無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
1931(昭和6)年から1935(昭和10)年に初出の作品集。
おなじ中公文庫で『盲目物語』のみが入ったのをずっと前に読んで持っているのだが、他の作品を含めて編み直し出版したらしい。
谷崎潤一郎の文章は極めて流麗で美しく、しばしば文章そのものがエロティックな妖しさをも帯びるのがとても好きだ。『盲目物語』はさらに、極めて恣意的な「ひらがな化」が試みられている。さっきは漢字表記だったのが何故かひらがなで出てきたりする。ひらがなばかりで読みにくい(文意が瞬間的に認知できない)ところがたくさんある。谷崎はここで、字面の視覚的なリズム書法をでも試みたのだろうか。しかし、ここまで徹底した作品は他に無さそうな気がする。
この作品集は谷崎のあの変態的な性のテーマが出てこず、歴史上の有名男性の影に隠れた女性を前面に出すという点で当時としては新しかったのかもしれないが、それでも歴史叙述のような面が多々あって、私には少々退屈だった。谷崎の小説としては。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。