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Posted by ブクログ
ラジオで知った辻井喬さんを
どんな人だったか詳しく知りたくて買った本。
解説にも書いてあるけれども、
彼自身の回顧録であると同時に、
その時代の時代史をたどることもできる。
出てくる名前もやたらとビッグで、
マッカーサーから始まり、
三島由紀夫や吉田茂、池田勇人、
本田宗一郎、司馬遼太郎
なんかがサクサク出てきて、
しかもその人達の人間的な部分が見えたりするものだから、
「歴史の人」が、
「辻井さん(堤さん)の知り合いのお一人」
になるもんだから混乱する。
とても知性が深く、暖かい。
先見の明があり、人情深い。
知ったのは亡くなってからだけど、
こんな人間になりたいなと思いました。
最後に、本書のあとがき代わりに書いた詩を載せる。
もの総て
変りゆく
音もなく
思索せよ
旅に出よ
ただ一人
鈴あらば
鈴ならせ
りん凛と
感動して心が震えました。
Posted by ブクログ
セゾングループの創始者として経営者であり、辻井喬として文学者でもあった堤清二の回顧録。セゾン文化の中で青春を過ごした者として興味深く読み進めました。
個人の回顧録でありながら、彼が生きた時代の同時代史にもなっているのが面白い。
さまざまな人との交流が描かれているが、個別バラバラに記述されるのではなく、連続性を持って語られています。A氏との交流の先にB氏がいて、その紹介でC氏と出会い、といった連続性がこの本をただ単に昔を懐かしむような回顧録にしていないのだと思います。三島由紀夫、安部公房、小林一三、本田宗一郎、池田勇人、白洲次郎、宮沢喜一、などなど、共通性の薄い、幅広い交友からの見えてくることもあります。
自己批判と自己卑下が所々に出てくるのは、嫌みに感じられなくもないですが(笑) おそらく本人にとっては素直な気持ちの発露なんでしょう。「自由主義経済に一度も理想社会を夢見たことがない」と言い、経営者、財界人でいることに最後まで居心地の悪さを感じ続けていたであることをどう評価するか。
経営者としては甘い、という評価もできるでしょう。しかし、こんな堤清二だからこそ、経営の中から文化を生み出すことができたのだと思います。その文化が時代の徒花だったとして、それに濃厚に影響を受けた僕には、堤さんなりの素晴らしいチャレンジだったと思えます。
Posted by ブクログ
つい先日に亡くなってしまった辻井喬氏の回顧録。自伝と言っていいかもしれない。2008年に読売新聞に連載されていたもの。日米安保闘争前のアイゼンハワー大統領と会う件から始まり、共産党を除名された件を経て、最後はセゾングループから身を引いた件で終わる。時の政財界の要人との交流、そして、その時にしたためた詩を通じて筆は進む。政財界との要人との交流では、歴史的な事件に別な側面があったことをこの著書で知った。共産党を除名されたり離れた人で後に政財界の要人になった人は多いが、ほとんどの人は距離をとったり、「反共」的になった人は多いが、著者は最後まで理解ある人であり、教養のある人としてバランスの取れた人ではなかったのだろうか。
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