怠惰の美徳

怠惰の美徳

990円 (税込)

4pt

大学にはほとんど出席せず、志望した新聞社は全滅。やむなく勤めた役所で毎日ぼんやり過ごして給料を得る。一日十二時間は眠りたい。できればずっと蒲団に居たい……。戦後派を代表する作家が、怠け者のまま如何に生きてきたかを綴った随筆と短篇小説を収録。真面目で変で面白い、ユーモア溢れる文庫オリジナル作品集。〈編・解説〉荻原魚雷

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怠惰の美徳 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    面白かったです!
    怠け者の著者が昭和日本をユーモア溢れる文体で切り取った随筆と、頽廃的な雰囲気を纏う短編が収録されている。
    句読点の多い文体がある種のリズムを作って本の世界観に呑み込まれていく体験をした。
    前半の随筆は面白い語り口のなかでも考えさせられるような内容。
    後半の短編はどこか寂しげな読後感

    0
    2025年11月28日

    Posted by ブクログ

    戦後間も無い日本をユーモア溢れる観点から書き綴った梅崎春生のエッセイ集。現代の若者が憧れるような、文学と自堕落に耽る「怠惰」な生活が描かれながら、戦後日本の雰囲気を一市民として語る視点は興味深く、楽しめる。怠惰であることに社会は厳しいが、もっと生きることのハードルを下げて楽しめる社会が来るといいので

    0
    2024年06月15日

    Posted by ブクログ

    戦前戦中戦後の中を生き抜いた作者だけれど、怠惰ぶりがおもしろい。生きなければと思いつつも布団から出たくない。まるで自分のよう
    百円紙幣のはなし笑えた。読みやすかった!

    0
    2024年06月09日

    Posted by ブクログ

    がんばらない。楽していい。たっぷり休め。戦争するな。日本すごいって勘違いするな。年寄りの言うことは聞かなくていい。

    今の時代こそ、梅崎文学が必要。

    0
    2022年07月10日

    Posted by ブクログ

    【滝なんかエッサエッサと働いているようだが、眺めている分には一向変化がなく、つまり岩と岩の間から水をぶら下げているだけの話である。忙しそうに見えて、実にぼんやりと怠けているところに、言うに言われぬおもむきがある。私は滝になりたい】(文中より引用)

    何もしないことの素晴らしさを説いた表題作品を含む短

    0
    2021年01月26日

    Posted by ブクログ

    とにかく、このひとのことすごく好きだ。
    怠けていながらも、人間の底にあるものをいつも見ているし、人間を愛しているし、とてもやさしいひとだったんだろうと思う。

    0
    2025年07月06日

    Posted by ブクログ

    他の方も多いようですが、私もNHKの理想の本棚から

    1部はショートショート、2部は短編集
    情報がほぼなしだったので、戦前戦後の作品だと知らずに読み始めましたが、思わずクスクス笑ってしまうセンスのよさ。
    とくに「蝙蝠の姿勢」はまさに怠惰の美徳を感じましたし、「法師蝉に学ぶ」は思わす声を出して笑ってし

    0
    2024年06月07日

    Posted by ブクログ

     昭和17年の「防波堤」以外は1947(昭和22)年から1964(昭和39)年にかけて書かれた梅崎春生の、随筆/エッセイおよび、それが小説的形態を取った作品を収めたアンソロジー。
     読んでいるとユーモアがあってなかなか笑える文章が多い。このような文章の雰囲気は、昔大好きでよく読んでいた北杜夫さんのエ

    0
    2022年02月12日

    Posted by ブクログ

    心に効いてくる。
    本質に怠惰な無気力な視線からついてくる。
    今まで本を読んでいて初めての感覚で、
    語彙が足りなくて今の感情をうまく表現できないのが悔しい。

    やっぱり冒頭の詩で、ものすごく惹きつけられるなあ。

    怠惰な視点で、日常の細かい出来事を鋭く突きながら語る、洞察力の鋭さ。
    それをちゃんとユー

    0
    2022年02月05日

    Posted by ブクログ

    タイトルに惹かれた人は一度読んでみる価値あり。
    『私は自主的に怠けているのである。』と言い切る作者が好きだ
    怠惰な日々の中にも文学はある。

    0
    2024年11月17日

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