詩羽のいる街

詩羽のいる街

小説・文芸
924円 (税込)

4pt

あなたが幸せじゃないから──マンガ家志望の僕は、公園で出会った女性にいきなり1日デートに誘われた。確かにいっこうに芽が出る気配がない毎日だけど……。彼女の名前は詩羽。他人に親切にするのが仕事、と言う彼女に連れ出された街で僕が見た光景は、まさに奇跡と言えるものだった! 詩羽とかかわる人々や街が、次々と笑顔で繋がっていく。まるで魔法のように──幸せを創造する詩羽を巡る奇跡と感動の物語。

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詩羽のいる街 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    以前「とくダネ」で古市さんがおすすめされていた本を、遅ればせながら読みました。

    詩羽が本当に魅力的な人物で、読み進めるうちに引き込まれていきました。
    こんな人、実際いないでしょ?って思うのに、かと言ってファンタジーとかじゃないリアル感はあって。
    「他人に親切にするのが仕事」
    簡単なようで簡単じゃない。
    詩羽には才能があると自他ともに認めてますが、本当にその通り。
    なんて表現したらいいのかわからないけど、この才能は素晴らしいですね。

    無償の愛とか慈悲とか、そういうぼんやりとしたものを語られると、一気に嘘くさくなって人は構えると思う。
    論理的だからこそ人は信じるし、変わっていく。
    すべての国に詩羽がいれば、きっとずっと平和でいられるんでしょうね。

    0
    2026年07月20日

    Posted by ブクログ

    人に親切にすることを仕事にしている詩羽が親切をする人を主人公にした連作小説。
    マンガ家を夢見る青年、自殺をしようとしている中学生、嫌がらせを趣味にしている人の話、ガルテリのイベントにからんだ話がどれもおもしろく、後でまた出てくるところがよりストーリーへの思い入れを深くしているように感じる。
    詩羽は触媒で、人と人をつないでいくが、少しネガティブなことを持っている人にポジティブを与えていく。本、マンガが物語のポイントになるのも、本読みには個々に楽しめる点と思う。

    0
    2025年11月29日

    Posted by ブクログ

    有川浩の『レインツリーの国』の解説が山本弘で知った作品。
    詩羽の生き方に目からうろこでした。 「他人に親切にすること」が仕事で、お金の代わりに食べ物だったり泊めてもらったりするというのは、なかなか難しいこと。 私は「幸せとは常にあるもの。それに気づくかどうか」という考えなので、詩羽の「私が幸せにしてあげる」という考えには共感は出来ません。しかし、自分の考えをしっかり実行している彼女に、尊敬の念を抱きました。

    0
    2025年06月10日

    Posted by ブクログ

    もう最初から最後まで良かった。詩羽と出会った時からその存在が魅力的で目が離せない。この子のためならなんでもする、自分も変えたくなる。
    街の様子を想像しながら読むのも心地よい。読み心地の良い一冊でした。次は作品中の引用文献に当たりたい。

    0
    2025年03月16日

    Posted by ブクログ

    他人に親切にする事を仕事にしてお金を一切手にせずに生きる詩羽のお話


    自分の描きたいマンガと編集者が言う売れるマンガへの修正に悩む男
    公園で小学生達のカードゲームの三角トレード、果ては五角トレードまでこなし、すべての子に利益を配る女性 詩羽に出会う
    「デートしよう」と誘われて行った先々で経験する詩羽の生き方
    人に優しくすることで、お金ではない対価を得て生きている詩羽
    人々が何を望み、何を提供できるかという情報を巧みに繋ぎ合わせて相互に利益を得るネットワークを構築している

    世の中の不条理に失望して自殺を試みようとしている少女
    証拠を残さずに自分は捕まらない程度の悪意を振りまくことに愉悦を感じている男
    「詩羽」の噂を知り、アニメの聖地巡礼にあやかったオリエンテーリングに参加する女性



    「人に親切にするのが、あたしの仕事」という詩羽
    親しい友人によると「詩羽はね、触媒なの。彼女自身は変らないんだけど、彼女がいることで周りの人が変わっていくの」

    言い得て妙である
    需要と供給があるにも関わらず、出会ってもその条件が難しい反応
    詩羽が媒介することで反応のきっかけが生まれ、後は自然発生的に展開していく

    解説で有川ひろがこう表現している
    『詩羽は「奇跡」に魔法を使わない』

    確かに、潜在的な常用と供給を繋ぎ合わせるのは魔法を使わない奇跡に見える

    『だが、「奇跡のシステム」を使いこなすには才能が要る。詩羽自身も自分がその才能に優れていることを認めている。
    詩羽のような才能を持ち得ない私たちが、現実に奇跡を持ち帰ることは難しいかもしれない。
    しかし、そのシステムを「知っている」ということは、私たちの人生を大いに豊かにするだろう。』

    物語故のご都合展開が多分に含まれるため、詩羽のような存在は非現実的だとも思う
    でも、世の中の仕組みとして、そんな側面もあると知っているだけで世の中の見え方が変わってくると思う


    ここ数年お金に触ってすらいないという詩羽
    お金とはどんな存在だろうとも考えた

    「誰かに親切にして、お返しにお金を要求する。すると不快な気分になる人が多いわけよ。でも、『今度おごってね』とか『今度泊めてくださいね』とか『要らなくなった服があったらちょうだい』とか、お金以外の報酬を切り出すと、たいていOKしてくれる。あなただってそうでしょ? あたしに携帯電話使わせてくれる。通話料がかかるのに」 「いや、そんなの安いもんだし……」 「あたしが『一〇円ちょうだい』とか言ったらどう? 嫌な気分でしょ?」

    お金は複数の人が同様の価値を認めた数字
    共通の価値で等価交換するためのツール

    詩羽のやっていることは、情報に付加価値を付けて提供するキュレーション
    詩羽の場合、人によっては大した価値がない情報や物を、必要としている人に付加価値を付けて提供する事で、その差分の見返りで生きている
    その見返りは、場合によっては提供した価値以上の対価でもある
    でも、それらは他の人にとっては価値を持たなかったり、詩羽にしか適用されないものだったり

    どんな人にも共通の価値の数字であるお金に比べて不便だけど、価値の差分と言う意味ではもの凄く効率がいい
    でも、前述や作中で自称している通り、他の人が同じようにするには才能がいる

    要は、結びつける情報の収集能力と誰が欲しているかというマッチング能力の規模と精度の問題か

    まぁ、その根本に必要なのは「悪い人はいない」という性善説を信じる心構えなのかもしれない



    作中作としてあらすじが描かれている「戦場の魔法少女」
    略称「戦まほ」
    力だけを与えられてしまった少女の理想と現実のギャップ認識


    戦争なんてどちらの立場に立つかによって正義の意味は変わるし
    平和的な解決を望むのであればお互いの求めているものの把握が必要
    でも、それがお互いに譲れない競合するものだからこそ戦争になってるんだよね
    行為そのものの対処をしたとろで止まるわけがない

    ゾンビ、ポトフ、巨大化
    元ネタがいくつか思いつくけど、それらを合わせてこんな展開にするとは
    えっぐいなぁ……



    悪意に関するところはそんなでもないけど、個人的に身につまされたのは、変化を嫌う精神についてでしょうか

    「今まで通りの生き方を続けること」が人生の目的になってしまっている人

    私はなるべく平穏な生活をしただけなんですけどね
    まぁ、そのためにはそれを維持するための変化を受け入れなければいけないというのは理屈としてはわかる

    人は幸福になるのは目的なのに、そして他はすべてそのための手段なのに、いつの間にか手段が目的になってしまって、目的のために手段を変える=今やっていることを修正するってことができない人
    うーん、耳が痛いなぁ……


    有川ひろが解説を書いている理由は、解説の最後にあるように、「レインツリーの国」が参考文献になっているからだけど
    人の悪意とその対抗策に関して、自著の作品と似たような傾向があるように思われる



    山本弘さんらしく参考文献が多数
    作中で元ネタに気付いたやつは読んでいて「ニヤリ」とする

    0
    2023年10月06日

    Posted by ブクログ

    10年近く前に読んで、懐かしくて今回再読しました。
    いまだに読んだ時の揺さぶられ感が残っていて、影響を受けた小説トップテンに君臨中。

    0
    2023年10月01日

    Posted by ブクログ

    ミッション系の学校で「無償の愛」とかを教わってきた身としては詩羽がどんなに人に親切にしていても結局見返りを求めている時点でなんだか残念だと感じていたが、それで周囲の人は納得しているし、トラブルなく成り立っているので、詩羽の能力は本当に尊敬に値すると思い直した。
    常にアンテナを張って周りの人の心を察する観察眼やめない心の強さ、空気を温かくする人柄などなど。詩羽は現代社会に生きる私たちが忘れがちだが、決して忘れてはならない多くのことを兼ね備えた理想の存在だと思う。私も詩羽のようになりたい。

    0
    2024年03月25日

    Posted by ブクログ

    中学生くらいのときに読んで、作者さんも本のタイトルも思い出せなかったけど、内容をふと思い出して、どうしても読みたくて、どうにかこうにか見つけ出して、やっと読めた。不思議で魅力的な女の子がみんなを幸せにする話。

    0
    2021年10月04日

    Posted by ブクログ

    "小説。ファンタジーだと言いたくなるくらい、素敵な世界が広がっている小説だった。
    この作品は、力強いメッセージにあふれている。今と未来を大切に、前向きに生きること。そして、もうひとつは、現在の貨幣を媒体とした経済のシステムから一歩超えた世界で生きている主人公に共感を覚えるとともに、現実の世界でもこんな人がいてくれたらうれしいと切望する。
    主人公の今後は、私たちに託されたのかも知れない。どんな物語を紡いでいくのかは、心の中で大事に育てていきたい。"

    0
    2018年10月28日

    Posted by ブクログ

    少し夢のような女性が登場する物語。凄く楽しませてもらいました。こんな世界が実現するといいなと思う作品でした。

    0
    2016年09月19日

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