花田一三六の意欲作!
  • 漱石が聴いたベートーヴェン 音楽に魅せられた文豪たち
    4.0
    ドイツ留学中にオペラの世界に魅了された森鴎外は帰国後、日本での歌劇上演を夢み、幸田露伴は最初期の女流音楽家を妹に持っていた。夏目漱石はヴァイオリンを弾く弟子寺田寅彦に誘われて奏楽堂通いをし、永井荷風はニューヨークやパリで劇場三昧の日々……。本書は、怒濤のように流入する西洋文明・西洋文化と格闘した明治期の文学者たちが、クラシック音楽にどのようにかかわったかをいきいきと描くものである。
  • 漱石が見た物理学
    3.0
    漱石の生きた半世紀(1867-1916)は、X線、電子が発見され、量子論が誕生し、特殊相対性理論が発表されるなど、古典物理学から現代物理学へと移行する激動の時代であった。 理科が得意で、自らも建築家志望であった漱石は、寺田寅彦と科学談義を楽しみ、作品にも最新の話題が登場している。 本書は文学者漱石の旺盛な好奇心に従って、熱、光、量子、時間と空間について物理学発展のあとを辿り、乖離する文科と理科の交流を目指す。 ■□■目次■□■ 序章 漱石と物理学―文科と理科の交流 1章 古典物理学の完成―激動の嵐の前 2章 新しい自然観の台頭―19世紀から20世紀への転換 3章 量子仮説の提唱―人間からの離脱 4章 量子力学の誕生―極微の世界に向けて 5章 相対性理論の誕生―時空概念の変革 終章 再び漱石と物理学―文学の中の“自然法則”
  • 漱石先生
    3.8
    先生はごく温かい柔らかい心持ちを持った、いわばあの作物の中の坊ちゃんであられたのである――自他共に認める「別格の弟子」が、教師と生徒としての第五高等学校での出会いから、その素顔と作品、周辺に集う人々までを親愛と哀惜の情をこめて語る。文庫オリジナル 〈座談〉小宮豊隆・松根東洋城・寺田寅彦 〈巻末エッセイ〉中谷宇吉郎 (目次より) Ⅰ 先生の追憶 夏目先生/蛙の鳴声/夏目先生の自然観/「柿の種」より/夏目漱石先生の追憶/埋もれた漱石伝記資料/「自由画稿」より/『普及版漱石全集』内容見本推薦文/『決定版漱石全集』内容見本推薦文/日記より三句/思ひ出るまゝ Ⅱ 先生に集う人たち 根岸庵を訪う記/初めて正岡さんに会った時/仰臥漫録/子規自筆の根岸地図/子規の追憶/『子規全集』/明治三十二年頃/芥川竜之介君/高浜さんと私/『藪柑子集』自序/『藪柑子集』執筆当時の追憶/『漱石襍記』について/津田青楓君の画と南画の芸術的価値 Ⅲ 先生と俳諧 夏目先生の俳句と漢詩/天文と俳句/涼味数題/思出草/俳諧瑣談/こころもち/〈座談〉小宮豊隆・松根東洋城・寺田寅彦 漱石先生俤草/『漱石俳句研究』より 〈巻末エッセイ〉中谷宇吉郎 寒月の「首縊りの力学」その他/冬彦夜話
  • 漱石先生と私たち
    3.3
    1巻1,100円 (税込)
    その時分の私たちというのが、なんでも先生の真似をして見ようという、随分馬鹿気きっていた時分なのである。――師・夏目漱石をはじめ、寺田寅彦、鈴木三重吉、森田草平から芥川龍之介まで。漱石山房で、ともに文学談義を交わし、酒を呑み、気焔を上げた人々を、第一の弟子が回想する。文庫オリジナル 〈コミックエッセイ〉香日ゆら 目次より 夏目漱石  休息している漱石/漱石二十三回忌/漱石と恋愛/漱石二題/漱石と読書/漱石と画/漱石と烟草/偽物/注釈/「漱石発狂」の報告者/漱石文庫/漱石半身像/漱石のうちの猫/修善寺日記 寺田寅彦と松根東洋城  『漱石・寅彦・三重吉』序/「寅彦全集」/「破門」/『回想の寺田寅彦』序/漱石と寅彦/寅彦と死相/寅彦と俳諧/寅彦と羽子板/「御髭」/松根東洋城のこと 鈴木三重吉 三重吉の思い出/鈴木三重吉/三重吉のこと/青春記/写真 安倍能成 安倍のこと/眼鏡/アンシュリアム 森田草平と内田百閒 森田草平/『実説草平記』/誤植/誤伝の経路/チョッキのまぼろし/白髪 野上豊一郎 野上の死/野上のこと 芥川龍之介 芥川龍之介の死/一挿話
  • 漱石の白百合、三島の松 近代文学植物誌
    4.0
    漱石の『それから』に登場する白百合はテッポウユリかヤマユリか。植物オンチと言われた三島由紀夫の卓越した草木の描写を挙げてその汚名をそそぐ。鏡花、芥川、安部公房ら、広大な文学作品の森に息づく草花を植物学者が観察。新たな視点で近代文学を読み解く。 『漱石の白くない白百合』を改題 〈解説〉大岡玲 (目次より) Ⅰ 漱石の白くない白百合/描かれた山百合の謎/『金色夜叉』の山百合/白百合再考 Ⅱ 『虞美人草』の花々/朝顔と漱石/毒草を活けた水を飲む事/泉鏡花描く紅茸/「ごんごんごま」とは?/ごんごんごまの本名/クロユリ登場/芥川の心象に生えた植物 Ⅲ 三島由紀夫と松の木の逸話/再説三島と松の木の逸話/洋蘭今昔/志賀直哉と藤の巻き方/スイートピーは悲しみをのせて/『デンドロカカリヤ』異聞 Ⅳ 関東大震災でカビた街/小説とチフスの役割/小石川植物園を読む/三四郎池の植物散歩 あとがき/文庫版あとがき/〈解説〉大岡玲 作品名索引
  • 漱石の読書と鑑賞
    3.0
    僕の門下生からこんな面白いものをかく人が出るかと思うと先生は顔色なし。――新刊の感想から、門下生の作品添削、雑誌への売り込みまで。漱石の書簡に現れる同時代文学評を、佐藤春夫が編年でまとめ、解説を付し、「書簡中に見る諸家作品選集」を編集する。 〈巻末付録〉エッセイ=内田百閒/漱石宛て書簡=芥川龍之介・久米正雄
  • 漱石文学のモデルたち
    -
    1巻921円 (税込)
    『坊っちゃん』の教師たちやマドンナの正体を探り、『吾輩は猫である』の主要登場人物のみならず千駄木界隈の住人を推察、『三四郎』の美彌子とマドンナを比較しつつ漱石のヒロイン像を論じる――歴史研究家がその分析手法を活かして人物や景観から時代背景までを考証する、知的興奮にみちた漱石文学論。
  • 双調平家物語1 序の巻 飛鳥の巻
    3.5
    1~16巻921~1,152円 (税込)
    これは、「栄華」という幻想に憑かれた男達の物語である。話は、平清盛から始まらず、その栄華の原型を作った藤原氏、更には、本朝が範とした中国の叛臣伝から始まる。秦の趙高、漢の王莽、粱の朱い、唐の安禄山。彼等は真実、叛臣なのか。そして、万世一系の我が朝に、果たして真実、叛臣はあるのか。
  • 装丁物語
    4.3
    星新一から村上春樹まで――かくも愉しき装丁今昔 洗練と温かみを両立させたそのデザインの源泉は、 幅広い好奇心と書物への愛着。 依頼を受け、ゲラを読み、絵を描き、文字を配して、紙を選ぶ。 描き文字の工夫、レイアウトや配色の妙、 画材あれこれ、紙の質感にも心を配って、 一冊が出来上がるまでのプロセスを具体的に紹介。 数多の装丁を手がけた和田さんが、惜しみなく披露する本作りの話 〈電子版は和田さんの装丁をカラーで満載〉
  • 蒼天の翼 魂葬屋奇談
    3.8
    ユキの失われた過去をたぐる手がかりをなくしてしまった深波。一度は落ち込むが、再び立ち上がったその身に迫る危機。ユキは記憶を取り戻すことができるのか? シリーズ、堂々完結!
  • 蒼洋の城塞1 ドゥリットル邀撃
    完結
    5.0
    日本本土空襲サル! これは訓練ではない、実戦だ。 房総沖にて演習中の呂号第四四潜水艦が、空母「ホーネット」率いる米国の艦隊を発見! 日本本土の奇襲を狙う「ドゥリットル空襲」の迎撃に成功し、敵艦隊に大打撃を与えた。意気上がる日本軍は、ポート・モレスビー攻略を主眼とするMO作戦の完遂を目指し、空母「瑞鶴」「翔鶴」、戦艦「陸奥」「伊勢」らを中核とする艦隊を派遣。珊瑚海にて、雪辱に燃える米軍と激突する――。 鉄壁の護りで敵国を迎え撃つ新シリーズ、開幕!
  • 総理の覚悟 政治記者が見た短命政権の舞台裏
    4.0
    足かけ6年に及んだ小泉純一郎長期政権以降、第一次安倍晋三内閣から民主党の野田佳彦にいたるまで一年程度で総理が交代することになった理由は何なのか。そして民主党はなぜわずか三年で政権を手放さざるをえなかったのか……。沖縄米軍基地移転、東日本大震災、消費税アップ等の外交・内政の重大問題への対応を中心に、日本記者クラブ賞受賞のベテラン記者が日本政治とリーダーのあり方の問題点を描き出し、国を背負って立つ政治家の責任を問う。
  • 総理の器量 政治記者が見たリーダー秘話
    3.8
    安倍晋三以降、民主党が政権の座に就いても、総理は満足にリーダーシップを発揮できず、短期間で辞任している。大きな業績を残した歴代の総理にあって、彼らに欠けているものは何なのか。総理の番記者等を長年にわたって務めたベテラン新聞記者が、間近で接した三木武夫以降、小泉純一郎に至るまでの政権の内政・外交・抗争の背後にあった政治理念・権謀術数等を描き出し、国のリーダーにはどのような資質が必要なのかを考える。

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  • 疎開日記 谷崎潤一郎終戦日記
    3.0
    第二次世界大戦下、激しい空爆をさけて疎開した文豪が、きれぎれに思いかえす平和な日の記憶。表題作と、戦後すぐに発表した随筆を収めた『月と狂言師』をもとに、文庫初収載になる戦時下の永井荷風、吉井勇との往復書簡などを増補した谷崎版「終戦日記」。 〈註解〉細川光洋〈解説〉千葉俊二
  • 蘇我氏-古代豪族の興亡
    3.7
    蝦夷・入鹿父子は六四五年の乙巳の変で討たれたが、蘇我氏は滅亡せず、以後も国家権力の中枢に位置した――。稲目を始祖とした馬子、蝦夷、入鹿の四代はいかに頭角を現し、大臣として国制改革を推し進めたのか。大化改新後、氏上となった倉麻呂系は壬申の乱へとつづく激変の時代をどう生き延びたのか。六世紀初頭の成立から天皇家を凌駕する権勢を誇った時代、さらに平安末期までを描き、旧来の蘇我氏イメージを一新する。
  • ソクラテスの弁明 ほか
    4.1
    前399年、ソクラテスの刑死事件からプラトンの著作活動が始まった。 師を弁明するための真剣な営為、それが哲学誕生の歴史的瞬間だった。 対話篇の迫力を香気ゆたかに伝える名訳。
  • そこにある山 人が一線を越えるとき
    4.0
    「なぜ本書が、(中略)かような一大傑作論考として結実したのかといえば、それは結婚が全部悪いのである。」(あとがきより) 「どうして結婚したんですか?」 この、デリカシーに欠けた、無配慮で苛立たしい“愚問”がもたらしたのは、人はなぜ冒険するのかという「最大の実存上の謎」への偉大な洞察だった! 人生の下り坂に入ったと自覚する著者が、探検家としての思考の遍歴を網羅した傑作エッセイがついに文庫化。 〈解説〉仲野徹(生命科学者) 目次 序 章 結婚の理由を問うのはなぜ愚問なのか 第一章 テクノロジーと世界疎外――関わること その一 第二章 知るとは何か――関わること その二 第三章 本質的な存在であること(二〇一九年冬の報告)――関わること その三 第四章 漂泊という〈思いつき〉――事態について その一 第五章 人はなぜ山に登るのか――事態について その二 終 章 人生の固有度と自由
  • そこに無い家に呼ばれる
    3.9
    もし何かが「一つずつ減っている」または「増えている」と感じたら、この読書を中止してください。 作家・三津田と編集者の三間坂は、これまで家についての禍々しくも興味深い五つの話を知り、次いで〈烏合邸〉で記された四つの体験談にかかわってきた。 そして今回、三間坂の家の蔵から新たに発見されたのが、厳重に封印が施された三つの記録――それらはすべて「家そのものが幽霊」だという奇っ怪な内容で……。 最凶「幽霊屋敷」シリーズ最新作! 〈解説〉芦花公園
  • そこに薔薇があった
    4.0
    ある春の日、離婚して自由になった正幸の前に、二人の魅力的な女性が現れた。彼女たちの出現で、どこかはしゃいでいる彼に、叔母は「女性がその気になったら、あんたなんか、イチコロなんだから」と語る。それは何かの暗示だったのか。直後、正幸は謎の死を遂げてしまう。それは連綿と続く、残酷で甘美な殺人事件の始まりだった。
  • 組織の不条理を超えて 不敗の名将・今村均に学ぶダイナミック・ケイパビリティ論
    -
    陸軍大将・今村均は なぜ一度も負けなかったか―― 「失敗の本質」を背負った日本軍において、組織が陥りやすい「不条理」を回避し、終戦まで不敗を誇った陸軍大将・今村均。 その組織運営は、「ダイナミック・ケイパビリティ(組織の自己変革力)」にもとづいて展開されていた! 南寧作戦・ジャワ施政・ラバウル籠城作戦という三つの戦場における今村の組織運営・戦略を最新経営学で分析。そこで展開されたダイナミック・ケイパビリティを、VUCA時代の企業に必須の能力として紹介する。さらに、さまざまな実例とともに、経営戦略・組織運営・人事の観点から日本企業における実践法を提案する。 〈戦後80年記念企画〉 「一般に研究者は、対象を批判的に分析することで新しい知見を見出そうとする。(略)ところが、そのような批判的な観点から見て、どうしても否定できない軍人がいたのである。それが今村均であった」 (はじめに より)
  • 組織を変える〈常識〉 適応モデルで診断する
    4.5
    どの組織にも、その組織特有の認識の枠組みがある。これが「組織の常識」で、意思決定や問題解決などはすべてこれが基礎となっている。しかし、この常識は古びたり現実とズレたりしがちである。どうすれば、古い常識を捨て去り、新しい常識を身につけることができるか。組織に潜む「未練のハードル」「臆病のハードル」をもとに組織を四つに分類し、どのような組織が望ましいか、組織を変えるためには何が必要かを解明する。
  • そして誰かがいなくなる
    3.6
    1巻1,980円 (税込)
    大雪の日、大人気作家の御津島磨朱李が細部までこだわった新邸のお披露目会が行われた。招かれたのは作家と編集者、文芸評論家と……。最初は和やかな雰囲気だったが、次第に雲行きが怪しくなっていく。奇想天外、どんでん返しの魔術師による衝撃のミステリー!
  • 側近日誌 侍従次長が見た終戦直後の天皇
    -
    敗戦という未曾有の事態にあって退位論や遷都論かまびすしい最中、昭和天皇がとった「独自の行動」とは? 天皇がマッカーサーと会見した直後の昭和二十年十月から翌年五月までの、日本人と皇室の将来をかけて模索を続けた昭和天皇の「肉声」を綴った侍従次長の貴重な記録。〈解説〉高橋 紘
  • その妻
    3.5
    私はいまから人を殺しに行く――。貞淑な妻はなぜ変貌したか? 鬼となった女の大胆不敵な罠。予期せぬラストから、あなたは目をそらせない!
  • その悩み、大胸筋で受けとめる 棚橋弘至の人生相談
    3.5
    八方塞がりの連載、上司からの圧、低い自己肯定感、離婚の踏ん切りどき、人生の意味……。 誰しも抱く悩みに新日本プロレス「100年に一人の逸材」棚橋弘至が向き合う。 自ら悩み、もがきながら3年間の連載で見出したプロレス的思考からの導きは――マッチョな言葉でズバリ解決? いいえ、「全力で受けとめ、そっと背中を押す」系でした。 人生いつも崖っぷち、逆境と痛みを知る46歳プロレスラーが 心に沁みる名言を続出。 書籍化にともない、新たに同世代ミドルたちの不安への「神」回答も。
  • その日なぜ信長は本能寺に泊まっていたのか 史談と奇譚
    3.0
    織田信長が演出した「安土宗論」をへて本能寺の変が勃発した当時、京都の法華宗寺院はどのような状態になっていたのか。主家再興に奔走し非業の死をとげた山中鹿介と毛利本家の血統を守った小早川隆景の運命を分けたものはなにか。渋沢栄一から見た大久保利通と西郷隆盛に対する人物評価の違いとは――。戦国・幕末の激動期を中心に、埋もれていたエピソードを発掘し、歴史の面白さを満喫させてくれるエッセイ54篇を収録。
  • 鼠璞十種〈上巻〉
    -
    1~3巻2,090円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 高尾追々考/新吉原細見記考他
  • ソフトウェアの法則 コンピュータの利用技術とは
    3.8
    コンピュータに関する話は一般の人には理解できないことが多い。ソフトウェア開発に携わるプログラマの苦労や悩みなどなおさらのことである。しかし、ソフトウェアのきまり(法則)と一般的な社会生活で出くわす出来事は非常に似ている。本書は、技術開発のプロが、「ソフトウェアとは何か」「コンピュータの利用技術」など、みずからの職場体験に、私生活のさまざまなエピソードをまじえて語る機知に富むテクニカルエッセイ。
  • そらそうや
    3.3
    1巻1,980円 (税込)
    黒い川を渡って博打に行く……。 本格警察小説や、ハードボイルド作品で人気の著者が綴った、作家になるまでの日々、執筆を支える日常のこと、麻雀や将棋、競輪や競馬と運について、そして友人たちとの交流… 40年間の作家生活をぎゅっと詰め込んだエッセイ集。 巻末に、自作解説、東野圭吾との対談「僕は運が強いんです」を収録。
  • 空旅・船旅・汽車の旅
    4.0
    愛車のルノーを駆って都内を走行中、雨やどりをする女子高校生に「乗りませんか?」と声を掛けてしまう著者。デコボコの国道、国鉄の花形・蒸汽機関車、振り袖のスチュワーデス……。1950年代の交通文化が甦る、乗り物の楽しさ満載の爽快なエッセイ。文庫化にあたって、悪路の東北を自動車で一周した「一級国道を往く」の後日談、「二十二年目の東北道」も収録。
  • 空とぶ絨緞
    -
    \伝説的アートディレクターで絵本作家/ 堀内さんと世界をぐるり、美食・秘宝・島巡り! チュニジアの魚介スープ、台湾の屋台飯、ウクライナの肉団子をたいらげ、 国宝の美術品から露店の玩具までこよなく愛した堀内さん。 世界の美食・秘宝・島々をぐるりとび回る! 「パンパンになったお腹をなでなで、食後酒のグラッパをやってると、 いつしか自分がまるで常連客だったようにくつろいでいる。」 カラーイラスト約200点と単行本未収録エッセイを満載に、初文庫化。 アテネの町のあちこちでトウモロコシを焼いて売ってる。 醤油があったら、と一瞬思ったが、 それはアサハカな習慣なのがスグ分って 〝こりゃウマいや!〟と叫んだ。 オジサンのふってくれた塩だけ、というのがいいのだ。 (本文より)
  • 空飛ぶ貧乏騎兵隊
    4.0
    今は昔、冬大陸の小国ジントが鳳凰とともに世界を制覇した時代があったという。だが今や弱小貧乏国。お飾り以下の騎兵隊隊長任じられたモートは、式典に参加する費用を何とか稼ごうと、春大陸の大国へ盗みに入ることに。ひょんな思いつきが世界の存亡につながってしまい……!?
  • 転落少女と破壊の獣 空なき世界〈アルミナ〉
    4.0
    真琴は留守がちの父と慎ましい下宿暮らし。家族同然の住人たちのおかげで寂しさを感じることなく過ごしていたが、突然「兄」と名乗る青年が現れた。戸惑う真琴。その上、兄と下宿人の会話から父が何かを盗み、逃亡中だという衝撃の事実を知ってしまう。さらに〈門〉と呼ばれた、部屋の真ん中に浮かぶ黒い空間に飛び込むと、降り立った先はアルミナ――薄闇に覆われた異世界だった! 溺愛系兄の出現と、父の失踪が真琴の生活に想定外の波瀾を呼ぶ! 新シリーズ開幕。
  • 空にみずうみ
    3.0
    1巻1,056円 (税込)
    著者を彷彿させる作家の早瀬と妻の染色作家・柚子、東北地方に暮らす夫婦の、「震災三年後」の一年間を描く。豊かな自然、さまざまな生き物の気配、近所の人々との交流、梅干しを漬けたり草むしりをしたり……という何気ない日々の生活。大きな事件は起こらない。しかし、その「何気ないこと」が続いていく日常の大切さが伝わってくる作品。
  • 空の王
    3.0
    1巻1,375円 (税込)
    昭和11年夏。新聞社の飛行士・鷲尾順之介、満州国奉天の町で、謎めいた美女・宋麗林の命を助けた。 一方、関東軍参謀本部の梶清剛大尉たちは極秘計画を進めていた。 そして、運命の糸が絡み始める――。 行方不明機を発見した順之介は、突如現れた梶に銃を突きつけられ、内蒙古から「荷物」を空輸しろと命令される。 そこには麗林の姿が……。 航空冒険小説の傑作!
  • 空の欠片 魂葬屋奇談
    3.4
    平凡を自認する高校生・深波は、自分にしか見えない謎の少年と知り合う。「魂葬屋」と名乗る彼は「仕事を手伝ってほしい」と告げるが――第2回C☆NOVELS大賞特別賞受賞後第一作、堂々登場!
  • 空耳アワワ
    3.8
    喜喜怒楽楽、ときどき哀。オンナの現実胸に秘め、懲りないアガワが今日も行く! 読めば吹き出す痛快無比の「ごめんあそばせ」エッセイ。
  • 空より高く
    3.8
    1巻704円 (税込)
    廃校が決まった高校の最後の生徒として入学した僕らの、「終わり」だらけの平凡な毎日は、特命を受けて赴任した非常勤講師との出会いで一変した――。  「レッツ・ビギン!」と叫ぶ熱血中年オヤジ・ジン先生の「始めるウイルス」に、いつの間にか感染するイマドキの高校生たち。 省エネを第一とし、面倒事からは極力距離を置こうとしていた主人公・ネタローも、通学路で見かけたピエロさんのジャグリングに魅せられ、ついに「始め」の一歩を踏み出すことに……。  今を生きる全ての人に贈る、直球ど真ん中の青春賛歌。
  • それでも脳はたくらむ
    3.4
    「脳の中の私」と「私の中の脳」。現代を生きる我々は、脳内にいかにその光景を映し出せばよいのか。脳科学を普段使いして謎に迫るべく、蒙を啓く著者。脳のたくらみと言い分に耳を傾ける。
  • それを愛とまちがえるから
    3.7
    ある朝、伽耶は匡にこう告げる。 「あなた、恋人がいるでしょう」――。 結婚十五年、セックスレス。 妻と夫の思惑は どうしようもなくすれ違って……。 愛しているなら、できるはず?  女がいて、男がいて、 心ならずも織りなしていく、 やるせない大人のコメディ。
  • 孫基禎―帝国日本の朝鮮人メダリスト
    4.0
    1巻880円 (税込)
    1936年のベルリン五輪マラソンで金メダルを獲得した孫基禎。日本は国威発揚に利用、朝鮮では民族の優秀性を示す英雄と扱い「日章旗抹消事件」が起きた。戦後韓国では陸連トップやソウル五輪開会式で聖火ランナーを務め、英雄視は続く。他方で、戦時中に学徒志願兵の募集など対日協力に従事した翳が近年明らかになってきた。本書は、スポーツ選手が国と民族を背負わされた20世紀、「英雄」とされた孫の生涯を描く。
  • 存在と時間(合本版)
    -
    第一次世界大戦後の不安と動揺を背景に、有限存在としての個人を自覚する実存主義を概念化し、実存哲学を誕生せしめた大著。 20世紀最大の哲学者とも称されるハイデガーの主著。
  • 存在と時間I
    4.3
    現代哲学に絶大な影響を与えつづける巨人ハイデガーは、1927年に刊行された本書の斬新で犀利な問題提起によって、20世紀の哲学界に激流を巻き起こす衝撃的地点に立つことになった。
  • 孫子・呉子
    3.0
    春秋戦国時代に成立した軍事思想書で、徹底した合理主義を説く「孫子」。戦国時代初期、一大変革期に楚の宰相を務めた呉起の言を集め、戦争における「仁」の重要性を説く「呉子」。ともに兵法書として名高い二書を合本。混迷深まる現代における必携の書。〈解説〉湯浅邦弘
  • ソーシャル・キャピタル入門 孤立から絆へ
    3.5
    東日本大震災のさい、人々は互いに譲り合い、整然と行動した。自分を犠牲にしてでも弱い者を救った。これは、決して見返りを期待しての行動ではなく、絆や他者への信頼、思いやりの表れであった。このような絆や互酬性の規範をソーシャル・キャピタル(社会関係資本)という。ふだんは目に見えない、しかし、教育や健康等に大切な役割を果たしている社会関係資本をどう育み、活かすのか。第一人者が理論と実践を紹介する。
  • ソーダ水の殺人者
    -
    1巻660円 (税込)
    僕は微笑みながらターゲットの心臓を撃つ殺し屋。ある日、悪魔を自称する子供から仕事を依頼されるが、その相手は全員、自分のコピー人間だった。彼らは互いの存在を知ることもなく、役者やキャバクラ嬢のヒモや僻地の医師として生きていた。僕は自身のアイデンティティを確かめるかのように一人ひとり抹殺していく。心臓を撃たれた彼らの体はソーダ水みたいに発泡し、消えていった。だが、やがて僕は自分もコピー人間の殺し屋に狙われていることに気がつく。それは、同じDNAを持つ殺し屋たちが、知恵と戦闘技術とフェイクを駆使して殺し合うサバイバルゲームの始まりだった。
  • 象牙の箸
    -
    美食の精華は中国料理。そのみごとな板前ぶりを発揮しながら、故国中国の風味、人情等を楽しく語る料理随筆。ニンニク、あわび、魚と塩、モヤシ、パパヤ、嫉妬――啖い且つ読む30編。
  • ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学
    3.9
    動物のサイズが違うと機敏さが違い、寿命が違い、総じて時間の流れる速さが違ってくる。行動圏も生息密度も、サイズと一定の関係がある。ところが一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用量は、サイズによらず同じなのである。本書はサイズからの発想によって動物のデザインを発見し、その動物のよって立つ論理を人間に理解可能なものにする新しい生物学入門書であり、かつ人類の将来に貴重なヒントを提供する。
  • 増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち
    -
    ラッセル・カークから始まる、現代アメリカを形作ってきた思想家たちを訪ねる“旅” 。彼らの思索の中核には何があるのか。保守、リベラルといった概念の真の意味とは――。著者の精緻な読み解きが、アメリカ文化の複雑さと奥深さ、そしてパラドクスをも浮かび上がらせる。文庫化にあたり〈「トランプ現象」とラディカル・ポリティクス〉を収録。 目次 プロローグ メコスタ村へ 第一章 戦後保守思想の源流――ラッセル・カーク 第二章 ネオコンの始祖――ノーマン・ポドレッツ 第三章 キリスト教原理主義――J・グレシャム・メイチェン 第四章 南部農本主義――リチャード・ウィーバー 第五章 ネオコンが利用した思想――レオ・シュトラウス 第六章 ジャーナリズムの思想と機能――H・L・メンケン 第七章 リベラリズム――ジョン・ロールズ 第八章 リバタリアン――ロバート・ノジック 第九章 共同体主義――ロバート・ニスベット 第十章 保守論壇の創設者――ウィリアム・バックリー 第十一章 「近代」への飽くなき執念――フランシス・フクヤマ 第十二章 「歴史の終わり」から「歴史の始まり」へ――フランシス・フクヤマ(続)第十三章 「トランプ現象」とラディカル・ポリティクス エピローグ 戦後アメリカ思想史を貫いた漱石の『こころ』
  • 増補版 生きて死ぬ力
    -
    ジタバタしても はじまらない いや ジタバタしても いい いつ どこで どのような姿で 終わろうとも なんの心配も いらない だから 何をしてもいい ということでは ないけれど なんの 心配も いらない ***** 地震の 下敷きになる かも知れない 津波に のまれる かも知れない コロナ禍でICUに 入れられる かも知れない 念仏も 出ない かも知れない その時は なるようにしか ならない なんの心配も いらない ***** 思いもよらぬ新たな時代へ。精いっぱい生きて、死ぬときは「そのままで いい」。浄土真宗本願寺派総長がコロナ禍の今こそ伝えたいこと。現代の事象に重ね合わせ、平易な言葉で仏法の神髄を語る。自分の存在が腑に落ちて、心がすっと楽になる。
  • 増補版 駆け出しマネジャーの成長論 7つの挑戦課題を「科学」する
    4.6
    突然、管理職に抜擢された! 年上の部下、派遣社員、外国人の活用方法がわからない! 飲みニケーションが通用しない! プレイヤーとしても活躍しなくちゃ! 社会は激変し、一昔前よりマネジメントは格段に難しくなった。困惑するのも無理はない。人材育成研究と膨大な聞き取り調査を基に、社の方針の伝達方法、多様な部下の育成・活用策、他部門との調整・交渉のコツなどを具体的に助言。新任マネジャー必読!管理職入門の決定版だ。
  • 増補版  教養としてのプログラミング講座
    4.4
    もの言わぬ機械とコミュニケーションをとる手段、「プログラミング」。その歴史から簡単な作成、生活に役立つテクニックなどを網羅し、たった一冊でプログラマーの思考法を手に入れることを可能としたのが『教養としてのプログラミング講座』だ。「もはやそれは誰もがかなぶべき教養」というメッセージを掲げたロングセラーをこのたび増補。小中学校で必修となる今年、刊行する。ジョブズにゲイツ、現代の成功者はどんな世界を見ている?
  • 増補版 ぐっとくる題名
    3.3
    ●第1章 ロジック篇  【助詞の使い方】「ゲゲゲの鬼太郎」「無能の人」「僕が泣く」 【韻とリズム】「ヤング島耕作」「勝訴ストリップ」「噂の刑事トミーとマツ」 【言葉と言葉の距離(二物衝撃)】「天才えりちゃん金魚を食べた」「部屋とYシャツと私」 【題名自体が物語である】「脳手術の失敗」「お勢登場」「海へ出るつもりじゃなかった」 【濁音と意味不明な単語】「しだらでん」「少年アシベ」「ディグダグ」 【アルファベット混じりの題名】「D坂の殺人事件」「M色のS景」 【古めかしい言い方で】「ツァラトストラかく語りき」「されど孤にあらず」 【命令してみる】「大工よ、屋根の梁を高く上げよ」「メシ喰うな」 【パロディの題名】「長めのいい部屋」「百年の誤読」 【関係性をいわない】「隠し砦の三悪人」「11人いる!」 ●第2章 マインド篇  【先入観から逸脱する】「淋しいのはお前だけじゃな」「サーキットの娘」 【日本語+カタカナの題名】「少年ケニヤ」「三人ガリデブ」 【いいかけでやめてみる】「光ってみえるもの、あれは」「飼い犬が手を噛むので」 【いいきってしまう】「これからはあるくのだ」「幸せではないが、もういい」 【長い題名】「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「おそうじをおぼえたがらないリスのゲルランゲ」「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」 【題名同士が会話する】「今夜わかる」シリーズ「買ってみた。」「それが本当なら」 【洒落の題名】「屁で空中ウクライナ」「ザ・先生ション!」 【人気歌人に学ぶ】「どうして長嶋有さんは枡野浩一なんかとつきあってるの?」「日本ゴロン」「世界音痴」「にょっ記」
  • 増補版 弘兼流 60歳からの手ぶら人生
    3.4
    定年後は持ち物や人間関係を整理し、身軽に人生を楽しもう!課長島耕作』などで知られる漫画家が60歳からの理想の生き方をつづったベストセラーの増補版。 「常識」という棚にしまったすべてのものを一度おろして、ひとつひとつ吟味してみませんか。そうすれば、きっとこれからの人生に必要なものと必要でないものが見えてくるはずです(はじめにより)。
  • 増補版 笑って生ききる 寂聴流 悔いのない人生のコツ
    -
    好評を博した金言集の決定版を約60頁の大増補!健康、夫婦、子育て、老い、人づきあい…あなたの悩みにそっと寄り添う、寂聴さんの熱いメッセージ。 作家として、僧侶として、瀬戸内寂聴さんはたくさんの名言を残しています。年齢を重ね、老いを受け入れ、周囲との人間関係や、家族のかたちも変わっていくなかで、私たちは、その言葉に心のよりどころを求めます。 本書は『婦人公論』に掲載された瀬戸内寂聴さんのエッセイ、対談、インタビューから厳選したものです。 私たちの気持ちに寄り添い、一歩を踏み出す勇気を与えてくれる瀬戸内寂聴さんの言葉を、この一冊にぎゅっと詰め込みました。
  • 贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ
    4.0
    贈与は人間の営む社会・文化で常に見られるものだが、とりわけ日本は先進諸国の中でも贈答儀礼をよく保存している社会として研究者から注目を集めてきた。その歴史は中世までさかのぼり、同時に、この時代の贈与慣行は世界的にも類を見ない極端に功利的な性質を帯びる。損得の釣り合いを重視し、一年中贈り物が飛び交う中世人の精神を探り、義理や虚礼、賄賂といった負のイメージを纏い続ける贈与の源泉を繙く。
  • 続燕石十種〈第1巻〉
    -
    1~3巻3,075~3,193円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 画証録/式亭雑記/釣客伝/過眼録他
  • 続・神々の体系 記紀神話の政治的背景
    -
    記紀の制作主体を藤原不比等とみる大胆な仮説をもとに、前著で考察の対象となった記紀神統譜の基本構造と不比等の政治的役割について、その照応関係を多面的に解明する。そして記紀神話が奈良朝の藤原氏の権力の正統化にいかに適合していたかをきわめて説得的に論述。律令国家成立の社会史ならびに思想史を背景に、定説化した記紀の体系性とイデオロギー的性格を捉え直し、そこに律令国家のデザインとその独自性を読みとろうとする。
  • 続・孤独のすすめ 人生後半戦のための新たな哲学
    3.3
    孤独に怯えることはない 豊かさを愉しめばいい 人は本来孤独を恐れるべきものだろうか。あるいは、孤独はただ避けるほうがいいのか。 私は孤独の中にも、何か見いだすべきものがあるのではないかと思うのです。(中略)孤独の持っている可能性というものをいま、私たちは冷静に見つめ直すときにさしかかっているようにも感じるのです。(本文より) 30万部のベストセラー『孤独のすすめ』、待望の続編! 世に流布する「孤独論」を退け、真の「孤独論」がここに完成した。 第一章 孤独に怯える人びと 第二章 「和して同ぜず」という思想   第三章 生物としての孤独とは 第四章 老いるヒントについて 第五章 孤独を愉しむ  終 章 孤独は永遠の荒野ではない 【対談】 × 下重暁子 歳をとるにつれて ひとりの時間が味わい深くなる
  • 続・東北―異境と原境のあいだ
    -
    「遅れた東北」観は、どのように生まれ、どう変転を遂げたのか。本書は、史料を博捜して、大正から戦後にかけての、「後進性」脱却と国際化を指向した議論や政策を分析し、文学作品や学術書に描かれた東北像を検証する。戦時体制に組み込まれ、いつしか「異境」から「原境」へとイメージを移行する東北。戦後歴史学の「地域モデル論」が捉えきれなかった東北史のダイナミクスを照射し、日本史像のラディカルな転換をめざす。
  • 続・日本軍兵士―帝国陸海軍の現実
    4.4
    先の大戦で230万人の軍人・軍属を喪った日本。死者の6割は戦闘ではなく戦病死による。  この大量死の背景には、無理ある軍拡、「正面装備」以外の軽視、下位兵士に犠牲を強いる構造、兵士の生活・衣食住の無視があった。  進まない機械化、パン食をめぐる精神論、先進的と言われた海軍の住環境無視……日中戦争の拡大とともに限界が露呈していく。  本書は帝国陸海軍の歴史を追い、兵士たちの体験を通し日本軍の本質を描く。
  • 続・日本の樹木 山の木、里の木、都会の木
    -
    環境を守り、景観をつくり、生活に役立つ--経済成長の過程で伐採され、過疎化で見捨てられ、工業製品に押されてきた樹木の復権が進んでいる。街路樹、庭木はもとより、建築材料、手工業品からジャム、果実酒に至るまで、樹木の守備範囲は驚くほど広く、人との関わりは深い。極北から熱帯雨林まで、豊富な調査体験を背景に、身近に見られる樹木120余種の名前の由来、生態、性質を紹介する。植物画家・長谷川哲雄氏の挿画70点を付す。
  • 続・発想法 KJ法の展開と応用
    3.6
    前著『発想法』で公開したKJ法の実技をさらに発展させ、加えて実例・応用例・図解等を豊富にとりいれた本書は、自己革新のために、会議運営の効率化のために、新製品開発のために、チームワークのために、あるいはカウンセリングにと、その効用は著しいものがある。情報化社会といわれる今日、ソフトウェアのなかのもっともソフトな部分をうけもつKJ法の効力が再確認されている。『発想法』との併読をとくにおすすめしたい。
  • 続 星と伝説
    5.0
    「キリストのもとに東方三博士を導いた『ベツレヘムの星』とはどの星か」「『西郷星』とは何ぞや」洋の東西を問わず、星や星座はさまざまな伝承の中で語り継がれてきた。そこにこめられた人々の想いとは―「星の抱影」と呼ばれる著者が、夜空にかける飽くなき探求心と、天文に関する広汎な知識、民俗学的手法で、伝承の謎を解き明かす。
  • 体育会系の研究 ――その強さと弱さ
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 パワハラ、悪質プレー、協会幹部の不正、買春騒動……。不祥事の背後に見える「体育会系気質」について、大学スポーツを中心に徹底検証。(『中央公論』10月号より) 対談「サッカー&ラグビーW杯から見た課題 『監督に物申せる選手』と『DNAの継承』がカギだ」田嶋幸三×清宮克幸/「学歴差・男女差・競技差を直視せよ」束原文郎/「伝統墨守のバンカラから『taiikukai』へ」難波功士/「文化系女子のアメフト見聞記」辛酸なめ子/「ルポ 名門校から地方私大まで いまどき体育会、『就活支援合戦』のリアル」小林哲夫(敬称略)
  • 虎07潜を救出せよ 上
    -
    東シナ海油田付近で沈没した国籍不明の潜水艦。乗組員救出のために派遣された海自部隊に、艦を完全に破壊すべく中国の艦隊が迫る!
  • 大君の使節 幕末日本人の西欧体験
    3.5
    「西洋世界の挑戦に対してこの国が発した返答」の鮮やかなモデル・ケースとして、幕末日本のエリートの西欧文明に対するさまざまの知的・心理的・感性的反応と外国側の彼らに対する反響を探り出し、一八六二年の遣欧使節団の行動を評価し直す。従来、外交史家にしか顧みられなかった使節一行の諸記録は、ここに初めて興味深い記録文学としての姿を現わす。新文明に接して急激に自己変革を迫られる幕末日本の鼓動を伝える、比較文学徒の労作。
  • 太閤検地 秀吉が目指した国のかたち
    5.0
    豊臣(羽柴)秀吉が実施した政策、太閤検地。その革新性はどこにあるのか――。秀吉は、各地を征服するたび奉行を派遣し、検地を断行。全国の石高を数値で把握し、加増や減封、国替えを容易にすることで、統治権力を天下人に集約した。中央集権の成果は、のちに江戸幕府の支配基盤ともなる。本書は、太閤検地の実態を描き、単なる土地制度上の政策にとどまらず、日本の社会構造を大きく変えた意義を示す。
  • 大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史
    4.3
    高い学歴を求める風潮と、それを可能にした豊かさに支えられ、戦後日本の教育は飛躍的な拡大をとげた。一方で、受験競争や学歴信仰への批判も根強くあるが、成績による序列化を忌避し、それこそが教育をゆがめる元凶だとして嫌う心情は、他国においてはユニークであるとみなされている。本書は、このような日本の教育の捉え方が生まれた経緯を探り、欧米との比較もまじえ、教育が社会の形成にどのような影響を与えたかを分析する。
  • 大衆の反逆
    3.9
    近代化の行きつく先に、必ずや「大衆人」の社会が到来することを予言したスペインの哲学者の代表作。「大衆人」の恐るべき無道徳性を鋭く分析し、人間の生の全体的建て直しを説く。
  • 桜島・狂い凧 兵隊小説集Ⅰ
    3.0
    1~2巻1,760円 (税込)
    自身の戦争体験を通して人間心理を追求し、鋭敏な感性で作品に昇華した梅崎春生。戦後派を代表する著者の戦争を描いた主要作品を収める小説集(全二巻)。第Ⅰ巻は、敗戦直後に書き上げた出世作「桜島」、芸術選奨文部大臣賞受賞作「狂い凧」を含む十七篇と、関連エッセイを収める。〈解説〉真鍋元之/日和聡子 目次 桜  島 水兵帽の話 万  吉 蟹 年  齢 眼鏡の話 埋  葬 崖 ある失踪 演習旅行 山伏兵長 生  活 無名颱風 上里班長 歯 赤い駱駝 狂い凧 巻末エッセイ 『桜島』あとがき 『桜島』のこと 八年振りに訪ねる――桜島 『桜島』――「気宇壮大」なあとがき 解説Ⅰ真鍋元之 解説Ⅱ日和聡子
  • 対象喪失 悲しむということ
    4.0
    肉親との死別・愛の喪失・転勤・浪人等々、日ごろ馴れ親しんだ対象を失ったとき、その悲しみをどう耐えるかは、人間にとって永遠の課題である。ところが現代社会はいつのまにか、悲しむことを精神生活から排除してしまい、モラトリアム人間の時代を迎えて「悲しみを知らない世代」が誕生し、いたずらに困惑し、絶望にうちひしがれている。本書は具体例によって悲哀の心理過程と悲哀の意味を説き自立することへの関係に及ぶ。
  • 胎児の世界 人類の生命記憶
    3.8
    赤ん坊が、突然、何かに怯えて泣き出したり、何かを思い出したようににっこり笑ったりする。母の胎内で見残した夢の名残りを見ているのだという。私たちは、かつて胎児であった「十{と}月{つき}十{とお}日{か}」のあいだ羊水にどっぷり漬かり、子宮壁に響く母の血潮のざわめき、心臓の鼓動のなかで、劇的な変身をとげたが、この変身劇は、太古の海に誕生した生命の進化の悠久の流れを再演する。それは劫初いらいの生命記憶の再現といえるものであろう。
  • 怠惰の美徳
    3.9
    大学にはほとんど出席せず、志望した新聞社は全滅。やむなく勤めた役所で毎日ぼんやり過ごして給料を得る。一日十二時間は眠りたい。できればずっと蒲団に居たい……。戦後派を代表する作家が、怠け者のまま如何に生きてきたかを綴った随筆と短篇小説を収録。真面目で変で面白い、ユーモア溢れる文庫オリジナル作品集。〈編・解説〉荻原魚雷
  • 対談集 あなたが子どもだったころ 完全版
    4.0
    子どもが創造力を発揮するとき、嘘をつくとき、自分の世界にこもるとき……。 〈心の問題〉を見つめ続けてきた著者が、各界を代表する十六人とユニークな子ども時代を語り合う。 その対話からは、個性豊かな個人史とともに戦後日本人の歩みが浮かび上がる。 「飛ぶ教室」の連載対談を全一冊にした完全版。 〈解説〉小川洋子
  • 対談集 六人の橋本治
    -
    1巻1,100円 (税込)
    橋本治の多彩な仕事について、各界の第一人者と語り合う。六つの対話から、稀有な作家の全貌が浮かび上がる対談集。 「短篇小説」高橋源一郎/『ひらがな日本美術史』浅田彰/『小林秀雄の恵み』茂木健一郎/『窯変源氏物語』三田村雅子/『双調平家物語』田中貴子/「広告批評」天野祐吉/『リア家の人々』宮沢章夫(文庫版特典)
  • 対談 にっぽん女性史
    -
    情熱的な自己を政治に示した古代の女帝たち、文学史上に燦然と輝く清少納言や紫式部ら王朝の女流作家、源平のトップレディ建礼門院と北条政子、戦国乱世を強烈に生きたお市や淀君。金山開発の犠牲とされた佐渡相川の遊女たち……様々な時代や立場におかれた女性の意識や生き方を11人の識者と語る。
  • 対談 日本語を考える
    4.0
    日本語研究の第一人者大野晋氏が、司馬遼太郎、辻邦生、大岡信、丸谷才一、梅棹忠夫、荒正人、大森荘蔵、加藤周の8氏と、日本語のあり方を縦横に語り合う。
  • タイトルの魔力 作品・人名・商品のなまえ学
    3.0
    絵画や彫刻の展覧会で、作品のかたわらには必ずネームプレートが寄り添っている。音楽、小説、詩、戯曲…。いずれにもなんらかのタイトルが付されている(なかには「無題」というタイトルもある)。では、このタイトル、いつごろからどのように、作品と不即不離の関係になったのだろう。人の名前、商品のネーミングも視野に入れながら、藝術作品におけるタイトルの役割と歴史を考える、刺激に満ちた美学の冒険。
  • 太平記 鎮魂と救済の史書
    4.0
    足利尊氏や新田義貞、楠木正成ら名だたる部将が活躍する『太平記』。しかしこの名高い戦記物がめざしたのは、英雄譚と言うよりも、南北朝動乱を生きた、名もなき人々への鎮魂と救済ではなかったか。怨霊の跋扈する、不条理にも見える物語世界が内包する『太平記』の精神とは。また、登場人物たちの体現する儒教的道義論や因果応報論が担ったものとは何なのか。単なる戦記物の枠を超えた『太平記』の世界への招待。
  • 太平洋戦争〈上〉
    4.2
    1~2巻1,210円 (税込)
    民族の興廃を賭け、二五〇万の尊い人命を失って敗れた太平洋戦争は、日本人にとってなんであったか。単なる回想や懴悔の対象であってよいであろうか。そのために著者は、何よりも戦争をして戦争を語らせようと努めて五年の歳月を費やし、国内資料の渉猟はもちろん、アメリカへ調査に渡り、南洋諸島、東南アジア各国の旧戦場を隈なく訪ね、相戦った双方の資料を突き合わせて戦争の赤裸な姿を再現する。毎日出版文化賞受賞。
  • 太平洋戦争のif[イフ] 絶対不敗は可能だったか?
    3.8
    真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル、レイテ、本土決戦――太平洋戦争の重要な各局面における「イフ」を論じることで歴史の真実に迫る。厳密な史料分析をもとに第一線の研究者たちが挑んだ、意欲的な太平洋戦争史。
  • 太陽の男 石原慎太郎伝
    5.0
    『太陽の季節』で日本中を熱狂させた「無意識過剰」「価値紊乱者」の石原慎太郎は、社会に何を警告したのか。三島由紀夫を動揺させ、多大な影響を与えた慎太郎。交錯、衝突し、天皇制と国家観をめぐって離反した2人の天才を考察することで、慎太郎がその作品群に込めた真意に迫った。東京都知事と副知事として、作家同士が都庁舎で折々語りあった猪瀬直樹が見た慎太郎の素顔とは……。『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』に続く作家評伝を、一周忌に満を持して上梓する著者渾身の書き下ろし。 プロローグ―ー「君が代」と「日の本」             第1章 敗戦の子             第2章 ヨットと貧困           第3章 公認会計士の挫折と裕次郎の放蕩            第4章 運をつかむ                       第5章 スター誕生                       第6章 ライバル三島由紀夫         第7章 拳闘とボディビル   第8章 『亀裂』と『鏡子の家』                 第9章 「あれをした青年」                    第10章 挑戦と突破                 第11章 石原「亡国」と三島「憂国」    第12章 「嫌悪」と「海」                     第13章 天皇と核弾頭        エピローグ――価値紊乱は永遠なり
  • 太陽黒点
    -
    ある日、浅見隆司の平凡な人生は唐突に終わりを告げた。妻の不倫が発覚し、しかも相手は、高校時代に彼を目の敵のように虐待し続けた、八幡朱印社員の江木啓介だったのだ。そして、この八幡朱印こそ、かつて詐欺同然に父の財産を略奪し、そして死に追いやった怨敵なのだ! 忘れ去っていた怨念を目覚めさせ、巨悪に復讐すべく、全てを捨てさった浅見だったが、その背後には……。
  • 大量相続時代、土地が棄てられる
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ●2040年には北海道の面積に  所有者不明土地が日本中を喰い荒らす  増田寛也(東京大学客員教授) ●<ルポ>被災地、原野の町を歩く  困惑する自治体、処分に悩む相続者  阿部文彦(読売新聞東京本社編集委員) ●六本木ヒルズの開発を阻んだ境界不明問題  藤巻慎一(森ビル執行役員)
  • 台湾出兵 大日本帝国の開幕劇
    4.0
    1874年5月、陸軍中将西郷従道指揮する日本軍3600名が台湾に上陸、先住民居住地を武力掃討した。この近代日本最初の海外派兵は、台湾に漂着した船の乗員が殺害された事件に対する懲罰と航海の保全にあると説明された。だが台湾を統治する清国との間には、一挙に緊張が高まる。それにしてもなぜ、事件後二年半も経って派兵が強行されたのか。なぜ清国はこの対応について過大に反発したのか。その歴史の根源的な謎に迫る。
  • 台湾侵攻1 最後通牒
    完結
    4.5
    中国軍による南シナ海東沙島奇襲作戦に端を発した東シナ海の戦いは、主戦場を尖閣諸島魚釣島へと移し、激戦が繰り広げられた。土門康平率いる〈サイレント・コア〉部隊は台湾軍と共同作戦を取りながら、米軍の協力を得て、中国軍を島から撤退させることに成功する。その頃、成田空港に降り立った人民解放軍の秘密部隊が、ベトナム人技能実習生グループを装って、「超限戦」の作戦を開始。日本をブラックアウトさせた。中国の狙いは、日本同様ブラックアウトした台湾への侵攻。人民解放軍の大艦隊がついに台湾へと迫る。 【目次】 プロローグ 第一章 コンビニ 第二章 モーメント 第三章 東京タワー 第四章 大義名分 第五章 避難行動 第六章 最後通牒 第七章 軍神 第八章 ニイタカヤマノボレ エピローグ
  • 台湾鉄路千公里 完全版
    4.5
    一九八〇年、『時刻表2万キロ』の著者は全線乗りつぶしのため台湾へと向かった。戒厳令下で日本人観光客は団体ツアーばかりの当時、阿里山鉄道を筆頭とする狭々軌鉄道や、開通したばかりの超特急、砂糖会社線などを八日間で乗り尽くす。その後の八三年、九四年の全島一周達成の紀行を増補した著者台湾紀行の完全版。〈解説〉関川夏央 (目次より) 台湾鉄路千公里 1 一九八〇年六月二日(月)  桃園国際機場/台北車站/自強号、往高雄/空襲警報時旅客須知 2 六月三日(火)  莒光号餐車/対号特快車/阿里山森林鉄路/呉鳳旅社 3 六月四日(水)  台糖公司虎尾総廠路線/集集線/海線、山線、循迴追分線/台中柳川西路 4 六月五日(木)  東勢線・内湾線/淡水線・新北投/台北夜場 5 六月六日(金)  濂洞・侯硐・菁桐/嶮路北迴線/花蓮新站 6 六月七日(土)  花蓮港/太魯閣峡/狭々軌特急、光華号/台東市 7 六月八日(日)  公路局公共汽車、金龍号/屏東線、東港線  終 章  あとがき 台湾鉄路千百公里 台湾一周二人三脚 台湾一周、全線開通 解説(関川夏央)
  • 台湾の歴史と文化 六つの時代が織りなす「美麗島」
    3.8
    街路に残る古跡や廟、人びとに愛される名物料理、信仰と祭り――。「美麗島」とも称される台湾に、今も息づく独自の文化。その伝統は一六二四年のオランダ統治以来、鄭氏、清朝、日本、国民党に至るまで、各時代の外来政権との関係によって形作られてきた。本書では、激動の台湾を生きた人びとの視点から、四百年におよぶ歴史をたどる。台湾をより深く知るための案内を豊富にまじえて、多様な文化の魅力を活写する。
  • 台湾漫遊鉄道のふたり
    4.4
    1巻2,530円 (税込)
    炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でも――。 結婚から逃げる日本人作家・千鶴子と、お仕着せの許婚をもつ台湾人通訳・千鶴。 ふたりは底知れぬ食欲と“秘めた傷”をお供に、昭和十三年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。 「私はこの作品を過去の物語ではなく、現在こそ必要な物語として読んだ。 そして、ラストの仕掛けの巧妙さ。ああ、うまい。ただ甘いだけではない、苦みと切なさを伴う、極上の味わいだ。」 古内一絵さん大満足 1938年、五月の台湾。 作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。 現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴とともに、 台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。 しかし、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子は焦燥感を募らせる。 国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差――― あらゆる壁に阻まれ、傷つきながら、ふたりの旅はどこへ行く。
  • 台湾有事と中国包囲網
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 (目次より) ●習近平体制が目指す覇権の道 米国か中国か、各国指導者が迫られる重い選択 呉国光/聞き手:竹内誠一郎 ●【防衛大臣インタビュー】 台湾海峡の安定を注視 中国の現状変更への試みは容認しない 岸 信夫 ●日本はいかに動くべきか? サイバー・ミサイル攻撃から始まる中台激突 門間理良 ●バイデン政権の中国戦略 「関与」から「競争」へ アメリカの方針転換 佐橋 亮 ●軍事、経済、人権からのアプローチ 英・仏・独・EU、対中姿勢の「本気度」 鶴岡路人 ●中露の利害はどこまで一致しているのか 強化される関係とアフガニスタン問題という宿痾 熊倉 潤 ●フィリピン、シンガポール、ベトナムの選択 東南アジア諸国の対中戦略と日本への新たな期待 高木佑輔 ●中国の対外強硬路線が変わらない理由 青山瑠妙
  • 台湾 四百年の歴史と展望
    4.2
    一六二四年、大航海時代のオランダ支配に始まり、今日までの四百年に近い台湾の歴史は、「外来政権」による抑圧と住民の抵抗の記録である。外来政権はオランダ(スペイン)、鄭氏政権、清国、日本そして国民党政権である。では近年の目覚ましい経済発展の要因はどこにあったか。また急速な民主化の進捗は、対中国との関係で台湾をどのように変貌させるだろうか。一九九三年の「シンガポール会談」も踏まえ、歴史を描き、将来を展望する。
  • 「たえず書く人」辻邦生と暮らして
    3.8
    些細な日常の出来事や着想から「霊感」を得、大きな一つの作品世界を構築していく作家・辻邦生の仕事ぶりを、半世紀を共にした夫人が彫琢の文章で綴る作品論的エッセイ集。
  • たおやかに輪をえがいて
    3.7
    1巻880円 (税込)
    結婚二十年。娘は大学生に育ち、住宅ローンもほぼ完済し、主婦・絵里子の人生は穏やかに収束するはずだった。夫の風俗通い、娘の危険な恋愛、愛した父の不実など、思いがけない家族の秘め事が明らかになるまでは……。妻でも母でもない道が、鮮やかに輝き出す長編小説。解説・島本理生
  • 高く翔べ 快商・紀伊國屋文左衛門
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    第11回日本歴史時代作家協会賞作品賞受賞作 大根おろしの中に小判がざくざく!? 祭りのために命がけで蜜柑を運ぶ!? 江戸っ子たちの英雄だったこの男は、なぜ一代で店を閉じたのか? 謎に満ちた紀伊國屋文左衛門の生涯に迫る、痛快なる歴史×経済小説 時は元禄。文吉は、幼い頃に巨大な廻船に憧れたことをきっかけに、故郷の紀州で商人を志す。だが許嫁の死をきっかけに、彼は「ひとつの悔いも残さず生きる」ため、身を立てんと江戸を目指す――。蜜柑の商いで故郷を飢饉から救い、莫大な富を得ながらも、一代で店を閉じた謎多き人物、紀伊國屋文左衛門。天才商人の生き様に迫る痛快作。
  • 高瀬川女船歌
    3.0
    十七歳のお鶴は、京都・高瀬川沿いの旅籠「柏屋」の養女になって八年。尾張藩の京詰め武士だった父親は公金横領の濡れ衣を着せられて逐電し、高瀬船の女船頭だった母親は桂川で不審な死を遂げていた。一方、高瀬川に架かる四条小橋の庚申堂に、息を潜めて暮らす一人の男が――。荷船や客船で賑わう高瀬川に集う人々の哀歓を描くシリーズ第一作。

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