中公文庫作品一覧
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-明治維新を実現した最大の「功臣」でありながら、なぜ西郷隆盛は明治政府に叛き、無謀な西南戦争を起こして「逆賊」の汚名を負ったのか……? 西郷の生涯は、彼を育んだ薩摩国と藩主島津家を抜きにしては語れない。本書はまず島津家の歴史を紐解き、激動の時代をともに生きた大久保利通・島津久光・勝海舟・坂本龍馬らの証言を織り交ぜながら、西郷の考え方や行動の「成功と失敗」要因を分析して、西南戦争に至るまでの「全軌跡」を詳述する。 そのプロセスを経ることで、維新と明治期の西郷の落差、知られざるリアルな人物像を浮き彫りにし、併せて複雑な幕末維新史を分かりやすく解説する書き下ろし歴史評伝。 〈目次〉 序章 西郷隆盛の生涯 第一章 薩摩藩の歴史 第二章 薩摩藩士西郷隆盛 第三章 激動する幕末京都 第四章 王政復古の実現 第五章 戊辰戦争の勃発 第六章 明治政府と西郷隆盛 第七章 最後の内乱・西南戦争
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4.0無心者や押売りが悪態をついて、これだけの構えに二円や三円の金がないと云う筈はないなどと云い出すと、蔭で聞いていても可笑しくなる。そう云う俗物にはそんな気がするかも知れないが、無いとなったら洗った様になくなる(本文より)。質屋、借金、原稿料……飄然としたなかに笑いが滲みでる。お金にまつわる三八篇。 目次 夏の鼻風邪 俸給 質屋 秋宵鬼哭 百鬼園旧套 風燭記 炉前散語 御時勢 売り喰い 志道山人夜話 金の縁 砂利場大将 錬金術 書物の差押 胸算用 揚足取り 布哇の弗 鬼苑道話 雑木林 百円札 二銭紀 他生の縁 濡れ衣 大晦日 歳末無題 吸い殻 払い残り 年頭の債鬼 迎春の辞 大人片伝 続のんびりした話 無恒債者無恒心 百鬼園新装 黄牛 可可貧の記 貪凍の記 櫛風沐雨 高利貸に就いて 鬼の冥福
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3.0使い捨ての時代が長く続いているが、物を直して使うというかつての日本の精神と技術は、いまでもきっちりと受け継がれている。書籍、眼鏡、靴等の実用品から古文書、茅葺き屋根、赤レンガ建築等の文化財にいたるまでの三十を越える日本各地の修理現場を徹底取材。修理店等の連絡先付き。
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3.8真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル、レイテ、本土決戦――太平洋戦争の重要な各局面における「イフ」を論じることで歴史の真実に迫る。厳密な史料分析をもとに第一線の研究者たちが挑んだ、意欲的な太平洋戦争史。
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3.0秩父宮、高松宮、赤尾敏、安岡正篤、伊藤律、坂口弘、田中角栄、藤山愛一郎、武見太郎など、もし、この人物がいなかったら戦後の日本の政治・経済・社会状況は別の局面を迎えていたかもしれないようなキーパーソン十五人を取り上げ、彼らの足跡を検証することにより、戦後日本の栄光と挫折に迫る意欲作。
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3.5「スパルタクス、おまえにも先頭をきってもらいたい」仲間の求めに応じスパルタクスは起った。寄せ集めの集団は、やがて奴隷解放の旗印を掲げる反乱軍としてイタリア本土を席巻する。だが、世界最強を誇るローマ軍の反撃が始まらんとしていた――! ローマ帝国に叛いた男を描く歴史大活劇第二弾。
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4.5日本人の美的世界・倫理的世界を善意な眼差しで概観しながらも、「慇懃と粗暴」「礼儀正しさとモラル破壊」「思慮深さと見栄っ張り」「同情心と冷淡」「慎み深さと思い上がり」といった相反する要素が両立する謎について、言語・風土・社会的要因から解明する。一九七〇年代にベストセラーとなった稀有な日本人論を初文庫化。
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3.1「僕が今、女を感じてるのは、夏子先生だけです」 出版社社長・月川の後妻となった夏子は、夫の連れ子・りえの継母として、そして自らもクリニックを開業する女医として、七年余りの月日を平穏に過ごしてきた。しかし、りえの友人でロック・バーでバイトをする青年・旬と出会い、その危険なまでの若さに触れた夏子は、目を背けてきた己の渇きに気づかされてゆく……。 ひとりの女性の陶酔と孤独を描く傑作長篇。 〈解説〉稲葉真弓 〔著者のことば〕 誰もが、あからさまに「家族」の大切さを叫ぶ時代になって久しい。「家族」は人間にとって、最小単位の砦であり、「家族愛」ほど、愛の深さにおいて意味のある、健全で価値の高いものはないと見なされている。 とてつもなく嬉しいことが起こる。真っ先に誰に知らせたいですか、と聞かれる。誰もが「両親」「夫」もしくは「妻」「子供」と答える。 その健全さは微笑ましく、未来永劫、消えることはないかのように思われて、しかし、同時に、その健全な場所でこそ、人は苛立ったり、憎んだり、絶望したり、孤独の淵をさまよったりするのである。そこに「家族」がはらむ「魔」の部分がある。 (読売新聞2009年1月13日付、連載完結インタビューより抜粋)
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3.8なぜ日本は世界を敵に回す戦争を起こしたのか? 今の日本人は、その意味を正しく捉えられているか? わかりやすい「欺瞞的な説明」を排し、軍事面や外交面にとどまらず、政府や日銀の政策を軸に「あの戦争」を再考。財務出身官僚が、新たな視点で描く戦前日本の「失敗の本質」。
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-元式部丞・藤原為時の娘で二十歳の小姫(のちの紫式部)は、創作の腕を評価され、左大臣源雅信の娘・倫子に「物語の女房」として仕えていた。小姫の書いた「光る君」を主人公とする短編は、貴族社会の一部で評判を取り、回し読みされている。倫子の要望に従い次々と執筆しているうちに創作の「種」に詰まってしまった小姫は、ある日、隣家の中流貴族の娘で幼馴染みの月乃に「取材」へ誘われる。女房たちの間で噂になっている七の宮の恋の真相を知るため、宮が女と逢瀬を重ねているという廃院に行ってみようというのだ。月乃の父の荘園を治める荘官の子・鶴丸を供に、廃院に向かった三人だったが……。 若き日の紫式部が、相棒とともに都大路の「謎」に迫る! 【目次】 第一話 六条の廃院 第二話 尋ねゆく幻術士 第三話 あこがれの草子 第四話 車争い 第五話 鳴滝参り
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-無垢な少女から妖艶な熟女まで一一。鴎外、花袋、荷風、漱石、谷崎、安吾、太宰たちが、憧れ、翻弄された女性たちを描く。女性は思春期を経て、恋愛・婚約・結婚に。悩みや荒みを抱えながら、やがては倦怠または不倫へと至ることも? 時代の変化に応じて、社会的自立や自覚が芽生えた主人公の生き様からは、近代日本の「女の一生」がみえてくる。 (収録作品) 森鴎外「杯」 田山花袋「少女病」 立原道造「白紙」 永井荷風「庭の夜露」 山川方夫「昼の花火 泉鏡花「雪の翼」 夏目漱石「硝子戸の中」 中島敦「下田の女」 谷崎潤一郎「青い花」 芥川龍之介「なぜソロモンはシバの女王とたった一度しか会わなかったか?」 高見順「強い女」 堀辰雄「辛夷の花」 坂口安吾「いずこへ」 久生十蘭「姦」 太宰治「葉桜と魔笛」
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4.2「なぜ本書が、(中略)かような一大傑作論考として結実したのかといえば、それは結婚が全部悪いのである。」(あとがきより) 「どうして結婚したんですか?」 この、デリカシーに欠けた、無配慮で苛立たしい“愚問”がもたらしたのは、人はなぜ冒険するのかという「最大の実存上の謎」への偉大な洞察だった! 人生の下り坂に入ったと自覚する著者が、探検家としての思考の遍歴を網羅した傑作エッセイがついに文庫化。 〈解説〉仲野徹(生命科学者) 目次 序 章 結婚の理由を問うのはなぜ愚問なのか 第一章 テクノロジーと世界疎外――関わること その一 第二章 知るとは何か――関わること その二 第三章 本質的な存在であること(二〇一九年冬の報告)――関わること その三 第四章 漂泊という〈思いつき〉――事態について その一 第五章 人はなぜ山に登るのか――事態について その二 終 章 人生の固有度と自由
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3.9《能力》って、そんなに役に立つものじゃないんですよ。 物を持ち上げたければ手を使えばいい。 誰かと意思疎通したければ、その相手と話せばいい。 でも、あることに限り絶大な効果があるんです。 それは――犯罪です。 三鷹の賃貸住宅で若い女性が死亡した。当初は急性心臓死と思われたが、尾島警部補と相棒の閑谷巡査は過去にも同じ部屋で女性の突然死があったことを突き止める。だが怪しいと睨んだ大家・水田をいくら調べても、証拠は出てこない。感じたことのない奇妙な感覚を抱く中、尾島はこの事件の鍵を握る青年と出会い……。 虚ろな瞳が見つめる先には、若い女性の標的が。 常軌を逸した犯罪者を、黒ずくめのクールな刑事が追う!
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-映画「王将」で知られる反骨の棋士・坂田三吉(一八七〇~一九四六)。その明治・大正・昭和三代にわたる破天荒な人生を村松梢風「二人の王将」、織田作之助「聴雨」「勝負師」、藤沢桓夫「阪田三吉覚え書」の名篇でたどる。巻末に北條秀司、内藤國雄らの随筆を併録。文庫オリジナル。 〈解説〉西上心太 【目次】 二人の王将 村松梢風 聴雨/勝負師 織田作之助 阪田三吉覚え書 藤沢桓夫 坂田三吉をめぐって 坂田三吉氏のこと 菊池 寛 坂田三吉 吉屋信子 坂田翁への手紙 北條秀司 一芸に秀でた風格を示す 吉田美代 名人・その世界 坂田三吉 内藤國雄 解 説 西上心太
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4.0文章術は泥棒に学べ!? ロングセラー『論文の書き方』の姉妹篇。実践に役立つ文章修業の本道を説く。社会学者・ジャーナリストとしても活躍した著者による体験的文章指南。日本語を知り、よい文章を書くための34の方法。 (以下、本文より) その中の或る文字、或る言葉、或る文章を大変に好きだと思い、反対に、その中の或る文字、或る言葉、或る文章を非常に厭だと感じるような人、そういう人は、立派な文章が書ける素質のある人だろうと思います。 実際に、その人の文章と瓜二つのような文章を何篇も書いてみることです。これが文章修業の本道で、それ以外に道はありません。一にも真似、二にも真似、三にも真似です。 * 締切という時間的限定、枚数という空間的限定、この二つの限定が曖昧なのが研究室の特色で、それと反対に、この二つの限定が厳格なのがジャーナリズムの約束です。 文章を修業するのには、自分で締切と枚数とを厳重に定めて、これを自分に課するという方法をお勧めしたいように思うのです。 * 文章というのは一種の建築物だと考えています。大きな論文はビルディングのようなもの、小さな文章は交番のようなもので、文章が建築物であるならば、それを作るのには、どうしても、設計図がなければなりません。正確な設計図を用意せずに、文章を書き始めたら、論旨不明の文章が出来上るのは全く当然のことです。
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4.0「西洋と東洋の美」「中国と日本の美の相違」から始まり、日本の文学に通底する「もののあわれ」「わび」「幽玄美」などを語り、「世界における日本の美の位置」「日本の美を貫くもの」を探究する。ほかに『近代美の研究』から機械やスポーツに関する論考とさらに全集未収録のエッセイ「現代日本画の一つの課題」を増補。初文庫化。 『日本の美』 1 西洋の美と東洋の美 2 中国と日本の美 3 日本のこころと日本の美 4 文学――さやけさ・もののあわれ 5 文学――幽玄・わび 6 文学――軽み・いき 7 美術 1 8 美術 2 9 美術 3 10 音楽 11 舞台 12 世界における日本の美の位置 13 日本の美を貫くもの 『近代美の研究』より 現代における美の諸性格 機械美の構造 スポーツ気分の構造 近代美と世界観 思想的危機における芸術ならびにその動向 (全集未収録論考) 現代日本画の一つの課題次より
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3.0文豪たちは味覚も鋭い。そして案外、健啖家。近代日本を作り出した文豪それぞれの好みを反映した「食」の物語には、時代の精神も刻まれていた。食べることは血肉を作り、生きることに他ならない。そこには思想もあれば主張もある。鴎外は他人と間合いを測りながらつつく牛鍋を弱肉強食の闘争に例え、独歩は和洋折衷・官民融和の理想を重ねた。江戸っ子の漱石は蕎麦、西国出の芙美子はうどんと、好みには生まれも反映する。美食を追求する者もいれば、ただひたむきに食うもの、大志を立てて粗食をする者もいる。本当に「食べる」ことは奥が深い。『文豪と食』同様、いろいろな食べ物を取り揃えてみました。 目次 森鷗外「牛鍋」……牛鍋 国木田独歩「牛肉と馬鈴薯」……ビフテキ 夏目漱石「吾輩は猫である」より……蕎麦 林芙美子「小さい花」……うどん 正岡子規「御所柿を食いし事」……柿 幸田露伴「菊―食物としての」……菊 永井荷風「風邪ごゝち」……葱鮪 谷崎潤一郎「美食倶楽部」……美酒美食 芥川龍之介「魚河岸」……洋食いろいろ 泉鏡花「湯どうふ」……湯豆腐 岡本かの子「鮨」……鮨 夢野久作「お茶の湯満腹記」……茶懐石 斎藤茂吉「食」……鰻 山本周五郎「尾花川」……饗応と大志 太宰治「チャンス」……雀焼
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-「チチと亭主、この二人の男に出会って、私は料理そのものだけでなく、『食べる』ということから生まれてくるいろいろな楽しみを知りました。それがあったからこそ、料理と仲良くつき合えてきたのであって、じゃなきゃ今ごろは、私フトンにもぐり込んで、袋から取り出した菓子パンをかじりながら本でも読んでいるという暮らしをしていたに違いありません」(本文より) 檀一雄の『檀流クッキング』は、読むレシピ、男の手料理のバイブルとして、長く読み継がれてきた。若くして、檀一雄の長男と結婚し、義父から料理の面白さ、楽しさを学んだ著者による、『檀流クッキング』の舞台裏、そして檀流クッキングスクールの卒業レポート。
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4.08人の女性と9回結婚、任侠を生きた安部譲二の波瀾万丈な人生経験を、30年来の友人である作家・山田詠美が引き出す。対談が始まったころ、まだ独身だった山田さん。対談と同時進行で、10歳年下の現在の夫君と恋愛が始まり、結婚に至った(プロポーズは、本書対談取材で訪れた京都にて。その様子も収録)。さらには、76歳の安部さんの「人生最後の恋愛」も勃発し、家出をして彼女の家に転がり込む、などのハプニングも・・・。著者二人の山あり谷あり、「人生劇場」の様相を呈している。山田さんによる安部さん追悼文「ベストフレンド4ever」収録。【解説】宇垣美里 『人生相談劇場』改題
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4.0「本書の目的は、我が国にできるであろうカジノを含め、賭け事をするという人間が本来持っている『密やかな欲望』を充足する場所として、現在、世界の100か国以上で提供されている『適切に管理された賭博場』であるカジノを、カジノに馴染みのない日本人に、賢く、かつスマートに楽しんでもらいたいことに尽きる」(著者)。 カジノのルールやマナーをわかりやすく示し、世界のカジノ事情を紹介しながら、IR推進法、実施法をもとに、日本でのカジノについて多面的に考察を加えた本書は、賛成派・反対派を問わず、まずはカジノについて正確な知識を持ってもらうために最適な一冊である。
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3.0鴎外がビールに、荷風がウィスキーに託した思いとは? 本書は酒が様々なイメージで登場する傑作を厳選。古今東西、人類の友である酒になぞらえた憧憬や哀愁は今でも現代人を魅了し続ける。近代文学に足跡を残した漱石、露伴、安吾、谷崎、太宰ら16人の作家と白秋、中也、朔太郎ら9人の詩人、歌人による魅惑のアンソロジー。 収録作品 屠蘇……夏目漱石「元日」 どぶろく……幸田露伴「すきなこと」 ビール……森鴎外「うたかたの記」 食前酒……岡本かの子「異国食餌抄」 ウィスキー……永井荷風「夜の車」 ウィスキーソーダ……芥川龍之介「彼 第二」 クラレット……堀辰雄「不器用な天使」 紹興酒……谷崎潤一郎「秦准の夜」 アブサン酒……吉行エイスケ「スポールティフな娼婦」 花鬘酒……牧野信一「ファティアの花鬘」 老酒……高見順「馬上侯」 ジン……豊島與志雄「秦の出発」 熱燗……梶井基次郎「冬の蝿」 からみ酒……嘉村礒多「足相撲」 冷酒……坂口安吾「居酒屋の聖人」 禁酒……太宰治「禁酒の心」 ●諸酒詩歌抄 上田敏「さかほがひ」 与謝野鉄幹「紅売」 吉井勇「酒ほがひ」 北原白秋「薄荷酒」 木下杢太郎「金粉酒」「該里酒」 長田秀雄「南京街」 高村光太郎「食後の酒」 中原中也「夜空と酒場」 萩原朔太郎「酒場にあつまる」
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5.0戦場で命を落とした者たちはなぜ、霊魂となってもなお祖国へと帰ろうとするのか。ガダルカナル、ニューギニア、フィリピン、硫黄島、朝鮮半島、そして沖縄。さまざまな場所で、戦死者たちを、その家族たちを長年にわたり取材してきた著者が〈怪異譚〉を通して綴る鎮魂の記。
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3.3天皇崩御、与党の大敗、消費税導入、冷戦終結、東西ドイツ統一、天安門事件……世界的な激動の年であった1989年=平成元年の変調は、年を経て、形となって影響をおよぼすようになった。当時の記録をいまの視点からあらためて問い直す。『検証・平成維新』改題
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-唯一の被爆国でありながら、「豊かさ」への渇望ゆえに核の力を借りる選択をした日本。核の傘の下で平和憲法を制定する「ねじれ」からはじまったその戦後。推進/反対どちらにも寄らずに、原子力に関わったさまざまな人物や、社会の価値観を可視化する文化的現象を追った「各」論の集積が、混迷する戦後日本の姿を浮き上がらせる!
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4.5昭和二年七月二十四日未明、芥川龍之介は睡眠薬により、自らの死を選んだ……。しかし、致死量に至る睡眠薬の入手は、芥川の治療のために出された処方によれば困難である──主治医の日記、龍之介の書簡などから、自死の真相に迫る、渾身のノンフィクション。第十七回新田次郎文学賞受賞作。
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5.0パックス・トクガワーナ(徳川の平和)は、なぜ二五〇年の長きにわたり続いたのか。江戸開府前史から黒船来航前夜まで、江戸への造詣の深さでは人後に落ちぬ二人が、世界史的視野から縦横に語り合う。従来の江戸時代観を一新する刺激に満ちた対論。『江戸の構造改革』改題。
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-どじょう、牛鍋、すし、和菓子……日本の食文化を支えてきた職人が守ってきた道とは何か。風土に根付く食文化に、いろいろな角度から迫る、食の職人の世界。
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4.7恐怖の宣伝、強制収容、終身隔離……「病んだ」共同体はいったいどこへ向かうのか。ハンセン病を軸に日本社会の「病い」観を問いなおす。
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4.8あなたの幸を希う以外に何物もない――。鹿児島県知覧の特攻隊基地から飛び立った穴沢利夫少尉。二十三歳で散った法学徒が婚約者・智恵子へ宛てた便りには愛する者への一途な思いと純粋な真情が綴られていた。戦後六十年以上を経て、婚約者が語り尽くした、あの時代の現実とある愛のかたちとは。全面改稿を施したロングセラーの新版。 【目次】 まえがき 第一章 出会い 図書館から戦場へ 第二章 覚 悟 マフラーになりたい 第三章 婚 約 たった一晩の子守唄 第四章 特 攻 あなたをたどる旅 生きる時代は選べない――新潮文庫版あとがき 新版あとがき
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4.0「俺は今後できるだけ庭でウンコする」 サバイバル登山家と型にはまらぬ家族たちが都会の片隅で狩る・飼う・捌く! いきなり野糞宣言する父、大ネズミの唐揚げを作る母、長男は受験失敗、次男のニート化、可愛いニワトリを絞める末娘……服部家の行く末は? 日常の悩みを撃ち落とす爆笑繁殖エッセイ 〈巻末付録〉角幡唯介との対談「探検家の家族はつらいよ!?」
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3.0求めたものは一杯の冷たい麦酒(萩原朔太郎)、呑まぬくらいなら蕎麦屋へは入らぬ(池波正太郎)、おしまいにひとロライスカレー(向田邦子)。酒友との語らい、行きつけの店、思い出の味……。銀座、浅草の老舗から新宿ゴールデン街、各地の名店まで酒場を舞台にしたエッセイ&短篇アンソロジー。 文庫オリジナル ■目次 虚無の歌 萩原朔太郎 【酒友のいる風景】 はせ川(井伏鱒二) 中原中也の酒(大岡昇平) 青春時代(森敦) 酒の追憶(太宰治) 酒のあとさき(坂口安吾) 池袋の店(山之口獏) 音問(檀一雄) 詩人のいた店(久世光彦) 後家横町/酒のこと(小沼丹) 【行きつけの店】 タンタルス(内田百閒) 藪二店(池波正太郎) 私と浅草/札幌の夜(吉村昭) 鯨の舌(開高健) 「ままや」繁昌記(向田邦子) ほろ酔いの背に響く潮騒(安西水丸) 新宿飲んだくれ/焼酎育ち(田中小実昌) 【文士の集う場所】 「ぼるが」に集う人人(石川桂郎) 昼間の酒宴/ある酒場の終焉(寺田博) 深夜の酒場で(中上健次) バーの扉を開けるとき(島田雅彦) てんかいそうろう(戌井昭人) 【酒場に流れる時間】 海坊主(吉田健一) 幻想酒場〈ルパン・ペルデュ〉(野坂昭如) 花の雪散る里(倉橋由美子) ゆうすず(松浦寿輝)
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4.0雇用条件 給料は準社員待遇(月給二十万円 社会保険完備) 勤務内容:売場での通常勤務、催事スペースでのライブ出演 休暇:週休二日制 オーディション休暇あり スーパー・エブリの社員・樫村栄治に社長から与えられた指令。それはバイトのお笑い芸人たちで「実業団」を結成し、ブレイクさせること!? 初めはやる気ゼロだった栄治もお客さんの笑顔を見て次第に気持ちが変わっていく。そんな最中、エブリ上層部に会社乗っ取りの動きが。経営存続の如何は芸人たちの手に託された! 夢と現実の間で悩むすべての人に捧ぐ感動作。 『夢は捨てたと言わないで』を改題 笑いには、敵を味方にする力がある。 笑いには、人をひとり救う力がある。 そう。おもろいは、正義だ!
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