小説 - 講談社作品一覧

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  • 十一月のマーブル
    4.0
    1巻1,155円 (税込)
    小学6年生の波楽(はら)は、都内の私立小に通う左利きの男の子。お母さんと血がつながっていない。でも、今のお母さんは大好きだし、妹も好きだ。しかし、ある疑惑をかかえていて・・・。波楽は、たまたま本当のお母さんの恋人に出会い、その謎をときあかそうとしたら・・・。待っていた衝撃的な事実。小学生高学年以上向き。 ●あさのあつこ氏推薦!これは、少年たちの静かで美しい戦いの物語です。
  • スプートニクの恋人
    4.0
    「すみれがぼくにとってどれほど大事な、かけがえのない存在であったかということが、あらためて理解できた。すみれは彼女にしかできないやりかたで、ぼくをこの世につなぎ止めていたのだ」 「旅の連れ」という皮肉な名を持つ孤独な人工衛星のように、誰もが皆それぞれの軌道を描き続ける。 この広大な世界で、かわす言葉も結ぶ約束もなくすれ違い、別れ、そしてまたふとめぐりあうスプートニクの末裔たちの物語。
  • 破戒者たち 小説・新銀行崩壊
    4.0
    弱い者いじめに苦しむ中小企業にとって新銀行は救世主になるはずだった。"必殺仕掛人"の金融コンサルティング会社社長の野心に警戒しながら、設立に身を捧げる男たち。だが金融庁対策、資本金調達で困難に見舞われ、当初の理念は地に堕ちていく。経営陣の逮捕まで招いた「許されざる者」たちの罪業を描き切る傑作!
  • 鮎師
    4.0
    死相の漂う初老の男は、早川の淵に誰も見たことのないような巨鮎が潜んでいると告げた。初めは半信半疑だった中年の男も、ある日巨鮎の存在をその目で確かめ、いつしか巨鮎釣りにのめり込んでいった。「あいつだけは、誰にも渡さん」と死の床で吠える男と、中年の釣り師との間に奇妙な友情が生まれ、終極に向かう。
  • ミュージアム 公式ノベライズ
    4.0
    大ヒット映画化漫画作品の書下ろしノベライズ!雨の中、惨劇は起きた。現場に残された紙片には"ドッグフードの刑"の文字。最悪の猟奇殺人は刑事・沢村の予想通り連続する。"私刑執行者"、蛙男の衝撃の過去と心の闇が襲い来る、知られざるもうひとつの「ミュージアム」小説版、悪魔の"Another Side"。巴亮介の絶賛漫画作品の、ホラーの名手、牧野修による書下ろし驚愕ノベライズ。
  • 十字路に立つ女
    4.0
    慢性腎不全を患うみずえに不審な生体腎移植手術の話が持ちあがった。時を同じくして起きた、みずえの実家、神田の古書店に対する地上げ攻勢、婦女暴行魔の脱獄、そして何者かの影に怯える美しいスペイン研究者・理絵……。神田界隈を背景に私立探偵・岡坂神策が錯綜する謎に挑む。大人のミステリー!
  • 人間の由来(上)
    4.0
    センセーションを巻き起こした『種の起源』から12年、ダーウィンは本書で初めて人間の「由来」と「進化」を全面的に扱った。人間は、肉体的形態、心的能力、知的能力、道徳的性質のすべてにおいて「下等動物」と連続性をもっている。そして、お互いに助け合い、守り合う「種」こそが「存続をめぐる争い(生存競争)」を生きのびる。ダーウィンが進化論に託した希望が示されるもう一つの主著、待望されてきた文庫版初の全訳!
  • 零崎双識の人間試験
    4.0
    1~7巻693~902円 (税込)
    「零崎一賊」――それは"殺し名"の第三位に列せられる殺人鬼の一賊。その長兄にして切り込み隊長、"二十人目の地獄"にして奇怪な大鋏"自殺志願(マインドレンデル)"の使い手、零崎双識が赴いた行方不明の弟捜しの旅は、未曾有の闘争劇の幕開けだった! 息をもつかせぬ波乱の向こう側に双識を待つものは……!? 「人間シリーズ」第一弾!
  • BB/PP
    4.0
    1巻1,771円 (税込)
    沙汰のかぎりを尽くし、生身の女の血肉にはもう飽いた、という現代の青ひげ公BBが余生の伴侶として購入した最高級の人工知能を持つ美しい女PP。夫への愛と尊敬のみをインプットされ、世界のことも異性のことも何も知らない真っ白なカンバス地のようなこの女なら愛せるようになるかもしれない、切り刻みたくなったりはしないかもしれない、と密かに思うBBだったが……。衝撃の表題作ほか全9編を収める芥川賞作家の傑作小説集
  • 泪壺
    4.0
    「わたしを壺にして、側においといて」。癌に冒されて逝った最愛の妻を骨灰磁器(ボーンチャイナ)として遺した男。一周忌を過ぎ、男の前に現れた女性は、その壺に戸惑いを隠せない。表題作のほか、会社の上司との愛と別れを描く『マリッジリング』、手の移植手術から過去の女を振りかえる『握る手』など愛と性を抉(えぐ)る珠玉の短篇集。
  • 九鬼周造 理知と情熱のはざまに立つ〈ことば〉の哲学
    4.0
    独自の思索を展開した哲学者・九鬼周造(1888-1941年)。その波乱に満ちた生涯をたどりながら、「〈ことば〉の哲学」をキーワードにして、全主要著作を読み解く。『「いき」の構造』(1930年)、『偶然性の問題』(1935年)、『文芸論』(1941年)といった多彩な著作を貫くものとは? 日本哲学研究の第一人者である著者が、若き日から耽溺してきた不世出の哲学者に抱く深い想いを今ついに解き放つ。
  • 結婚の四季
    4.0
    白無垢の花嫁衣裳、ハワイのハネムーン、夢のような蜜月が過ぎてしまったあとに残るものはなに? 家風の違い、嫁と姑、果ては夫の浮気……和子は様々な事件に傷つきながらもひたむきな愛情で立ち向かっていく。新婚1年の和子の愛と惑いの日々を、独特の温もりある筆致で描き爽やかな感動を呼ぶ傑作長編。
  • 謀略航路
    4.0
    激化するシリア内戦に対して派遣された多国籍和解仲介団。だが、彼らの乗った旅客機は謀略により強制着陸させられ、乗員乗客全員が拘束されてしまう。戦火が迫る中、人質救出に送り込まれた元航空自衛隊員たちは、空前絶後の作戦を決行する――。航空軍事サスペンスの旗手が描く、ありうべき世界の危機。
  • 「文壇」の崩壊
    4.0
    文壇事情に精通し、匿名批評も多くし、四十九歳で世を去った昭和の文芸批評家、十返肇。軽評論家と称され、正当な評価を受けていたとは言いがたい彼はしかし、文学への深い愛と理解力、該博な知識をもって、昭和という激動の時代の文学の現場に、生き証人として立ち会い続けた希有なる評論家であった。今なお先駆的かつ本質的な、知られざる豊饒の文芸批評群。
  • 1492年のマリア
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    新大陸アメリカは、ユダヤの〈約束の地〉だった!壮大なる歴史ロマンに秘められた、情報社会の功罪をめぐる〈暗合の糸〉。NHKオーディオドラマ原作。
  • 牙をむく都会(上)
    4.0
    行きつけのバーで出会った女は、業界最大手の広告会社の社員だった。彼女の依頼で、現代調査研究所所長・岡坂神策は、映画祭プロジェクトのPRを手がけることに。一方、新聞社が主催するスペイン内戦シンポジウムのコーディネーターも引き受ける。二つの依頼の背後から、戦後史の重大な疑惑が浮上する。
  • メサイア 警備局特別公安五係
    4.0
    世界から軍隊が消えた時代。しかし戦争は諜報戦への姿を変えていた。家族を惨殺され一人生き残った海棠鋭利、兄と生き別れた御津見珀は、戸籍を剥奪されたスパイ集団、警備局特別公安五係、通称「サクラ」にスカウトされる。桜のように潔く散る、それが彼等の流儀。舞台・映画化の人気シリーズ原作。書き下ろし短編小説「哲学者より愛を込めて」収録!
  • のっぴき庵
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    伊豆にある老人ホーム「のっぴき庵」の入居者は、仕事がないベテラン役者のみ。大スターの入居、脇役俳優の失踪、女優の結婚宣言など、一癖も二癖もある面々が起こす騒動はオーナー・今村富夫の悩みの種だ。そんな気苦労の絶えない富夫は考え続ける――「『人生、半ばあきらめて、終着駅を待っている』と口にする"のっぴきならない"彼らに、僕は何ができるのだろうか」と。そして、思わぬトラブルをきっかけに大きな賭けに出た!
  • 中継刑事<捜査五係申し送りファイル>
    4.0
    四年前の女子高生転落死事件が、ネット上の他殺を示唆する書き込みが発端で再燃。凄まじい速さで名門校を揺るがすスキャンダルとなって広がっていく。捜査に乗り出さざるをえなくなった所轄署が事件の担当にしたのは"中継(なかつぎ)"捜査のために編成した捜査第五係だった。まったく新しい警察小説シリーズ第一弾!
  • 新装版 妖しいクレヨン箱
    4.0
    丘を走る少年と白い犬、金色の月の光と錬金術、酒場の赤い酒が運んで来たもの、安アパートの玄関に置かれた青いハイヒール、年上の少女と飛ばした桃色の紙飛行機――十二の色彩鮮やかな物語を紡ぎ出す<妖しいクレヨン箱>。ここではない世界への境界線を軽々と越えていく全35編の傑作ショートショート集。
  • デビュー小説論 新時代を創った作家たち
    4.0
    1巻1,881円 (税込)
    デビュー小説にはその作家のすべてが詰まっている! 村上龍、村上春樹、笙野頼子、高橋源一郎、山田詠美、多和田葉子、川上弘美、町田康。1970年代~1990年代に鮮烈なデビューを果たし、新しい日本文学の時代をひらいた8人の人気作家の原点とは。デビュー作を読み解き、当時の背景や意外な評価をまじえて語る、文学案内。
  • 江戸諸國四十七景 名所絵を旅する
    4.0
    江戸時代には交通網も発達し、旅や諸国の風景・事物への関心が高まって、名所図会類が多く刊行された。風景画の浮世絵、読み物や事典類の挿絵などとしても繰り返し描かれ、各地の名所名物についての知識も一般に普及した。本書では、江戸時代の文学をはじめとして、その時代に出版されたさまざまな味わい深い絵画の中に描かれる名所名物を見て、日本全国、北海道から沖縄まで一県につき一ヵ所、全部で四十七の名所を巡る。
  • 聖者の凶数 警視庁殺人分析班
    4.0
    暮れも押し迫った夜、上野の空きアパートの一室で、顔と両腕を損壊された遺体が見つかった。手がかりは、遺体の腹に記された謎の数字と、狩りの守護聖人のカードだけ。連続殺人を予測した如月塔子ら警察の捜査むなしく、第二の事件が発生。またも記された数字は、犯人からの挑発なのか。超人気シリーズ第5弾! 講談社文庫「警視庁殺人分析班」シリーズは、講談社ノベルス「警視庁捜査一課十一係」シリーズと同一シリーズです。
  • 最後のフライト ジャンボ機JA8162号機の場合
    4.0
    名パイロット、引退の日。37年間空を飛び続けてきた男は最後のフライトで、父に憧れ同じ職に就いた息子を副操縦士に指名。最初で最後の父子同乗フライトに臨む。無事に終わってさえくれればとの願い空しく、NYを離陸後、最悪のトラブルが発生し……。元航空機関士が自らの経験を元に描いた処女小説。
  • ある殺人者の回想
    4.0
    おれはなぜ二度も人を殺したのか。七十六歳で故あって二度目の殺人を犯し四年、いま獄中にある男は静かに語り始める。昭和初頭、炭鉱の島に生まれ坑夫となった緒方一義は隣人を殺し、一度目の獄につながれた。彼が手にかけた男の妻と交わし続けた手紙にこめた想いとは? 遠ざかりゆく昭和という時代と数奇で凄絶な人生が見事に描かれる。
  • ドストエフスキー
    4.0
    同じ言葉でも誰がどんな状況で語るかで、その意味は異なり、ときに正反対に受け取れる。このラズノグラーシエ=異和こそがドストエフスーを読む鍵となる。登場人物は対話の中で絶えず異和と不協和に晒され、そのダイナミズムが読む者を強烈に惹きつけるのだ。批評家バフチンを起点に、しかし著者単独で小説内部に分け入り、文学的核心を精緻に照射する。ドストエフスキー論史の転換点を成す衝撃的論考。
  • 軍神の血脈 楠木正成秘伝
    4.0
    薬剤師の早乙女瑠璃は、神風特攻隊の生き残りで祖父の修吉から、『太平記』を渡される。だが、楠木正成に関する部分を読むよう告げた修吉は、何者かに毒を射たれ、瀕死の重体に。事件の背後には秘密結社〈南木の会〉が。瑠璃は、祖父の命を救うため、元同級生で作家の京一郎とともに、正成の死に纏わる謎を追う!
  • 彩乃ちゃんのお告げ
    4.0
    なぜか"教主さま"だという女の子を預かることになった。彩乃ちゃんといって、一見ごく普通の、小学五年生の女の子だ――。花屋に勤める二十代の智佳子、進路に悩む高校三年生の徹平、東京から地方に越してきた小学五年生の佳奈が、彩乃ちゃんとの出会いで知った人生の奇跡。前に進むすべてのひとに捧げる物語。
  • 雨心中
    4.0
    周也だけがたったひとつ、私のもの――施設育ちの芳子と周也は、実の姉弟のように生きてきた。仕事が続かぬ周也を常に優しく受け入れる芳子。芳子にはわかっていた。周也を甘やかし、他人から受け入れられないことを受け入れられないほど駄目にしてきたのは自分だということを。そして周也がある罪を犯したとき、芳子は二人でもう戻れない選択をする――幸福に向かっているのか。絶望に向かっているのか。直木賞作家の意欲作!
  • 三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人
    4.0
    「4月9日(金)午前0:20にお越しください。お目にかかれるときを楽しみにしております。黒鳥館主人」招待状を手に東亜学芸大生・西大寺俊は黒鳥館と名づけられた壮麗な洋館に赴く。招待客は全員無作為に選ばれたという。ウェルカムドリンクを主人から受け取った西大寺は、館内の完全な密室で怪死!!呪われた館を舞台とした凄惨な連続殺人の火蓋が切って落とされる!※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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  • 警視庁捜査一課南平班
    4.0
    東京の夜の街中で、撲殺して顔を潰すという猟奇殺人が、たてつづけに発生した。死体の手には、白い鳩のバッジが……。それは3年前に箱根の山中で起きた殺人事件と酷似していた。地道な捜査で知られる警視庁捜査1課の南部平蔵班が、2つの事件をつなぐ糸を手繰った先に見出した、意外な犯人の姿とは
  • 探偵の探偵 電子オリジナルカバー版
    4.0
    調査会社スマ・リサーチが併設する探偵学校に、笑わぬ美少女・紗崎玲奈が入校する。探偵の全てを知りたいが探偵にはなりたくない、という彼女はなぜ探偵学校に入校したのか? スマ・リサーチ社長・須磨康臣は、彼女の驚くべき過去をつきとめる。須磨は玲奈の希望を鑑み「対探偵課」を設けた。紗崎玲奈はひとり、悪徳探偵を追う"対探偵課探偵"となる。 傑作サスペンスが清原紘の新規書き下ろしイラストで登場!【 講談社から配信中の『探偵の探偵』と内容は同じものになります】
  • アレー! 行け、ニッポンの女たち
    4.0
    1巻1,155円 (税込)
    「女性が輝く社会」なんて、きれいごとのお題目。 男女雇用機会均等法が制定されてから30年も経つのに、ちっとも生きやすくならない世の中で、すり減り疲れ切った女たちが、ある出会いを縁に、ランニングの楽しさ、他人(ひと)を応援することの素晴らしさを知り、人生に立ち向かうエネルギーをつかんでいく。2016年、最も元気が出る小説。読めば、あなたもきっと走りたくなる。そして、大声で応援したくなる。
  • ユーラシアの双子 上
    4.0
    1~2巻743円 (税込)
    50歳で会社を早期退職し、シベリア鉄道に乗りユーラシア大陸を横断する旅にでた男・石井。二人娘のうち長女は五年前自ら命を絶ち、三年前に妻とは離婚した。旅で石井は過去として過ぎ去ってしまった半生を振り返り、孤独と対峙していた。石井は偶然、自殺を決意し同じルートを先行して旅する若い女性・エリカの存在を知る。石井の西への旅は続く。
  • 濁った激流にかかる橋
    4.0
    激流によって分断された町の右岸と左岸。それをつなぐ唯一の異形の橋。かつての小川は氾濫をくり返し、川幅は百倍にもなり、唯一の橋は拡張に拡張を重ね、その全貌を把握できぬほどの複雑怪奇さを示す。そして右岸と左岸にはまったく気質の異なる人々が住む。この寓話的世界の不思議な住民たちの語る9つの物語。諧謔的かつ魔術的なリアリズムで現代の増殖する都市の構造を剔抉した読売文学賞受賞作。
  • 十津川警部 金沢・絢爛たる殺人
    4.0
    都内のビル屋上で、加賀宝生流の能衣装に女面をつけた男の死体が見つかった。被害者の死ぬ前の舞いを見たと思われる南米の大統領も、金沢に関係しているらしい。事件の手がかりを求めて十津川警部は現地へ向かうが、謎は深まるばかり……。歴史ある古都で巻き起こる絢爛たる事件に、十津川はどう挑むのか。
  • 刑事魂
    4.0
    南平班の菅原警部補が雑木林で惨殺された。胸に刻まれた十字形は挑発かそれとも見せしめか。上司にも同僚にも知らせず、菅原は1人、なにを追っていたのか。仲間の無念を晴らすべく、捜査1課の猛者たちが総力戦を挑む。たった1枚の地図を手がかりに犯人を追い詰めてゆく南部平蔵班の刑事魂が光る!!
  • 三月生まれ
    4.0
    1巻1,518円 (税込)
    少年たちの心の揺れをみずみずしく軽やかに描いた作品。淡い初恋、大人の男女間に流れる波紋、出会いそして別れの予感。――ちょうど同じ時間、兄の中子充は安直な片思いの恋に落ちようとしていた。(中略)思いがけず川並由佳が振り返って自分を見ていた。川並由佳が自分の名前を知っていた。知っていたばかりか、彼女の方から中子君と呼びかけてきた。たったこれだけのことで、充の片思いは始まったのだ。――本文より
  • 権現の踊り子
    4.0
    権現市へ買い物に出かけたところ、うら寂しい祭りの主催者に見込まれ、「権現躑躅(つつじ)踊り」のリハーサルに立ち会う。踊りは拙劣。もはや恥辱。辟易する男の顛末を描いて川端康成文学賞を受賞した表題作や、理不尽な御老公が市中を混乱に陥れる、"水戸黄門"の町田バージョン「逆水戸」など、著者初の短編集。
  • 黒髪
    4.0
    りえの下に届いた一葉の写真は、自らの出生の秘密を解く鍵だった――。昭和初期の函館で亡命ロシア人一家に女中奉公に出たさわは、いつしか主人を愛するように。が、生まれたばかりの子を妻に奪われ、一家は戦火を逃れて大連へ。遊女となったさわは愛する男と子供に再会するため海を渡る……。
  • 韓国新幹線を追え
    4.0
    日韓関係が緊張を続けるなか、日本側特使を暗殺する計画が密かに練られていた。舞台は、韓国新幹線KTX。危険を察知した十津川と亀井は韓国に飛ぶが、時速三〇〇キロで疾走するKTXは、犯人グループにハイジャックされてしまう。十津川らは計画を阻止できるのか。犯人の目的は? 終盤の闘いは、まさに瞠目!
  • 森の家
    4.0
    自由のない家族関係を嫌う美里は、一回り年上の恋人と彼の息子が住む家に転がりこむ。お互いに深く干渉しない気ままな生活を楽しむ美里だったが、突然の恋人の失踪でそれは破られた。崩壊寸前の疑似家族は恢復するのか? 血の繋がりを憎むのに、それを諦めきれない三人。「家族という概念は放浪の旅に似ている。人はまるで終わりのない旅のように、いつまでも本当に安らげる自分の居場所を探していく」――千早茜
  • 存在しない小説
    4.0
    アメリカ、ペルー、マレーシア、日本、香港、クロアチア……。世界のさまざまな場所から『存在しない小説』というウェブサイトに届いた小説は、それぞれ見知らぬ土地の風土が匂い立つような文体で、そこに生きる人々のドラマを鮮やかに描き出していく。「存在しない作家」たちによる、魅力あふれる世界文学。
  • はじめての日々 泣いちゃいそうだよ《高校生編》
    4.0
    わたし、小川凛。この春から湾岸高校での生活がスタートしました! これまでとは違う新しい環境、個性的な同級生や先輩たち。そんな中で自分の居場所を見つけるのはけっこう大変だけど、大好きな広瀬崇と一緒なら、きっと乗り越えていける! 活字力全開(フルパワー)の人気シリーズ。小川凛、高校1年生になりました! 胸キュン度120%! 青い鳥文庫の大人気シリーズ、待望の高校生編!
  • この冬の私はあの蜜柑だ
    4.0
    1巻1,771円 (税込)
    高3の夏、水着姿で自転車に乗った美樹子が差し出した葡萄味のアイスキャンディーを、明彦は今もはっきり覚えている――(「愛は真夏の砂浜」)。かつての同級生、兄と妹、客と店員、編集者と作家、元夫婦。都市の一角ですれ違い、向き合い、別れていく男と女の姿を、研ぎ澄まされた文章で、譜面に音楽を刻みつけるように描く。音楽、スニーカー、ラジオ……あるテーマを出発点に想像力が鮮やかに紡ぎだす、魅惑の9篇。
  • 妖怪アパートの幽雅な日常 ラスベガス外伝&妖アパミニガイド&るり子さんのお料理日記 3冊合本版
    4.0
    妖アパファンから、是非読みたいリクエストが多かった稲葉夕士の世界旅行。その過酷でファンタスティックな日々が、ここに明らかになります。古本屋と一緒の世界旅行の途中で、ラスベガスに立ち寄った稲葉夕士。そこに住む、千晶先生の兄・恵のところにお世話になることになったのだが・・・。さらに、妖アパミニガイド&るり子さんのお料理日記も収録の3冊合本版。妖アパの魅力が、とことん味わえます。
  • うたうとは小さないのちひろいあげ
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    桃子は高校1年生。中学時代に親友だった綾美も同じ高校に入学したが、まもなく不登校になった。それは中学時代に体験した壮絶ないじめが尾を引いているからだったらしい。一方、人数不足の「うた部」(短歌)に思いがけなく入部した桃子は綾美に対して、高校で友達は作らないという宣言までしてしまう。そしてある日の放課後、うた部で短歌甲子園に出場しようという話が持ち上がって…。第53回野間児童文芸賞受賞作。
  • 憂国者たち
    4.0
    1巻1,881円 (税込)
    ボスニア・ヘルツェゴヴィナの内戦で、大量虐殺の罪に問われたラドヴァン・カラジッチ。彼は三島由紀夫の愛読者だった。この事実を知った女子大生・橘アカネは三島をテーマに卒論を書くため虐殺の地へと赴いた。一方、アカネの元恋人・鷲見恭一郎はネトウヨに惹かれて三島へと接近する。それぞれのアプローチが交錯するとき、戦後日本の姿と三島文学の本質が浮かび上がる!没後45年、新たな三島由紀夫像に迫る力作長篇小説。
  • 法月綸太郎の冒険
    4.0
    名探偵・法月綸太郎に挑戦するかのように起こる数々の難事件。なぜ死刑執行当日に死刑囚は殺されたのか、図書館の蔵書の冒頭を切り裂く犯人、男が恋人の肉を食べた理由など異様な謎に立ち向かい綸太郎の推理が冴えわたる。〈ルーツ・オブ・法月綸太郎〉ともいえるミステリの醍醐味あふれる第1短篇集。
  • 名探偵の肖像
    4.0
    本格推理を愛するすべての人に捧ぐ! 探偵としてもすぐれた才能を発揮した怪盗アルセーヌ・ルパン。アリバイ崩しの鬼貫警部。密室殺人を解くヘンリー・メリヴェール卿。往年の名探偵の華麗な推理に挑戦した贋作(パスティーシュ)を含む短編5作、敬愛するJ・D・カーについての芦辺拓氏との対談、随筆を一挙収録。本格推理を愛するすべての人に捧ぐ必読の1冊。
  • ここで、君の隣に任意の異性を代入する
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    ある数学教師との出会いが、一人の非モテ少年の人生を変える!男子校に通い、色恋沙汰とは程遠い青春をおくる神原優弥。高校2年の春、新しく赴任してきた副担任・平坂龍之介の登場で、彼の世界は一変する。「クラス全員をリア充にしてみせる」伝説のナンパ師であり冷静沈着な数学教師でもある平坂の、ゲスいながらも心に響く恋愛特別講義が今、幕をあける――。
  • 十四歳の情景
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    視力を失い始めた14歳の池山潤。同じ症状に苦しみ1年前に死を選んだ兄・昌義が遺した日記から、視力が消えてから見えてくる「時の情景」を知る。そして、滝口雅也。なぜ、兄貴は彼に私を託したのか――。遺伝子と折り合いをつけ、"此の世の理"に抗おうとした少女が綴った、ある夏の日記。
  • 草のいのちを 高見順短篇名作集
    4.0
    自らの出生の秘密を語る「私生児」、左翼体験の暗部を飄々とした筆致で描く「嗚呼いやなことだ」など戦前4作品と、敗戦後の荒廃からの精神の甦りを高らかに謳い上げる表題作、リベラリズムの内に潜む頽廃を一知識人に戯画化する「あるリベラリスト」など戦後4作品を収める。ユーモア溢れる文体から生まれる批評精神を1冊に凝縮。
  • 聖ヨゼフの惨劇
    4.0
    開かずの礼拝堂の怪。引きずり込まれる悪党と美女。15歳の少年ヴィドックは、生きて出られぬ苛烈な監獄に送り込まれた。不思議な美少女との逢瀬を重ね脱獄の機会を窺ううちに、開かずの礼拝堂に行き当たる。幽霊に取り殺されるというのは本当か。革命派と王党派がしのぎを削るフランスを舞台に展開する波乱万丈の歴史ミステリー。<『聖ヨゼフ脱獄の夜』改題>
  • 極楽谷に死す
    4.0
    1970年代、あの時代の熱はどこにいってしまったのか。南米バルパライソ、極楽谷と称される海辺の町から"わたし"のもとに一通の手紙が届く。学園紛争に引き込んでしまった友人が死んだという。さいはての地で娼婦の稼ぎで生きてきた男の軌跡を辿(たど)る"旅"にわたしは出た――。あの時代があざやかによみがえる短編集。(講談社文庫)
  • 金達寿小説集
    4.0
    昭和五年、十歳で渡日後、働きながら文学者を志し、在日朝鮮人文学者の嚆矢として活躍、のちに古代史研究でも大きな業績を残した異才。川端康成、中村光夫、佐藤春夫らに高く評価されながらも「もはや新人でない」からと芥川賞を逸した「朴達の裁判」始め、日大芸術科在学中の習作から壮年期までの小説を精選、小説家・金達寿の真骨頂を示す記念碑的作品集。
  • 獅子渡り鼻
    4.0
    小さな入り江と低い山並みに挟まれた土地に十歳の尊は連れて来られた。言葉が話せず体も動かせない兄と尊を、都会の狭い部屋に残していなくなった母があれほど嫌っていた田舎。豊かな自然と大人たち、霊的なるものに慈しまれ、尊は癒されていく。芥川賞受賞作「九年前の祈り」に連なる<希望と再生>の物語。
  • 幽女の如き怨むもの
    4.0
    十三歳で遊女となるべく売られた少女。"緋桜"と名付けられ、身を置いた世界は苦痛悲哀余りある生き地獄だった。戦前、戦中、戦後、三つの時代の謎の身投げの真相は"幽女"の仕業か、何者かの為せる業か。謎と怪異に満ちる地方の遊郭を舞台に、ミステリランキングを席巻した"刀城言耶"シリーズ第六長編、文庫降臨。
  • 明日の朝、観覧車で
    4.0
    夜明けまで、まだ100km。私が変わるまで、あと30時間。歩き続ける、青春小説!夜通しかけて100kmを歩く催しに、一人で参加した高校生のみちる。完歩の自信もなく、早々にリタイアしようとした時、謎かけのような言葉で自分を励ます初老の男性と出会う。その人と歩くうち、脳裏に浮かんできたのは、ある事故をきっかけに変わってしまった家族のこと。『100km!』改題。
  • 大好きがやってくる 七星編 -泣いちゃいそうだよ-
    4.0
    わたし、大沢七星はこの春、東京に引っ越してきたばかりの中学1年生。幼いときにママを亡くして、パパと双子の兄の北斗と、3人で力をあわせて暮らしてきたんだ。新生活にもなれてきたころ、パパに再婚話が浮上!? さらにクラスでは大好きな真澄くんへのいじめを止めようとして、逆に自分が浮いてしまい……。新ヒロイン&新ヒーロー、北斗と七星の、中1春から夏のストーリーです!
  • 浜村渚の計算ノート 6さつめの第1話 シスター・メルセンヌの記憶
    4.0
    1~4巻152円 (税込)
    テロ組織『黒い三角定規』のメンバーだったが、今や仲間から命を狙われているキューティー・オイラー。その潜伏先を知っているという女性が現れた。その女性は記憶喪失になっており、詳しい事情を聴き出せない状況にあったが、じつは数学に精通しているらしいことを、浜村渚が見抜いた。彼女はいったい何者なのか。 人気シリーズ「浜村渚の計算ノート」シリーズの新作・第7弾の1話分を、電子書籍で先行配信します!
  • MOON SAGA 義経秘伝
    4.0
    1巻1,595円 (税込)
    2002年以降からGACKTが手掛けてきた物語『MOON SAGA』。自ら書き下ろした脚本、自らの演出の元、主人公である義経を演じるGACKT。2012年に行われた舞台『MOON SAGA 義経秘伝』の全国4大都市(東京、名古屋、大阪、福岡)公演では、述べ5万人を動員した。そして2014年8月、第二章としてまた新たな義経秘伝が生まれることに……。そんな注目の舞台の原作ともなった小説が登場する。
  • 名作英文学を読み直す
    4.0
    秘密の花園、ロビンソン・クルーソー、アーサー王……東大教授と一緒に英文学を遊ぼう。『秘密の花園』『赤毛のアン』=少女小説。『ロビンソン・クルーソー』『ホビット』=冒険小説。そう思い込んできたみなさん、慣れ親しんできたこうした作品には技アリ、しかけアリ、意外な意味がたくさん隠されているものです。「東大生だって、英文学に通暁しているわけじゃない。恥ずかしながら五十路になってやっと、そんな学生たちの微妙な空気を読み取っておもしろおかしい講義ができるようになった(はず)」とのたまう東大教授が、豊穣な英文学の世界にご案内いたします。(講談社選書メチエ)
  • 雪に眠る魔女 霊媒探偵アーネスト
    4.0
    霊媒師一族の末裔、アーネストと、霊感ゼロの喫茶店店主、佐貴。二人が挑む新たな事件とは?
  • 探偵の探偵
    4.0
    調査会社スマ・リサーチが併設する探偵学校スマPIスクールに、笑わぬ美少女・紗崎玲奈が入校する。探偵のすべてを知りたい、しかし探偵にはなりたくない、という玲奈、なぜ彼女は探偵学校に入校したのか? スマ・リサーチの社長・須磨康臣は、彼女の驚くべき過去をつきとめる。須磨は玲奈の希望を鑑み「対探偵課」を設けた。紗崎玲奈はひとり、悪徳探偵を追う"対探偵課探偵"となった。
  • 原発ホワイトアウト
    4.0
    キャリア官僚による、リアル告発ノベル! 『三本の矢』を超える問題作、現る!! 再稼働が着々と進む原発……しかし日本の原発には、国民が知らされていない致命的な欠陥があった! この事実を知らせようと動き始めた著者に迫り来る、尾行、嫌がらせ、脅迫……包囲網をかいくぐって国民に原発の危険性を知らせるには、ノンフィクション・ノベルを書くしかなかった!
  • 新装版 D機関情報
    4.0
    第二次大戦末期、密命を帯びてヨーロッパへ向かった海軍中佐関谷は、上陸したドイツで、親友の駐在武官矢部の死を知らされる。さらにスイスでは、誤爆により大事なトランクを紛失。各国の情報機関が暗躍する中立国スイスで、トランクの行方と矢部の死の真相を追う関谷。鍵を握るのは「D」。傑作スパイ小説!
  • 男性作家が選ぶ太宰治
    4.0
    「この作品が自分は一番嫌いだ」(奥泉光選「道化の華」)、「不思議な明るさに包まれた怯えの百面相」(堀江敏幸選「富嶽百景」)、「『男性というものの秘密』を知っている作家」(松浦寿輝選「彼は昔の彼ならず」)――七人の男性作家がそれぞれの視点で選ぶ、他に類を見ない太宰短篇選集。
  • 美しき一日の終わり
    4.0
    母親を亡くした8歳の秋雨が美妙の家に引き取られたのは、彼女が15歳の時だった。辛くあたる母から秋雨を庇ううちに姉弟という間柄を超えていくようであったが、その思いをずっと胸に秘めたまま、出会いから五十五年となるその日、美妙は娘夫婦と孫娘が起き出す前に、取り壊しが決まった家へと向かう――。
  • 子規、最後の八年
    4.0
    二十八歳で結核を発症し、三十五歳で逝った正岡子規。脊髄カリエスによる激しい痛みに堪えながら、新時代の言語表現を追求する彼の病床には、漱石・虚子ら多くの友が集った。そしてその濃密な晩年は、現代日本語の書き言葉を完成させる道程でもあった。命尽きるまで情熱を燃やした子規の功績を辿る、近代日本文学史の労作。
  • いのちのパレード
    4.0
    1巻1,155円 (税込)
    万里は中3、バレー部のセッターだ。エースのセナから、とつぜん「妊娠した」と告白を受ける。セナは、黙って転校していった。市民病院で看護師として働いている万里の母、万里に思いを寄せる勇馬、仕事で忙殺される中で妊娠した勇馬の姉……、みんなの命の物語が並行して進んでいく。万里は修学旅行先の京都で買った土産の小箱を胸に、久しぶりにセナに会いに行く。そして……。
  • 槿

    槿

    4.0
    男の暴力性を誘発してしまう己の生理に怯える伊子(よしこ)。20年も前の性の記憶と現実の狭間で揺蕩う(たゆたう)國子。分別ある中年男杉尾と二人の偶然の関係は、女達の紡ぎ出す妄想を磁場にして互いに絡み合い、恋ともつかず性愛ともつかず、「愛」の既成概念を果てしなく逸脱してゆく。 濃密な文体で、関係の不可能性と、曠野の如きエロスの風景を描き切った長篇。谷崎潤一郎賞受賞。
  • 夜明けの家
    4.0
    「老耄が人の自然なら、長年の死者が日々に生者となってもどるのも、老耄の自然ではないか。」――主人公の「私」が、未明の池の端での老人との出会いの記憶に、病、戦争、夢、近親者の死への想いを絡ませ、生死の境が緩む夜明けの幻想を語った表題作をはじめ、「祈りのように」「島の日」「不軽」「山の日」など「老い」を自覚した人間の脆さや哀しみと、深まる生への執着を「日常」の中に見据えた連作短篇集。
  • ゴーストバスターズ 冒険小説
    4.0
    謎のゴーストを探し求めてアメリカ横断の旅に出るブッチ・キャシディとサンダンス・キッド。そしてBA-SHOとSO-RAもアメリカを旅し、「俳句鉄道888」で、失踪した叔父を探すドン・キホーテの姪と巡り合う。東京の空を飛ぶ「正義の味方」超人マン・タカハシは、ついにゴーストからの呼び出しを受ける……。隠されたゴーストの正体とは? 時空を超え、夢と現を超え、疾走する冒険小説。
  • 慟哭の家
    4.0
    妻と障害を抱えた息子を殺し、自殺を図るも生き残った一人の男。複雑な家庭環境ゆえの無理心中として同情が集まる中、男は強硬に自らの死刑を望む。弁護を引き受けることになった長嶋駿斗は、接見を重ねるごとに、この事件への疑問を抱き始める。「愛しているから、殺しました」。この言葉に真実はあるのか。社会の「無関心」が生んだ、家族の「悲劇」。江上剛が迫る、家族の「絆」とは。
  • 向かい風に髪なびかせて
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    「交際相手の理想に合わせている自分でいいのかな?」と悩む天然かわいい系の小春、過去の事故が原因で、ある一点を除けば完璧すぎる美貌のローティーン誌モデル・優貴、友人の叔母の影響でばっちりコスメを身につけて中学デビューした夢美、「かなりつきだしたあごをどうにかしたい」と、親を納得させてでも美容整形したい野乃……。気高き中学生の少女四人が抱く、「外見について」の苦悩と叫びを、それぞれの視点から描く。
  • 偽詩人の世にも奇妙な栄光
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    吉本昭洋は中学2年の時、詩に出会った。教科書に載っていた中原中也の詩だった。以来彼は、詩を愛するようになり、生活の大半を詩に捧げるようになった。しかし、彼は詩を作らなかった。いや、作れなかったのだ。詩を愛しながら、詩作の才能の欠如を自覚した彼は、大学卒業後、商社に入社し、ビジネスマンとして世界各国を渡り歩く生活を送ることになった。しかしその後、出張先のニカラグアで、ある衝撃的な事件に遭遇する……。
  • 水魑の如き沈むもの
    4.0
    水神を祀る四つの村。奇怪な雨乞いの儀式。湖上の密室殺人。神男たちは次々と……奈良の山奥、波美地方の"水魑様"を祀る四つの村で、数年ぶりに風変わりな雨乞いの儀式が行われる。儀式の日、この地を訪れていた刀城言耶の眼前で起こる不可能犯罪。今、神男連続殺人の幕が切って落とされた。ホラーとミステリの見事な融合。シリーズ集大成と言える第10回本格ミステリ大賞に輝く第五長編。
  • 道化師の蝶
    4.0
    無活用ラテン語で書かれた小説『猫の下で読むに限る』で道化師と名指された実業家のエイブラムス氏。その作者である友幸友幸は、エイブラムス氏の潤沢な資金と人員を投入した追跡をよそに転居を繰り返し、現地の言葉で書かれた原稿を残してゆく。幾重にも織り上げられた言語をめぐる物語。〈芥川賞受賞作〉
  • 桃尻娘
    4.0
    1~5巻555~705円 (税込)
    エットオ、あたし、榊原玲奈でェす。学校は都立で、団地暮し、モチ非処女。マ、平均的女子高校生なワケ。モロ受験生を真面目にやるか、つっぱって売春やるか、ンな凡庸な青春はたえらンない!! ――現代高校生の風俗をイキのいい毒舌体で捉え、猥雑のきわみに不逞な抵抗精神をのぞかせる異才のデビュー作。
  • 小旋風の夢絃
    4.0
    1巻1,463円 (税込)
    春秋末期の衛国。小柄な十五歳の少年・小旋風(しょうせんぷう)は、盗掘を生業とする養父に育てられた。あるとき彼は、墳墓の棺の中から華麗な琴を発見するが、養父は落盤事故で死んでしまう。小旋風は琴を売ることで貧困から脱し、のし上がろうと考える。彼の野心はやがて、衛国全体を巻き込んでいく。小旋風は自分の唯一の武器である言葉だけを使って、大金を手に入れることができるのか――。第9回小説現代長編新人賞受賞作。
  • 小説 仮面ライダーウィザード
    4.0
    正義の魔法使いVS漆黒の魔法使い! 警視庁国家安全局0課の刑事、大門凛子に協力して、ファントム残党を一掃するために、仮面ライダーウィザードとなって日々戦う操真晴人。突如彼の前に現れたもう一人の"晴人"は自分こそ本物の晴人だと宣言し、漆黒の仮面ライダーに変身して攻撃してくる。二人のライダー対決の裏には周到に用意された邪悪な企みが隠されていた!
  • サバーイ・サバーイ 小説 在チェンマイ日本国総領事館
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    タイ・チェンマイの日本国総領事館員・吉岡和喜。在留邦人5千人以上と言われ、観光客も多いこの街で邦人保護係の彼の元には相談がひっきりなし。「お金を貸して」「就職先を紹介しろ」と日本人に詰め寄られ、わがままロングステイヤーのトラブルで緊急出動し、上司からはパワハラも。さらに家庭では「あなたとはやっていけない」と妻が涙。公私ともに悪戦苦闘の毎日だ。それでも吉岡は奔走する、日本人に笑顔をもたらすために!
  • 戦争よりも本がいい
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    こんな世の中だからこそ、読んでおきたい本がある! 愛の詩集からオナラの文化史まで、江戸の奇人から戦時の無名歌人まで、幻の名著・奇書・傑作をいっきょに紹介。一般にはほとんど知られることのなかった幻の本の数々には、時代の風に流されることなく、ひたむきに綴った著者たちの、つよくやさしい心が透けてみえてくる。
  • 折口信夫
    4.0
    1巻3,861円 (税込)
    日本の知の結晶ともいうべき折口信夫。文学、民俗学のみならず、その広大なる表現領域は他の者を圧巻し、全貌を掴むことが不可能とされてきた。そこに、切り込んだ安藤礼二の『折口信夫』。この本を読めば折口の全体像がわかり、この本を読まずして折口を語るなかれと、後世の評価を受けることは確実である。起源・言語・古代・祝祭・乞食・天皇・神・宇宙と題された章──これを追うだけで心が打ち震えるではないか。
  • 吉田松陰 武と儒による人間像
    4.0
    激動する時代のなかで、閃光を放つかのように、短き生涯を終えた吉田松陰。その透徹した志や無類の誠実さとして現れた至純の精神の成り立ちを、<武>と<儒>という原理の統一のなかに見出す。僧黙霖、橋本左内、佐久間象山、山鹿素行、山本常朝と対比されることで、松陰の俊傑ぶりや人間的魅力が浮かびあがる。史実に対し文学的想像力で肉迫した、著者晩年の代表作。野間文芸賞受賞作。
  • おまえの手を汚せ
    4.0
    1巻1,595円 (税込)
    ビジネスマン作家、驚愕のデビュー作!本社上層部の事なかれ主義でダメになる組織を、二人のウルフが変えていく!主人公は二人の男――。一人は総合商社のエネルギー事業本部課長。もう一人は日本最大自動車メーカーのインド工場の副工場長。「俺たちで必ず日本を変える」と約束し合った彼らの活躍は、社内で異端視され、多くの摩擦を引き起こすが、東日本大震災の後、俄然注目を浴びる。
  • さようなら、私の本よ!
    4.0
    国際的な作家である長江古義人と建築家の繁。この「おかしな二人組」は幼い頃から因縁があり、時を経て病院のベッドで再会を果たす。老人の愚行としてテロを画策する繁に巻き込まれていく古義人は、組織の青年達と精神の触れあいを深めながらも、「小さな老人(ゲロンチョン)」の家に軟禁されるのであった。二人の行き着く先には。
  • 河馬に噛まれる
    4.0
    ウガンダで河馬に噛まれたことから、「河馬の勇士」と呼ばれる元革命党派の若者。彼と作家である「僕」との交流をたどることで、暴力にみちた時代を描く。若者に希望はあるのか。浅間山荘銃撃戦とリンチ殺人という、戦後日本の精神史に深い傷を残した悲痛で惨たらしい事件を、文学の仕事として受けとめた連作集。
  • 取り替え子
    4.0
    国際的な作家古義人(こぎと)の義兄で映画監督の吾良(ごろう)が自殺した。動機に不審を抱き鬱々と暮らす古義人は悲哀から逃れるようにドイツへ発つが、そこで偶然吾良の死の手掛かりを得、徐々に真実が立ち現れる。ヤクザの襲撃、性的遍歴、半世紀前の四国での衝撃的な事件…大きな喪失を新生の希望へと繋ぐ、感動の長篇!
  • 赤の他人の瓜二つ
    4.0
    1巻1,463円 (税込)
    血のつながっていない、赤の他人が瓜二つ。そんなのはどこにでもよくある話だ。しかしそう口にしてみたところで、それがじっさいに血のつながりのないことを何ら保証するものでもない。――私が初めてその男と会ったとき、そんな自問自答が思い浮かんだ。それほど男は私にそっくりだった、まるで記憶の中の自分の顔を見ているかのようだった。
  • 十津川警部 箱根バイパスの罠
    4.0
    新宿のホテルで黒沢美佐男という男が毒殺された。捜査が難航する中、十津川警部は、事件の二ヵ月前、新聞に「あなたは、黒沢美佐男を知っていますか?」という奇妙な広告が載っていたのを見つける。広告の意図は何? 被害者は何者? 広告主が犯人なのか? 深まる謎を解決するため、十津川は掟破りの罠を張る!
  • ドッグ・ラン!
    4.0
    夢から覚めた探偵・鯉沼と鷹羽の首に時限爆弾が仕掛けられていた。依頼を果たせなければ48時間で首輪が爆発するという。横浜ベイサイドを舞台に、貧乏探偵コンビと愛犬マーロウが、ヤクザ、警察、チャイニーズ・マフィアのアンダーグラウンドの抗争に巻き込まれる、ジェットコースター・アクション・ミステリー。第二回エキナカ書店大賞を受賞した『ミッドナイト・ラン!』に続く、待望の横浜事件シリーズ第2弾!
  • 百鬼夜行殺人事件
    4.0
    平穏な団地で会社員失踪事件が発生。その男の妻には、悪意に満ちた「不貞の噂」が囁かれていた。疑惑の目に耐えかねた妻は飛び降り自殺を図るが、警視庁きっての怪物・大貫警部は説得するどころか、まさかの第一声を放った! 表題作の「百鬼夜行殺人事件」をはじめとする、抱腹絶倒ものの傑作5篇を収録。
  • ヘヴン
    4.0
    「苛められ、暴力をふるわれ、なぜ僕はそれに従うことしかできないのだろう」 善悪の根源を問う、著者初の長編小説。
  • ショート・サーキット 佐伯一麦初期作品集
    4.0
    若くして父となったかれは生活のため配電工となった。都市生活者の現実に直面するうち3人の子供の父となり、妻はすでに子供たちのものになってしまった。今日も短絡事故(ショート・サーキット)が起こり、現場にかけつける――。野間文芸新人賞受賞の表題作に、海燕新人文学賞受賞のデビュー作「木を接ぐ」をはじめ、働くということ、生きるということをつきつめた瑞々しい初期作品5篇を収録。
  • ドラマ化決定! 名探偵・御手洗潔シリーズ ガイドブック
    無料あり
    4.0
    無料配信で本格ミステリーの巨匠、島田荘司が生み出した名探偵・御手洗潔シリーズを一挙に紹介します。なんと島田荘司先生が各作品へのコメントを書き下ろしてくださいました! 御手洗潔シリーズは不可思議な謎、奇想天外なトリック、圧倒的な面白さで読ませる本格ミステリーの傑作ばかり。ストーリー紹介に加え、おすすめポイント&描き下ろしイラストも収録。御手洗ファンも、初めて読む人にも便利でわかりやすいガイドです。
  • 有田川
    4.0
    私は川上のどことも知れぬところで誰とも知れぬ親に産んでもらった――けれども人間はいずれ生れて川に流されるものではないのか。どんな人でも多かれ少なかれ水に流されながら生きて行くのではないのか――。有田川の氾濫のたびに出自を失いながら、流れ着いた先で新たな生を掴み取る紀州女、千代の数奇な生涯。『紀ノ川』『日高川』に並ぶ、有吉文学における紀州三部作。
  • 要人警護
    4.0
    八木薔子はアメリカ最大の警備会社で数多くのセレブや要人警護を務めたエリートボディガード。帰国した薔子が人気マラソン選手、日比野真姫の警護を担当した矢先に真姫のコーチが刺殺される。さらに真姫宛に銃弾入りの脅迫状が届く事態に、薔子は決死の行動をとる。著者渾身のボディガード小説決定版!
  • 抱影
    4.0
    生と死のはざまでほとばしる情念。これが北方謙三だ。 定期的に食事はするが、踏み込まない。響子とは二十二年、そうしてきた。死期が近いと告げられるまでは。硲(はざま)冬樹は画家。売れない絵描きではない。横浜に数軒の酒場を持つ。硲の絵を望んだ響子。消えゆく裸身をキャンバスにして、硲は鑿(のみ)を手にした硲は消えない絵を刻みつけようとする。男と女、北方ハードボイルドの到達点!

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