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小学6年生の波楽(はら)は、都内の私立小に通う左利きの男の子。お母さんと血がつながっていない。でも、今のお母さんは大好きだし、妹も好きだ。しかし、ある疑惑をかかえていて・・・。波楽は、たまたま本当のお母さんの恋人に出会い、その謎をときあかそうとしたら・・・。待っていた衝撃的な事実。小学生高学年以上向き。 ●あさのあつこ氏推薦!これは、少年たちの静かで美しい戦いの物語です。
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Posted by ブクログ
すごく考えさせられるお話でした。知らなかったら知らなかったでそのままだけど知ったら何か変わるかも知れない。でもその一線を越えるかが迷うところです。
知らなければ前に進めない。自分の抱えているものに向き合って、目をつぶらずに、困ったら周りの人に相談すること。 なかなかできないけど、前に進んでいくために、波楽やレン、父さん、凪さんの世界が少しずつ交わって未来に向かって広がっていくすてきな物語です。 戸森しるこさんの「僕たちのリアル」も素晴らしいです...続きを読む。
自分ではどうしようもないことに必死に立ち向かう子どもたちの物語。 自分の望みを口にすることは決してわがままではなく、あなたを愛する人はきっと受け止めてくれるから一歩踏み出そうと読者に伝えつつ、それでも秘めなければいけない想いもあると示す。 これは読者である子どもたちへの信頼から生まれるメッセージだろ...続きを読むう。児童書だからこそ逃げずに問題に真正面から向かい合うのだろう。これこそが児童書の矜持であり、魅力なのだと叩きのめされた。 子どもの時にこの物語に出会える人たちを羨ましく思う。 情報を少しずつ開示するミステリ的構造も素敵。
大人であれ子どもであれ、背負いきれないような出来事が起きうる。それが人生と言えば、あまりにも軽く聞こえてくるだろうか? でも、それが現実である。誰かに打ち明けられるうちは良いが、そうできない事も多々ある。 児童書でありながら、本作はいろいろなテーマで問いかけてくる。問いかけの正解はひとつではなく...続きを読む、それぞれの正解があると思います。 エピローグに“いくつもの出来事が重なりあい、影響を与えあって、人生は進んでいく。人生が一枚のキャンパスだとしたら、そこには無限の可能性がある。”とある。なんと希望に溢れる言葉であろう。 “そう。一見必要のなさそうなピースでも、絵を完成させるためには絶対に必要なんだ。神様はかならず、その人に必要なピースを与える。たとえば組み立てるのがあまりにやっかいで、そのピースをひどく憎んだり、消えてしまえば良いと思うようなこともあるだろう。だけど、パズルを完成させるためには、やっぱりどうしてもなくちゃならない。”と文中にある。 その人に必要なピースを神様はかならず与える。苦しくとも悲しくともそのピースを受け取って組み立てていく事が真実であり、それぞれの正解なのだろうと思う。
色々詰め込みさすぎな感じがしましたが、問題を抱えつつもモラトリアムな気持ちの動きをよう表現できており、スッキリと読むことができました。
私に出来ることは気にしないことだと思ってたけど、向き合うこともできたのかな。何年経ってもわからないけど、この本を読んだ今、もし会える機会が降ってきたら、配慮ばかりして当たり障りないことばかり話すのではなく、辛そうな瞬間には声をかけられる自分でありますように。できるかわからないけどそう思う。 これから...続きを読むがある人たちに、こういう友達がいる人で付き合い方に悩んでる人が居たら、お薦めしたいな。
気に入る話っていうのはたいてい1行目から引き込まれる。 「駅の自動改札機は、どうして右側でしか『ピッ』とできないんだろう。」 他のレビューで「テーマが重い」とも書かれているけれど、登場人物の軽快な会話と主人公の1人ツッコミのおかげか気分は重くならず読めました。 高学年からおすすめ。
6年生の11月、波楽(はら)くんにある出来事が起こります。きっかけは父の書斎で見つけた一枚のハガキ。戸森センセイによれば、「人生に不要なピースはない」とのこと。波楽くんの人生を埋めるピースに注目。
11月のマーブル 人間は1個体、1個体につき高度に複雑な精神世界をもつ生き物であるが、生命であることには変わりない。 道徳とか倫理とか、他の個体と協力するための社会にまつわる精神と、生と死の存在を自覚するがゆえの人間特有の精神性は強いものに思われるが、 生命としての本能もそれに劣らず強烈に人間を突...続きを読むき動かす。 コントロールの行き届かない生命の力が、人間特有の苦しみを生む。この話では不倫によってできた血縁関係のない家族の悩み、性同一性障害の悩みなどが扱われる。 大きな視点で見れば人間のやっていることは、他の生き物のそれと大差なく、穏やかに過ぎる時間の流れのなかでシンプルな生命の営みが続いているだけである。しかし人間の視点から見るとそこにはさまざまな苦しみと幸せな感情が渦巻いていて、それが数ある生き物の中で人間という種として生を受け、この世を謳歌する、一番自然なやり方なんだなぁと月並みなことを思った。
血がつながっていない家族の話。戸森しるこさんの本は初めて読みました。ぶっきらぼうにも思える簡潔な文体から苦しさとか優しさとかが伝わってきて、すごく好きな感じです。 レンも、売れっ子作家のおとうさんも、マーブリングギャラリーの凪さんとサキさんも、人間味があって素敵なひとたちでした。
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