講談社文庫作品一覧

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  • 峠うどん物語 上
    4.0
    1~2巻660円 (税込)
    中学二年生の淑子は、市営斎場の真ん前に建つ祖父母の店の手伝いをつづけていた。ある日、父親の中学時代の同級生が急死、クラスで一番うるさい男子も暴走族の親戚が事故で亡くなり、通夜が行われることになった。やりきれない気持ちで暖簾をくぐる人たちがそっと伝えてくれる、あたたかくて大切なこと。
  • 十津川警部 箱根バイパスの罠
    4.0
    新宿のホテルで黒沢美佐男という男が毒殺された。捜査が難航する中、十津川警部は、事件の二ヵ月前、新聞に「あなたは、黒沢美佐男を知っていますか?」という奇妙な広告が載っていたのを見つける。広告の意図は何? 被害者は何者? 広告主が犯人なのか? 深まる謎を解決するため、十津川は掟破りの罠を張る!
  • ドッグ・ラン!
    4.0
    夢から覚めた探偵・鯉沼と鷹羽の首に時限爆弾が仕掛けられていた。依頼を果たせなければ48時間で首輪が爆発するという。横浜ベイサイドを舞台に、貧乏探偵コンビと愛犬マーロウが、ヤクザ、警察、チャイニーズ・マフィアのアンダーグラウンドの抗争に巻き込まれる、ジェットコースター・アクション・ミステリー。第二回エキナカ書店大賞を受賞した『ミッドナイト・ラン!』に続く、待望の横浜事件シリーズ第2弾!
  • プシュケの涙
    4.0
    夏休み、補習中の教室の窓の外を女子生徒が落下していった。自殺として少女の死がひそかに葬られようとしていたとき、目撃者の男子に真相を問い詰めたのは少女と同じ美術部の由良だった。絵を描きかけのまま死ぬはずがない。平凡な高校生たちの日常が非日常に変わる瞬間を鮮烈に描いた、青春ミステリーの傑作。
  • 百鬼夜行殺人事件
    4.0
    平穏な団地で会社員失踪事件が発生。その男の妻には、悪意に満ちた「不貞の噂」が囁かれていた。疑惑の目に耐えかねた妻は飛び降り自殺を図るが、警視庁きっての怪物・大貫警部は説得するどころか、まさかの第一声を放った! 表題作の「百鬼夜行殺人事件」をはじめとする、抱腹絶倒ものの傑作5篇を収録。
  • アトポス
    値引きあり
    4.0
    虚栄の都・ハリウッドに血でただれた顔の「怪物」が出没する。ホラー作家が首を切断され、嬰児が次々と誘拐される事件の真相は何か。女優・松崎レオナの主演映画『サロメ』の撮影が行われる死海の「塩の宮殿」でも惨劇は繰り返された。甦る吸血鬼の恐怖に御手洗潔が立ち向かう。渾身のミステリー巨編が新たな地平を開く。
  • 頭蓋骨の中の楽園(上)
    4.0
    首無し死体として発見された美人女子大生、菅野香織。彼女の死と殺害方法は、ミステリ小説の中で何故か予告されていた。首は見つからぬまま、再び発見される首無し死体。異常な連続殺人の背後には、密室の中で自ら首を切断して自殺した作家の存在があるという。被害者の同級生、安藤直樹(あんどうなおき)が事件の真相を追う。
  • ロカ
    4.0
    長らく文庫化されなかった、中島らも、最後の小説。天才が予見した自らの未来は。作家・小歩危ルカ、六十八歳。巨額の印税を得て以来、新宿のホテルで一人暮らし。相棒はWネックのギター「ロカ」。あとは酒と大麻と鮟鱇鍋。「IQが185もあると予知能力が備わる。だから私の予知したことは、ほぼ、九十六パーセント当たるんだ」。著者が急逝直前まで書いていた、問題の近未来の私小説。
  • 抱影
    4.0
    生と死のはざまでほとばしる情念。これが北方謙三だ。 定期的に食事はするが、踏み込まない。響子とは二十二年、そうしてきた。死期が近いと告げられるまでは。硲(はざま)冬樹は画家。売れない絵描きではない。横浜に数軒の酒場を持つ。硲の絵を望んだ響子。消えゆく裸身をキャンバスにして、硲は鑿(のみ)を手にした硲は消えない絵を刻みつけようとする。男と女、北方ハードボイルドの到達点!
  • 夜の終り
    4.0
    男は長いことつき合っている女と二人だけで横浜に手作りのオルゴールを売る店を営んでいた。男には危ない仕事をしてきた暗い過去があった。ある日、その仕事仲間の遺児が、男に企業の極秘書類を預けにきた。その日から、眠っていた男の血が騒ぎ出した。男は最後の仕事に命をかける! ハードボイルド長編。
  • 神様の贈り物
    4.0
    無表情で無反応。全てに無関心な殺し屋チャンスは、バスジャック事件に遭遇し一躍ヒーローになった。だが、恩人に頭を撃ち抜かれ、死の淵から奇跡的に甦った彼の目に映る世界は、劇的に変化していた。「水は美味しく花は美しい」。脳の障害を取り除かれ「心」を手に入れたチャンスは自分の過去と対峙していく。
  • どまんなか(1)(文庫版)
    4.0
    1~3巻671~770円 (税込)
    走りこみも投げこみも禁止。猛特訓よりミーティング重視。そんな超脱力系の大代台高校野球部に入った、快速球投手のレブンこと青居礼文。初めは戸惑うことだらけだったけど、最高の仲間に恵まれて、甲子園も夢じゃなくなってきた! 野球を愛するすべての人たちに捧げたい傑作青春小説。推薦のことば・松井秀喜
  • ジェントルマン
    4.0
    眉目秀麗、文武両道にして完璧な優しさを持つ青年、漱太郎。しかしある嵐の日、同級生の夢生はその悪魔のような本性を垣間見る――。天性のエゴイストの善悪も弁えぬ振る舞いに魅入られた夢生は、漱太郎の罪を知るただ一人の存在として、彼を愛し守り抜くと誓う。切なくも残酷な究極のピカレスク恋愛小説。
  • ラバー・ソウル
    値引きあり
    4.0
    洋楽専門誌にビートルズの評論を書くことだけが、社会との繋がりだった鈴木誠。女性など無縁だった男が、美しいモデルに心を奪われた。偶然の積み重なりは、鈴木の車の助手席に、美縞絵里(みしまえり)を座らせる。大胆不敵、超細密。ビートルズの名曲とともに紡がれる、切なく衝撃の物語。空前の純愛小説が、幕を開ける――。高頭佐和子氏の解説も収録。
  • 月光の夏
    4.0
    若き2人の特攻隊員は、ベートーヴェンの名曲「月光」を、小学生たちの前で弾き、南溟の空に出撃していった。あの夏の日のピアノの響きは、痛切な思い出として刻みこまれた。愛と哀しみの感動にあふれるドキュメンタリー・ノベル。(講談社文庫)
  • NO.6〔ナンバーシックス〕 #1
    4.0
    2013年の未来都市《NO.6》。人類の理想を実現した街で、2歳の時から最高ランクのエリートとして育てられた紫苑は、12歳の誕生日の夜、「ネズミ」と名乗る少年に出会ってから運命が急転回。どうしてあの夜、ぼくは窓を開けてしまったんだろう? 飢えることも、嘆くことも、戦いも知らずに済んだのに……。「わたしはNO.6という物語の中で、生きる希望とやらを掴んでいけるのだろうか」――あさのあつこ
  • 向こう側の遊園
    4.0
    廃園になった今も、無数の花が咲き乱れる街はずれの遊園地。そこには、謎めいた青年が守る秘密の動物霊園があるという。「自分が一番大切にしているものを差し出せば、ペットを葬ってくれる」との噂を聞いて訪れる人々。せめて最期の言葉を交わせたら……。ひとと動物との、切ない愛を紡いだミステリー。
  • 皿と紙ひこうき
    4.0
    陶芸家の小さな集落で育った高校1年生・由香の日常は、“東京からカッコいい転校生がやってくる”という噂で急に騒がしくなる。だが、噂の転校生・卓也はいつまでも周囲と距離をとり続けていた。由香が、卓也と初めて言葉を交わした矢先、学校で血まみれのうさぎが見つかる。日本児童文学者協会賞受賞。
  • ST 化合 エピソード0 警視庁科学特捜班
    値引きあり
    4.0
    ※本作品は 2011年8月5日~2014年7月10日まで販売しておりました単行本版『化合』の文庫版となります。本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。 エリート検事の暴走vs.捜査現場の必死。STの原点がここにある!"捻じ曲げる"検事。心に叛旗を翻し刑事は孤独に戦う。現場は検察の暴走を止められるのか? エリート検事は殺人事件を異例の陣頭指揮と鑑識結果の強引な解釈で早期解決を強行する。疑念を抱く捜査一課の若手・菊川と所轄のベテラン・滝下は独断で動き始める。拘束された被疑者が"落ちる"までに二人は証拠を捜し出せるのか!?
  • メルカトルかく語りき
    値引きあり
    4.0
    悪徳銘探偵(メルカトル)と五つの難事件、怜悧な論理で暴く意外すぎる真実の数々! ある高校で殺人事件が発生。被害者は物理教師、硬質ガラスで頭部を5度強打され、死因は脳挫傷だった。現場は鍵がかかったままの密室状態の理科室で、容疑者とされた生徒はなんと20人! 銘探偵メルカトルが導き出した意外すぎる犯人とは――「答えのない絵本」他、全5編収録。麻耶ワールド全開の問題作!!
  • 黒猫館の殺人〈新装改訂版〉
    4.0
    大いなる謎を秘めた館、黒猫館。火災で重傷を負い、記憶を失った老人・鮎田冬馬(あゆたとうま)の奇妙な依頼を受け、推理作家・鹿谷門実(ししやかどみ)と江南孝明(かわみなみたかあき)は、東京から札幌、そして阿寒へと向かう。深い森の中に建つその館で待ち受ける、“世界”が揺らぐような真実とは!? シリーズ屈指の大仕掛けを、読者(あなた)は見破ることができるか?(講談社文庫)
  • ザ・勝負
    4.0
    長嶋茂雄と王貞治、どちらが偉大か。アジフライにはソースか醤油か。目玉焼きならどうする!? シンデレラVS.白雪姫から嫁VS.姑まで、奇想天外な古今東西のライバルたちを勝手にリングに上げて闘わせたユーモア小説の十番勝負。意地と意地が激突した白熱戦、勝者はどっちだ! (講談社文庫)
  • 荒南風
    4.0
    「砂子(すなご)さんはいますか」。刑務所を出て横浜の暴力団鶴来(つるき)組の事務所にふらりと現れた元マグロ漁師・彦地秋郎(ひこちときお)は組長の息子・直樹を「誘拐」して西へと向かう。彼の動機は何か。目的地は? 砂子とは何者か。梅雨の末期に吹く冷たい湿った強風=荒南風(あらはえ)の如き情念で海図なき暗黒世界に乗り出す男と少年の旅路。(講談社文庫)
  • Y列車の悲劇
    4.0
    上り寝台特急「はやぶさ」のA寝台車の個室で、女性の惨殺死体が発見され、残りの乗客全員は走行中の列車から消えた。そして有名俳優の声を使った脅迫電話と呼応して次々と姿を現わすの乗客の死体! 不可解な事件が女流脚本家のシナリオのとおりに動いていることが判明したとき、謎は更に混迷の度を深める。(講談社文庫)
  • 司法記者
    4.0
    地検特捜部が追うゼネコン汚職事件は中央政界にも波及していた。元国交相の収賄疑惑という大スクープの直後、掲載紙の美人記者が絞殺された。逮捕されたライバル紙記者は殺人容疑を全面否認、何かを隠し沈黙する。悲劇の裏に潜むのは、スクープを求める記者の意地と、「正義」と銘打たれた特捜部の横暴で杜撰な捜査だった。記者が守る「秘密」を唯一知る特捜検事は、己が所属する「日本最強の捜査機関」との対決を決意する。
  • 新装版 顔十郎罷り通る(上)
    4.0
    おそろしく長い顔とその中央に盛りあがった巨大な鼻、一度見たら忘れられない顔である。本名は誰も知らない。自称・顔十郎。酒と女をこよなく愛し、名誉や義理は大嫌い。金のためにはどんな危険な仕事も引き受ける、浮世の常識の埒外で生きる素浪人だ! ダーティーヒーローの剣が冴えまくる痛快大活劇。(講談社文庫)
  • くるみ街道
    4.0
    留学を終え、翻訳の仕事をしながらドイツで暮らす京(ミヤコ)。両親のいる日本と恋人の待つドイツを行き来しながら、心は両者の間をゆれ動く。旅先での出合い、友人の結婚と失意、恋人との諍い…幸せと苦悩をかさねながら、やがて京は歩むべき道を見定めていく。幸田文、青木玉を若い世代へ継ぐ感性溢れる長篇小説。(講談社文庫)
  • 水の中の八月
    4.0
    水には目ってやつがある。石と同じで目を縫って泳ぐと嘘みたいに軽い。おまえらはサカナになれ、と言った監督は無理心中で死に、友だちの新井は朴と名前をかえた。水泳部をやめた僕の高3の夏休みはこうしてあっけなくすぎた。「在日」を生きる青春をとぎすまされた文体で描く表題作を含む7つの短編集。(講談社文庫)
  • 「名探偵」に名前はいらない
    4.0
    依頼人は美女、老人、ヤクザ! 内容も夫の浮気からポルトガルまで遺産渡しへ行く国際的活動まで様々。皮肉な寂しい中年探偵は金もなく愛を求めながら今日も街を歩く。(講談社文庫)
  • 愛し続けるのは無理である。
    4.0
    人生は短い。若い時代はさらに短く、はかない。20代の女たちが、熱く「愛は続くものである」と考えるのは、とても健全だ。しかし、年齢を重ねたその先には「愛し続けるのは無理である」と骨身にしみた男と女の、刺激的で面白く、かつ、なぜか安らぐ関係が築ける機会が訪れる。人気脚本家が愛の真実を描くエッセイ集。(講談社文庫)
  • 面一本
    4.0
    庶民の街、早稲田の小さな古本屋に剣道の達人・若苗(わかなえ)が嫁いできた。三世代同居も苦にせず、人情溢れる家族に支えられて、若女将として古書の世界の奥深さにハマっていく。街を喰い荒らすバブル亡者たちに敢然と立ち向かい、平凡ながら時代の波に押し流されず強く生きる下町の一家を活き活きと描く長編小説。(講談社文庫)
  • 熱月
    4.0
    崇拝者と仕事を得て、華やかに賑やかに生きたい。美貌と強い運と恐れを知らぬ実行力で、文子は日本を飛び出した。教養はあるが生活者としては無力な武林夢想庵(たけばやしむそうあん)を夫に、オリエンタル・ブームのパリで、様々な恋の遍歴を続けた文子はしかし……。破天荒に、きらめいて生きた女の熱い人生を描く、傑作長編小説。(講談社文庫)
  • 無明の蝶
    4.0
    古書店を舞台に、不思議な人生模様を描く。蔵書を金額で値踏みし、故人の人生の裏まで見すかす古書店主の回りには、棟方志功の肉筆やら暇つぶしの猫、ホモと奇妙な人ばかり。直木賞作家の書き下ろし小説集。(講談社文庫)
  • ヨコハマ幽霊ホテル
    4.0
    両親をなくしたみづきは、祖母から横浜の古いホテルを引き継いだ。幽霊が出ると噂される建物、いわくありげな客たち、みづきへの殺人予告・・・。戦慄の傑作長編。(講談社文庫)
  • 上り坂下り坂
    4.0
    明治・大正・昭和からつづく暮らしの手ざわり。母・幸田文に教えられ、初めて浴衣を洗った娘時代を振り返り、庭掃除に母娘のやりとりを懐かしく思い出す。その母を見送って10年が過ぎ、ようやく住まいを片付ける決心がつくのだった……。東京・小石川の家を中心に、祖父・幸田露伴からつづく“心を込めた暮らし”をこまやかな視点でつづる珠玉の随筆集。(講談社文庫)
  • 手もちの時間
    4.0
    美しい日本語で読む、暮らしのなかの愉しみ。手紙や着物など日々の事ごと、露伴・文の思い出をいきいきと綴る。なつかしい人の絵手紙。下戸の好きな酒の肴。道端でよく会う老トラ猫。青木玉は、なによりも生活の巧者である。日々をていねいに暮らすなかで見出される、小さいけれどもかけがえのないことごとを、祖父・幸田露伴、母・幸田文と過ごした小石川の家の3代の思い出とともに、みずみずしく綴るエッセイ。(講談社文庫)
  • なんでもない話
    4.0
    折にふれて立ちあらわれる祖父露伴の面影、母文(あや)の声音に導かれながら、変貌する風景、移ろいゆく季節を静かに刻みつけていく。悔いを残す花見の想い出、夏の昼下がりの「すったて」の味、雨の日に訪れた動物園での邂逅。身辺のささやかな思いを豊かな感性と美しい言葉で優しく拾い上げた珠玉のエッセイ。(講談社文庫)
  • 天女湯おれん 春色恋ぐるい
    4.0
    人気戯作者のストーカーとなってしまった後家の恋煩いを治したり、義理の父親から虐待を受けていた娘を救ったり。はたまた、湯屋の中に拵えた知られちゃまずい男女密通の隠し部屋に忍び込まれたり。天女湯の女将おれんは、今日も大忙し。そんな、おれんにも久しぶりの恋の予感が。艶と人情の七編を収録。
  • 参謀
    4.0
    名将・落合博満監督の右腕、懐刀として2004年から2011年までの8シーズン、ドラゴンズのコーチを務めた「名参謀」森繁和が、落合監督の素顔から、若手の育て方、強い組織の作り方を、8年間のドラゴンズでのエピソードを例に、余すところなく書いた。なぜドラゴンズは強かったのか? 落合采配はどこが凄かったのか? ジャイアンツを苦しめた選手起用の妙、徹底した情報管理の秘策などを、参謀ならではの視点で振り返る。
  • 背く子
    4.0
    「3歳の娘に何が分かるか」と言い放ちセックスに励む父母を見て、3歳の春日は思う。大人はあまりに子を見くびっている…自己中心的な父(ダーリン)と母(マーミー)との生活、親戚間の妬みや諍い、子供同士の理不尽な人間関係を、3歳から6歳までの少女の素朴で冷やかな視線から描く、ユーモアと哀感漂う芥川賞作家の傑作長編。(講談社文庫)
  • 古城駅の奥の奥
    4.0
    陽太は、吸血鬼に憧れているという以外はごくふつうの、小学校六年生の男の子。夏休みの自由研究に、東京駅の大改築について、ちょっと風変わりな夜之介(やのすけ)叔父さんと調べることになった。駅に出向いた二人は、なんと構内の霊安室で死体を発見してしまう。「ミステリーランド」発の大人のための少年探偵小説。(講談社文庫)
  • 新装版 娼婦の眼
    4.0
    江戸情緒の残る戦前の下町に生を享けた池波正太郎にとって、娼婦たちは身近な存在であった。昭和三十年代が舞台の本書は、著者には珍しい現代小説であり、その艶笑譚には彼の温かな人間観が見事に表われている。後に著す「仕掛人・藤枝梅安」などの時代小説群にも大きな関わりのある傑作を、ここに復刊。
  • 薬好き日本人のための 薬の雑学事典
    4.0
    サプリの過剰摂取は死亡リスクを上げる! 点眼式の液体目薬を日本に伝えたのは、ローマ字で有名なヘボンだった。坐薬は体温で溶けるチョコレートがベースである。深刻な薬害を起こしたサリドマイドは多発性骨髄腫薬として復活した等、薬の文化社会学から効能までを解説。薬の販売方法や許認可システムなど日本独自の特殊な事情も網羅。(講談社文庫)
  • 司法占領
    4.0
    ロースクールが続々開校し法曹界は転機を迎えた。その陰には、弁護士を増やせ、というアメリカは政治的圧力があった。しかし、進出した米資本の巨大ローファームにおける、日本人の発言権はないに等しく、彼らはアメリカ流司法制度移入の手駒となった。日本の法律事務所は力を失い、日本人弁護士の自由も理想も失われたかに見えた・・・。
  • 特捜崩壊
    4.0
    政財界の暗部に切り込み、戦後日本の「正義」を支えてきた地検特捜部。その捜査能力はなぜ地に堕ちたのか? 身内の不祥事を隠して突き進んだ逮捕劇、体面を保つための捜査・・・。
  • 縮んだ愛
    4.0
    障害児学級教員の岡田は、働いていた小学校の卒業生・牧野に出会う。自分が受け持っていた自閉症児サトシを殴った過去を持つ牧野だが、彼につきまとわれて、岡田は毎週彼と酒を飲むことになる。が、ある日牧野は突然暴漢に襲われる。物語にひそむミステリー性も話題になった、第24回野間文芸新人賞受賞作。(講談社文庫)
  • 一葉
    4.0
    15歳で戸主になり、貧しさゆえ作家になる決意をした樋口一葉。小説の師・半井桃水(なからいとうすい)への恋情、歌塾・萩の舎での屈託を抱え、極度の借金に追われながらも、わずか十数ヵ月で鴎外、露伴らから絶讃され近代文学の頂点に立つ。24年の生涯を全力で生ききった、稀有な天才作家の儚(はかな)くも美しい足跡を綴る、感動の長編小説。(講談社文庫)
  • 後朝
    4.0
    豊言いたげに光る瞳――美しい女人に成長した許子は、少女の頃から憧れていた皇子たちと恋におちる。幼い日の秘密が匂う甘い恋に始まる、「浮かれ女(め)」の華麗な恋の遍歴。夫や子供を持ちながら、恋人たちとの愛の姿を熱くうたいあげた官能の歌人、和泉式部の生涯を描く長編。(講談社文庫)
  • 五五五文字の巡礼 魏志倭人伝トーク 地理篇
    4.0
    『魏志倭人伝』を構成する漢字をひとつひとつ徹底的に解読・分解すると、今まで誰も気がつかなかった秘密が立ち上がる。たとえば(至)と(到)の使い分けから、途中経過地と目的地の違いを知ることができる。魏の使節団の倭人国への航海と陸行の足跡を、全く新しい手法で辿った仰天の異色歴史小説。<文庫書下ろし> (講談社文庫)
  • 猟犬 特殊犯捜査・呉内冴絵
    4.0
    高校時代、同級生にレイプ未遂された冴絵(さえ)は薬指を失った。義指となってピアニストの夢は絶たれたが、代わりに冴絵は警視庁捜査一課の警部補となった。肉体は鍛え上げられ、闘う術としての冷静さを備えた。埼玉と渋谷で勃発した連続籠城銃乱射事件。人間の悪意に近づく冴絵の心は、深い海の静寂に満ちていた。(講談社文庫)
  • ボクの彼氏はどこにいる?
    4.0
    アイドルの女の子を好きなふりをしたり、気になる男子の名を寝言で呼んだらどうしようと修学旅行で眠れなかったり――著者がゲイであることに悩み、認め、周りにカミングアウトしていく、さわやかで感動を呼ぶ青春記。同性愛の人はもちろん、異性愛の人にも勇気と希望を与えてくれます。(講談社文庫)
  • ロズウェルなんか知らない
    4.0
    温泉もない、名所があるわけでもない、嫁のきてもない。観光客の途絶えた過疎の町、駒木野。青年クラブのメンバーたちは町を再生することで、自らの生き方にも活路を見出そうとするが。地方の現実に直面する人々の愚かしくも愛しい奮闘を描いた胸に迫る長篇。「日本の四次元地帯」として駒木野は再生するのか? (講談社文庫)
  • 火の山 山猿記(上)
    4.0
    1~2巻880~942円 (税込)
    火の山――とは富士山のこと。その富士山に寄り添いながら生きた有森家の変遷史。誕生と死、愛と結婚の型。戦中戦後を生きた人たちを描きながら、日本の近代を見つめ直した傑作長編小説。第51回野間文芸賞、第34回谷崎潤一郎賞受賞作。平成18年4月から放送のNHK連続テレビ小説『純情きらり』の原案。(講談社文庫)
  • 千世と与一郎の関ヶ原
    4.0
    細川忠興(ただおき)の嫡子与一郎は秀吉の仲立ちで前田利家の七女千世を娶った。睦まじい夫婦ぶりも束の間、秀吉の死後家康から前田家との縁切りを迫られる。姑の玉も石田三成が人質にとろうとするのを拒んで自害し、追い詰められた千世は屋敷を逃れて落魄(らくはく)の身に……。関ヶ原の思わぬ実像を描き出した傑作歴史小説。(講談社文庫)
  • 密室の如き籠るもの
    4.0
    旧家の猪丸(いまり)家に現れた記憶のない謎の女・葦子(よしこ)は、開かずの間だった蔵座敷(くらざしき)で“狐狗狸(こっくり)さん”を始める。だが、そこは当主・岩男(いわお)の前妻たちが死んだ場所だった。刀城言耶(とうじょうげんや)が訪れた日も“狐狗狸さん”が行なわれるが、密室と化した蔵座敷の中で血の惨劇が起こる。表題作他、全4編を収録した“刀城言耶”シリーズ第1短編集。(講談社文庫)
  • 作者不詳 ミステリ作家の読む本 (上)
    4.0
    杏羅(あんら)町――。地方都市の片隅に広がる妖しき空間に迷い込んだ三津田は、そこで古書店<古本堂>を見いだす。ある日、親友の飛鳥信一郎を伴って店を訪れた彼は、奇怪な同人誌『迷宮草子』を入手する。その本には「霧の館」を初め、7編の不思議な作品が収録されていた。“作家3部作”第2長編、遂に降臨! (講談社文庫)
  • 友を選ばば柳生十兵衛
    4.0
    三銃士の一人として勇名を馳せたダルタニャンに、盗賊団を追えとの新たな命が下った。フランスからイングランド、スコットランドと冒険する中、江戸から来た無敵の剣士が加勢する。二人は無二の親友となるが、日本人剣士は天海僧正の密命を帯びていた。その正体は――。日欧をまたぐ奇想天外な伝奇活劇!(講談社文庫)
  • 天璋院篤姫と大奥の女たちの謎 〈徹底検証〉
    4.0
    薩摩・島津家の分家の娘として生まれながら、徳川13代将軍・家定の御台所(正室)となった篤姫。しかし、嫁いですぐに家定は急死、篤姫はわずか23歳で落飾して「天璋院」となる。将軍の跡継ぎをめぐる凄まじい抗争、倒幕運動の激化の中、江戸城を支えた彼女の波乱万丈の人生を徹底検証!(講談社文庫)
  • 日月めぐる
    4.0
    江戸末期、駿河(するが)の小藩。その岩場からは、美しくも怪しい紺碧(こんぺき)の渦が川面(かわも)に見えた。流れゆく時と川と人。男女は渦に巻き込まれるように人生を移ろわせ、時に後悔し、時に鬱屈を抱え、あるいは平凡でも底光りするような日常を過ごし、いつしか果てていく。それもあり、これもあり。しみじみと美しい7つの物語。(講談社文庫)
  • 其の一日
    4.0
    吉川英治文学新人賞に輝いた傑作短編集。安政7年3月3日、井伊家の密偵・可寿江(かずえ)は水戸浪士の不穏な動きを察知し、主君でかつて恋人でもあった直弼に通報しようとするが。「桜田門外の変」「箕輪心中」などの事件を題材に、江戸市中で懸命に生きる人々の、運命を変えた1日を描いた時代小説短編集。全4編を収録。<第24回吉川英治文学新人賞受賞作>
  • 霧の路 見届け人秋月伊織事件帖
    4.0
    元女郎おひろから、東北訛りの侍の用心棒を頼まれた見届け人・秋月伊織は、他国に逃げる資金をはたいておひろを身請けした侍の背景に、ただならぬ事情を察する。藩主襲撃事件をきっかけに対立する陸奥広岡藩と盛山藩の遺恨が、江戸に舞台を移して燻っているのか――。文庫書き下ろしシリーズ、待望の第4弾。(講談社文庫)
  • 鬼あざみ
    4.0
    強盗、追いはぎ何でもござれ。白昼堂々、金品を強奪する荒稼ぎで八百八町を騒がせる凶賊、鬼坊主一味。だが、頭の清吉と情婦のおもんを始め、はみ出し者の若者たちは強い絆で結ばれていた。悪に魅入られし者の破滅的な生き様を描く大江戸ピカレスクロマン。(講談社文庫)
  • 正太郎の粋 瞳の洒脱
    4.0
    下町育ちの池波正太郎と都会派の山口瞳。ほぼ同年代のふたりは東京人として好対照だった。吉原に通いつめた正太郎、妻にも敬語を使った瞳。食・着こなし・仕事・時間術……二大人気作家を間近に見て育った、瞳の長男だからこそ書けた秘話満載のエッセイ。瞳が正太郎に送った弔辞も全文掲載。(講談社文庫)
  • 黄金の夢の歌
    4.0
    口承によってうたい継がれてきた中央アジア・キルギスの英雄マナスは、永遠に年をとらない、とても元気な男の子。その「夢の歌」を聞きたいと旅をする「あなた」。氷河によって削られたジャイロの美しい牧地に心奪われ、その地を駆けめぐった多くの騎馬、狩猟民族の興亡に思いを馳せる。(講談社文庫)
  • 総門谷R 白骨篇
    4.0
    失魂の仲間と殺し合う超伝奇シリーズ哀切の新展開。無残に踏み殺された聆雲(りょううん)の仇を討つべく、総門谷のある早池峰山(はやちねさん)に向かった和気諒(わけのあきら)たち。そこで出会ったのは、冥界の王によって肉体のみを甦らせられた聆雲だった。魂を失い魔童児となった仲間が、白骨女となった怨魔シバとともに諒たちを襲う。ベストセラー作家が放つ伝奇SFの傑作シリーズ、哀切の第4幕。(講談社文庫)
  • 私の好きな悪い癖
    4.0
    歴史小説第一人者の端然たる名随筆集。小説家の静かなる日常。幼い頃の下町・日暮里での暮らしから病気の事、締め切りよりも早すぎて編集者が戸惑う原稿の話。卯年生まれは口がうまいと言われ憤慨するかと思えば浅草の小料理屋で、罪のない嘘をつく。「エッセイは、小説を書く私の素顔である」という歴史小説の第一人者が、日常から掬い上げた事柄をまとめた上質の随筆集。(講談社文庫)
  • 完全リメイク版 キラー通り殺人事件
    4.0
    志垣警部の海外研修中、和久井刑事がチームを組まされたのは、原宿署のオカマ警部・西郷藤吉郎にギャル刑事の南野マリン。担当事件は青山キラー通りでの喉切り殺人。被害者女性の後頭部に白いリボンが結ばれるという奇妙な事件を個性派トリオで解決に乗り出す。幻のオリジナル版を完全リメイクして登場!(講談社文庫)
  • 金田一温泉殺人事件
    4.0
    座敷童子(ザシキワラシ)が飛び出してきた! 東北の温泉宿、伝説の奥座敷で起きた惨劇を志垣警部が追う! 男は十和田湖畔で、頭を丸坊主にされ唇には紅を塗られて殺されていた。そして第二の殺人は、座敷童子が出るという岩手県金田一温泉の宿で起こった。ナイフを突き立てられながら一滴の血も流さず息絶えた女の側から走り去る座敷童子! 伝説に彩られた猟奇殺人の真相を求めて、志垣警部は豪雪の東北へ! (講談社文庫)
  • 悪道 西国謀反
    4.0
    吉川英治文学賞に輝く『悪道』、シリーズ第二弾! 西国雄藩浅尾家に御家騒動が勃発。幕府をも揺るがす事態に、名君となった影将軍は、伊賀忍者の末裔・流英次郎一統を安芸に遣わした。立ちはだかるは、奸臣・外村監物が放つ暗殺忍軍・風炎衆! だがなんと風炎衆は、江戸城の将軍暗殺の密命を帯びていた。大胆な構想で描く、これぞエンターテインメント時代小説。
  • 夜宵
    4.0
    大晦日までの僅かな期間にだけ立つ「細蟹(ささがに)の市」。そこで手に入らないものはないという。 ある者は薬を。ある者は行方不明の少女を。ある者はこの世ならぬ色を求めて、細蟹の市へと迷い込む。 異形の者たちが跋扈(ばっこ)する市で、市守りのサザが助けたのは記憶を喪った身元不明の少年・カンナだった。呪われた双子の少女は唄う。「ああ、不吉だ、不吉だ」「おまえがもたらす流れ、その循環は、混沌を呼ぶわ」……
  • 高橋克彦自選短編集 1 ミステリー編
    4.0
    だれの心にも、鬼がいる。大胆不敵なトリックが冴える短編ミステリーの逸品集。かつて「衛生博覧会」と呼ばれる見世物が人気を博していた。疾病模型や死体写真が陳列されるなか、私は精巧な美少年の鑞人形に目を奪われた。だがそれには、驚愕の秘密が隠されていた(「悪魔のトリル」)。現代日本屈指のエンターテインメント作家の傑作短編集。(講談社文庫)
  • 『深い河』創作日記
    4.0
    「この小説のために文字通り骨身をけずり、今日の痛みをしのがねばならなかったのか」。作者最後の長編小説であり、純文学の奇跡と今もなお絶賛される『深い河(ディープ・リバー)』は、壮絶で苛酷な闘病生活のなかから生み出された。1990年8月26日から1993年5月25日まで、小説と死を見つめ続けた感動の軌跡。(講談社文庫)
  • 戯史三國志 我が糸は誰を操る
    4.0
    董卓(とうたく)に想い人を奪われた若き日の陳宮。己の無力に打ちひしがれていた時「俺の臣になれ」と言う男・曹操が現れ、彼の人生を変えた。名将に重用されながら、呂布(りょふ)に寝返った謀将。その愚行の裏には知られざる熱い友情と真心の物語があった。「小説現代長編新人賞」奨励賞受賞作。(講談社文庫)
  • ABCD殺人事件
    4.0
    不人気警部・大貫の大人気シリーズ! 人の迷惑かえりみず、我が道を行く迷惑男のユーモア・ミステリーテレビに出演したかと思えば、高校で授業をしたり……。ガハハ笑いと図々しさがトレードマークの大貫警部、相変わらずの迷活躍で、よく出来た後輩達を困らせながらも事件解決。表題作のほか、「真実一路」「天地無用」「無理難題」の3作を収録。超不人気警部・大貫の超人気四字熟語シリーズ待望の第10弾。(講談社文庫)
  • 双頭の蛇(上)
    4.0
    はみだし刑事・沖竜介が挑む地方権力の亡霊。東京を追われ因襲と封建的人脈うごめく地方都市、平野に降りたった竜介。落ちつく間もなく権力を握る財閥の巨悪に迫ろうとした新聞記者が記事とともに消された。
  • 四字熟語殺人事件 ベスト・セレクション
    4.0
    警視庁にこの人あり! 大貫警部は捜査一課の迷惑な「お荷物」。聞き込み先で酒を飲み、いちゃもんをつけ飯をたかる。直感で犯人を指名し、面倒な証拠集めは部下任せ。なのに事件はいつも解決って、どうして? やりたい放題の振る舞いにスカッとすること間違いなし! 赤川作品最大の問題シリーズ、初の傑作選。(講談社文庫)
  • 女郎蜘蛛 伊集院大介と幻の友禅
    値引きあり
    4.0
    銀座で見かけた妖艶な和服美人の後を追って着物の展示会に迷い込んだ伊集院大介。彼女の依頼で「幻の友禅」を探すことになる。そんな折、熱心な着物コレクターが惨殺される。謎の美女、激しく対立する着物作家兄弟、連続する殺人……。事件の輪郭すらつかめない伊集院は惑い、悩む。(講談社文庫)
  • 聖者の行進 伊集院大介のクリスマス
    4.0
    藤島樹(いつき)が20年ぶりに再会した「巨大なドラッグクイーン」ジョーママは、客を狙った恐喝事件に悩んでいた。樹がつとめていたころは一世を風靡したゲイクラブだったが、いまは経営難に陥っている。ゆすりの裏に重大な秘密があると直感した伊集院大介は、クリスマスの六本木へ向かう。名探偵シリーズ第12弾!! (講談社文庫)
  • 身も心も 伊集院大介のアドリブ
    値引きあり
    4.0
    ジャズ界の貴公子を悩ます奇妙な脅迫状! 伊集院大介のもとに天才ジャズ・サックス奏者矢代俊一が訪れた。「ボディ&ソウルを演奏するな」――ライブのたびに曲目指定の脅迫状が送られてくるという。仲間のピアニストや大切なサックスまで狙われ、ついに最初の犠牲者が!?手がかりのつかめない大介が見つめる中、俊一は禁じられた曲を吹き始める……。
  • 真夜中のユニコーン 伊集院大介の休日
    値引きあり
    4.0
    一角獣は処女にしかなつかない――楽園にかけられた呪い。恋に破れ、淋しい遊園地「ユニコーン・パーク」でバイトを始めた聡子。世間と隔絶した山の中で仲間の関係は濃い。世話焼きの諒や美青年の氏家、大介の助手アトムたちと知り合うが、聡子をめぐり諒と氏家が争う。園内では失踪女性の死体が発見されて!? 大介は一角獣に籠められた創設者の怨念と対決することに。(講談社文庫)
  • 怒りをこめてふりかえれ
    値引きあり
    4.0
    「栗本薫」の新たな恋が奴らの餌食になる!? 「栗本薫」クンも36歳。脚本を担当することになった映画のヒロインから突然の告白が――「私と寝てください」!? だが、芸能スキャンダルと複雑な人間関係の渦に翻弄され、雑誌編集長殺人事件にまで巻き込まれる。新しい恋を貫くため、必死に苦難に耐える薫クンのピンチに、ついに伊集院大介が立ち上がる!
  • ハ-ド・ラック・ウ-マン
    4.0
    シンこと石森信たちのロックバンド「ナイトメア」のグルーピーが殺された。誰も彼女の本名を知らない。メンバーにも疑いがかかるが……。待望の長編ロック小説。(講談社文庫)
  • 少年曲馬団(上)
    4.0
    1~2巻900円 (税込)
    惟朔(いさく)は、どうしても小学校に通えないのだった。昭和三十年代後半、府中刑務所のそばの、母子寮で暮らす母と惟朔、妹の薫。貧しいが原っぱの日溜まりのような呑気さがそこにはあった。ある日突然、父親との同居が始まり、惟朔の暮らしは一変する――。自伝的作品『百万遍』へと続く小学校一年から四年まで。(講談社文庫)
  • 刑事長 越権捜査
    4.0
    春団治(はるだんじ)刑事長(デカチョウ)こと岩切鍛冶は、組織や規律だけを重んじる警察の体質に刃向かう大阪府警の一匹狼だ。彼を慕う若手刑事が市内で屋台を撤去しようとして暴力警官として告発された。その直後、告発した男が不可解な死を遂げる。事件にきな臭さを感じた岩切は単独捜査を開始! 〈刑事長〉シリーズ興奮の第3弾! (講談社文庫)
  • 刑事長 四の告発
    4.0
    大川で背広姿の水死体が浮かんだ。男は市内の外科医で借金苦による自殺と断定された。事件にきな臭さを感じたベテラン刑事・岩切鍛治は、独自の捜査を開始する。見え隠れするパチンコ業界の利権争い、そして思いもよらぬ同僚刑事の死。岩切の行く手に暗雲が立ちこめる。好評<刑事長(デカチョウ)シリーズ>興奮の第2弾! (講談社文庫)
  • 新聞が面白くない理由
    4.0
    衰退一途の日本のジャーナリズム。その根本の病巣こそ「記者クラブ」である。広いスペース、税金から支出される通信費、光熱費……。官公庁から便宜供与を受けて他のメディアを締め出すさまは、中世のギルドさながら。果たして彼らに自浄作用はあるのか? 健全な民主主義のため既得権を抉った渾身の書!(講談社文庫)
  • 完全版 年金大崩壊
    4.0
    失われた年金財源は9兆円超、紛失した年金記録は5000万件……私たちの老後を支えてくれるはずの年金制度は、なぜかくも破綻したのか。年金問題を世に知らしめた2004年講談社ノンフィクション賞受賞作に、大幅改訂&加筆した完全版。本書は2003年9月刊行された『年金大崩壊』及び2004年4月に刊行された『年金の悲劇 老後の安心はなぜ消えたか』を大幅に加筆・改編したものです。(講談社文庫)
  • アフリカの瞳
    4.0
    10人に1人がHIVに感染している国南アフリカ。かつて白人極右組織による黒人抹殺の陰謀を打ち砕いた日本人医師・作田信はいま、新たな敵エイズと戦っていた。民主化後も貧しい人々は満足な治療も受けられず、欧米の製薬会社による新薬開発の人体実験場と化していたのだ。命の重さを問う感動の長編小説。
  • 華麗なる誘拐
    4.0
    新宿超高層ビル街の喫茶店で若いカップルが殺された。シュガーポットに入れられた毒物による無差別殺人の始まりだった。事件の3日前、蒼き獅子たち(ブルーライオンズ)と名乗る男から首相公邸にかかってきた怪電話が現実のものとなったのだ。「日本国民1億2000万人を誘拐した。5000億円を支払え」大胆な着想の本格長編推理。(講談社文庫)
  • 特急「北斗1号」殺人事件
    4.0
    北の大地と失意の女。十津川が挑む戦慄の罠。恋人に裏切られ借金に追われる風見ゆう子は死に場所を求めて北海道へ向かった。特急「北斗1号」で、彼女は見知らぬ男から3日間旅に同行して欲しいと100万円を渡される。そして身に降りかかる連続殺人の容疑。北の大地に張り巡らされた巧妙な罠に十津川警部が挑む。美しさと哀しみが滲む傑作推理小説。(講談社文庫)
  • 宗谷本線殺人事件
    4.0
    殺意を刻んだ北の大地。十津川、渾身の推理! 白銀を切り裂いて走る列車内で、男が毒殺された。スーツケースを持ち去り、美深(びふか)という駅で姿を消した謎の女。死の間際に被害者から書きかけの原稿を託されたルポライター。事件の鍵は、かつて音威子府(おといねっぷ)で起きた残忍きわまる殺人事件にあった。急行「利尻」と「礼文」、死の連鎖を追って、十津川は北の果てへ!(講談社文庫)
  • 十津川警部の怒り
    4.0
    狡知な犯人に十津川が放つ逆転の痛打! 毒舌で有名なプロ野球解説者が、甲子園球場の近くで刺殺された。容疑者は低迷するチームのヘッドコーチ。かつてポストを巡って揉め、動機は十分だが、犯行時刻には寝台特急「出雲4号」に乗っていたという。血まみれの切符、車掌がもらったサイン。十津川、逆転の一手は。殺意を乗せて走る列車、3つの事件!(講談社文庫)
  • 渡る世間は「数字」だらけ
    4.0
    「世の中や人生を、数字を通して考えてみると面白いかも」と思った"万"起男さん。本業の医学から、宇宙・統計までの「数字」の意味を考察する。遺伝子情報は3%しか活用されない意味、1日10万個の脳細胞が減っても大丈夫なわけ、日本の国番号81の意味、世論調査の数字のウラなど軽妙洒脱に切りまくる。(講談社文庫)
  • 海の空 空の舟
    4.0
    高台の神社からは廃墟と化した造船所が見える。喧噪と活気を失い、憧れの彼女もいない町で、中学生の辰雄は性のとば口にいる自分をもてあます。昔の祭りさながらに、渾身の力で引き上げた舟を海にすべらせた――少年の1日を活写した小説現代新人賞受賞の表題作をはじめ好編3作。(『雨を見たかい』を改題)
  • 狐闇
    4.0
    魔鏡を競り市で手に入れたことで、宇佐見陶子の運命は変わった。市に参加していた男が電車に飛び込んだのを皮切りに周囲で命を落とす者が続出。陶子は絵画の贋作作りの汚名を着せられ、骨董業者の鑑札を剥奪されてしまう。狡猾な罠を仕掛けたのは誰か。満身創痍の捜査行は日本の歴史の断層に迫っていく! (講談社文庫)
  • 我が父たち
    4.0
    血のつながりのやり切れなさを、鋭敏な感性でつづり、独自の文学世界をひらく。不思議な物語の魅力あふれる力作中篇集。(講談社文庫)
  • 死者は黄泉が得る
    値引きあり
    4.0
    連続殺人事件と洋館の住人には関係が? 死者を甦らせる装置のある館。そこに住む生ける屍には記憶がない。死者を甦らせる装置のある謎の館。そこには生ける屍と化した女性達が、生前の記憶を一切失ったまま、仲間を増やしながら生活していた。その隣町では、美女を巡る不可解な連続殺人が……。犯人のねらいは? そして事件と生ける屍たちの関係は? 意外なラストは他言無用、奇手妙手を尽くした西澤流本格推理。(講談社文庫)
  • 星封陣
    4.0
    東北の一村がいま奇怪な勢力に狙われる! 古代、蘇我氏に敗れた物部氏一族が東北にとてつもない秘宝を封じ込んだという。それを守る物部の末裔に対し、秘宝奪取に権力と暴力を使える巨大組織が襲いかかる。村人の主緋星幸丸(あかぼしさいわいまる)は自分が秘宝の鍵を握ると自覚、仲間と共に絶望的戦闘に決起する! 伝奇超大作。(講談社文庫)
  • 竜が最後に帰る場所
    4.0
    しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。降りしきる雪の中、その集団に加わったぼくは、過去と現在を取り換えることになった――(「夜行(やぎょう)の冬」)。古く湿った漁村から大都市の片隅、古代の南の島へと予想外の展開を繰り広げながら飛翔する五つの物語。日常と幻想の境界を往還し続ける鬼才による最重要短編集。 (講談社文庫)
  • うなドン 南の楽園にょろり旅
    4.0
    世界的発見をしたのは、こんな「うなぎバカ」たちだった!東大研究チームのサバイバル・うなぎ採集旅行記遺伝子解析のために収集した標本は、全種制覇まであと一種類。そこへ、ドイツと台湾の研究チームも標本を集め始めたとの緊急情報。先を越されれば成果はゼロだ。慌てて飛び込んだタヒチで待っていたものは!「史上初! 卵みつけた」 ――研究員が綴る熱い冒険譚

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