ウィリアム・H・マクニールの作品一覧

「ウィリアム・H・マクニール」の「疫病と世界史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 疫病と世界史(上)
    完結
    3.9
    全2巻1,320円 (税込)
    アステカ帝国を一夜にして消滅させた天然痘など、突発的な疫病の流行は、歴史の流れを急変させ、文明の興亡に重大な影響を与えてきた。 紀元前500年から紀元1200年まで、人類の歴史を大きく動かした感染症の流行を見る。 従来の歴史家が顧みなかった流行病に焦点をあて、世界の歴史を描き出した名著。(全二巻)

ユーザーレビュー

  • 疫病と世界史(下)

    Posted by ブクログ

    人類の歴史は、人間が他の人間に寄生する「マクロ規制」と、目に見えぬウイルスや微生物が人間に寄生する「ミクロ寄生」により規定されてきたといえる。科学技術が大いに進歩した現代においても、人類はこの規定の枠外から出ることがない。
    本書は2つの寄生のうち特に「ミクロ寄生」に焦点を当てている。例えばスペイン人の南米征服に疫病が決定的な影響を持っていたことは広く知られているが、ではスペイン人はいつこの疫病を克服したのであろうか?このような考察を繰り広げていくと人類と感染症の壮大な歴史が浮かび上がり、歴史が転回する重大な局面を創出していたことが理解できる。
    刊行されたのが1985年であるから、今から40年前

    0
    2025年08月04日
  • 疫病と世界史(下)

    Posted by ブクログ

    下巻は時代の下降とともに人口変化などのデータが増えてきて、より説得力が増す。と同時に、歴史上の出来事における疫病の与えた影響の大きさが感じられる。1500年代の新大陸に起きた出来事は圧巻の筆致。あっけなく侵略されてしまったのは、そういうことも要因だったのかと。
    今の時代に生きるありがたみを強く覚えた。

    0
    2021年04月25日
  • 疫病と世界史(下)

    Posted by ブクログ

    何かしらの偶然でこの本を知り、読めた。本の価値とは決してボリュームではないことを確信できる。
    今までは「銃鉄病原菌」が最高と思ってきたが、マクニールの素晴らしさで目から鱗。
    中高で学んだ「歴史を塗り替える」とは戦争で打ち勝つこと、民族は前に進んで行ったという論理。

    だが、この本を読むと 救いのない大量の死は神の存在すらも排除。過去の事実のみならず、未来を予知しようとするとき、感染症の役割を除外しできない。如何なる社会的手法のレベルに関係なく、感染ウィルスの侵入に対し 人類は全く 脆弱な存在であるという事実は眼前たる事実。地球上に、たんぱく質物体が登場した後 人類に先駆けて活動を始めたウィルス

    0
    2021年02月12日
  • 疫病と世界史(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    下巻の半ばから、ようやく(期待していた)本題。

    何故、かくも少数のスペイン人に、アステカとインカという二つの大帝国が征服されたのか。
    確かに、スペイン人がやってきて疫病が大流行して膨大な死者が出、且つスペイン人は疫病の被害を受けない。それなら、人口が激減して軍のみならず国家も社会も崩壊するし、「神の恩寵を受けているとしか思えない」スペイン人への抵抗は物理的にも精神的にもできなくなるな。そりゃあ、キリスト教に改宗するわけだ。ようやく理解できた。

    そして、「悪疫によって引き起こされた一般大衆の憎悪と恐怖の感情は、激越な形をとってほしいままに表現された。特に貧者の富者に対する長い間抑えられてきた

    0
    2020年06月16日
  • 疫病と世界史(上)

    Posted by ブクログ

     人類の世界共同体化と西洋の興隆において、疫病と免疫が果たした役割の重要性を指摘した著述。これまで世界史というと武器・農機具・移動と生産に関する技術の発展の観点から語られることが多かったけれど、実は生物学的なプロセス、具体的には病原体と人間の免疫の共進化が強い影響力を持っていたという話。
     現代の文明化された人類の共同体ではただの小児病とされていたり生活習慣によってレア・ケースとなった感染症の多くが、古代においては死に至る病だった。あまりに迅速に感染者を殺し、未感染者をほとんど残さない病原体は、子孫を残すことができない。よって、新たに人類に寄生するようになった病原体は、最初は激甚な症状を表すも

    0
    2018年02月14日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!