詩は苦手、と言いながら結構読みました、今年の後半。
しかし、漢詩は難しい。
詩の心以前に、決まりごとが多すぎる。
とりあえずは原文のまま詩を味わうのは無理なので、日本になじみのある詩人の詩を翻訳で読むことにする。
白楽天は、不幸な人々の友だちであろうとして、誰にでもわかる言葉で詩をつづることに努力
...続きを読むをし、詩ができあがると女中のばあやに読んで聞かせ、意見を求めたのだそうです。
つまり、とっつきやすいのではないでしょうか!?
本人によると、白楽天の詩は四つに分類されるそうだ。
1.諷諭詩 社会風刺の詩
2.閑適詩 「或いは公より退きて独り処り、或いは病に移せて閑かに居る時、足るを知り和を保ちて」吟じた詩。
3.感傷詩 「事物の外に牽かれ、情理の内に動くもの有り、感遇に随いて嘆詠に形わるる」詩。代表作は「長恨歌」
4.雑律詩
白楽天自身は諷諭詩を第一に推していたようなのだが、あまり受けいれられなかったようである。
けれど、これはわかりやすい。
庶民の苦しい生活を見て見ぬふりをするどころか、追い打ちをかける役人や大尽たち。
窮状を訴えるも、聞く耳を持たない。
そんなことが切々と、時に激しい調子で詠われている。
西暦700年の中国と、2014年の日本。
世の在り様に、なんの違いがあろうか。
閑適詩は、多くを望まず貧することもなく、その日その日を書を読み琴を奏でて過ごす心の豊かさを詠う。
これも、わかる。
しかし、全ての人がこのような生活を送れるわけでないことは、白楽天自身がよく知っていることで、読後になにか苦いものが残るものもあった。
一番評価されているのは3の感傷詩なのだろうか。
玄宗と楊貴妃を詠った「長恨歌」は、さすがの私でも知っていたくらいだから。
漢詩は、中国の歴史を知らないとわからない部分も多いのだが、漢字と訳文を見比べながらなんとか読んだ。
形にこだわると心が見えず、心にこだわると形を無視してしまいがちになる。
やはり漢詩は難しい。
本当なら原文の一部を紹介したいところなのだが、漢字がまた難しいのでやめておきます。
ひらがなだけの訳文は却って読みにくいような気もするが、自分のレベルを考えると、これがちょうどいいのかなとも思う。