歴史・時代小説の検索結果
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姥玉みっつ
直木賞作家が描く江戸の痛快時代劇! 静かな余生のはずが・・・・・・ なんでこうなった!? ひとり静かに老後を送りたいお麓のもとへ ふたりの幼馴染が転がり込んできた! 名主の書役として暮らし、歌を詠みながら安穏の余生を送ろうとしていた お麓の閑居へ、能天気なお菅と、派手好きなお修が転がり込んできた。 さらには、お菅が空き地で倒れていた女と声が出せない少女を 見つけてきてしまう……。 お麓にとって騒がしい悪夢の日々が始まった。 何が悲しくて婆三人つるまなければならぬのか――。 泣いて笑える江戸の痛快小説。 解説=田口幹人 「読みどころは、お麓、お菅、お修のお萩との交流を経て変わっていく 心模様である。お萩の出自に辿り着いてしまうと、 四人の暮らしが失われるかもしれないという不安を抱えつつ、 お萩の未来に寄り添う姿に、胸が熱くなった。」 (解説より) -
皇嫂と呼ばれるまで
名門の家が没落し、 一人の少女は国境へ逃れ、晋王の屋敷で下女として生きることになる。 身分は卑しく、命は軽い。 ――ただ、その美しさだけが、災いだった。 女に興味を示さぬ晋王を前に、太妃は焦っていた。 ある日、少女は大罪を犯し、処刑寸前まで追い込まれる。 命を救った太妃は、冷酷な条件を突きつけた。 「王爺を誘惑しなさい。 身を捧げれば、罪は許す」 生きるため、 少女は主君に近づくことを選ぶ。 二か月後、役目は果たされた。 命は繋がれた。 だが条件は、終わらなかった。 「世子を産めば、自由にしてやる」 一年後、男児が生まれる。 それでも解放はされない。 「もう一人。 娘を産めば、十万両で都を去らせてあげる」 三年―― 妾としての役目を終え、少女はすべてを捨てて姿を消す。 やがて家は雪冤され、 彼女は再び名門の令嬢として都へ戻る。 幼なじみである皇帝は、 「過去は問わない」と、彼女を皇后に迎えた。 ――すべてが終わったはずだった。 しかし三年後、 病弱な天子は急死し、天下は乱れる。 晋王が兵を挙げ、宮城を包囲する。 金鑾殿で再会する、 かつての主と、かつての妾。 今や彼女は、幼帝を支える皇太后。 「――皇嫂」 その一言に、すべてがよみがえる。 これは、 一人の女が“そう呼ばれる日”まで、 何度も身を差し出し、生き残ってきた物語。 -
蔦屋重三郎 浮世を穿つ「眼」をもつ男
2025年大河ドラマの主人公として話題沸騰の 「蔦重」こと「蔦屋重三郎」を描いた珠玉の小説!! あの男の絵は「眼」が違う・・・! 全ては吉原遊郭から始まった。蔦重と東洲斎写楽―― 稀代の版元と不世出の絵師の運命の邂逅! 寛政6年、江戸日本橋にて蔦屋重三郎が経営する耕書堂に、 絵師の代理を名乗る男・斎藤十郎兵衛から28枚の絵が持ち込まれた。 その1枚を手に取った蔦重はひと目で見抜く。 「間違いない、あの男だ」画号はなかったが、 蔦重は迷いなく印字した。東洲斎写楽とーー。 いつしか蔦重は、30年近く前のことを思い返していた。 あれは、蔦重が吉原遊郭の便利屋だった頃・・・。 -
天神小五郎 人情剣
侍を捨てた。 だが、斬らねばならぬ理由がある。 町で人気の煮売屋の主人・小五郎が、人のため剣を振るう! シリーズ累計280万部突破! 「風の市兵衛」の著者が描く、江戸の人情と圧巻の剣戟 八丁堀の女房たちに人気の煮売り屋「天神屋」。その主人・小五郎は、西国の大名に仕えた元武士で剣術の腕も立つと噂されている。 ある日、店の前で騒ぎが。博奕打ちの竹二が妻のおさんを折檻しているのだ。店に出入りする風来坊の徳市とともにおさんを助けた小五郎は、やがて思いもかけぬ騒動に巻き込まれていく。 弱きを救う小五郎の剣に心震える痛快時代小説。 -
本所うらだな人情薬舗
母子を残して逃げた男が二四文に託した、悔恨の情。 娘を想う浪人に向けられた悪意と、温かな助け合いの輪…… その裏長屋には、優しい人たちが暮らす。 落語のように笑えてホロリと泣ける人情時代小説! 大店薬種問屋の番頭孝助は、主人の反対を押し切って独立し、本所の裏店に暖簾を掲げた。 「貧しい人を助ける薬舗を開業したい」と願った孝助のもとには、暮らしは貧しくとも明るく情に厚い下町の住人が寄り集まる。 母子を残して逃げた男が再び現われたと知れば母子の味方となり、娘想いの浪人が盗みに遭ったと知れば喜捨を募る。 互助の心が胸を打つ人情時代小説! -
新選組星辰録
相州江の島の龍神と天女を護るために代々伝わる剣術〈護辰天流〉。道場主の息子・葉山新太は、剣を学びながら甘酒売りで生計を立てていた。その日もいつものように江戸の名門道場の門下だという迷惑な参詣客をこらしめようとすると、間に入った男がいた。深く低い声の、大きな男。北辰一刀流・山岡鉄太郎。彼との出会いが、新太を幕末の動乱へと駆り立てていく――! 山南敬助、藤堂平助、沖田宗次郎、土方歳三、近藤勇ら天然理心流試衛館の人々、そして清河八郎。彼らの志を知り、新太が選ぶ道とは。青年の成長と維新の星々の煌きを描く、新大河時代小説、誕生! -
梅一輪 風烈廻り与力・青柳剣一郎[69] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
捕まるわけにはいかぬ―― 一味の頭の執念の因とは? 偽の噂、嘘の手掛り、身代わりの盗賊まで仕立てる“天狗小僧”一味。 剣一郎の鋭利な読みと真摯な言葉が、賊の頭を追い詰める! 武士率いる押込み一味“天狗小僧”が箱根の関を越えた! 東海道を荒らす賊の報せを受けた風烈廻り与力青柳剣一郎だが、虚報を掴まされ、入念な仕込みで悪名高い一味の手玉に取られてしまう。 そんな折、剣一郎は浪人塩崎弥十郎と出会う。破落戸の足蹴を黙って受ける温順な男だった。塩崎の下宿する道具屋が相場の倍で買い取られていたと知り、剣一郎はある疑惑を抱く。 -
行列のできる時代小説 男の料理
成り行きで新選組に入隊した菅沼鉢四郎が、料理に詳しいというだけで過激派拠点のぜんざい屋に潜入捜査する「ぜんざい屋事件」。 北政所と秀吉の側室の淀君が醍醐の花見の席で料理勝負をすることになり、料理人に選ばれた男が命がけで懐石料理をつくる「包丁奥義」。 大坂の篆刻師が版元から請われ豆腐料理の本を書く、実在の料理本の誕生秘話「夏の日の結び豆腐」。 文禄の役で朝鮮に渡り、キムチを作ることにのめり込んでしまった男の悲喜劇「辛うござる」。 行くあてもなく死のうとしていた娘に味見として葉桜茶漬けを食べさせる小料理屋の心温まる話「わかれ雪」。 時代小説の名手(男性作家)による、男性主人公の食の短編傑作集。五味五色の”男の料理”に舌鼓をうってください。 -
完本 二十六夜待
罪を追う者、背負う者。 後ろ暗い過去を抱えて市井に隠れ住む人々と 使命に生きる岡っ引きの、 ほろ苦く温かい七つの物語。 七月二十六日の夜、岡っ引きの市兵衛は、人気のない神社で話し込む二人の男を見つめていた。鉋職人の勘助と紙屑買いの十蔵だ。 久方ぶりの再会を果たす二人だが、市兵衛には、その縁を断ち切らねばならない理由がある。十六年前、ある太物商で起きた火事に二人は関わっていた。 事件は、勘助が抱える亡き妻や一人娘に言えなかった秘密に繋がっており……。(「二十六夜待」) じんわり沁みてほろっと泣ける人情捕物帳! ※本書は『二十六夜待』に著者が加筆・修正を施した「完本」です -
隼新三郎シリーズ
権力に阿る輩を許さない――白装束の剣士参上! 賄賂を狙う義賊 「白頭巾」。その正体は、浪人・隼新三郎。 すべては、亡き父の無念を晴らすため―― 迫力満点の剣戟と江戸の人情を描く傑作時代小説 江戸の浪人・隼新三郎にはもう一つの顔がある。 大名の賄賂を狙う義賊「白頭巾」だ。栄達を望み民を蔑ろにする藩主に死をもって諫言した父の無念を晴らすためだった。 ある夜、新三郎は辻斬りの現場に遭遇する。逃げた下手人の手がかりを握るのは、同じく現場に居合わせた大名家家臣・磯村伝八郎。新三郎は、殺された番頭の息子に自分の姿を重ね真相を追うが……。 ※本書は『白頭巾――月華の剣』に著者が加筆・修正を施した「完本」です -
貸し物屋お庸謎解き帖 絵草紙と隠金
物だけでなく知恵も貸す江戸のレンタルショップには、 口は悪いが情に厚い娘店主を頼って 今日も訳ありのお客がやってくる── 読み心地満点の書き下ろし時代小説 第6弾! 「試してみな。駄目だったら相談に乗るぜ」 江戸庶民の暮らしを支える貸し物屋・湊屋両国出店の娘店主お庸は、 口は悪いが気性は真っ直ぐで、厄介事を丸く収めると評判の江戸娘。 そんな湊屋の暖簾を、今日も事情を抱えたお客がくぐる──。 軽業を披露する旅回りの童が全財産を損料にして借りた物とは? 深夜の店に忍び込み、何も盗らずに出て行く賊の正体は? 絵草紙に描かれた隠金の言い伝えの虚実は? 庸の家に現れた赤子の化け物が家人を脅す目的は? お客が求める貸し物の陰に隠れた秘密を見抜いて収めるお庸の謎捌きが痛快な、大人気書き下ろし時代小説、待望の第6弾! <目次> 十六文の貸し物 風鈴を三十 絵草紙と隠金 名残雪の別れ -
貸し物屋お庸謎解き帖 夏至の日の客
江戸のレンタルショップを舞台に 口は悪いが情に厚い美形の娘店主が謎捌き! 読み心地満点の書き下ろし時代小説 第5弾! 「放っておけねえ。これはいつものおせっかいとは違うんだ」 「無い物はない」の看板を掲げる江戸の貸し物屋・湊屋両国出店の娘店主お庸は、 物だけでなく力も知恵も貸してくれる── そんな噂を聞きつけて、今日も訳ありのお客が暖簾をくぐる。 夏至の日にギヤマンの杯を借りに来た男の真の目的は? 吉原の女郎が「赤ん坊を貸してくれ」と揚屋町出店を訪ねた理由は? 住み慣れた家に「幽霊が出る」ようになったことにまつわる秘密とは? お客が求める貸し物の陰に隠れた秘密を見抜いて収めるお庸の謎捌きが痛快な、 大人気書き下ろし時代小説、待望の第5弾! <目次> 花の宴 炬燵の中 夏至の日の客 揚屋町の貸し物 宿替え始末 -
貸し物屋お庸謎解き帖 髪結いの亭主
江戸の貸し物屋を舞台に娘店主が痛快謎捌き! 大人気! 読み心地満点の書き下ろし時代小説! 物のみならず知恵も貸すと評判の江戸のレンタルショップの娘店主のもとには、 今日も秘密と事情を抱えたお客たちが訪れて──。 「面白れぇ謎に行き当ったら、首を突っ込んでみたくなるんだよ」 ──江戸っ子の暮らしを支える貸し物屋・湊屋両国出店の主は、真っ直ぐな気性と人情と口の悪さで知られる江戸娘。 「無い物はない」うえに知恵も力も貸してくれると評判の店の暖簾を、今日も訳ありのお客がくぐる──。 借りた釣り竿を持たずに毎日釣りに出かける男の目的は? 大火鉢と夜具十組が運込まれた仕舞屋に集う者たちの正体は? お客が求める貸し物の陰に隠れた秘密を見抜いて収めるお庸の謎捌きが痛快な、大人気書き下ろし時代小説、待望の第四弾! <目次> 髪結いの亭主 割れた鼈甲櫛 六尺の釣り竿 火の用心さっしゃりやしょう 凶刃と大火鉢 -
荒城に白百合ありて
森名幸子から見て、母の鏡子は完璧な会津婦人だった。江戸で生まれ育った母は教養高く、武芸にも秀でており、幸子の誇りで憧れだった。 薩長軍が城下に迫り、白装束を差し出して幸子に自害を迫った時も、母の仮面が崩れる事はなかった。 しかし、自害の直前に老僕が差し出した一通の手紙が、母の、そして幸子の運命を大きく変えた。 手紙から視線を外し、再び幸子を見た母は、いつもの母とは違うものに変わってしまっていた。その視線を見て、幸子は悟った。 ――母は、この美しい人は、いまこの瞬間、はじめて私を「見た」のだ、と。 薩摩藩士の青年・岡元伊織は昌平坂学問所で学ぶ俊才であったが、攘夷に沸く学友のように新たな世への期待を抱ききれずにいた。 そんな中、伊織は安政の大地震の際に燃え盛る江戸の町でひとりさ迷い歩く、美しい少女と出会う。あやかしのような彼女は聞いた。 「このくには、終わるの?」と。伊織は悟った。「彼女は自分と同じこの世に馴染めぬいきものである」と。 それが、伊織の運命を揺るがす青垣鏡子という女との出会いであった。魂から惹かれあう二人だが、幕末という「世界の終わり」は着実に近づいていて――。 この世界で、ともに生きられない。だから、あなたとここで死にたい。 稀代のストーリーテラーが放つ、幕末悲劇、いま開幕。 -
駄犬道中
日本アカデミー賞作家が描く愉快痛快珍道中。 時は文政十三年(天保元年)、おかげ年。民衆は六十年に一度の「おかげ参り」に熱狂していた。 博徒である辰五郎は、深川の賭場で多額の借金を背負った夜、お伊勢講のくじに当たり長屋代表として伊勢参りの旅へと出発する。 途中で出会った代参犬の翁丸、奉公先を抜け出してきた子供の三吉、訳ありな美女・沙夜と家族のふりをしながら旅を続けるなか、ダメ男・辰五郎の心にも変化があらわれて……。 借金を回収しようと追いかけてくる殺し屋・菊佐から逃げ回り、ひしゃくとガマの油で路銀を稼ぎ、地元の名産品には舌鼓。笑いあり、涙あり、美味(グルメ)ありの愉快痛快珍道中。 『超高速!参勤交代』『引っ越し大名!』の著者による傑作時代長編! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『駄犬道中おかげ参り』 の文庫版となります。 -
神州天馬侠
大正末から昭和初めの「少年倶楽部」の目ざましい躍進期に、その中心読み物となったのが、佐藤紅緑の諸作と「神州天馬侠」である。織田・徳川の連合軍に滅ぼされた武田勝頼の遺子・伊那丸が、忠義の士に護られて、健気にもお家の再興をはかる。しかし、戦国群雄の圧力の前には――。当時、子供も大人もこの小説に熱狂した。今も、その底力を保ちつづける大衆児童文学の記念碑。 -
新編忠臣蔵
血をみてはならぬ殿中で、内匠頭が上野介めがけて腰の小刀を一閃したとき、赤穂藩五万三千石は音もなく崩れた。太守は即日切腹、城は明け渡し。三百の藩士とその家族の驚愕と困惑。それは突如として襲う直下型の激震にも似ていたが、強烈な余震はまた世人を驚倒させた。――四十七士の吉良邸討入りである。赤穂事件を題材とした書は古来多い。そのなかに著者は「昭和定本」としての用意と情熱をもって描きあげたのが、この書である。 -
松のや露八
幇間・松のや露八として、反権力的姿勢を貫いた、彰義隊くずれの土肥庄次郎。一橋家近習番頭取の長男として生まれながら、鈍でひたむきすぎる性格のゆえに、数奇な人生を辿る。免許皆伝の祝い酒から、庄次郎の止めどない転落の道は始まった。だが武士を捨てるどころではない、徳川の屋台骨が潰れる時勢になったのだ。――負け犬のフツフツたる感情が全篇をつつむ意欲作! -
かんかん虫は唄う
かんかん虫とは、ドック入りした船のサビ落としをする港の自由労働者。かんかん虫のトム公は、14歳ながら札つきの不良少年。しかし、曲がったことは大嫌い。彼が傲慢な金持ちを憎むのは、相応の理由があった。少年時代の横浜の見聞をもとにした「かんかん虫は唄う」は、自伝的要素に満ちた異色作。必死に生き抜くお島母子に、幼き日の著者のおもいがこめられた「色は匂えど」を併録。 -
江
近江の浅井長政とお市の方の三女として生まれた江。生後まもなく伯父・織田信長が長政を討ち、母と三人の娘(姉は淀、初)は小谷を出る。後に母の再婚で北ノ庄の柴田勝家のもとに。その勝家も秀吉に敗れ、母は勝家と共に自刃してしまう。秀吉のもとから佐治一成に嫁いだ江だが、秀吉により離縁の憂き目に。秀吉の甥・羽柴秀勝と再婚するも、夫は朝鮮で病死。天下をとった秀吉は、徳川家康の息子・秀忠と江の三婚を決めてしまう…。戦国乱世の時代に翻弄されながらも、女としての幸せをつかむために懸命に生き抜き、徳川三代将軍・家光など秀忠との間に子女七人を儲けた御台所・江の半生を描く。 -
さざなみの彼方
時は戦国。茶々(淀殿)は幼い頃、住んでいた城を信長に落とされた。父が自害に追いやられるも、生まれた時から共に育ってきた大野治長に守られ、逃げることができた。治長は茶々を一生守ると誓い、茶々も彼にそばに居てもらいたいと願う。その後、ふたりは柴田勝家の元に身を寄せたが、今度は秀吉に城を攻められ、茶々の母が自害する。そして二度目の落城を経験した茶々は、秀吉に側室になれと言われてしまい・・・・・・。二度の落城。許されぬ裏切り。家康の脅威。運命に翻弄されながらも、互いを思い合う茶々と大野治長の姿を描く、歴史恋愛小説! -
番神の梅〈新装版〉
いつの世も、貧困に苦しみながら懸命に生きる女性はいた 貧しくとも、凜として生きよ―― 梅の木に帰郷の望みを託し、夫とわが子のために命を尽くした下級武士の妻の生涯を描く 何と美しく〈凛として〉切ない物語であることか。 生きることの哀歓漂い、抒情性に溢れた彫りの深い人物造形に定評がある作家による作品である……(中略) 藤原緋沙子が史料を渉猟し、独自の解釈と着想で、“時代小説”の衣裳を着せつつ、史実を超えた物語を立ち上げていくことを小説作法としている歴史小説作家であることがお分かりかと思う。 ――雨宮由希夫氏(解説より) 桑名藩の飛び地・越後柏崎。 海鳴りと吹きすさぶ風、冬は雪に囲まれる僻遠の地に赴任を命じられた者は、島流しとも噂され、二度と桑名に帰れることはないと言われていた。 渡部鉄之助と妻の紀久は、跡取りの長男を故郷の両親に預け、幼子を抱えて勘定人としてこの地に赴いた。 だが陣屋暮らしは、着物一枚買う余裕もないほど困窮した。 夫と子どものため日々の暮らしを守る紀久の心の拠りどころは、日蓮上人ゆかりの番神堂に植えた、桑名から持参した梅の苗木。 この花が咲いたら故郷に帰れる――そう信じ、ひたむきに生きる紀久だったが……。 下級武士の妻として懸命に生きた女の一生を描いた傑作時代小説。 -
駆け込み寺吟味所
厚木藩の家臣・小暮右近は、絶体絶命の危機におちいっていた。 それというのもこの右近、あるじの御息女、貴子姫の従者として、姫ともども輿入れ先の市原藩松本家に移る予定であったのだが、婚礼当日、肝心の貴子姫が逃げだしてしまったのだ。 しかも姫が逃げた先は、縁切寺として知られる東慶寺の別院。 切腹免除と引き換えに姫を連れ戻す密命を受けた右近は、さっそく寺に向かうが、当の貴子姫はいっこうに戻るつもりはない。 それどころか右近を巻きこみ、離縁状吟味の真似事をはじめる。 優しすぎる旦那の真意、飲んだくれ浪人の秘めた想い、妾に溺れた商人の悲劇……男女間のさまざまな問題を、奇縁でつながったふたりが裁いていく新シリーズ。 -
おけいの戯作手帖
おけいは戯作者見習い。幼い頃火事で両親を亡くし、戯作者の祖父の所に身を寄せる。 「見えないものが見える」弟幸太郎と「見えない人の心」を戯作で表したいおけい。だが祖父の原稿の清書を手伝うだけで、肝心の戯作はまだ書けていない。一方奇談や幽霊譚を得意とした祖父の絵師を「見える」幸太郎が務め、妙に生々しいと大評判だ。 ある日、大店夫婦の心中事件が起き、その後、夜な夜な幽霊が出ると噂になる。戯作のネタになるかもよと親友に言われるがままに、執筆意欲に火がついたおけいは事件を探ることに……。 女の幽霊が「見えた」弟と共に、おけいは果敢なくなった人、口を噤んだ人の言葉を物語に紡ぐ――。 人の業を乗り越えた人の優しさが染みる時代小説。 -
噺家志ん平捕物帖 品川偽心中
名手・風野真知雄の 落語×捕物帖!が 面白くないわけがない! 若き噺家が事件の真相に「オチ」をつける! 待望の新シリーズ! 「品川心中」に「火焔太鼓」…まるで落語のような事件が! 高輪の海辺に若い男女の遺体が上がった。男は真打ちになったばかりの噺家の霧乃家萬笑で、女は品川宿で働くおいち。 落語『品川心中』を模した光景に誰もが心中と信じるが、駆けつけた萬笑の弟弟子の夢遊亭志ん平は、死体の状況に不審を抱く。 死の真相を暴くため、若き噺家が自慢の芸と機転を武器に調べを始めるが…待望の時代ミステリー開演! 第一話 品川偽心中 第二話 燃える太鼓 第三話 三人旅が二人旅