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Posted by ブクログ
蔵書家というだけでは足りない、書物が人生そのものだった著者だからこその蔵書論である。冒頭、全蔵書に別れを告げる朝のエピソードから始まり、「この階段を降りるのも今日が最後」と思いながら神保町の地下鉄駅の階段を降りていくところで幕を閉じる‥ここで語られる蔵書とは物体としての書物の集積でありながら、一人の蔵書家の総体として命を持った有機体であり、だからこそ主の命が尽きた時、蔵書の生命を維持することがとても難しいのだ。
荒俣宏との対談でも憧れをもって語られる海外の事情にしてみても、結局はここではないどこかに蔵書家の夢を託したないものねだりにも思える。コンピュータに脳を丸ごと移植して永遠の命を得ようというSFじみた話があるが、著者もまた蔵書という外部に永遠を託したかったのではないか。
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