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安房国の港町・片海で漁師をしていた見助は、京の寺々に遊学していたという僧侶と出会う。僧はやがて日蓮と名を改め、鎌倉の松葉谷に草庵を構えて辻説法を始める。見助も鎌倉まで従い、草庵で日蓮の身の回りの世話をするようになる。その後日蓮は、他宗派への攻撃を強め「立正安国論」を唱える。幕府がこのまま邪宗を放置し法華経を用いなければ、国内の災難が続き他国からの侵略を受けると主張した。そして見助は日蓮の予言に伴い、九州の対馬に一人で赴くことになる。日蓮の目となり耳となるために。鎌倉から京の都までは陸路、京から博多さらに壱岐・対馬までは海路だ。遥か遠国の地への、見助の苦難の旅が始まった。
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Posted by ブクログ 2023年09月19日
主人公の見助は、その名の通り、日蓮上人の耳目として対馬に赴き、蒙古襲来の際には惨状の目撃者に徹する。故に激しいアクションは一切無し。かの“神風”の後も、生き残った元の船団が逃げ帰るのを山の上から眺めているだけである。また、作中で日蓮上人は浄土宗をボロカスにこき下ろしていたけど、念仏宗をはじめとする他...続きを読む
題名に反して上巻は、日蓮上人伝記と鎌倉時代の旅日記であった。同じ作家の「国銅」を思わせる出だしであったので期待したが、日蓮上人の活動の記述がどうしても敬意を払わざるを得ないようで、逆に小説としては平板なものになっていると感じた。見助の九州への旅の記述のほうが当時の様子がよくわかって面白い。
Posted by ブクログ 2020年09月19日
長い間、敗戦後の占領政策で洗脳され、国内が経済的に発展すればそれでよいというようにのんびり暮らしてきた日本。「国防」というキーワードが意識されだしたのは、拉致事件が明るみに出た頃から強くなったのではと、わたしは思います。
鎌倉時代の世も昔のこととはいえ、やはり狭い国内でだけで覇権争いをしていた。...続きを読む
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