中公文庫作品一覧

  • 随筆 ふるさとの味
    5.0
    林檎は樹になったままがぶりとかぶりつき、苺は朝露に濡れたのをそのまま洗いもせず口へ入れる。鮭は漁れたてを素焼にして大根お しをそえて――。 明治時代の札幌に生まれ、上京のち作家デビュー。戦後は参議院議員として激動の時代を駆け抜けた著者。当時の女性たちが憧れたその人生に舌鼓を打つ珠玉の食エッセイ集を増補復刊! 【目次】 お重詰 しらうお さざえ さくら餅 あくまき 夏日新涼 巴里の秋 はつ雪の日 七面鳥 年始 スメヨーボ 雪山の味 トレドのお菓子 マシマロ 口腹の慾 身欠鰊のあめだき 朝鮮あざみと菊芋と 朝食譜 日本のビフテキ 精進料理 田舎家 タコ 四季に添うて 海鼠あり 蓬草紙 冬ごもり 舞踏会の花 サッテ 秋の味覚 春の献立 くき 美しきものは わが机 故郷の味 他人のほころび 大阪土産 きき酒 がらがら煎餅 七草艸子 もみじ菜 食味日記 家庭料理 五月の町 故園の果実 さとう 素顔 美味東西 秋果と女 伊勢の春 木の芽 よまき もろきゅう 味 味噌の味 つまみ喰い 味じまん (全56編)
  • 図鑑少年
    4.0
    都会に暮らす「わたし」が遭遇する小さな事件や出来事。それらは本当に起きたのか、それとも「わたし」の妄想なのか。胸に迫る人やもの、音や情景を辿って、現実と非現実のはざまをたゆたう24篇。新しい都市奇譚として話題を集めた作品集の待望の文庫化。
  • ずんずん!
    3.8
    毎日、コツコツ。宅配だから出会える笑顔がある―― どんな日もお客様に牛乳を届けてきた纒ミルク浜町店。若き四代目・亮介は、ベテラン配達員・田代らとともに宅配に勤しむ中、デザイン会社で活躍する玉枝と出会う。顧客宅での事件や切ない恋に遭遇したことで、亮介は単調に見える仕事の壁に直面してしまい……〝届ける人〟の尊さが胸に染み入る宅配物語
  • 聖域 調査員・森山環
    3.6
    「産みたくない」と、突然言い出した妊婦。最近まで、生まれてくる子供との生活を楽しみにしていた彼女に、何があったのか……。その夫から相談を受けた調査員・森山環は動き出した。単なるマタニティ・ブルーではないと直感した環は、彼女に「隠蔽された過去」があることに気づいたのだが――。
  • 「青春小説」
    3.0
    三億件事件の現場にタイムスリップした男たちを描く「三億の郷愁」、地方からおっかなびっくりに上京してきた青年を描く自伝的作品「灰色のノートから」収録。青春の愚かしさと喜劇性を巧みに描く。
  • 青春の神話
    -
    江戸時代から現代へ、不思議な竜巻に運ばれてタイムスリップした十七歳の甲賀忍者・望月小平太。組織暴力団に牛耳られる町で、高校生となった彼は、野球部に入部。超常の忍法で悪を懲らしめ、廃部寸前の弱小チームを甲子園出場へ導く。時代を超えた正義の活躍を描く、伝奇的青春小説。
  • 青春の十字架
    4.0
    警視庁警護課のSP・寒川は、捜査一課・棟居刑事の大学山岳部時代の盟友。その寒川の妹・加菜が、奥飛騨山中で遺体となって発見された。フリー記者だった加菜は何を追っていたのか。独自に調べを進める寒川は、事件の背後に、自分の警護対象者である国土交通省大臣の存在を知る。
  • 精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術
    -
    人生100年時代、長いシニア生活に不安な気持ちを抱く人は少なくない。「家族や近所に迷惑はかけたくない」「寝たきりは嫌だ」「独りになりたくない」――。そのためにせっせと努力して、人生の本来の楽しみを忘れかけていないだろうか。本書では、心の名医である著者が、人生後半を「好い加減」にゆるりと豊かに暮らす方法を伝授。無理せずほどほどに実践できるヒントが満載!
  • 精神の政治学
    -
    ヴァレリーの全作品は現代世界の一つの無比に精緻な叙事詩である――。表題作ほか、訳者によって精選された「知性に就て」「地中海の感興」「レオナルドと哲学者達」の全四篇を収める。巻末に吉田健一の単行本未収録エッセイを併録する。 【目次】 訳者の序(吉田健一) 精神の政治学/知性に就て/地中海の感興/レオナルドと哲学者達(ヴァレリー/吉田健一訳) ヴァレリーに就て(ヴァレリー頌/ヴァレリーのこと 吉田健一)
  • 青天 包判官事件簿
    3.8
    宋代、瑞州の新任知事・包希仁は、二十代で科挙に合格した秀才ながら、どこか抜けた青年。その資質を疑問視する世話係・孫懐徳であったが、州内で起きた「生きた牛の舌が切り取られる」事件をきっかけに――(「雪冤記」)。清廉潔白、裁きは公平、晴れ渡った空の如し。中華小説の名手・井上祐美子が、中国史上屈指の人気を誇る名判官「包青天」の活躍を描く中華ミステリ短篇集。待望の文庫化! ◆目次 ・雪冤記 ・赤心 ・紅恋記 ・黒白 ・青天記 ・文庫あとがき ※本書収録の「黒白」は、『C★NOVELS Mini - 黒白 - 包青天事件録』に加筆修正を加えたものです。
  • 生と死をめぐる断想
    4.0
    序章 死をそばに感じて生きる 團十郎の辞世  死生観表出の時代  自然災害のインパクト  どこから来てどこへ行くのか  二つの立場  テクノロジーの進化の果てに  1章 「知」の人の苦しみ 伝統的な宗教の後に  岸本英夫の実践  合理性の納得  頼藤和寛の世界観  はじまりのニヒリズム  「にもかかわらず」の哲学  自由意志の優位と揺らぎ  多田富雄の受苦  人格を破壊から守る  サイコオンコロジー  医療の現場で  ホスピスとデス・エデュケーション  遺族外来、がん哲学外来  禅の否定するもの  「わたし」を「なくす」  河合隼雄の遍歴  ユング心理学と仏教  切断せず包含  2章 スピリチュアリティの潮流 崩れつつある二元論  オルタナティブな知  理解できないものへの態度  時代という背景  第三の項へ  ポストモダンの現象  ベクトルの交わるところ  島薗進の視点  「精神世界」の隆盛  個人の聖化と脱産業化  鈴木大拙の霊性  宗教的でなくスピリチュアル  玄侑宗久との往復書簡  「而今」の体験  「いのち」との関係  潮の満つるとき  海のメタファー  親鸞の絶対他力  生死の中で生死を超える  日本的発現  ゆりかごとしての風土  3章 時間を考える 代々にわたり耕す  柳田国男の「先祖」  個体から集合体へ  つなぐラフカディオ・ハーン  田の神と山の神  時代からの問い  四つの類型  折口信夫の「海の他界」  野という中間地帯  身近な行き来  かのたそがれの国  うつし世、かくり世  帰ってゆく場所  先祖の時間  線をなす時間  層をなす時間  輪をなす時間  自然との親和性  季語のはたらき、リズム  津波を詠んだ句  山川草木悉有仏性  「衆生」の範囲  貞観地震と津波  暴れる国土  山川草木悉有神性  瞬間瞬間にふれる  不動の中心  技法としての行  色即是空  井筒俊彦による視覚化  縁起という実相  根源のエネルギー  式年遷宮  「木の文明」  生の造形  宣長の「悲し」と「安心」
  • 静謐 北杜夫自選短篇集
    4.0
    1巻990円 (税込)
    文学とユーモアエッセイ、二つのジャンルで人気を博した作家・北杜夫。その一九五六年から六八年の間に発表された作品群から作者自身のセレクトによる全一〇篇を収める。三島由紀夫賞賛の表題作や、「岩尾根にて」ほか初期の純文学作品、SF作品「不倫」、随筆「死」まで多才な作家のエッセンスが一望できる自選短篇集。〈巻末エッセイ〉今野 敏
  • 世界カフェ紀行 5分で巡る50の想い出
    3.4
    珈琲、紅茶、ほかほかココアにご褒美ビール。世界中どこでも、カフェには誰かの特別な想い出がある――。自宅で、電車で、休憩中に、読めばほっこり旅気分。作家、学者に映画監督、各界著名人が寄稿するBunkamuraの名物誌『ドゥ マゴ通信』から生まれた、香気立ち上るカフェ・エッセイ全50篇。〈まえがき〉中条省平 ◆著者一覧◆ ・中条省平 ・野田秀樹 ・富士川義之 ・河村錠一郎 ・鈴木清順 ・鶴岡真弓 ・三木宮彦 ・辻 邦生 ・鈴木布美子 ・岸田 秀 ・佐藤亜紀 ・久世光彦 ・池内 紀 ・蓮實重彦 ・中村真一郎 ・養老孟司 ・秋山祐徳太子 ・川成 洋 ・須賀敦子 ・出口裕弘 ・亀山郁夫 ・島田雅彦 ・護 雅夫 ・山内昌之 ・中沢新一 ・堀内 勝 ・澤田 直 ・蜷川幸雄 ・南 伸坊 ・西江雅之 ・巖谷國士 ・松浦美奈 ・森本哲郎 ・吉本隆明 ・赤瀬川源平 ・鷲田清一 ・横尾忠則 ・松山 巖 ・吉田加南子 ・城山三郎 ・柴田元幸 ・上野昴志 ・中田耕治 ・樺山紘一 ・いとうせいこう ・関川夏央 ・杉山 晃 ・今福龍太 ・末延芳晴 ・安西水丸 (順不同)
  • 世界警察1 叛逆のカージナルレッド
    完結
    3.0
    全4巻814~1,012円 (税込)
    警察小説史上最大スケール、圧巻の新シリーズ、始動。 21世紀末。全ての国家の軍隊は解体。国連は「世界連邦」として機能し、平等で民主的な理想社会が実現した……はずだった。一方でテロリストたちも過激化。警視庁の刑事・吉岡冬馬は日本を拠点とする地下組織「イザナギ」メンバーの変死体を発見する。これが日本を襲う、壮大なテロ計画の入り口であった――。 徹底した非武装・非暴力で犯人を投降させることから、「説教師」の異名を持つ冬馬。最先端の兵器を保持するテロリストに、彼はどう立ち向かうのか?
  • 世界のイスラムジョーク集
    3.8
    日本人のイスラム観はかなり偏っている。礼拝、ラマダン、一夫多妻制……。最近ではそれにテロが加わり、「恐い」というイメージも定着しつつある。本書においてはそれら「イスラムに対する偏見」を取り除くために、彼らが大好きなジョークを通じてイスラムの日常生活を紹介した。
  • 世界は終わりそうにない
    3.6
    五十になっても、八十になっても、だれかに恋して悶々としなくてはならないのだろうか。「恋愛」に対する疑問から、書く女の孤独まで――すぐには役に立たないけれど愛おしい人生の凸凹を味わって、膝を打ちたくなるエッセイ集。三浦しをん、吉本ばななとの爆笑対談も多数収録。
  • 世界見世物づくし
    5.0
    僕の人生でも、オアシスではない、スコールをいつも仰望しているのだ。二三回徹底的にやって無一物になって、出発し直したものだ――若き日の無銭旅行に始まる流浪の人生。長崎・上海・ジャワ・巴里へと至るそれぞれの土地を透徹な目で眺めてきた漂泊の詩人が綴るエッセイ。
  • 関ケ原合戦 戦国のいちばん長い日
    -
    慶長5年(1600)9月15日、中世から近世へ、豊臣から徳川へ、天下分け目の戦いが行われた。日本列島のすべてを巻き込んだ、この“戦国のいちばん長い日”は、一体どんな一日だったのか。家康の覇権確立への戦略を軸に、武将たちの権力闘争の実態を追究して、さまざまな野望が渦巻く東西両軍の人間模様を描き出す。15万の軍勢の激突を、臨場感を持って再現し、戦国乱世の時代像を24時間に凝縮する、迫真の歴史ドキュメント。
  • 石版東京図絵
    -
    神田に生まれた職人の子が、日露戦争から大震災をへて太平洋戦争の敗北までたどった長い生涯と、失われた下町の人情を描く。〈解説〉福田宏年
  • 惜別の海(上)
    5.0
    天正十三年(一五八五)秀吉が関白に就き、天下統合の速度を増していく中、地侍で石工衆差配の大森六左衛門は、聚楽第(じゅらくてい)御構(おかまえ)の普請に駆り出されていた。娘の於根と通じ合う十蔵、十蔵を妬み出世の野心を抱く以蔵らを従える六左衛門だが、権勢を肥大化させる秀吉の黒い影が迫る……。秀吉の「朝鮮出兵」に巻き込まれる人々を描く渾身の長編小説。
  • セクメト
    3.8
    1~3巻748~814円 (税込)
    警視庁捜査一課のエリート刑事・和賀千蔭が追う連続「殺人鬼」殺人事件。遺体は体の一部を抉られ、さらに現場には必ず一人の女子高生が現れていた。謎の言葉「わたしはセクメト」を残し消えた彼女の正体とは? そして事件の裏に潜む、知ってはいけない巨大な闇とは!? 驚愕のハイブリッド警察小説シリーズ始動!!
  • 瀬戸内海の見える一軒家 庭と神様、しっぽ付き
    4.3
    東京でデザイナーになる夢が破れ、祖母の遺した家に引っ越してきた加乃。そこへ転がり込んできたのは、伏見から家出してきた稲荷狐だった。新天地でのリスタート同士の一人と一匹だが、土地の龍神の少女が言うことには、ここ愛媛県松山市は昔から狸が支配する地で稲荷狐なんて見つかったら命はないという。いきなり波乱の新生活の行方は――!?
  • 尖閣喪失
    3.8
    中国・台湾が領有権を主張する尖閣諸島。中国が実力行使に出た時、日本は……。政治的影響を睨みつつ展開される水面下での熾烈な駆け引きと日中の軍事作戦の行方を、迫真の筆致で描く。
  • 潜艦U‐511号の運命 秘録・日独伊協同作戦
    -
    著者の自序に曰く、「日米開戦前後の交渉事項や太平洋を舞台とした戦争の経過などについては、すでに多くの資料や記録が刊行されているが、枢軸側三国を結ぶ〝ベルリン〟を中心とした世界史の一章は、いまだに秘められたまま今日にいたっている」――世界史転換の動機をつくった日独伊三国の枢軸側がなぜ敗戦の運命を共にしたのか? という問いへの答えを、「当時いずれも最高の機密に属し、外部への発表を禁ぜられていた貴重な史料」に基づき、反省を込めて綴った回想記。 著者は一九四〇年から三年にわたりベルリンに駐在し、日独伊三国同盟の軍事委員として独伊との作戦調整にあたった。本国からの情報不足や、日独の戦争方針の違いといった困難に直面する様は、当事者ならではの臨場感にあふれている。ドイツからのUボート回航を担ったのち、東条内閣末期に海軍大臣、その後は海上護衛司令長官などを歴任し、終戦に向けての動きも知る存在であった。 海軍の要職を務めた人物の手記として、私家版の『自叙 八十八年の回顧』、および「サンデー毎日」に寄稿した「東條内閣崩壊の真相」を収録した史料的価値も高い貴重な一次資料である。 解説は『独ソ戦』(岩波新書)の大木毅氏。 【目次より】 『潜艦U‐511号の運命』  序文  一 的はずれになって行く三国条約の効果  二 日独伊協力戦の実相  三 日本側在独者のベルリン会談  四 潜艦U・511号とともに 「東條内閣崩壊の眞相」 『自叙 八十八年の回顧』  解説 大木毅
  • 1989年の因果 昭和から平成へ時代はどう変わったか
    3.3
    天皇崩御、与党の大敗、消費税導入、冷戦終結、東西ドイツ統一、天安門事件……世界的な激動の年であった1989年=平成元年の変調は、年を経て、形となって影響をおよぼすようになった。当時の記録をいまの視点からあらためて問い直す。『検証・平成維新』改題
  • 一九四五年夏 最後の日ソ戦
    -
    一九四五年八月十五日、ポツダム宣言を受諾し武装解除を進める日日本軍にソ連軍が襲い掛かった。千島・樺太への進攻が新たに開始されたのだ! 本書は日ソ双方の戦争史料を徹底収集し、最後の日ソ戦に至る経緯と孤軍奮闘した守備隊の知られざる戦いを活写。戦闘の全貌を明らかにし、北方領土問題の根幹に迫る。〈解説〉庄司潤一郎・花田智之
  • 戦後 欧米見聞録
    -
    大正八年、西園寺講和特使に随行し、第一次世界大戦の硝煙消えやらぬ荒廃のヨーロッパを訪れて無限の感慨を抱き、平和への歓喜、「力の支配」の存在、外交と宣伝、労働問題、米国問題など、卓越した識見と率直な心情を吐露した、近衛文麿若き日の記録。
  • 戦国武将
    -
    戦国時代とはどういう時代だったのか。北条早雲、斎藤道三らの下剋上、そして謙信、信玄、信長ら歴史的な個性の活躍。戦国武将をとりまく状況、組織を、確かな史料から読みとり、身分と出自、謀叛の論理、文武の実際、生死の観念などを具体的に検証する。戦国入門の決定版。
  • 戦国を駆ける
    -
    あるじを七たび変えながら立身を続けた藤堂高虎、利害よりも友情を選び関ヶ原に散った大谷刑部、天下の動向を読み巨万の富を築きあげた今井宗久など、乱世を彩り消えていった武士や商人の姿を史料を駆使して追い、権謀術数の戦国時代の実相を浮き彫りにした十七篇。
  • 戦後と私・神話の克服
    4.0
    戦後の「正義」に抗い、自身の「私情」に忠実であることを表明した「戦後と私」、三島由紀夫、石原慎太郎、大江健三郎を論じた卓越した批評「神話の克服」。「私」三部作ほか、癒えることのない敗戦による喪失感と悲しみを文学へと昇華した批評・随想集。自作回想「批評家のノート」初収録。 〈解説〉「江藤淳と『私』」平山周吉 【目次】 Ⅰ 文学と私/戦後と私/場所と私/文反古と分別ざかり/批評家のノート  Ⅱ 伊東静雄『反響』/三島由紀夫の家/大江健三郎の問題/神話の克服  Ⅲ 現代と漱石と私/小林秀雄と私 解説 江藤淳と「私」(平山周吉)
  • 戦後日本の宰相たち
    5.0
    第一線の研究者が、東久邇稔彦から竹下登まで17人の昭和の政治家の思想と行動を検証する歴代首相列伝。 戦後の占領期から昭和の終わりまで、「55年体制」下の日本の政治のあり方のほぼ全容を伝える。 日本の再建期を支えた指導者たちの功罪を振り返り、宰相の人物像を通して戦後の「国のかたち」を浮き彫りにする。 〈解説〉宮城大蔵 目次 東久邇稔彦――皇族のなかのリベラリスト 波多野澄雄 幣原喜重郎――「最後の御奉公」と新憲法草案 天川 晃 吉 田 茂 ――状況思考の達人 渡邉昭夫 片 山 哲 ――新憲法体制のトップランナー 福永文夫 芦 田 均――インテリの文人政治家 増田 弘 鳩山一郎 ――日ソ国交回復と憲法改正への執念 山室建德 石橋湛山――透徹した自由主義思想家 猪木武徳 岸 信 介――野心と挫折 北岡伸一 池田勇人――「経済の時代」を創った男 中村隆英 佐藤栄作――「待ちの政治」の虚実 高坂正堯 田中角栄――開発政治の到達点 御厨 貴 三木武夫――理念と世論による政治 新川敏光 福田赳夫――政策の勝者、政争の敗者 五百旗頭真 大平正芳――歳入歳出政治の問題提起者 村松岐夫 鈴木善幸――権力が求めた政治家 田中善一郎 中曾根康弘――大統領的首相の面目 草野 厚 竹 下 登――保守党政治完成者の不幸 久米郁男  執筆者紹介  文庫版あとがき 渡邉昭夫  解説 宮城大蔵
  • 戦後の肖像 その栄光と挫折
    3.0
    秩父宮、高松宮、赤尾敏、安岡正篤、伊藤律、坂口弘、田中角栄、藤山愛一郎、武見太郎など、もし、この人物がいなかったら戦後の日本の政治・経済・社会状況は別の局面を迎えていたかもしれないようなキーパーソン十五人を取り上げ、彼らの足跡を検証することにより、戦後日本の栄光と挫折に迫る意欲作。
  • 戦時演芸慰問団 「わらわし隊」の記録 芸人たちが見た日中戦争
    -
    日中戦争中に戦地に派遣された慰問団「わらわし隊」。埋もれていた資料や元兵士の証言を元にその実態を浮き彫りにしつつ、慰問団が見た「南京」や「慰安婦」等、今も論争が続く一連の問題にも一石を投じた力作ルポルタージュ。
  • 戦場 トランプ・フォース
    3.6
    中央アメリカの軍事国家マヌエリアで日本商社の支社長が誘拐された。CIAをバックにつけた反政府ゲリラの犯行らしい。合衆国と軍事政権間の緊張が高まるなか、国際対テロ用特殊部隊「トランプ・フォース」が出動。元商社マンの佐竹は、中国美女リーとともに社員を装って政権と接触するが、そこには思いがけぬ陰謀が隠されていた……密林での激闘に胸躍る、シリーズ第二弾。『トランプ・フォース 狙われた戦場』改題
  • 潜水艦隊
    -
    潜水艦艦長を歴任し、参謀として作戦を立案した著者が、真珠湾攻撃から終戦まで、太平洋戦争の潜水艦隊の戦いの全貌を記録した唯一無二の作品。編制と建造計画から、ハワイ、ミッドウェー、アリューシャン、ガダルカナルなどにおける奮闘、ドイツとの協同作戦など知られざる日本海軍の戦いが明らかになる。〈解説〉戸髙一成。 第1部 開 戦 第1章 開戦頃の潜水艦の状況 第2章 開戦時の潜水艦の行動 第2部 ハワイ作戦とその後 第1章 真珠湾奇襲 第2章 米本土西海岸行 第3部 軍令部の勤務 第1章 軍令部の生活 第2章 懸案の諸問題 第3章 昭和十七年四月頃までの潜水艦戦 第4章 特殊潜航艇の第二次攻撃 第5章 ミッドウェーおよびアリューシャン方面の潜水艦戦 第6章 ガダルカナル島の攻防戦 第4部 ドイツとの協同作戦 第1章 ドイツ海軍との協定 第2章 インド洋上の協同作戦 第5部 太平洋正面の死闘 第1章 敗勢に苦闘す 第2章 潜水艦隊の死闘 第3章 終戦 付表・付図 参考文献 むすび 解説 戸髙一成
  • 戦線
    -
    日中戦争で数度にわたって従軍した林芙美子。その初随行が、一九三八年、蒋介石率いる中国軍を追討するための漢口攻略だった。女性らしい温かな視点で、陸軍第六師団の兵士たちの姿を綴った本書は、代表作『放浪記』につぐ大ベストセラーとなる。満州ルポ「凍れる大地」を併録。
  • 戦争か平和か 国務長官回想録
    -
    対日講和に奔走し、アイゼンハワー大統領下で国務長官として冷戦外交を主導。第二次世界大戦後の混乱する世界情勢に鑑みて、NATO(北大西洋条約機構)やOAS(米州機構)設立の経緯を明かす。ソ連・中国の脅威に直面するなかで、安易な宥和政策や国連安保理の機能不全を批判、世界の安定・平和への方策を提言する。 第二版の原著者まえがき 第一章 現代の課題  第一節 危機  第二節 汝の敵を知れ  第三節 目標 第二章 われわれの政策  第一節 宥和策は無用  第二節 国際連合  第三節 国連の運営状況  第四節 植民地の進展と暴力革命  第五節 地域的連合  第六節 経済上の空白と精神上の空白  第七節 軍事上の空白  第八節 外交政策の特殊性 第三章 外交政策の限度  第一節 五カ年間の得点しらべ  第二節 なぜ共産主義は勝つか 第四章 なにをなすべきか  第一節 これだけはぜひとも  第二節 二党協調主義の将来  第三節 世界機構の発達  第四節 西欧の統一  第五節 アジアにおける諸政策  第六節 軍部の役割  第七節 新しい方法  第八節 精神に必要なもの  第九節 平和への道
  • 戦争童話集 完全版
    4.0
    「あの夏から80年。野坂さんの思いを、私は語り継ぐ」  吉永小百合さん推薦 昭和20年、8月15日―― すべて同じ書き出しで始まるのは、忘れてはならない物語。 空襲下の母子を描く「凧になったお母さん」をはじめ、鎮魂の祈りをこめて綴られた12篇に、沖縄戦の悲劇を伝える「ウミガメと少年」「石のラジオ」を増補した完全版。 野坂昭如没後10年。 【目次】 小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話 青いオウムと痩せた男の子の話 干からびた象と象使いの話 凧になったお母さん 年老いた雌狼と女の子の話 赤とんぼと、あぶら虫 ソルジャーズ・ファミリー ぼくの防空壕 八月の風船 馬と兵士 捕虜と女の子 焼跡の、お菓子の木 改版のためのあとがき 沖縄篇 ウミガメと少年 石のラジオ
  • 千年ごはん
    4.0
    山手線の中で出会ったおじさんのクリームパンに思いを馳せ、徳島ではすだちを大人買い。これまでも、これからも、連綿と続く日常のひと皿に短歌を添えて。日々のおだやかな風景を歌人が鋭い感性で切り取る食物エッセイ。『今日のビタミン』改題。
  • 千の扉
    3.7
    築四十年、三千戸を超す都営住宅の一室で、夫・一俊と暮らし始めた千歳。その部屋の主である一俊の祖父に頼まれ、千歳は「高橋さん」という人物を探し始めるが……。存在も定かでない「高橋さん」を探すうち、ここで暮らす人々の記憶と、戦後から七十年の土地の記憶が緩やかにひもとかれていく。〈解説〉岸政彦
  • 戦友たちの祭典
    -
    太平洋戦争を生き延びてから波瀾万丈の人生を送ってきた山鹿俊作は、九十を過ぎ穏やかな余生を送っていた。ある日、音信の途絶えていたかつての仲間・青柳雅次が訪ねてきた。二人と共に海軍戦闘隊を組んでいた中原友和の曾孫が、何者かに狙われているという。戦争の終末期、中原の身を捨てた敵機への体当たりによって、必死の戦場を生き延びた山鹿と青柳。かつての仲間の遺言に応えるため、修羅の巷へ向かうのだった。我々には、無限の夢を抱えながら逝った戦友たちの分まで、闘い抜く義務がある! 〈解説〉折笠由美子 【目次より】 永遠の軍神 老骨の闘魂  行方不明の代走  三角敵性関係  共猫  ミッドウェイの教訓  余裕ある敗率  怨族の相伝  立ち直る未来  追放運動の開幕  殺意の山影  永遠の旅人
  • 戦略の不条理 変化の時代を生き抜くために
    4.0
    良質で安い製品をつくるだけでは勝てないのはなぜか。 それは「物理的世界」のみに偏った「戦略の不条理」に陥っているからだ。 本書では、孫子、クラウゼヴィッツなどの軍事戦略と最新の経済学理論を手がかりに、「物理的世界」「心理的世界」「知識的世界」へ働きかける多元的な経営戦略「キュービック・グランド・ストラテジー」を提示する。
  • 千両絵図さわぎ
    -
    (『唐人さんがやって来る』を改題) 江戸期に十二回来日した朝鮮通信使の受け入れは、国を挙げての一大イベント。版元「荒唐堂」の三兄弟は、公認絵図の出版に向けて立ち上がるが、長男の意気込みをよそに、次男は仕事に追われ、三男は町をふらつくばかり。そして次々と難題が降りかかる! 抱腹必至の長篇時代小説。
  • 占領神話の崩壊
    3.0
    日本の敗戦前後、あまたの公文書が焼却されたと言われている。しかし、決裁文書などを除く多くが「私文書」として個人の手許に残されていた。これらの資料を、占領期に積極的に収集したのが、フーヴァー研究所東京オフィスであった。  フーヴァー研究所は、スタンフォード大学の第一期卒業生であった第31代米国大統領ハーバート・フーヴァーが1919年に設立した研究機関。戦後、フーヴァー自身、占領下の日本、ドイツに赴き、占領政策にコミットした。その一環として、資料収集計画があった。  駿河台の東京オフィスを拠点に、1945年11月から1951年3月まで、書籍・専門書・新聞などを含む1468箱が海路米国に持ち出された。これらの資料には、「GHQ直筆・日本国憲法の原文」「東京裁判の宣誓供述書」「関東軍特務機関の阿片政策」「日本共産党員の獄中手記」「特高警察の極秘史料」などの一次史料が多数含まれ、「フーヴァー・トレジャーズ」(Hoover Treasures)と呼ばれることになった。  本書は、こうして形成された「フーヴァー・トレジャーズ」から占領秘史にせまろうとするものである。そこで浮かび上がるのは、日本国憲法制定をめぐるGHQと吉田茂の取り引き、東京裁判における天皇免訴をめぐる暗闘、満洲国の財政を支えた阿片政策とそれを担った三菱・三井、日本国内での阿片栽培……などの新事実である。  戦後に改竄された「歴史の欺瞞」を炙り出す試みであり、『國破れてマッカーサー』の続編、発展版とも言える著作である。
  • 占領秘録
    -
    日本史上空前の被占領の時代。七年間に及ぶ激動の日々を、現場の責任者たちはどう見たのか。米軍の進駐、憲法制定、戦場からの復員、財閥解体、公職追放、農地改革、東京裁判、アジア諸国からの亡命者たちなど、毎日新聞政治部記者が関係者の肉声を収集。日本独立を機に綴った貴重な証言記録を復刊。
  • 絶海にあらず(上)
    3.6
    京都・勧学院別曹の主、藤原純友。坂東への旅で若き日の平将門との邂逅を経て、伊予の地に赴任する。かの地で待っていたのは、藤原北家の私欲のために生活の手段を奪われ、海賊とされた海の民であった。「藤原一族のはぐれ者」は己の生きる場所を海と定め、律令の世に牙を剥く! 渾身の歴史巨篇。
  • 銭とり橋 高瀬川女船歌三
    -
    居酒屋「尾張屋」の主・宗因は、このところ頻繁に薄汚れた托鉢僧の姿を目にしていた。そんなとき、半年前にやむを得ず人を殺(あや)め、隠岐島に流罪となっていたお蕗がもどってきた。角倉会所に引き取られたお蕗だが、休みの日には姿をくらまし、安宿に泊まる托鉢僧と会っているのだ。托鉢僧は、山奥の村に橋を架けるための金が必要だというが……。
  • 禅とは何か それは達磨から始まった
    3.3
    栄西、道元、大応、大燈、関山、一休、正三、沢庵、桃水、白隠、盤珪、良寛などの禅僧の生涯と思想について語る。世俗を否定し、超越する本来の禅を「純禅」とする著者が、「純禅」に生きた先達の生き様を描く。達磨以来の中国禅の系譜に始まり日本で独自に発展した禅の歴史を一度に知ることができる名著を初文庫化。 第一章 それは達磨から始まった 第二章 臨済禅を築いた祖師たち 第三章 反時代者道元希玄の生き方 第四章 曹洞大教団の誕生 第五章 一休宗純の風狂破戒 第六章 三河武士鈴木正三の場合 第七章 沢庵宗彭体制内からの視線 第八章 雲渓桃水と白隠禅師の自由自在 第九章 日本禅の沈滞を破る明国からの波 第十章 大愚良寛「無住の住」の生涯 終章 民衆が純禅を支える
  • 早雲の軍配者(上)
    4.2
    世は戦国、領民たちから「韮山さま」と慕われている伊勢宗瑞こと、北条早雲。彼に見出された少年・風間小太郎は、伊勢家の未来を担う軍配者となるべく、足利学校に送り込まれた。そこでは兵法・占術・医術・観天望気――戦国大名のブレーンに必要な学問に励む傍ら、生涯のライバルたちにも巡り会う!新時代の戦国青春エンターテインメント。
  • 草原の風(上)
    4.3
    父の死により、叔父に引き取られ、使用人とともに田で働く劉秀。高祖・劉邦の子孫でありながら、鮮明な未来を描くことができぬ日々を過ごしていたが……。三国時代よりさかのぼること二百年。古代中国の精華・後漢王朝を打ち立てた光武帝・劉秀の若き日々を、中国歴史小説の巨匠が鮮やかに描きだす。
  • 草原の風(上中下合本)
    5.0
    高祖・劉邦の子孫でありながら、鮮明な未来を描くことの出来ぬまま、田を耕す日々を送っていた劉秀。しかし、王莽の圧政に耐えかねて、兄と共に挙兵する。天下に乱立する英傑と鮮やかな戦いを重ね、劉秀はとうとう天子として立つが……。合本で名作一気読み!
  • 相剋 警視庁失踪課・高城賢吾
    3.6
    捜査一課から失踪課に来た協力要請。情報提供して消えた目撃者捜しだという。筋違いと主張する高城を制し、阿比留は法月と明神に捜査を命じる。時を同じくして、少女が失踪。友人が訴え出るものの、中学生からの捜索願は受理できない。だが、少女の家族の態度に違和感を感じた高城は、醍醐と共に非公式に調べ始めるが……。
  • 葬式同窓会
    3.5
    1巻1,155円 (税込)
    七年ぶりに再会した、北海道立白麗高校三年六組の元クラスメートたち。 だがそれは同窓会ではなく、担任だった水野先生の葬儀だった。 思いがけず再会した彼らは喜び、高校時代を懐かしむ。 そして、水野が授業中におこした〝事件〟が切っ掛けで、不登校になったクラスメートがいたことを思い出し始める。 彼は、今どこに――。  〈解説〉岡田彩夢
  • 総司はひとり
    5.0
    文久二年、春のことだった。眼前に迫るひとりの武士……。沖田総司は初めて人を斬った。苦悩の運命に翻弄される、天才剣士の生涯を渾身の筆で描く。
  • 総司残英抄
    -
    その名も高い、新選組一番隊組長、沖田総司。足早に幕末の混乱期を駆け抜けた、剣豪と言うにはあまりに爽やかな素顔とその剣を鮮やかに描く連作集。
  • 漱石先生と私たち
    3.3
    1巻1,100円 (税込)
    その時分の私たちというのが、なんでも先生の真似をして見ようという、随分馬鹿気きっていた時分なのである。――師・夏目漱石をはじめ、寺田寅彦、鈴木三重吉、森田草平から芥川龍之介まで。漱石山房で、ともに文学談義を交わし、酒を呑み、気焔を上げた人々を、第一の弟子が回想する。文庫オリジナル 〈コミックエッセイ〉香日ゆら 目次より 夏目漱石  休息している漱石/漱石二十三回忌/漱石と恋愛/漱石二題/漱石と読書/漱石と画/漱石と烟草/偽物/注釈/「漱石発狂」の報告者/漱石文庫/漱石半身像/漱石のうちの猫/修善寺日記 寺田寅彦と松根東洋城  『漱石・寅彦・三重吉』序/「寅彦全集」/「破門」/『回想の寺田寅彦』序/漱石と寅彦/寅彦と死相/寅彦と俳諧/寅彦と羽子板/「御髭」/松根東洋城のこと 鈴木三重吉 三重吉の思い出/鈴木三重吉/三重吉のこと/青春記/写真 安倍能成 安倍のこと/眼鏡/アンシュリアム 森田草平と内田百閒 森田草平/『実説草平記』/誤植/誤伝の経路/チョッキのまぼろし/白髪 野上豊一郎 野上の死/野上のこと 芥川龍之介 芥川龍之介の死/一挿話
  • 漱石の白百合、三島の松 近代文学植物誌
    4.0
    漱石の『それから』に登場する白百合はテッポウユリかヤマユリか。植物オンチと言われた三島由紀夫の卓越した草木の描写を挙げてその汚名をそそぐ。鏡花、芥川、安部公房ら、広大な文学作品の森に息づく草花を植物学者が観察。新たな視点で近代文学を読み解く。 『漱石の白くない白百合』を改題 〈解説〉大岡玲 (目次より) Ⅰ 漱石の白くない白百合/描かれた山百合の謎/『金色夜叉』の山百合/白百合再考 Ⅱ 『虞美人草』の花々/朝顔と漱石/毒草を活けた水を飲む事/泉鏡花描く紅茸/「ごんごんごま」とは?/ごんごんごまの本名/クロユリ登場/芥川の心象に生えた植物 Ⅲ 三島由紀夫と松の木の逸話/再説三島と松の木の逸話/洋蘭今昔/志賀直哉と藤の巻き方/スイートピーは悲しみをのせて/『デンドロカカリヤ』異聞 Ⅳ 関東大震災でカビた街/小説とチフスの役割/小石川植物園を読む/三四郎池の植物散歩 あとがき/文庫版あとがき/〈解説〉大岡玲 作品名索引
  • 漱石の読書と鑑賞
    3.0
    僕の門下生からこんな面白いものをかく人が出るかと思うと先生は顔色なし。――新刊の感想から、門下生の作品添削、雑誌への売り込みまで。漱石の書簡に現れる同時代文学評を、佐藤春夫が編年でまとめ、解説を付し、「書簡中に見る諸家作品選集」を編集する。 〈巻末付録〉エッセイ=内田百閒/漱石宛て書簡=芥川龍之介・久米正雄
  • 漱石文学のモデルたち
    -
    1巻921円 (税込)
    『坊っちゃん』の教師たちやマドンナの正体を探り、『吾輩は猫である』の主要登場人物のみならず千駄木界隈の住人を推察、『三四郎』の美彌子とマドンナを比較しつつ漱石のヒロイン像を論じる――歴史研究家がその分析手法を活かして人物や景観から時代背景までを考証する、知的興奮にみちた漱石文学論。
  • 双調平家物語1 序の巻 飛鳥の巻
    3.5
    1~16巻921~1,152円 (税込)
    これは、「栄華」という幻想に憑かれた男達の物語である。話は、平清盛から始まらず、その栄華の原型を作った藤原氏、更には、本朝が範とした中国の叛臣伝から始まる。秦の趙高、漢の王莽、粱の朱い、唐の安禄山。彼等は真実、叛臣なのか。そして、万世一系の我が朝に、果たして真実、叛臣はあるのか。
  • 装丁物語
    4.3
    星新一から村上春樹まで――かくも愉しき装丁今昔 洗練と温かみを両立させたそのデザインの源泉は、 幅広い好奇心と書物への愛着。 依頼を受け、ゲラを読み、絵を描き、文字を配して、紙を選ぶ。 描き文字の工夫、レイアウトや配色の妙、 画材あれこれ、紙の質感にも心を配って、 一冊が出来上がるまでのプロセスを具体的に紹介。 数多の装丁を手がけた和田さんが、惜しみなく披露する本作りの話 〈電子版は和田さんの装丁をカラーで満載〉
  • 疎開日記 谷崎潤一郎終戦日記
    3.0
    第二次世界大戦下、激しい空爆をさけて疎開した文豪が、きれぎれに思いかえす平和な日の記憶。表題作と、戦後すぐに発表した随筆を収めた『月と狂言師』をもとに、文庫初収載になる戦時下の永井荷風、吉井勇との往復書簡などを増補した谷崎版「終戦日記」。 〈註解〉細川光洋〈解説〉千葉俊二
  • そこにある山 人が一線を越えるとき
    4.0
    「なぜ本書が、(中略)かような一大傑作論考として結実したのかといえば、それは結婚が全部悪いのである。」(あとがきより) 「どうして結婚したんですか?」 この、デリカシーに欠けた、無配慮で苛立たしい“愚問”がもたらしたのは、人はなぜ冒険するのかという「最大の実存上の謎」への偉大な洞察だった! 人生の下り坂に入ったと自覚する著者が、探検家としての思考の遍歴を網羅した傑作エッセイがついに文庫化。 〈解説〉仲野徹(生命科学者) 目次 序 章 結婚の理由を問うのはなぜ愚問なのか 第一章 テクノロジーと世界疎外――関わること その一 第二章 知るとは何か――関わること その二 第三章 本質的な存在であること(二〇一九年冬の報告)――関わること その三 第四章 漂泊という〈思いつき〉――事態について その一 第五章 人はなぜ山に登るのか――事態について その二 終 章 人生の固有度と自由
  • そこに無い家に呼ばれる
    3.9
    もし何かが「一つずつ減っている」または「増えている」と感じたら、この読書を中止してください。 作家・三津田と編集者の三間坂は、これまで家についての禍々しくも興味深い五つの話を知り、次いで〈烏合邸〉で記された四つの体験談にかかわってきた。 そして今回、三間坂の家の蔵から新たに発見されたのが、厳重に封印が施された三つの記録――それらはすべて「家そのものが幽霊」だという奇っ怪な内容で……。 最凶「幽霊屋敷」シリーズ最新作! 〈解説〉芦花公園
  • そこに薔薇があった
    4.0
    ある春の日、離婚して自由になった正幸の前に、二人の魅力的な女性が現れた。彼女たちの出現で、どこかはしゃいでいる彼に、叔母は「女性がその気になったら、あんたなんか、イチコロなんだから」と語る。それは何かの暗示だったのか。直後、正幸は謎の死を遂げてしまう。それは連綿と続く、残酷で甘美な殺人事件の始まりだった。
  • 側近日誌 侍従次長が見た終戦直後の天皇
    -
    敗戦という未曾有の事態にあって退位論や遷都論かまびすしい最中、昭和天皇がとった「独自の行動」とは? 天皇がマッカーサーと会見した直後の昭和二十年十月から翌年五月までの、日本人と皇室の将来をかけて模索を続けた昭和天皇の「肉声」を綴った侍従次長の貴重な記録。〈解説〉高橋 紘
  • その妻
    3.5
    私はいまから人を殺しに行く――。貞淑な妻はなぜ変貌したか? 鬼となった女の大胆不敵な罠。予期せぬラストから、あなたは目をそらせない!
  • 空旅・船旅・汽車の旅
    4.0
    愛車のルノーを駆って都内を走行中、雨やどりをする女子高校生に「乗りませんか?」と声を掛けてしまう著者。デコボコの国道、国鉄の花形・蒸汽機関車、振り袖のスチュワーデス……。1950年代の交通文化が甦る、乗り物の楽しさ満載の爽快なエッセイ。文庫化にあたって、悪路の東北を自動車で一周した「一級国道を往く」の後日談、「二十二年目の東北道」も収録。
  • 空とぶ絨緞
    -
    \伝説的アートディレクターで絵本作家/ 堀内さんと世界をぐるり、美食・秘宝・島巡り! チュニジアの魚介スープ、台湾の屋台飯、ウクライナの肉団子をたいらげ、 国宝の美術品から露店の玩具までこよなく愛した堀内さん。 世界の美食・秘宝・島々をぐるりとび回る! 「パンパンになったお腹をなでなで、食後酒のグラッパをやってると、 いつしか自分がまるで常連客だったようにくつろいでいる。」 カラーイラスト約200点と単行本未収録エッセイを満載に、初文庫化。 アテネの町のあちこちでトウモロコシを焼いて売ってる。 醤油があったら、と一瞬思ったが、 それはアサハカな習慣なのがスグ分って 〝こりゃウマいや!〟と叫んだ。 オジサンのふってくれた塩だけ、というのがいいのだ。 (本文より)
  • 空にみずうみ
    3.0
    1巻1,056円 (税込)
    著者を彷彿させる作家の早瀬と妻の染色作家・柚子、東北地方に暮らす夫婦の、「震災三年後」の一年間を描く。豊かな自然、さまざまな生き物の気配、近所の人々との交流、梅干しを漬けたり草むしりをしたり……という何気ない日々の生活。大きな事件は起こらない。しかし、その「何気ないこと」が続いていく日常の大切さが伝わってくる作品。
  • 空の王
    3.0
    1巻1,375円 (税込)
    昭和11年夏。新聞社の飛行士・鷲尾順之介、満州国奉天の町で、謎めいた美女・宋麗林の命を助けた。 一方、関東軍参謀本部の梶清剛大尉たちは極秘計画を進めていた。 そして、運命の糸が絡み始める――。 行方不明機を発見した順之介は、突如現れた梶に銃を突きつけられ、内蒙古から「荷物」を空輸しろと命令される。 そこには麗林の姿が……。 航空冒険小説の傑作!
  • 空耳アワワ
    3.8
    喜喜怒楽楽、ときどき哀。オンナの現実胸に秘め、懲りないアガワが今日も行く! 読めば吹き出す痛快無比の「ごめんあそばせ」エッセイ。
  • それを愛とまちがえるから
    3.7
    ある朝、伽耶は匡にこう告げる。 「あなた、恋人がいるでしょう」――。 結婚十五年、セックスレス。 妻と夫の思惑は どうしようもなくすれ違って……。 愛しているなら、できるはず?  女がいて、男がいて、 心ならずも織りなしていく、 やるせない大人のコメディ。
  • 孫子・呉子
    3.0
    春秋戦国時代に成立した軍事思想書で、徹底した合理主義を説く「孫子」。戦国時代初期、一大変革期に楚の宰相を務めた呉起の言を集め、戦争における「仁」の重要性を説く「呉子」。ともに兵法書として名高い二書を合本。混迷深まる現代における必携の書。〈解説〉湯浅邦弘
  • 象牙の箸
    -
    美食の精華は中国料理。そのみごとな板前ぶりを発揮しながら、故国中国の風味、人情等を楽しく語る料理随筆。ニンニク、あわび、魚と塩、モヤシ、パパヤ、嫉妬――啖い且つ読む30編。
  • 増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち
    -
    ラッセル・カークから始まる、現代アメリカを形作ってきた思想家たちを訪ねる“旅” 。彼らの思索の中核には何があるのか。保守、リベラルといった概念の真の意味とは――。著者の精緻な読み解きが、アメリカ文化の複雑さと奥深さ、そしてパラドクスをも浮かび上がらせる。文庫化にあたり〈「トランプ現象」とラディカル・ポリティクス〉を収録。 目次 プロローグ メコスタ村へ 第一章 戦後保守思想の源流――ラッセル・カーク 第二章 ネオコンの始祖――ノーマン・ポドレッツ 第三章 キリスト教原理主義――J・グレシャム・メイチェン 第四章 南部農本主義――リチャード・ウィーバー 第五章 ネオコンが利用した思想――レオ・シュトラウス 第六章 ジャーナリズムの思想と機能――H・L・メンケン 第七章 リベラリズム――ジョン・ロールズ 第八章 リバタリアン――ロバート・ノジック 第九章 共同体主義――ロバート・ニスベット 第十章 保守論壇の創設者――ウィリアム・バックリー 第十一章 「近代」への飽くなき執念――フランシス・フクヤマ 第十二章 「歴史の終わり」から「歴史の始まり」へ――フランシス・フクヤマ(続)第十三章 「トランプ現象」とラディカル・ポリティクス エピローグ 戦後アメリカ思想史を貫いた漱石の『こころ』
  • 桜島・狂い凧 兵隊小説集Ⅰ
    3.0
    1~2巻1,760円 (税込)
    自身の戦争体験を通して人間心理を追求し、鋭敏な感性で作品に昇華した梅崎春生。戦後派を代表する著者の戦争を描いた主要作品を収める小説集(全二巻)。第Ⅰ巻は、敗戦直後に書き上げた出世作「桜島」、芸術選奨文部大臣賞受賞作「狂い凧」を含む十七篇と、関連エッセイを収める。〈解説〉真鍋元之/日和聡子 目次 桜  島 水兵帽の話 万  吉 蟹 年  齢 眼鏡の話 埋  葬 崖 ある失踪 演習旅行 山伏兵長 生  活 無名颱風 上里班長 歯 赤い駱駝 狂い凧 巻末エッセイ 『桜島』あとがき 『桜島』のこと 八年振りに訪ねる――桜島 『桜島』――「気宇壮大」なあとがき 解説Ⅰ真鍋元之 解説Ⅱ日和聡子
  • 怠惰の美徳
    4.0
    大学にはほとんど出席せず、志望した新聞社は全滅。やむなく勤めた役所で毎日ぼんやり過ごして給料を得る。一日十二時間は眠りたい。できればずっと蒲団に居たい……。戦後派を代表する作家が、怠け者のまま如何に生きてきたかを綴った随筆と短篇小説を収録。真面目で変で面白い、ユーモア溢れる文庫オリジナル作品集。〈編・解説〉荻原魚雷
  • 対談集 六人の橋本治
    -
    1巻1,100円 (税込)
    橋本治の多彩な仕事について、各界の第一人者と語り合う。六つの対話から、稀有な作家の全貌が浮かび上がる対談集。 「短篇小説」高橋源一郎/『ひらがな日本美術史』浅田彰/『小林秀雄の恵み』茂木健一郎/『窯変源氏物語』三田村雅子/『双調平家物語』田中貴子/「広告批評」天野祐吉/『リア家の人々』宮沢章夫(文庫版特典)
  • 対談 にっぽん女性史
    -
    情熱的な自己を政治に示した古代の女帝たち、文学史上に燦然と輝く清少納言や紫式部ら王朝の女流作家、源平のトップレディ建礼門院と北条政子、戦国乱世を強烈に生きたお市や淀君。金山開発の犠牲とされた佐渡相川の遊女たち……様々な時代や立場におかれた女性の意識や生き方を11人の識者と語る。
  • 対談 日本語を考える
    4.0
    日本語研究の第一人者大野晋氏が、司馬遼太郎、辻邦生、大岡信、丸谷才一、梅棹忠夫、荒正人、大森荘蔵、加藤周の8氏と、日本語のあり方を縦横に語り合う。
  • 太平洋戦争のif[イフ] 絶対不敗は可能だったか?
    3.8
    真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル、レイテ、本土決戦――太平洋戦争の重要な各局面における「イフ」を論じることで歴史の真実に迫る。厳密な史料分析をもとに第一線の研究者たちが挑んだ、意欲的な太平洋戦争史。
  • 太陽黒点
    -
    ある日、浅見隆司の平凡な人生は唐突に終わりを告げた。妻の不倫が発覚し、しかも相手は、高校時代に彼を目の敵のように虐待し続けた、八幡朱印社員の江木啓介だったのだ。そして、この八幡朱印こそ、かつて詐欺同然に父の財産を略奪し、そして死に追いやった怨敵なのだ! 忘れ去っていた怨念を目覚めさせ、巨悪に復讐すべく、全てを捨てさった浅見だったが、その背後には……。
  • 太陽の男 石原慎太郎伝
    3.0
    『太陽の季節』で日本中を熱狂させた「無意識過剰」「価値紊乱者」の石原慎太郎は、社会に何を警告したのか。 三島由紀夫を動揺させ、多大な影響を与えた慎太郎。 交錯、衝突し、天皇制と国家観をめぐって離反した二人の天才を考察し、慎太郎がその作品群に込めた真意に迫った。 著者と石原慎太郎、鹿島茂との対談も収録。 〈解説〉井上隆史 プロローグ――「君が代」と「我が日の本」        第1章 敗戦の子             第2章 ヨットと貧困           第3章 公認会計士の挫折と裕次郎の放蕩            第4章 運をつかむ                      第5章 スター誕生                      第6章 ライバル三島由紀夫         第7章 拳闘とボディビル   第8章 『亀裂』と『鏡子の家』                第9章 「あれをした青年」                  第10章 挑戦と突破                 第11章 石原「亡国」と三島「憂国」    第12章 嫌悪と海                     第13章 天皇と核弾頭        エピローグ――価値紊乱は永遠なり
  • 台湾鉄路千公里 完全版
    4.5
    一九八〇年、『時刻表2万キロ』の著者は全線乗りつぶしのため台湾へと向かった。戒厳令下で日本人観光客は団体ツアーばかりの当時、阿里山鉄道を筆頭とする狭々軌鉄道や、開通したばかりの超特急、砂糖会社線などを八日間で乗り尽くす。その後の八三年、九四年の全島一周達成の紀行を増補した著者台湾紀行の完全版。〈解説〉関川夏央 (目次より) 台湾鉄路千公里 1 一九八〇年六月二日(月)  桃園国際機場/台北車站/自強号、往高雄/空襲警報時旅客須知 2 六月三日(火)  莒光号餐車/対号特快車/阿里山森林鉄路/呉鳳旅社 3 六月四日(水)  台糖公司虎尾総廠路線/集集線/海線、山線、循迴追分線/台中柳川西路 4 六月五日(木)  東勢線・内湾線/淡水線・新北投/台北夜場 5 六月六日(金)  濂洞・侯硐・菁桐/嶮路北迴線/花蓮新站 6 六月七日(土)  花蓮港/太魯閣峡/狭々軌特急、光華号/台東市 7 六月八日(日)  公路局公共汽車、金龍号/屏東線、東港線  終 章  あとがき 台湾鉄路千百公里 台湾一周二人三脚 台湾一周、全線開通 解説(関川夏央)
  • 「たえず書く人」辻邦生と暮らして
    3.8
    些細な日常の出来事や着想から「霊感」を得、大きな一つの作品世界を構築していく作家・辻邦生の仕事ぶりを、半世紀を共にした夫人が彫琢の文章で綴る作品論的エッセイ集。
  • 高く翔べ 快商・紀伊國屋文左衛門
    -
    第11回日本歴史時代作家協会賞作品賞受賞作 大根おろしの中に小判がざくざく!? 祭りのために命がけで蜜柑を運ぶ!? 江戸っ子たちの英雄だったこの男は、なぜ一代で店を閉じたのか? 謎に満ちた紀伊國屋文左衛門の生涯に迫る、痛快なる歴史×経済小説 時は元禄。文吉は、幼い頃に巨大な廻船に憧れたことをきっかけに、故郷の紀州で商人を志す。だが許嫁の死をきっかけに、彼は「ひとつの悔いも残さず生きる」ため、身を立てんと江戸を目指す――。蜜柑の商いで故郷を飢饉から救い、莫大な富を得ながらも、一代で店を閉じた謎多き人物、紀伊國屋文左衛門。天才商人の生き様に迫る痛快作。
  • 高瀬川女船歌
    3.0
    十七歳のお鶴は、京都・高瀬川沿いの旅籠「柏屋」の養女になって八年。尾張藩の京詰め武士だった父親は公金横領の濡れ衣を着せられて逐電し、高瀬船の女船頭だった母親は桂川で不審な死を遂げていた。一方、高瀬川に架かる四条小橋の庚申堂に、息を潜めて暮らす一人の男が――。荷船や客船で賑わう高瀬川に集う人々の哀歓を描くシリーズ第一作。
  • 高橋是清自伝(上)
    4.0
    生まれて四日にして仙台藩士の家に里子に出され、十四歳にして海外を放浪。帰国後、大蔵省に出仕するも失職と復職を繰り返し、やがて宮仕えに飽きたらず、銅山経営のため南米ペルーに渡るが……。日本財政の守護神と称えられた明治人の、破天荒な生き様と足跡が語られる。
  • 高橋是清自伝(上下合本)
    -
    生まれて四日にして仙台藩士の家に里子に出され、十四歳にして海外を放浪。帰国後、大蔵省に出仕するも失職と復職を繰り返し、やがて宮仕えに飽きたらず、銅山経営のため南米ペルーに渡る。失意の銅山経営から帰国した是清は、実業界に転身。銀行業界に入り、正金銀行頭取を経て、日銀副総裁へと出世する。折しも日露戦争が勃発、是清は祖国の命運を担い、外債募集のため、アメリカ、そしてイギリスへと赴くが……。破天荒な青春を経て財政の神様となった明治人の自叙伝。〈解説〉井上寿一
  • 滝田樗陰 『中央公論』名編集者の生涯
    -
    明治末から大正にかけて『中央公論』主幹を務めた滝田樗陰。低迷する雑誌に文芸欄を設け文壇の登竜門にまで押し上げ、吉野作造を起用して大正デモクラシーの時代を招来した、名編集者とその時代を描く。巻末に吉野ほか谷崎潤一郎、芥川龍之介、菊池寛、山本実彦による追憶記を収録。
  • ニセ札つかいの手記 - 武田泰淳異色短篇集
    4.0
    一日おきに三枚ずつ渡されるニセ札をつかうことで「源さん」との関係を保とうとする私。しかし、その「ニセ札」が「ニセ」でなかったとしたら……。ニセ物と本物の転換を鮮やかに描く表題作ほか、視覚というテーマをめぐる不気味な幻想譚「めがね」など、戦後文学の旗手、再発見につながる七作を収める。

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  • 淫女と豪傑 - 武田泰淳中国小説集
    4.0
    「私がたまたま作家にならざるを得なかったのは、中国でのぬきがたき因縁による」。累々たる死屍の上に君臨する女帝、廬州の秋に散った日本人看護婦、戦時に横行するきなくさい軍人たち……。古代から現代までさまざまな時代の淫女豪傑の物語を、広大な風景を背景に描いた中国小説九篇を収める。

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  • 武田百合子対談集
    5.0
    武田泰淳没後まもなく行われた深沢七郎との長い対談。互いの若いころの思い出を語りあう吉行淳之介との対談、独り暮らしの日常を語る金井久美子・美恵子との対談、岸田今日子による『富士日記』についてのインタビューなど、生前行われた武田百合子のすべての対談を収める。金井姉妹の語りおろし対談「百合子さんのこと」を増補する。
  • 竹人形殺人事件 新装版
    -
    浅見陽一郎刑事局長は、越前大観音堂の用地取得に絡む不正に目をつぶるよう、関係者から圧力を掛けられる。その場には、かつて父から贈られた竹人形を披露する女もいて、窮地に追い込まれる陽一郎。兄の依頼で真相を探るべく北陸へ向かった光彦は、竹細工師殺害事件に遭遇し、容疑者として巻き込まれてしまう。名探偵は、父の汚名を晴らせるか!
  • 竹ノ御所鞠子
    3.0
    修善寺で討たれた鎌倉幕府二代将軍・源頼家の子として生まれた姫・鞠子。人里離れた竹ノ御所で母とともに慎ましくも安らかに暮らし、人がみとれるほどに匂やかで、涼やかな声の持ち主へと成長していく。 異母兄弟は政争に巻き込まれ、儚い命を散らすなか、鞠子は女であるがゆえに難を逃れたと思われた。しかし、尼御台政子から書状が届き、北条氏らが繰り広げる非情な権力抗争の波に弄ばされる。 悲運の姫の数奇な運命を描く歴史長篇。 〈解説〉末國善己
  • 他諺の空似 ことわざ人類学
    3.8
    「目糞鼻糞を笑う」も人類共通? 「寄らば大樹の陰」「蛇の道は蛇」「朱に交われば赤くなる」「頭隠して尻隠さず」……。世界中のことわざには、類似の文句が同じ意味に使われている例が多い。世界各国でのことわざの用法を比較しながら、持ち前の毒舌で現代社会・政治情勢を斬る。知的風刺の効いた、名エッセイスト面目躍如の29篇。
  • 他殺の効用
    3.5
    生命保険加入丸一年まで、わずか二日を残し会社社長が自殺した。当然保険金は支払われない。自殺のはずがないと、調査を依頼しに来た会社重役の話に、疑念を抱いた浅見光彦は、事件解明に乗り出すが、そこには驚きの真相が……!? 浅見光彦シリーズ二話を含む、全五話を収録した傑作短編集!
  • たそがれダンサーズ
    4.0
    1巻902円 (税込)
    今日もスタジオに集うのは、不思議なほど無気力な講師と、下手だが熱いおじさんたち。 出世競争、妻との微妙な関係、町工場の後継者問題など、苦い思いや痛手を負った中高年世代。 そんな彼らが打ち込むのは、男だけで踊る社交ダンス!  職場じゃなくても輝ける。いつもの景色が違って見える。 そのステップが胸を打ち、躍動、爽快、ときどき涙。 おじさんたちの〈もいちど青春〉物語!
  • たそがれてゆく子さん
    4.3
    男が一人、老いて死んでいくのを看取るのは、本当によかった。 夢に見た専業詩人の生活、ぽっかりとした自由。 もんもんと考え、るると書く。 カリフォルニアのキャニヨンを犬どもを従えひたすら歩く。 料理や洗濯は、しないことにすぐ慣れた。 山賊のように台所で立って食べた。卵ばっかり食べていた。 ひとりの肩にのしかかるローンに光熱費、熊本地震、石牟礼道子さんのこと、末っ子の結婚、 そして……日本に帰ろう。 「みんなホルモンのせいでしたと、今は言い切りたい」―― 女のための戦記『閉経記』から五年。 書くことで生き抜いてきた詩人の眼前に、今、広がる光景は。

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