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大学にはほとんど出席せず、志望した新聞社は全滅。やむなく勤めた役所で毎日ぼんやり過ごして給料を得る。一日十二時間は眠りたい。できればずっと蒲団に居たい……。戦後派を代表する作家が、怠け者のまま如何に生きてきたかを綴った随筆と短篇小説を収録。真面目で変で面白い、ユーモア溢れる文庫オリジナル作品集。〈編・解説〉荻原魚雷
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Posted by ブクログ
おそらく梅崎春生は、根本的に体力が乏しかったのだろう。蝋燭に例えるなら、芯が細く、強い風や無理が効かない身体。私自身、健康な人と比べれば虚弱な方なので、彼のこの「グダグダな感じの文体」が妙に身体に馴染むというか…刺さる。 梅崎の生活態度は、古代ギリシャのエピクロスが説いた「隠れて、生きよ」、「アタ...続きを読むラクシア(心の平穏)」とも重なるように思える。外界の過剰な刺激を遮断し、自分にとっての最小限の快楽を守る姿だ。 彼の「怠惰」は、単なる「サボる」という意味ではなく、虚弱な個体が、生きづらさから自分を守るための、切実な防衛本能だったのだと感じる。 体力のない人が、無理に世間に合わせようとして疲弊した時の「心の処方箋」としてお勧めしたい一冊。 「生れつき私はじっとしているのが大好きで、せかせか動き回ることはあまり好きではない。体質的に外界からの刺戟を好まないのだ」 (『怠惰の美徳』) 「私は毎日、夜は十時間余り眠り、昼寝を二時間ほどします。覚めている時間は十二時間足らずです。起きているときは、食事をしたり、本を読んだり、街をあるいたり、その余暇でもって僅かな量の仕事をします。小説を書くことは、私には苦痛です。楽しく書いたことは一度もない」 (『蝙蝠の姿勢』)
面白かったです! 怠け者の著者が昭和日本をユーモア溢れる文体で切り取った随筆と、頽廃的な雰囲気を纏う短編が収録されている。 句読点の多い文体がある種のリズムを作って本の世界観に呑み込まれていく体験をした。 前半の随筆は面白い語り口のなかでも考えさせられるような内容。 後半の短編はどこか寂しげな読後感...続きを読むに心地よさがある。
戦後間も無い日本をユーモア溢れる観点から書き綴った梅崎春生のエッセイ集。現代の若者が憧れるような、文学と自堕落に耽る「怠惰」な生活が描かれながら、戦後日本の雰囲気を一市民として語る視点は興味深く、楽しめる。怠惰であることに社会は厳しいが、もっと生きることのハードルを下げて楽しめる社会が来るといいので...続きを読むはないかという視点も感じるが、苦しんだ先にある悦びに価値を感じる方が、人間として健全であるとも思う。
戦前戦中戦後の中を生き抜いた作者だけれど、怠惰ぶりがおもしろい。生きなければと思いつつも布団から出たくない。まるで自分のよう 百円紙幣のはなし笑えた。読みやすかった!
がんばらない。楽していい。たっぷり休め。戦争するな。日本すごいって勘違いするな。年寄りの言うことは聞かなくていい。 今の時代こそ、梅崎文学が必要。
【滝なんかエッサエッサと働いているようだが、眺めている分には一向変化がなく、つまり岩と岩の間から水をぶら下げているだけの話である。忙しそうに見えて、実にぼんやりと怠けているところに、言うに言われぬおもむきがある。私は滝になりたい】(文中より引用) 何もしないことの素晴らしさを説いた表題作品を含む短...続きを読む編小説集。何もしない、何もしたくない人間の目に映る社会の厳しさやおかしさを見事に捉えた一冊です。著者は、海軍体験を踏まえた『桜島』で注目を集めた梅崎春生。 なにかと心がささくれ立つニュースや出来事が多い毎日に効いてくる処方箋のような作品。肩の力をふっと抜くことのできるエッセイ調の小説の数々が、現代の心性にもピタリと当てはまっているように感じました。 推薦作として読みましたが確かに良かった☆5つ
【目次】 I 三十二歲 己を語る * 怠惰の美徳 蝙蝠の姿勢 憂鬱な青春 終戦のころ 編集者の頃 茸の独白 エゴイズムに就て 世代の傷痕 近頃の若い者 文学青年について 私の小説作法 人間回復 衰頽からの脱出 聴診器 閑人妄想 二塁の曲り角で 昔の町 暴力ぎらい 烏鷺近況 只今横臥中 あまり...続きを読む勉強するな オリンピックより魚の誘致 居は気を移す 法師蟬に学ぶ チョウチンアンコウについて アリ地獄 II 寝ぐせ 猫と蟻と犬 寒い日のこと 一時期 飯塚酒場 百円紙幣 防波堤 解説 荻原魚雷 【感想】 小説家だけど「小説を書くことは、私には苦痛です」と正直に書いてるのが憎めない。ときどき鬱になって布団から起き上がれないのは深刻ではあるはずなんだけど、その描写が妙に軽やかでちょっと笑ってしまった。 でも書名どおりのだらしない話ばかりかと思いきや、戦中と戦後を生きた人だけあって人間観察や時代・社会への批判はけっこう冷徹で、日本社会の最大の不幸は未熟でありながら一種の偏った完成を示していること、という主張なんかはそのまま今の日本にも当てはまりそう。 小説作法、チョウチンアンコウ、猫のカロの話もおもしろかった。
とにかく、このひとのことすごく好きだ。 怠けていながらも、人間の底にあるものをいつも見ているし、人間を愛しているし、とてもやさしいひとだったんだろうと思う。
他の方も多いようですが、私もNHKの理想の本棚から 1部はショートショート、2部は短編集 情報がほぼなしだったので、戦前戦後の作品だと知らずに読み始めましたが、思わずクスクス笑ってしまうセンスのよさ。 とくに「蝙蝠の姿勢」はまさに怠惰の美徳を感じましたし、「法師蝉に学ぶ」は思わす声を出して笑ってし...続きを読むまいました。 だらしなく、でも潔く、面白い1冊でした
昭和17年の「防波堤」以外は1947(昭和22)年から1964(昭和39)年にかけて書かれた梅崎春生の、随筆/エッセイおよび、それが小説的形態を取った作品を収めたアンソロジー。 読んでいるとユーモアがあってなかなか笑える文章が多い。このような文章の雰囲気は、昔大好きでよく読んでいた北杜夫さんのエ...続きを読むッセイにも通じるものがあり、やはり戦前戦時の日本文学の随筆とは違っていて、太平洋戦争から東京大空襲・敗戦を境として明らかに世代・文化の断裂が生じていたのだと改めて感じた。 ことに「猫と蟻と犬」にはとても笑った。 さて著者は一時期以来身体が弱く、また神経症なのか、やる気の出ず朝から晩まで横臥しつつ、悔いの気分に支配されるようなことがあって、自身は「軽鬱病ならぬ軽々鬱病ではないか」などと称している。 「怠惰」を大切な人間性の一つとして考える梅崎は、1958(昭和33)年の時点で、受験競争に関連し、 「この競争というやつは、とかく人間を非人間的に育てるものである。」(「あまり勉強するな」P.147)、 「官僚というものの非人間的なつめたさ、中にひそむいやな立身主義などの一因は、その構成分子の役人たちが、学生時代に凄惨な協奏をしてきたからではないのか。」 「青年よ、あまり勉強をするな! 勉強が過ぎると、人間でなくなる。」(P.148) 等と書いている。この怠惰の思想はなかなか魅力的だ。度を超えて競争原理がすべてに行き渡り今では世は殺伐とし非人間的な事件が大量に起きまくっていることは確かだ。怠惰や非能率を悪として忌んできた社会倫理のもとで、人は他者に対しあまりにも非寛容で、すさんだ精神を呈している。梅崎春生も、まさか世の中がここまで酷くなるとは予想できなかったろう。
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怠惰の美徳
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梅崎春生
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