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和辻哲郎座談
学友・谷崎潤一郎のほか、志賀直哉、高坂正顕、幸田露伴ら多彩な顔ぶれと自由闊達に語る。オリジナル編集による初の座談集。未収録三篇を含む全十篇。没後六〇年記念。〈解説〉苅部直 目次より Ⅰ 春宵対談(谷崎潤一郎) 旧友対談(谷崎潤一郎) 戦争と平和(志賀直哉) 世界史における日本の運命(高坂正顕) 緑蔭対談――若い女性に望むこと(柳田國男) Ⅱ 幸田露伴先生を囲んで(幸田露伴・徳田秋声・末広厳太郎・辰野隆・谷崎潤一郎) 日本文学に於ける和歌俳句の不滅性(幸田露伴・安倍能成・斎藤茂吉・茅野蕭々・寺田寅彦・野上豊一郎) 日本文化の検討(柳田國男・長谷川如是閑・大西克禮・今井登志喜) 漱石をめぐって(安倍能成・小宮豊隆・内田百閒) 文学と宗教(高坂正顕・竹山道雄・長與善郎) -
演劇入門 増補版
生涯に一度、私の演劇観を具体的に述べ、一冊にまとめておきたい――。演劇人、シェイクスピアの翻訳者としての旺盛な著作活動の中から戯曲論、翻訳論、演出論、演技論等を自ら厳選。待望された著者唯一の入門書であると同時に演劇理論家としてのエッセンスを提示する。全集未収録の単行本版に「醒めて踊れ」を増補した決定版。 〈解説〉福田 逸 ■目次 Ⅰ 劇と生活/演劇の特質/劇場への招待 Ⅱ 戯曲読法/ことばの二重性/シェイクスピア劇のせりふ Ⅲ 演技論 Ⅳ 演出論/シェイクスピア劇の演出 Ⅴ 日本新劇史概観 * 醒めて踊れ あとがき 解説 演劇理論家としての福田恆存 福田逸 -
日本書紀
わが国最初の正史。720年(養老4年)5月、舎人親王らが完成させた。神代から持統天皇の代までを漢文で編年体で記す。30巻。添えられた系図一巻は散逸。六国史の第一で、『日本紀』とも呼ばれ、『古事記』と併せて「記紀」という。しかし編集に使われた資料は『古事記』のように特定の帝紀や旧辞だけでなく、諸氏や地方の伝承、寺院の縁起、朝鮮や中国の歴史書なども参照している。文学性のある『古事記』に比べ、『書紀』は敬遠されがちだった。だが、「日本誕生」を知るには、『書紀』のほうがより重要だ。日本古代史の専門家による、わかりやすい現代語によって『書紀』はぐんと身近になった。 上巻は、神代(巻第一)~武烈天皇(巻第十六)を収録。 -
クーデターの技術
19世紀から20世紀にかけての欧州の事例を、ルポルタージュの手法も用いながら解析した本書は、原著刊行から百年近く経つ現時点においても、さまざまに研究されており、また、現実政治の動きを見るなかでつねに参照される名著である。いかに国家権力を奪取し、またいかにそれを防御するかについて歴史的分析を行うとともに、引き起こす人間の人物論や心理状態の描写も豊富に含んだ、まさに古典中の古典といえるこの著作について、現代的観点から全貌を新訳した中公選書版にもとづき、註釈を増やしてより理解しやすくした文庫版がここに登場。 -
日本の民俗学
民俗学とは何か。表題作ほか「国史と民俗学」「実験の史学」など学問実践の体系化を目指した論考によって「方法としての民俗学」を浮き彫りにする文庫オリジナル論集。折口信夫との対談、生涯と学問について語った「村の信仰」を併せて収める、柳田学入門の決定版。〈解説〉佐藤健二 【目次】 I 日本の民俗学 郷土研究ということ/日本の民俗学/Ethnologyとは何か/日本の民俗学/ 郷土研究の将来 /国史と民俗学/実験の史学/ 現代科学ということ/日本を知るために Ⅱ 柳田国男・折口信夫対談 日本人の神と霊魂の観念そのほか 民俗学から民族学へ――日本民俗学の足跡を顧みて Ⅲ 村の信仰――私の哲学 -
中世の秋
二十世紀を代表する歴史家ホイジンガが、フランスとネーデルラントにおける十四、五世紀の人々の実証的調査から、中世から近代にかけての思考と感受性の構造を、絶望と歓喜、残虐と敬虔の対極的な激情としてとらえ、歴史の感動に身をおく楽しみを教える。中世人の意識と中世文化の全像を精細に描きあげた不朽の名著。 【目次】 第一版緒言 Ⅰ はげしい生活の基調 Ⅱ 美しい生活を求める願い Ⅲ 身分社会という考えかた Ⅳ 騎士の理念 Ⅴ 恋する英雄の夢 Ⅵ 騎士団と騎士誓約 Ⅶ 戦争と政治における騎士道理想の意義 Ⅷ 愛の様式化 Ⅸ 愛の作法 Ⅹ 牧歌ふうの生のイメージ ⅩⅠ 死のイメージ ⅩⅡ すべて聖なるものをイメージにあらわすこと 史料解題 -
レイテ戦記
戦争は勝ったか、負けたかというチャンバラではなく、その全体にわれわれの社会と同じような原理が働いている――。太平洋戦争の天王山・レイテ島での死闘を、厖大な資料を駆使して再現した戦記文学の金字塔。毎日芸術賞受賞作。巻末に講演「『レイテ戦記』の意図」を付す。 (目次より) 第一巻 一 第十六師団 昭和十九年四月五日 二 ゲリラ 三 マッカーサー 四 海軍 五 陸軍 六 上陸 十月十七日―二十日 七 第三十五軍 八 抵抗 十月二十一日―二十五日 九 海戦 十月二十四日―二十六日 十 神風 十一 カリガラまで 十月二十六日―十一月二日 巻末付録 講演「『レイテ戦記』の意図」 -
外交官の一生
満州事変時の吉林総領事、上海事変直後の上海総領事、そして日中戦争勃発時の東亜局長と、悪化の一途を辿った日中関係の最前線にあって、軍部独走に抗しつつ和平の道を模索しつつも、最後は敗走のビルマ大使として終戦を迎えた外交官が、日記をもとに綴った第一級の記録。 〈解説〉加藤陽子 -
岡田啓介回顧録
日清・日露戦争に従軍し、昭和五年のロンドン軍縮条約に際しては軍縮に賛同する「条約派」として尽力。内閣総理大臣時代に二・二六事件に遭遇、間一髪で暗殺を免れる。戦争末期に和平工作に参加。常に中枢にあって大日本帝国の興亡を見つめ続けた海軍軍人の語る回想。 〈解説〉戸高一成。 -
戦後 欧米見聞録
大正八年、西園寺講和特使に随行し、第一次世界大戦の硝煙消えやらぬ荒廃のヨーロッパを訪れて無限の感慨を抱き、平和への歓喜、「力の支配」の存在、外交と宣伝、労働問題、米国問題など、卓越した識見と率直な心情を吐露した、近衛文麿若き日の記録。 -
戦争論
比類なき戦略家としてナポレオンを撃破したプロイセンの名参謀クラウゼヴィッツ。その思想の精華たる本書は、ミリタリズムの域を超えて、あらゆる組織における決断とリーダーシップの永遠のバイブルである。上巻は第一部「戦争の性質について」から第五部「戦闘力」まで。 (全二巻) 【目次】 第一部 戦争の性質について 第二部 戦争の理論について 第三部 戦略一般について 第四部 戦闘 第五部 戦闘力 訳注 訳者解説 -
文章作法 小説の書き方
・直木賞作家が、自作にもとづいてやさしく解説する、実践的文章読本。 ・著者は、講談社フェーマススクールズ文芸講座、読売文化センター小説講座の講師を20年にわたり務めてきた。 ・小説講座をそのまま紙上再現する構成で、具体的かつ実践的内容。 ・詩作から私小説、戦場小説、時代小説、また戦記文学と、著者の執筆経験にもとづいた、ジャンル別解説。 ・例文はすべて、著者の実作品に拠っている。小説入門としてのみならず、著者の多彩な作風を一望できる「伊藤桂一読本」でもある。 ・巻末には、池波正太郎との対談「捕物小説あれこれ」を増補、池波式小説作法との比較も面白い。 -
乱歩心象作品集
乱歩の心に映る執着と愛着、強迫的な思念、どこかへと惹かれてゆく心の有様……。 江戸川乱歩没後60年。その作品から、詩人のように一瞬の輝きを掬い取った、名場面をピックアップ。 「夢遊」「恐怖」「人形」「残虐」「身体」「錯視」「浅草」の七つの切り口で、作品を精選。乱歩の神髄・魅力を凝縮した一冊。 *編者より―― 「心象」は宮沢賢治が『春と修羅』を「心象スケッチ」と呼んだその「心象」です。乱歩の心に映るもやもやした執着の数々が、ときに見事な短篇小説としてときに長篇小説の一場面としてあるいは随筆として具象化され語られたもの、という意味で考えました。 それら自体は詩ではありませんが敢えて詩を読むように非物語的高潮に焦点をあててみるという意味でもあります。 -
わが人生の断片
【昭和・光と影】 夥しい人命が失われ、数えることの出来ぬ富が空しくなり、名誉と独立とを奪われ、ただ世界に向って罪だけを負うことによって、今、戦争が終るのである――昭和十七年一月、ビルマ派遣軍司令部宣伝班として従軍。帰国後、読売新聞社論説委員として敗戦の日を迎える。戦後を代表する社会学者の回想録。 〈解説〉粕谷一希 (目次から) 昭和十六年――昭和二十一年 徴用と三木清 ビルマの高見順 ラングーンの日々 日本への旅 新聞社の内部で 敗戦の日 スターリンの夢 明治四十年――昭和十六年 微禄の涯 偽善の勧め 地震のあとさき 社会学へ向って 習作時代 東大のうちそと 悲しい処女作 〈解説〉粕谷一希 -
淋しき越山会の女王 精選ルポルタージュ集
〈昭和・光と影〉 三十八歳で早逝したルポライターが三年間に発表した作品の中から、戦後の湿度を色濃くまとった日本人の姿を掬いとった秀作ルポルタージュを厳選。 田中首相退陣の契機となった表題作をはじめ、死と闘う自らを描いた闘病記「ガン病棟の九十九日」も収める。 -
空とぶ絨緞
\伝説的アートディレクターで絵本作家/ 堀内さんと世界をぐるり、美食・秘宝・島巡り! チュニジアの魚介スープ、台湾の屋台飯、ウクライナの肉団子をたいらげ、 国宝の美術品から露店の玩具までこよなく愛した堀内さん。 世界の美食・秘宝・島々をぐるりとび回る! 「パンパンになったお腹をなでなで、食後酒のグラッパをやってると、 いつしか自分がまるで常連客だったようにくつろいでいる。」 カラーイラスト約200点と単行本未収録エッセイを満載に、初文庫化。 アテネの町のあちこちでトウモロコシを焼いて売ってる。 醤油があったら、と一瞬思ったが、 それはアサハカな習慣なのがスグ分って 〝こりゃウマいや!〟と叫んだ。 オジサンのふってくれた塩だけ、というのがいいのだ。 (本文より) -
江戸川乱歩トリック論集
探偵小説にとってトリックとは何か? 戦後、江戸川乱歩は海外作品を渉猟し、「なぜ小説を書かぬ?」と揶揄されながらも、独自のトリック研究に没頭した。 物理トリックは本当に出尽くしたのか。これからのミステリが進むべき道とは……。 多くの追随者を生んだ、全推理ファン必読の名篇「類別トリック集成」、およびその随筆版として自身が編んだ『探偵小説の「謎」』。ほか、乱歩のトリック論を精選し、初めて一冊に。 巻末に、トリック研究の只中に行われた横溝正史との対談「探偵小説を語る」(1949)を付す。 さらに、乱歩没後、松本清張指揮のもと研究を引き継いだ中島河太郎・山村正夫による「トリック分類表」(1969)を書籍初収録。 「類別トリック集成」という伝説を乗り越え、来たるべき探偵小説を模索するための、文庫オリジナル。 『江戸川乱歩座談』(中公文庫)に続く生誕130年記念刊行。 【目次】 1 類別トリック集成 2 探偵小説の「謎」 3 トリック各論・補遺:珍らしい毒殺の話/微視的探偵法/自動車と探偵小説 4 トリック総論:探偵小説のトリック/トリックを超越して/「謎」以上のもの/トリックの重要性/一人の芭蕉の問題/本陣殺人事件/探偵小説と子供心/創意の限度について/探偵小説の特殊性への執着/トリックについて 5 トリック分類表(中島河太郎・山村正夫)/探偵小説を語る(対談・横溝正史) 解説 新保博久 -
江戸川乱歩座談
戦前、孤高の「人嫌い」として知られた作家・江戸川乱歩は、戦後、日本探偵小説界の名ホストとして活躍した。 森下雨村・横溝正史ら雑誌「新青年」の立役者たちから、小林秀雄・幸田文ら文壇の著名人まで――探偵小説の魅力を共に語り尽くす、夢の饗宴! 乱歩の参加した主要な座談・対談をセレクトした文庫オリジナル。 生誕130年記念刊行 〈解説〉小松史生子 【1 座談篇】 ●探偵小説座談会(1929):大下宇陀児/加藤武雄/甲賀三郎/浜尾四郎/森下雨村 ●明日の探偵小説を語る(1937):海野十三/小栗虫太郎/木々高太郎 ●乱歩氏を祝う(1954):木々高太郎/戸川貞雄/城昌幸 ●探偵小説新論争(1956):大下宇陀児/大坪砂男/木々高太郎/角田喜久雄/中島河太郎/春田俊郎 ●文壇作家「探偵小説」を語る(1957):梅崎春生/曽野綾子/中村真一郎/福永武彦/松本清張 ●「新青年」歴代編集座談会(1957):城昌幸/延原謙/本位田準一/松野一夫/水谷準/森下雨村/横溝正史 【2 対談・鼎談篇】 ●E氏との一夕(1948):稲垣足穂 ●幽霊インタービュウ(1953):長田幹彦 ●問答有用(1954):徳川夢声 ●幸田露伴と探偵小説(1957):幸田文 ●ヴァン・ダインは一流か五流か(1957):小林秀雄 ●樽の中に住む話(1957):佐藤春夫/城昌幸 ●本格もの不振の打開策について(1958):花森安治 -
占領神話の崩壊
日本の敗戦前後、あまたの公文書が焼却されたと言われている。しかし、決裁文書などを除く多くが「私文書」として個人の手許に残されていた。これらの資料を、占領期に積極的に収集したのが、フーヴァー研究所東京オフィスであった。 フーヴァー研究所は、スタンフォード大学の第一期卒業生であった第31代米国大統領ハーバート・フーヴァーが1919年に設立した研究機関。戦後、フーヴァー自身、占領下の日本、ドイツに赴き、占領政策にコミットした。その一環として、資料収集計画があった。 駿河台の東京オフィスを拠点に、1945年11月から1951年3月まで、書籍・専門書・新聞などを含む1468箱が海路米国に持ち出された。これらの資料には、「GHQ直筆・日本国憲法の原文」「東京裁判の宣誓供述書」「関東軍特務機関の阿片政策」「日本共産党員の獄中手記」「特高警察の極秘史料」などの一次史料が多数含まれ、「フーヴァー・トレジャーズ」(Hoover Treasures)と呼ばれることになった。 本書は、こうして形成された「フーヴァー・トレジャーズ」から占領秘史にせまろうとするものである。そこで浮かび上がるのは、日本国憲法制定をめぐるGHQと吉田茂の取り引き、東京裁判における天皇免訴をめぐる暗闘、満洲国の財政を支えた阿片政策とそれを担った三菱・三井、日本国内での阿片栽培……などの新事実である。 戦後に改竄された「歴史の欺瞞」を炙り出す試みであり、『國破れてマッカーサー』の続編、発展版とも言える著作である。 -
ジョゼフ・フーシェ ある政治的人間の肖像
この男、陰謀好きにつき―― フランス革命から帝政、さらに復古王政へ。この激動期に現れた「完全なマキアヴェリスト」ジョゼフ・フーシェ(一七五九―一八二〇)。ある時はギロチンよりも効率的な方法で反動者を殺戮し、ある時は秘密警察を駆使し、ナポレオンをも心理的に追いつめる。陰謀と変節と裏切りの限りを尽くして生き抜いた政治的人間の生態を浮き彫りにする本格評伝。 『マリー・アントワネット』と並ぶ著者の代表作。改訳版。 目次 第1章 売りだすまで 1759―1793年 第2章 「リヨンの虐殺者」 1793年 第3章 ロベスピエールとのたたかい 1794年 第4章 総裁政府と統領政府の大臣 1799―1802年 第5章 皇帝の大臣 1804―1811年 第6章 皇帝にたいするたたかい 1810年 第7章 気のすすまない間奏曲 1810―1815年 第8章 ナポレオンとの決戦 1815年 百日天下 第9章 失脚と最期 1815―1820年 -
シェイクスピア
愛、嫉妬、復讐心、懐疑。悪のどん底までおりていった先に待ち受ける罰と、衝動からの解放――。実生活ではとても生きられぬ激しい人生を生き抜いたという実感を味わう喜びを与え、時代や国を超えて人々を激情の渦に巻き込むシェイクスピアの主要19作品を解題。 日本におけるシェイクスピア翻訳の礎を築いた著者が、定本や改訂についての考証、作品に影響を与えた歴史的背景や先行作品の紹介などを交えつつ、シェイクスピアの天稟の才がきらめく壮大な作品世界を解き明かす。 〈巻末エッセイ〉福田 逸 【目次】 シェイクスピアの魅力 リチャード三世/タイタス・アンドロニカス/じやじや馬ならし/夏の夜の夢/ロミオとジュリエット/リチャード二世/ヴェニスの商人/ヘンリー四世/空騒ぎ/お気に召すまま/ジュリアス・シーザー/ハムレット/マクベス/オセロー/十二夜/リア王/アントニーとクレオパトラ/コリオレイナス/あらし 〈巻末エッセイ〉福田 逸 -
華の碑文 世阿弥元清
南北朝の激しい抗争の余韻が尾を曳き、不安定な世相が続いた室町時代。 大和猿楽座に生まれた世阿弥は、父・観阿弥が洗練させた能を受け継ぎ、辛苦を重ねて大成させた。 逃れられない“血”の宿命を背負い、「能」とだけ向き合って芸の道を究め、後世に残る真の芸術の粋へ高めた世阿弥の感動の生涯を描く傑作歴史小説。〈解説〉澤田瞳子 -
源氏供養 新版
「源氏物語」は紫式部の〝復讐心〟から始まった――? 輝く美貌を持つ男・光源氏と女たちの恋物語に織り込まれた作者のたくらみとは? 『窯変 源氏物語』の著者が日本最古の長篇小説をひもとき、天才女性作家・紫式部の思考に迫るスリリングなエッセイ。座談会「物語の論理・〈性〉の論理」前篇(三田村雅子・河添房江・松井健児・橋本治)収録。 -
野生の棕櫚
「悲しみ(grief)と虚無(nothing)しかないのだとしたら、ぼくは悲しみのほうを取ろう。」 1937年――人妻シャーロットと恋に落ち、二人の世界を求めて彷徨する元医学生ウイルボーン。(「野生の棕櫚」) 1927年――ミシシピイ河の洪水対策のさなか、漂流したボートで妊婦を救助した囚人。(「オールド・マン」) 二組の男女/二つのドラマが強烈なコントラストで照射する、現代の愛と死。 アメリカ南部を舞台に、実験的かつ斬新な小説群を、生涯書き継いだ巨人、ウィリアム・フォークナー。 本作は、「一つの作品の中で異なる二つのストーリーを交互に展開する」という小説構成の先駆となったことで知られる。原著刊行(1939)の直後、ボルヘスによってスペイン語訳され(1940)、その断片的かつ非直線的な時間進行の物語構成により混沌とした現実を表現する手法は、コルタサル、ルルフォ、ガルシア=マルケス、バルガス=リョサなど、その後のラテンアメリカ文学に巨大な霊感を与えた。 他方、現代日本の小説にも、大江健三郎(『「雨の木」を聴く女たち』)や村上春樹(『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』)、叙述トリックを用いたサスペンス小説(連城三紀彦は本作を生涯の10冊に挙げている)など、本作の影響は数多見受けられる。 また、ゴダール(『勝手にしやがれ』)、ジャームッシュ(『ミステリー・トレイン』)における言及で本作を知る映画ファンも多いだろう。 その意味では、文学のみならず20世紀カルチャーにおいて最大級の方法的インパクトを与えた、世界文学史上の重要作にして必読の傑作だといえる。 その本作を、『八月の光』『サンクチュアリ』『兵士の報酬』などの名訳によって定評のある、加島祥造訳にて復刊する。 -
若い読者のための世界史 改訂版
歴史は「昔、むかし」の物語。さあ今から昔話をはじめよう――。『美術の物語』の著者がやさしく語りかけるように、時代を、出来事を、そこに生きた人々を活写する。ネアンデルタール人の登場から自ら体験した第二次大戦まで。一九三六年の初版刊行から半世紀を経て復刊されて以来、各国で読みつがれてきた“物語としての世界史”の古典。文庫上下巻を合本とし、最新版を参照して訳文を見直した、待望の改訂版。 目次 1 「昔、むかし」 2 偉大な発明者たち 3 ナイル川のほとり 4 日月火水木金土 5 唯一の神 6 だれもが読める文字 7 英雄たちの時代 8 けたちがいの戦争 9 小さな国のふたつの小さな都市 10 照らされた者と彼の国 11 大きな民族の偉大な教師 12 偉大なる冒険 13 新しい戦い 14 歴史の破壊者 15 西方世界の支配者 16 よろこばしい知らせ 17 帝政のローマ 18 嵐の時代 19 星夜のはじまり 20 アッラーの神と預言者ムハンマド 21 統治もできる征服者 22 キリスト教の支配者 23 気高く勇敢な騎士 24 騎士の時代の皇帝 25 都市と市民 26 新しい時代 27 新しい世界 28 新しい信仰 29 戦う教会 30 おぞましい時代 31 不幸な王としあわせな王 32 その間に東欧で起こったこと 33 ほんとうの新しい時代 34 暴力による革命 35 最後の征服者 36 人間と機械 37 海の向こう 38 ヨーロッパに生まれたふたつの国 39 世界の分配 40 わたし自身が体験した世界史のひとこま -
八代目正蔵戦中日記
噺家・八代目林家正蔵(後の彦六)が残した膨大な日記より、昭和一六年一二月一日から二〇年八月三一日の記述を摘録。清貧に徹した長屋での暮らしぶり、謹厳実直で「トンガリ」とあだ名された反骨精神がにじむ活き活きとした筆致に、蝶花楼馬楽時代の名人の素顔が窺える。戦時下における東京下町の日常を伝える貴重な一級資料でもある。 目 次 おぼろげな父の記憶 花柳衛彦 優しかった父 藤沢多加子 昭和十六年(十二月一日から) 昭和十七年 昭和十八年 昭和十九年 昭和二十年(八月三十一日まで) 巻末エッセイ 林家正雀 他人様を思って生きた師匠 戦い抜いた師匠 文庫版刊行に寄せて 編者解説 瀧口雅仁 馬楽時代の戦中日記をまとめて 正蔵が確かな目で見続けたもの 文庫版のためのあとがき 登場人物・登場日付索引 -
谷崎潤一郎伝 堂々たる人生
七十歳をすぎてなお数々の傑作を書き続けた文豪谷崎の生涯は、一方でスキャンダルと逸話にみちた生涯でもあった。三度の結婚、妻譲渡事件、人妻との密通、あいつぐ発禁――。本書は伝説や通説に惑わされることなくその実像に肉迫する本格的評伝である。 目 次 まえがき――大谷崎と私 第一章 作家の「誕生」 第二章 汽車恐怖症前後 第三章 長男としての潤一郎 第四章 結婚と支那旅行――大正中期の谷崎 第五章 小田原事件――佐藤春夫と妻千代 第六章 関東大震災前後――横浜から関西へ 第七章 妻君譲渡事件と和田六郎――昭和初年の谷崎 第八章 古川丁未子の真実――谷崎第二の妻 第九章 「松子神話」の完成まで 第十章 谷崎をめぐる人々 第十一章 『源氏物語』から敗戦まで 第十二章 京の谷崎――戦後の日々 第十三章 渡辺千萬子と晩年の谷崎 第十四章 「女中綺譚」と「猫犬記」 最終章 終 焉 主要参考文献 跋文〔元本あとがき〕 文庫版のためのあとがき 谷崎関連家系図 人名索引 -
夢声戦中日記
活動写真の弁士を皮切りに、子役時代の高峰秀子らと映画で共演するなど昭和を代表する芸能人であり、文筆家としても知られた著者が、真珠湾攻撃から東京大空襲にいたる約三年半の日々を克明に綴った記録。終戦までの四ヵ月を収録した既刊『夢声戦争日記 抄 敗戦の記』の姉妹篇。 〈解説〉濱田研吾 -
猛き朝日
彼が幕府を開いていたら、のちの「戦国の世」は訪れなかったかもしれない。 源頼朝の好敵手かつ優れた軍略家として大河ドラマでも人気――悲運の義将・木曾義仲の鮮烈な31年を描いた、第11回野村胡堂文学賞受賞作。 平安末期。12歳の少年・駒王丸は、信濃国木曽の武士・中原兼遠の養子として、自然の中でのびのびと育つ。彼は父と母の名も自分が何者なのかも、いまだ知らずにいた。 ある日、駒王丸はささいなきっかけから、同じく信濃の武士の子・根井六郎と喧嘩になる。だが、同等の家格であるにもかかわらず、六郎と根井家当主が後日謝罪に訪れる。二人は畏れ多そうに深々と頭を下げて言う。 「駒王丸殿はいずれ、信濃を束ねる御大将となられる御方」 初めて知る実父の存在、自らの壮絶な生い立ち。駒王丸、のちの木曾義仲の波乱の生涯が始まろうとしていた。 類い希なる軍略で平家を破り、男女貴賤分け隔てない登用で源頼朝・義経より早く時代を切り拓いた源氏の嫡流。「朝日将軍」義仲の波瀾万丈な生涯を描いた傑作歴史巨編。 「彼の一生は失敗の一生也。彼の歴史は蹉跌の歴史也。彼の一代は薄幸の一代也。然れども彼の生涯は男らしき生涯也」――芥川龍之介(「木曾義仲論」より) 【目次】 序 章 法師 第一章 駒王 第二章 巴 第三章 戦雲 第四章 決起 第五章 源氏 第六章 前夜 第七章 死戦 第八章 魔都 第九章 落日 第十章 残照 終 章 余光 -
楠木正成
時は鎌倉末期。幕府の命数はすでに尽き、乱世到来の情勢下、大志を胸に雌伏を続けた男がひとり――。その名は楠木正成。畿内の流通を掌握した悪党は、倒幕の機熟するに及んで草莽の中から立ち上がり、寡兵を率い強大な六波羅軍に戦いを挑む。楠木一党は、正成の巧みな用兵により幕府の大軍を翻弄。ついには赤松円心、足利高氏(のち尊氏)らと京を奪還、後醍醐帝の建武新政は成就したが……。信念を貫くも苛酷な運命に誘われ死地へ赴かざるを得なかった、悲運の名将の峻烈な生を迫力の筆致で描く、北方「南北朝」感涙の最終章。 【目次】 第一章 悪党の秋 第二章 風と虹 第三章 前夜 第四章 遠き曙光 第五章 雷鳴 第六章 陰翳 第七章 光の匂い 第八章 茫漠 第九章 人の死すべき時 解説 細谷正充 -
悪党の裔 新装版
播磨の悪党の首魁には大きすぎる夢だった。おのが手で天下を決したい――楠木正成と出会った日から、大望が胸に宿った。軍資金を蓄え兵を鍛えて時を待ち、遂に兵を挙げた。目指すは京。倒幕を掲げた播磨の義軍は一路六波羅へと攻め上る。寡兵を率いて敗北を知らず、建武騒乱の行方を決した赤松円心則村を中心に描く、漢たちの軌跡。 第一章 遠い時 第二章 意 地 第三章 妖霊星 第四章 決 起 第五章 原野の風 第六章 遠き六波羅 第七章 白き旗のもと 第八章 征夷大将軍 第九章 砕けし時 第十章 旗なき者 第十一章 野の花 解説 亀田俊和 -
世界怪奇実話傑作選
・三つの筆名を使い分け、わずか35歳で忽然と世を去った伝説の作家、長谷川海太郎=牧逸馬。 ・「中央公論」に連載された代表作を精選。愛好家必読のミステリー百科。 ・著者は、1928年、中央公論社の特派員として、1年3ヵ月に及び欧州に滞在。ロンドンでは、中央公論の潤沢な資金を用いて、街一番の古書店にある、あらゆる怪奇事件を伝える資料を買い占めたと伝えられる。 ・帰国後、この資料をもとに執筆されたのが、「牧逸馬」名義の代表作となった「世界怪奇実話」である。 ・『中央公論』1929年10月号~1933年3月号連載。全33話。1930年~32年に順次書籍化されるが、単行本としては未完。 ・本書は、島田荘司氏が、本連載から「ミステリー百科」的要素を持たせたいと14編を精選。1)短篇小説として読める。2)その出来具合、面白さの度合い。3)ミステリー教養的な意味合いで、事件の客観的重要度。以上の観点からセレクトしたもの。 ・本書の編集にあたって、各編のタイトルは、事件に寄せたものに一部変更。 ・事件の同時代に現地に居合わせた作家によるドキュメントとしても貴重。 ・2003年、島田荘司編『牧逸馬の世界怪奇実話』として刊行されたものを改題した。 -
道誉なり
毀すこと、それがばさら――。六波羅探題を攻め滅ぼした足利高氏(のち尊氏)と、政を自らつかさどらんとする後醍醐帝との暗闘が風雲急を告げる中、「ばさら大名」佐々木道誉には、毀したいものがあった。数々の狼藉を働きつつ、時代を、そして尊氏の心中を読む道誉。帝が二人立つ混迷の世で、将軍尊氏はなぜ、佐々木道誉を欲したのか。対する道誉は、人間尊氏に何を見ていたのか――。 【目次】 第一章 激流 第二章 京より遠く 第三章 いかなる旗のもとに 第四章 征夷大将軍 第五章 猿の皮 第六章 花一揆 第七章 橋勧進 第八章 騒擾やまず 第九章 無窮 第十章 尊氏は死なず 解説 大矢博子 -
サド侯爵の生涯 新版
『悪徳の栄え』の著者、サディズムの祖として知られるマルキ・ド・サド。 この公序良俗に対決しつづけた18世紀フランスの貴族の生涯を、誕生から性的醜聞、幽囚生活、孤独な晩年まで描ききる。 無理解と偏見に満ちた従来のイメージを覆し、サドの実像を捉えた、著者渾身の作にして、三島由紀夫『サド侯爵夫人』の典拠となった画期的評伝。 〈解説〉出口裕弘 【目次より】 第一章 誕生より結婚まで(一七四〇―一七六三年) 第二章 リベルタンの出発(一七六三―一七六七年) 第三章 アルクイユ事件の周辺(一七六八―一七七二年) 第四章 マルセイユ事件の周辺(一七七二―一七七三年) 第五章 ラ・コストの城にて(一七七三―一七七八年) 第六章 ヴァンセンヌの鐘楽(一七七八―一七八四年) 第七章 自由の塔(一七八四―一七八九年) 第八章 革命とともに(一七八九―一七九二年) 第九章 恐怖時代に生きる(一七九二―一八〇〇年) 第十章 精神病院の晩年 (一八〇一―一八一三年) 第十一章 死 (一八一四年) 補遺(1) 死後の評価 補遺(2) その生涯の最後の恋 補遺(3) ジャンヌ・テスタル事件 -
ファウスト
あらゆる知的探究も内心の欲求を満たさないことに絶望したファウストは、悪魔メフィストフェレスと魂をかけた契約を結ぶ。巨匠ゲーテが言葉の深長な象徴力を駆使しつつ自然と人生の深奥に迫った大作の第一部を、翻訳史上画期的な名訳で贈る。読売文学賞受賞作。訳者による解説「一つの読み方」を付す。 〈巻末エッセイ〉河盛好蔵・福田宏年 -
諸葛孔明(上下合本)
名作一気読み。史料の徹底的な吟味によってよみがえる孔明の「志」! 後漢の光和四年(一八一)、琅邪の諸葛家に次男が誕生した。名は亮。四歳のとき、黄巾の乱が起こった。宦官と士大夫が抗争を繰り返した後漢王朝は衰微し、中国は未曾有の動乱期に入ったのである。父を亡くした孔明は叔父にひきとられ、襄陽で青年期を迎えた。覇を競いあった群雄の多くは滅び、袁紹を破った曹操が北方の大勢力となった。万民の幸福を希求し、天下の形成を冷静に分析する「臥竜」孔明の草廬を、荊州の劉表に身を寄せる劉備が訪れる……。透徹した史眼、雄渾の筆致がとらえた諸葛孔明の新しい魅力と壮大な「三国志」の世界。 -
ホワイト・ティース
ロンドン下町出身の優柔不断な中年男・アーチーと、バングラデシュ出身の誇り高きムスリム・サマード。第二次大戦で親友になったふたりは、ロンドンで新たな人生を模索する。 移民家族が直面する悲喜劇を知的でユーモラスに描く、ジャマイカ系イギリス人作家の衝撃作。カリブ海やインド亜大陸からヨーロッパにわたる壮大な家族の物語を背景に、歴史、信条、遺伝子などさまざまな差異を抱えて混沌の街ロンドンで生きる人々を描く。分断と混沌の深まる時代に希望の光を放つ、21世紀の必読書。全2巻 ブレイディみかこさん推薦! 「この本、いちおう社会派で、すでに古典と呼ばれているんです。 こんなにヤバくて笑えてぶっ飛んでるのに。 繚乱と咲く、移民たちのサーガ! ストリートの歴史はなんと猥雑でカオスなことか。 多文化共生の諸問題をごった煮にしておおらかに笑い飛ばす、才気煥発な本である。」 西加奈子さん推薦! 「これはすべての呪われた、そして祝福された人間の物語だ。 きっと100年後も、200年後も読み継がれるだろう。 人間がどうしようもなく、抗い難く、救い難く、人間でしかないことを、こんなに面白おかしく、鮮やかに、完璧に書かれた小説がこの世界に存在することに感謝したい。 20年前に誕生したこの傑作を、これから初めて読むことが出来る人に嫉妬する。そう思っていたけれど、何度目だって衝撃は変わらなかった。いや、増した。著者が描いたこの世界に、私たちは近づけているのだろうか。」 -
沖縄決戦 高級参謀の手記
太平洋戦争時、日本で唯一地上戦が展開された沖縄戦の全貌。四十三年ぶりに復刊した本書は、十八万の米上陸部隊を迎え撃ち潰滅した第三十二軍司令部唯一の生き残りである著者が苛烈な戦いの経緯を描くとともに、現代日本人にも通じる陸軍の宿痾を鋭く指摘した「日本人論」でもある。 〈解説〉戸部良一 -
新装版 夜の終焉
二十年前に両親を殺されて以来、世捨て人のように生きてきた真野。 ある日、彼が営む「深夜喫茶」に謎めいた少女が現れるが、不慮の事故に巻きこまれ、意識不明になってしまう。 身元の手がかりは、ポシェットに入っていた一枚の地図のみ。 その地図に導かれるように、真野は、一度は捨てた故郷を訪れる――。 【目次】 第一部 帰れない街 第二部 すれ違う意図 第三部 螺 旋 第四部 接 近 (上巻) 「殺人者の息子」という宿命を背負い、検事への夢を断たれ弁護士となった川上。 かつての父同様に、頑ななまでに死刑判決のみを望む被告の弁護を手伝うことになり、二十年ぶりに故郷へ。 被害者と加害者、双方の息子。決して交わらなかった二つの人生が、因縁の街で新たな局面を迎える――。 「汐灘サーガ」三部作最終章。著者インタビュー収録。 【目次】 第四部 接近(承前) 第五部 強まる疑念 第六部 過去からの手紙 第七部 接触、そして 巻末付録 堂場瞬一インタビュー (下巻) -
フーコーの振り子
「あの陰謀は本当なんです…殺されるかもしれない」 乾いた銃声とともに電話は切れ、助けを求める友人ベルボが失踪した。行方を追うカゾボンは、フーコーの振り子を抱くパリ国立工芸院に向かう。 テンプル騎士団の秘密にまつわる原稿が持ち込まれたミラノの出版社で、3人の編集者たちは錬金術や歴史の陰で囁かれてきた「陰謀」に引き寄せられていく。 カバラ、錬金術、グノーシス、薔薇十字、古代の超大陸から現代イタリアまで、古今東西の知識や伝承、オカルトや奇想が引用された博覧強記の冒険的ミステリー。 記号学の世界的権威であり、中世史については専門家をしのぐ著者が著した畢生の大作、待望の復刊。 巻末に、訳者による作品紹介『「語り」と「騙り」の見分け方――「フーコーの振り子」のメッセージ』を収録。 【全3巻】 -
日本領サイパン島の一万日
手近なリゾート地というイメージが定着しているサイパン島は、第一次世界大戦中の1914年からアメリカが占領する44年まで、日本の統治下に置かれた。 移民によって開墾され、「南洋の東京」として栄えたが、やがて戦禍に──。 「楽園」を求めて南の島に渡った二つの家族を通して、日本領サイパン島の歴史をダイナミックに描く。〈解説〉池澤夏樹 〈目次〉 プロローグ 第1章 漂着 第2章 獣の島 第3章 南洋成金 第4章 南洋の東京 第5章 北ガラパン二丁目大通り 第6章 南村第一農場 第7章 海の生命線 第8章 軍島 第9章 戦禍 第10章 収容所 エピローグ 解説 池澤夏樹
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