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エル・アルコン -鷹- 完全版
16世紀末、イギリス。世界の七つの海を征服せんと、己の野望を燃やす男・ティリアン。彼の激動の生涯が、はじめて一冊に。「七つの海 七つの空」「エル・アルコン-鷹-」「テンペスト」の全3エピソードに加え、すべてのカラー・モノクロイラスト、エッセイコミックほかを完全収録。 -
藍の書
辻麻里子氏の遺作(未完)! 夢とヴィジョンを通して見えてきたものとは? ユングの『赤の書』にも比すべき書 2017年に宇宙に帰った辻麻里子氏の遺作を遂に刊行。 2010年12月14日に見た夢の中でガイド的存在から、「お前がやることになっている」と、本書を書くように告げられます。その理由は、辻氏が「すべての次元を行き来でき、多次元の扉を開ける鍵を持っている“自由度が高い電子”」だから。 乗り気ではなかった辻氏ですが、導かれるようにヨーロッパへ。 ストーン・ヘンジやトールの丘、スイスのアインシュタインが住んだ家、ユング研究所を訪れ、数々の啓示的なハプニングに見舞われつつ、夢で見聞きしたことが、現実とリンクし「夢の領域を探検するもの」辻氏ならではの展開をしていきます。 『22を超えて行け』シリーズが「魂の夜明け」を告げ、「魂の言語」のことを表しているとすれば、本書はその総括と、「魂の進化論」へと向かうもの。夢を通して、人類の集合意識と宇宙意識を真っ直ぐにつないでくれます。 夢の世界を探求することは、深い井戸に降りていくようなもの。そしてそこは、深い闇だといいます。それは、「自分のなかにも闇があることを認めないかぎり、宇宙の創造に加わることはできない。誰でもない、自分自身であり続けるために、人は光と闇を統合し続ける」というGの言葉を思い出させます。(『宇宙の羅針盤』下より) 誰もが深い井戸に降り、再び戻ってこられるように、「それでも生きてゆく」ように。辻氏はそのツールとなるものを残してくれました。 2019年の星の扉のテーマは、「意外な方向性を知る日」(『数字のメソッド』より)。 そこには、「目の前に次元の扉の渦巻きがあらわれて、簡単に流れに乗ることができる」と書かれています。宇宙は扉の前で待っているのです。 「私は、人間という経験をしている宇宙意識である。この大いなる存在は、宇宙が始まった瞬間から存在し、時空を超えて存在を続ける。そして、星の扉から見た2013年のテーマは覚醒である。2013年以降の世界は、じょじょに覚醒へと向かうのだろう。」 「私は生まれることなく、私は死ぬこともない。時は生まれることなく、時はなくなる(消滅する)こともない。時間は生まれず、時間はなくならず。最初からそこにはなく、あると思い込んでいただけだった。あると思っていた物質は全て幻。意識が作りだした幻だった。時の終わりに人は何を見るのだろう?という問いに対する答えは、時ははじめからないのだから、時の終わりはない。時はなかったと気がつくのだ。全ての時が同時に存在している。」(本文より) -
Google AdSense マネタイズの教科書[完全版]
「本格的にAdSenseで稼ぎたい!」と思っていながら、 「アクセス数が思ったように増えない!」 「時間が経つにつれアクセス数が減ってしまう……」 という人は多いのではないでしょうか。 Google AdSenseは、自分(自社)のWebサイトに広告を掲載すれば収益を得ることができるので、企業や個人を問わず、多くのサイトで活用されています。 しかし、入門書は数多くあるものの、初級レベルから脱し、「稼ぎ続ける」方法を紹介するような一歩先の内容を解説したノウハウ書はこれまでありませんでした。 そこで本書では、AdSenseでメシを食べてきた(マネタイズしてきた)その道のプロ4人による、「10年先も稼ぎ続ける」ための実践的なノウハウと考え方を紹介します。 Google AdSenseでの収益化で多くのユーザーがつまずく箇所から、すでに毎月一定額の報酬を得ている読者がワンランク上の報酬を獲得するためのヒントまで、役立つ内容が満載。 トップレベルの執筆陣が、「サイト運営を事業として成立させ、生活できるだけの安定した収益を稼ぐ方法」を詳しく解説する、貴重な一冊です。 -
2040年 自治体の未来はこう変わる!
自治体戦略2040構想研究会による報告書もふまえ、 自治体本来のミッションから描く、もう1つの未来像。 AIの到来、加速する人口減少、高齢化など、課題が山積するなかで、自治体は未来に向けてどうすればよいか? 2018年7月、総務省が設置した自治体戦略2040構想研究会が、「圏域」を行政主体として法制化し、連携して行政サービスを担う態勢を整えるよう提言する報告書をまとめ、地方自治関係者の中で大きな話題となっています。 これは、高齢者人口がピークを迎え、人手不足が深刻化する2040年を想定すると、従来通り、それぞれの市町村が単独で全ての分野の施策を手掛ける「フルセット方式」の行政運営では、住民の暮らしが維持できなくなるため、複数の市町村で構成する「圏域」を新たな行政主体として法制化し、連携して行政サービスを担うというものです。 しかし、地方の側からは、「国が選択肢を示す手法は集権的」「市町村の独自性がなくなる」といった反発の声が上がっています。 こうした現状もふまえ、本書では、自治体本来の「使命(ミッション)」が、「今日と同じように明日も暮らし続けられること」であることに立ち返り、研究会報告と似たようなデータを使い、似たような分析を行いながら、もう1つの自治体の未来を展望します。 -
小さなモネ ― アイリス・グレース ― 自閉症の少女と子猫の奇跡
2013年、英国に住む当時3歳の自閉症の少女が描いた絵画が、その卓越した美しさで世界中の注目を集めた。 アンジェリーナ・ジョリー、アシュトン・カッチャー、ダニエル・ラドクリフも絶賛する、小さな天才画家。絵を描くことに喜びを見つけた自閉症の少女アイリスと、固い絆で結ばれた一匹の猫、そして少女を育てる母の姿が困難に立ち向かう勇気をくれる、感動<子育て>ノンフィクション。 2歳のとき自閉症スペクトラム障害と診断されたアイリス・グレース。アイリスの母親である著者は、この予期せぬ出来事に直面し、人生が一変する。自閉症の知識がほとんどなかったため、あらゆることが予定通りにいかない状況を、一つずつ理解することから始めなければならなかった。戸惑い、苦悩しながら、彼女はアイリスに寄り添い、アイリスのために様々な行動をおこしていく。すると、セラピーの一環としてはじめた絵画に、アイリスは自己表現の方法を見つけ出し、非凡の才能を発揮しはじめる。そして最高の相棒、子猫のトゥーラとの出会いをきっかけに、閉ざされていたアイリスの世界が、外へ向けてゆっくりと開かれていく―――。 -
また、桜の国で
一九三八年十月一日、外務書記生棚倉慎はワルシャワの在ポーランド日本大使館に着任した。ロシア人の父を持つ彼には、ロシア革命の被害者で、シベリアで保護され来日したポーランド人孤児の一人カミルとの思い出があった。先の大戦から僅か二十年、世界が平和を渇望する中、ヒトラー率いるナチス・ドイツは周辺国への野心を露わにし始め、緊張が高まっていた。慎は祖国に帰った孤児たちが作った極東青年会と協力し戦争回避に向け奔走、やがてアメリカ人記者レイと知り合う。だが、遂にドイツがポーランドに侵攻、戦争が勃発すると、慎は「一人の人間として」生きる決意を固めてゆく。“世界を覆うまやかしに惑わされることなく、常に真実と共にあれ”との言葉を胸に。 -
帰還兵はなぜ自殺するのか
ピュリツァー賞作家が「戦争の癒えない傷」の実態に迫る傑作ノンフィクション。内田樹氏推薦! 本書に主に登場するのは、5人の兵士とその家族。 そのうち一人はすでに戦死し、生き残った者たちは重い精神的ストレスを負っている。 妻たちは「戦争に行く前はいい人だったのに、帰還後は別人になっていた」と語り、苦悩する。 戦争で何があったのか、なにがそうさせたのか。 2013年、全米批評家協会賞最終候補に選ばれるなど、米国各紙で絶賛の衝撃作! 「戦争はときに兵士を高揚させ、ときに兵士たちを奈落に突き落とす。若い兵士たちは心身に負った外傷をかかえて長い余生を過ごすことを強いられる。その細部について私たち日本人は何も知らない。何も知らないまま戦争を始めようとしている人たちがいる。」(内田樹氏・推薦文) -
福沢諭吉の朝鮮 日朝清関係のなかの「脱亜」
福沢諭吉は朝鮮侵略論者か、独立の支援者か――。「絶えざる転向」により多くの解釈を生むことになった福沢のアジア論。本書では、福沢と朝鮮で開化派と呼ばれた人々との関係と、『時事新報』の社説・論説を軸に、日朝清関係史のなかでそれを読み解いていく。そこに見えてきたのは、福沢のアジア論に貫徹する思想であり、「リベラルな帝国主義者」という19世紀的な立場が挫折してゆく過程であった。(講談社選書メチエ) -
Xと云う患者 龍之介幻想
あの文豪の生涯と作品を織りまぜて、リシャッフルし、夢見直して、12の妖しい、美しいピースに仕立てた本。それだけで十分すごいが、さらにこの日本語版は、原文の独特のリズムを緻密に再現し、等しく妖美な作品を再創造している。奇跡のような一冊。 ――柴田元幸 本書を読む者は 必ずや二度三度と 芥川の文学的狂気に侵される。 イギリス暗黒文学の旗手が、芥川龍之介の生涯を恐るべきヴィジョンと魔術的な語りを通じて幻想文学として語り直す。 芥川龍之介。東方と西方の物語と伝承と信仰に魅せられた男。そのなかで静かに渦を巻く不安。それがページから少しずつ滲み出す。 半透明の歯車が帝都を襲った震災の瓦礫の彼方にうごめき、頽廃の上海の川面には死んだ犬が浮き沈み、長崎には切支丹の影が落ち、己が生み出した虚構の分身が動き出し、そして漱石がロンドンでの怪異を語る。河童。ポオ。堀川保吉。ドッペルゲンゲル。鴉。マリア像。歯車。羅生門、藪の中、蜘蛛の糸、西方の人――キリスト。私のキリスト。 ジェイ・ルービン訳の芥川作品をピース自身の呪術的な語りとコラージュし/マッシュアップし/リミックスして生み出した幻想と不安のタペストリーを、コーマック・マッカーシーやリチャード・パワーズらを手がけた黒原敏行が芥川自身の文章と精密によりあわせて完成させた日本語版。芥川と幻想ノワールの結合として、原語版以上の衝撃をもって読者を眩惑する。 災厄と文学、狂気と詩情、日本文学と英国文学、現代文学と近代文学、現実と幻覚……すべての境界をおぼろに融かしてゆく文学と翻訳のはなれわざ。 -
緑の扉は夢の入口 第一の夢の書
母親と妹と一緒にロンドンに引っ越してきたリヴ。いきなり投げ込まれた新しい家族(母親の恋人一家!)と新しい学校に、必死で溶け込もうとする毎日だ。そんなある晩見た妙にリアルな夢の中で、リヴは学校の人気者、美形揃いの男子四人組に遭遇する。長い廊下に、たくさんの扉が並ぶ夢の世界。扉を開けるとそこは……墓地!? 夢の中とはいえ、なんで彼らはよりによって墓地にいるのだろう……。〈時間旅行者の系譜〉三部作で人気の著者の、新シリーズ開幕! -
飯豊まりえファースト写真集「NO GAZPACHO」
ハタチの記念に、スペインのアンダルシア地方で撮り下ろした10代最後の“まりえってぃ”を詰め込みました。貴重な水着カット、人生初の下着カットなど、最初で最後の最大露出も見どころのひとつ。男性目線、女性目線の2部構成で見せるまったく違う世界観にも注目!! さらにデジタル限定特典として、オリジナルカット付き! -
無縁老人 高齢者福祉の最前線
今の日本では、“無縁高齢化”とも呼ぶべき状況が起きている――! 高齢者たちはどんな経緯で社会から切り離されたのか― 誰もが最後にたどり着く高齢者福祉の“未来”を救え。 刑務所が終の住処 介護虐待 老齢LGBTQ 名もなき墓碑 日雇い老人の街 高度成長の闇 自殺者ゼロの取り組み 長寿日本一の村 世界一の高齢化大国“ニッポン”の行く末をノンフィクションの革命児が徹底取材! 第一章 黒い黄昏 刑務所という終の棲家―累犯者 暴力化する介護―高齢者虐待 腐朽する肉体―孤独死 第二章 過ぎし日の記憶 海の怪物との戦記―捕鯨 黒いダイヤの孤島―炭鉱 第三章 日本最大のドヤ街の今 ドヤ街の盛衰 命の牙城―LGBTQ高齢者介護 名のない墓碑―葬儀 第四章 忘れられた日本人 隔離と爆撃―ハンセン病 闇に花を咲かせる―ハンセン病 祖国は幻か―中国残留日本人 第五章 高齢者大国の桃源郷へ 死の淵の傾聴―自殺 もう一つの実家―介護 村はなぜ、女性長寿日本なのか―寿命 世界最大の高齢化大国に生きている私たちは、 もう高齢者の身に起きている現実に背を向ける余裕はないはずだ。 まだ目をそらして問題を先送りにするのか、 今こそ目を見開いて未来を変えていくのか。 日本の将来は、読者一人ひとりの決断にかかっているのだ。(著者) -
今すぐ使えるかんたん Illustrator CC
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 Illustratorを初めて使う人にも安心の,わかりやすい操作解説書です。サンプルファイルを使って実際に手を動かしながら学習することで,Illustratorの操作方法を身に付けられます。Illustratorを使ううえで「これだけはしっかり覚えておきたい」機能をきちんと丁寧に解説していますから,最初に勉強する1冊目の本として最適です。Adobe Illustrator CCに対応。 -
情報処理教科書 出るピタ 基本情報技術者問題集 2013~2014年版
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【本電子書籍は固定レイアウトのため7インチ以上の端末での利用を推奨しております】 必修テーマにピタリとフォーカス 本書は、基本情報技術者試験の対策問題集です。筆者は、長年にわたって高い合格率を誇る対策講座の現役講師です。試験センター発表の出題範囲に対応した分野別構成の精選問題と、最新傾向のよく出る問題をチョイスした模擬試験で効率的な学習が可能です。 本書の特徴 試験センター発表の出題範囲を網羅した、分野別セレクト問題集 よく出る問題を過去問題から選びだして構成した模擬試験を掲載 最新試験の解説H24~25年度春期・秋期=4回分をPDFでご提供 ※本電子書籍は同名出版物を底本とし作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。 ※印刷出版再現のため電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。 ※印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。予めご了承ください。 ※プレビューにてお手持ちの電子端末での表示状態をご確認の上、商品をお買い求めください。 -
保育も教育も「教える」から「学び」に変わらなきゃ ~すべての答えは子どもの中に~
【ご注意】※この電子書籍は紙の本のイメージで作成されており、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 子どもの未来に寄り添える大人になろう! 「りんごの木」とは、神奈川県横浜市で「子どもに関わるトータルな仕事をする場」。1982年創設から柴田愛子さんが代表を務め、子どもが主役の保育を目指しているところです。 「みんなの学校」とは、2006年に開校した大阪府大阪市立大空小学校のことで、木村泰子さんが初代校長を務め、現在まで続く公立の学校。障害のある子もない子も同じ教室で学びます。 このお二人が、今の子どもたちを取り巻く現状を語ります。 ・不登校はなぜ減らないのか? どうすれば学校が子どもの居場所になれるのか。 ・保育も学校も今必要なのは、教育を学びに変えていくこと。 ・自分を好きになれなければ自己肯定感は育たない。 ・障害のあるなしは関係なく、子どもは子どもの中で育つもの。 ・子どもに学びながら、大人も子どもと一緒に育っていけばいい。 徹底的な現場主義の二人が、保育と教育の垣根を越えた熱烈ホンネ対談です。 ※この作品はカラーが含まれます。 (底本 2026年7月発売作品) -
ジョヴァンニの部屋
ボールドウィン生誕100年 代表作を記念復刊! LGBTQ文学の傑作 アメリカで再注目されている黒人文学作家であり、マルコムX、キング牧師らとともに60年代公民権運動の中心的役割を担った思想家でもあるボールドウィンの生誕100年を記念し、代表作を復刊する。 小説の舞台は50年代のパリ。パリに遊学中のアメリカ人青年デイヴィッドは、婚約者ヘラが長期旅行で不在の間に、バーで知り合ったイタリア人男性ジョヴァンニと恋愛関係になり、ジョヴァンニの部屋で二人は同棲生活を送るうちに、デイヴィッドは封印してきた過去がよみがえり、苦しみを募らせる。婚約者ヘラが戻ってくると、デイヴィッドは自分の気持ちを押し殺そうとするが……。 「内なる自分と出会ったときの恐怖、罪悪感、喪失感をこんなにも激しく魅力的に描くことのできる作家がほかにいるだろうか。――いま、われわれの作品として大きく呼吸を始める」(金原瑞人「解説」より) -
虚空蔵の峯
一気読み必至! 江戸時代最大の裁判劇!! その一行六人が神田橋本町の公事宿・秩父屋に着いたのは、雪まじりの北風が吹きすさぶ宝暦五年(1755)の真冬のことだった。数日降り続いた雪で道はぬかるみ、六人の草鞋も革足袋も泥にまみれていた。二日目の明け方に宿を出た六人は、闇が降りてようやく武家一人と足軽らに連れられ、宿に戻ってきた。武家は老中・酒井忠寄の家中を名乗り、六人が登城途中の老中の駕籠へ直訴に及んだことを告げた。 明朝、秩父屋の主人・半七は、武家の指示どおり訴願主二名をともない、神田橋門内の庄内藩酒井家へ向かった。美濃国郡上からやって来たという一行は、藩が出す通行手形も持たず、勝手に領外へ出てきていた。それだけでも罪となる。その上の越訴となれば、一行は酒井藩の調べの後、町奉行所へ身柄を引き渡され、そのまま牢屋に拘引されるものと思われた。だが、半七の案に相違して、酒井家は訴願主の二人を薄縁の敷かれた十二畳の間に、丁重に招き入れた。 いったい彼らは、何を訴えたのか?手に汗握る展開に、一気読み必至! 人の値打ちとは?生きる意味とは?その根源的な問いを投げかけながら、歴史小説の巨人が圧倒的な筆力で書き下ろした、江戸時代最大の裁判劇! -
こうふくろう
社会派ミステリの名手によるクライム巨編! 後味最凶の作家デビュー20周年記念作品! 2020年5月、大学生の芹沢涼風はコロナ禍の影響で息が詰まりそうになる毎日を過ごしていた。ある日、彼女が池袋の公園を訪れると、そこには同じように孤独に苛まれ、行き場をなくした者たちがいた。 血がつながっていなくても、戸籍上は同じ家族でなくても、強い絆で結ばれた「本物の家族」を作りたい――。涼風は親しくなった者たちと「こうふくろう」を立ち上げる。 しかし、いつしか想像を超えて巨大になった集団の内部では、日常的に犯罪行為が繰り返されるようになっていく。 不穏な日常、酷薄な悪い奴ら、鳥肌必至のラストシーン……これはあなたのすぐ隣にある物語。 人々の心に巣くい、世に蔓延る「闇」の根源を炙り出す、戦慄のクライム巨編! 「今までで一番ダークな作品になったかもしれません」(著者) (底本 2025年6月発売作品) -
砕かれた四月
「生者とは、生の許しを受けた死者にすぎない」 二十世紀初頭のアルバニア北部の荒涼たる高地。この土地を支配するのは「カヌン」と呼ばれる、先祖伝来の終わることのない復讐の掟である。兄の血を奪い返した山岳民の若い男ジョルグは、三十日間の休戦の猶予ののちに自らの死を待つ身だった。しかし、この土地を新婚旅行で訪れた作家の妻ディアナと、馬車の窓越しにただ一度視線を合わせたことで、ふたりは命を賭してその運命を交錯させてゆく――。伝説と神話の影をまとった悲劇の時空間が立ちのぼる、忘れがたく美しい叙事詩的散文。 現代のアルバニア文学を、そして世界文学を牽引したカダレの作品は、フランス語を筆頭に四〇以上の言語に翻訳され、ノーベル文学賞の候補にたびたびその名が挙がったが、作家は二〇二四年七月に惜しまれつつ八十八歳で亡くなった。カダレの創作全体を見渡す井浦伊知郎氏(アルバニア語学・翻訳)による解説を巻末に付す。 -
立秋
匂い立つ情感、大人の恋愛小説の極北。 諏訪湖の花火大会の日、光岡は駅に降り立った。漆工の涼子とのつきあいは十年以上になる。二人の生が交差したきっかけは、漆器だった。シンプルで控えめな佇まいと、官能的とも思える光沢に魅かれ、光岡は盛器を購入。伝統工芸展の入賞作品であった。 そして、精神の疲れをいやす旅で、塩尻・奈良井に赴き、光岡は漆器店で作者の涼子と出会う。若い涼子の漆器創作に刺激を受け、彼は、かつて文学賞を受賞したものの、挫折していた小説執筆を再開した。 以来、二人は造形や執筆の傍ら、時に二人で憩いつつ、深い想いを育んできた。 やがて、涼子は漆芸作家として、パリで開催される漆器二人展に招聘される。もう一人は、沈金や蒔絵の輪島塗りの男性作家だという。成功したパリの二人展を契機に、光岡は人生の秋期を意識するが……。 -
わたしのペンは鳥の翼
アフガンの女性作家たちによる23の短篇集。 書くことがこんなにも強靭な抵抗になるなんて。 この炎のような短篇集を読み、語り合うことで、彼女たちの命懸けの戦いにくわわろう。――柚木麻子 早急に、世界に届けられなければならない声がある。 そしてその声は、物語の力を借りて、何より強いものとなる。――西加奈子 どんなに過酷な現実が目の前にあっても私たちは描く。 ペンを持っている間だけ心は自由に空を飛べるから。――窪美澄 抑圧・蹂躙され口を塞がれた女性たちがペンを執り、鳥の翼のように自由に紡ぎ出した言葉の数々。女性嫌悪、家父長制、暴力、貧困、テロ、戦争、死。一日一日を生き抜くことに精一杯の彼女たちが、身の危険に晒されても表現したかった自分たちの居る残酷な世界と胸のなかで羽ばたく美しい世界。 アフガニスタンの女性作家18人が紡ぎ出す、心揺さぶる23の短篇集。 -
戦争とプロレス プロレス深夜特急「それぞれの闘いの場所で」・篇
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 文豪レスラーTAJIRI大好評シリーズ『プロレス深夜特急』第2便。 戦争、ウイルス蔓延、史上稀な不穏の日々をものともせず闘い続けるプロレス者たちの記録。 これが人生の闘い方だ! 世界のプロレスを知る男TAJIRIが訪れたのは、ウクライナ戦争、新型コロナ蔓延に見舞われた欧米各国及びアジア。 行動制限等での試合開催危機、物価高騰による大幅なコスト増等、各団体は大打撃を食らっていたが、世界のプロレス者たちはどんな状況からでも立ち上がる。 試合をすることで経済を回すことに舵を切った団体、戦争難民として命の危険に遭いながらもプロレスラーになって人生を激変させようとリングデビューした青年、プロレスラーの彼女になったウクライナ難民、帰国できず日本で孤独と闘い続けた者、障害を抱えながらも己の人生と向き合う少年、地方の小さな団体を運営しながら怪気炎をあげる者――旅先で出会った彼らは置かれた場所でそれぞれの人生を闘っていた。 TAJIRI渾身のトラベルルポルタージュ『プロレス深夜特急』シリーズ第2便。 愛弟子フランシスコ・アキラの闘いを書いたTAJIRI初の小説「アキラの居場所」も特別収録。 <目次> 世界の有事、そのときプロレスラーごときに何ができるのか~まえがき(かなり長め)にかえて~ 第1章 戦争とプロレス 欧州マットを直撃した「ウクライナ戦争」・篇 第2章 脱コロナとプロレス イギリス、闘う障害者。……あ、里村さんのこと忘れてた!・篇 第3章 激戦前夜の欧州6か国大横断 フィンランド、オーストリア、イタリア、マルタ、ポルトガル、イギリス・篇 第4章 フィリピン、これでいいのだ! 2度目、3度目のフィリピン・篇 第5章 アメリカ。俺たちは生き残ったんだな。 ポスト・コロナに踏み出した大国・篇 第6章 発見! 日本にもあった非日常の世界! BURST&アジアンプロレスという地方の熱量・篇 [特別編]小説 アキラの居場所 プロレスラーの彼女になったウクライナ難民のことなど~あとがきにかえて~ -
ゴルファーズ・キャロル
米国の人気作家が贈る感動のオマージュ小説。 1986年のアラバマ。開催中のマスターズで、J・ニクラウスが伝説の勝利を収める直前。40歳のランディは、テネシー川の橋から身を投げようとしていた。若かりし日、今は亡き父親から現実的に生きるように諭され、夢を諦めたランディ。幸せな家庭を築いていたものの、幼い息子を病気で亡くし、治療費による借金苦に陥った彼は、愛する妻とプロゴルファーを目指す娘のためには自分が死ぬしかない、と思いつめていた。そんな彼の前に、かつて共にプロゴルファーを目指し、事故で亡くなったばかりの親友の幽霊が現れ「4人のヒーロー、4つのラウンド」を贈るという。ボビー・ジョーンズ、ベン・ホーガン、アーノルド・パーマーら往年の名プレイヤーたちとの不思議なレッスンを経た先にランディが見つけたものとは…。 親子とは、夢とは、人生にもっとも大切なこととは――胸アツ法廷シリーズ『ザ・プロフェッサー』シリーズの著者が、80年代のゴルフシーンを背景にあたたかくファンタジックに描く、名作『クリスマス・キャロル』のオマージュ小説。 -
本音を言えば、友だちになりたいです ふたりのための往復書簡
集団や連帯が苦手なふたりが、毎回一冊の本を手がかりに、女性として直面する課題や痛みを本音で語り合いながら、唯一無二の「友だち」になっていく――魂の往復書簡。 《ふたりの人間が「言葉を交わす」ということにとことん真剣に向き合う。楽しくて、ややこしくて、スリリング!》――王谷晶 《心の一番深い気持ちをさらけ出しあって、剛速球で愛を投げつけ合っているような往復書簡。一気読みは危険です、発熱します。》――たられば 【目次より】 1 主体的に働いていても搾取されている? 2 生まれてよかったか?なんて言われても 3 あなたは愛が広すぎるのではないだろうか? 4 「ひとり」って結局なんなん? 5 差別のこと、いまんとこ、どうしていくつもりでいるの? 6 性欲を暴力だと感じることはある? 7 ウルフは「わたしたち」に言っているんだよね? 8 私が女であることを、いちばんにあなたが見逃してなどくれないじゃない 「向坂さんと最初に会ったのが三年前で、書簡を初めて書いたのが二年前。読書会を通してめいっぱい語り合い、書簡を書き終えるまでに注ぎ込まれた時間は相当のものだったし、周りにいる親密な関係を持った誰よりも、向坂さんとは連絡を取り合っていた気がする。その厚みのあるひとときのなかで、わたしたちはいつも、あまりにも大切なことなのに見過ごされ、軽視され、あたかもなかったかのように土を被せられ踏み固められてしまっていたような事柄を、一緒に目を輝かせながら見つけ出すことに躍起となったり、その際に全身が土埃まみれになったことにときめいたり、そもそも掘り起こす場所を間違えてお互い白けたりもした。……」――紗倉まな(本書より) -
4人称の哲学 AIと問う、文明および人類(集英社インターナショナル単行本)
本書は、哲学者・真田宗仁郎とChatGPTとの間でおこなわれた、哲学的な“対話”を基に書籍化したものである。 ・AIという新しい存在を、人類はどうとらえるべきか? ・AIが出力する言葉とは、一体誰のものか? ・AI側から見える、現代の人間の倫理的問題とは? ・AIを使って「人間の終焉」を引き起こすのは、人間自身? ・AIに決して〈芸術〉がつくれない理由とは? やがて、二者の哲学問答は、前人未到の領域へとたどり着く―― -
無音 忌み語を紡ぐ町
那月がD県十櫃町に帰ってくるのは、14年ぶりのことだった。電車から降りた瞬間、背がひやりとした。この町には忌み語が多い。たがい違い、アカンボ、くっつく・・・・・・そしてタカシマサキ。那月が中学時代の同級生の名、鷹島咲も忌み語のひとつだった。彼女の死を皮切りに原因不明の自殺が続いた事実と、その葬儀で聞いたおかしな声を今でも忘れられない。「ひーい」・・・・・・この世のものとは思えない、その声を。いちばんの気がかりは再婚相手の名字になり、娘の名前が「タカシマサキ」になったことだ。忌み語なんて迷信。そう思おうとしても、あの声が今でも聞こえてくる。「ひーい」・・・・・・。 娘の異様な言動が増え、いつしか笑顔が消えた。夫の不在、母の呪詛、元夫のモラハラの記憶、どんどん大きくなるお腹・・・・・・この町は私を追い詰める。「ひーい」・・・・・・。 呪いは、暴走する――。 【著者プロフィール】 櫛木理宇(くしき・りう) 1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を、 同年、『赤と白』で第25回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。他の著作に依存症シリーズ、『死刑にいたる病』『氷の致死量』『虜囚の犬』『鵜頭川村事件』『少年籠城』『死蝋の匣』『ふたり腐れ』『七月の鋭利な破片』『鬼門の村』『氷河期のゴミ』など多数。 -
春、出逢い
正反対のふたりが目指す、三十一文字に賭ける夏。 「私はあんたなんてすぐに追い抜いてやるから」 ライバル心、淡い恋、熱い友情ーー青春ぜんぶ短歌に込めて。 『春、出逢い』につらなる、みずみずしくて王道の部活小説! 中学から文芸部で、ずっと短歌甲子園に憧れてきた東雲菜海。短歌への熱意には絶対の自信を持っていた。いっぽう、自分の好きなようにずっと一人で短歌を作っていたという、天真爛漫な神安海禾。そんな二人が、星澤高校文芸部で一緒に戦うことになる。かけがえのない日々を一秒もあまさず短歌に詠みあげる、彼女たちだけの青春。 物語を彩る、宮田愛萌さんによるオリジナル短歌を約六十首収録した、著者入魂のシリーズ第二弾! カワセミは飛ぶ一羽でもまっすぐに 人は一人でまっすぐ飛べない -
愛する男
いつしか孤独を抱きしめていた―― 誰にも知られず、思い出されることもない。 真に孤独なそのひとは、けれども愛を知っていた。 「俺が好きになった人は、みんな死ぬんじゃないか」 数奇な運命を背負った青年が絶望の果てに見出した、究極の「愛」とは。 魂をゆさぶる衝撃作! そのひとの孤独を、誰も知らない。 愛らしい顔立ちの赤ん坊は、生まれてすぐに母を喪った。立て続けに祖父母を亡くし、父も死んだ。養護施設で育ったその少年・中川宙希は、聡明な友人や心優しい大人たちに囲まれ、愛情を注がれ、大きくなる。だがひとたび宙希が好意を抱くと、彼らは死んでしまうのだった。 やがて愛することを恐れるようになる宙希。それでも数々の出会いが宙希に訪れ、その愛はただならぬ気配を帯びていく――。 -
飛燕
小舞藩で代々納戸頭を務めてきた高蔵家。当主亡きあと、長女の徳子は市中道場で師範代を務める藤十郎を婿に迎えて幸せな生活を送っていた。そんなある日、藤十郎が遊女と相対死にしたとの事実が告げられる。しかも、二人は昔からの馴染みで、徳子との祝言後も、その縁は続いており、子まで生しているという。信じられない思いに打ちひしがれる徳子だが、藤十郎の子である萩丸を自分の子として育て始める。一方で、次女のあぐりは、城内でも名の通った大店の主・紀野屋丈衛門に嫁ぐと言い出した。その言葉通り、母よりも年上の丈衛門に嫁いだあぐりは、商いを通じてさまざまな情報を耳にする。ある日、徳子はあぐりから、義兄は殺されたのではないかとの疑問を突き付けられる。しかも、彼の死には、何らかのかたちで丈衛門が関わっているらしい。やがて、丈衛門は、徳子に藤十郎の死の真相を語り始め……。藩を揺るがす事件に巻き込まれながらも、凛として生きる女性たちを描く時代小説。 -
アンビバレント 山上徹也が私だけに明かした謎の核心
山上徹也とは何者だったのか? その人物像、国民の誰もが気づいていない犯行の真の動機を山上が鈴木エイトだけに対面で語った! ついにはじまった安倍晋三元首相銃撃事件の裁判を傍聴し続けた鈴木エイトが、 メディアやYouTubeが伝えない事件の深層と、 山上の発言、真意を解き明かしていく。 そして、山上との4回計90分間の対話に成功。 山上が裁判で語らなかったこと、 語ったものの真意がつたわらなかったことを鈴木エイトだけに明かした。 山上が安倍晋三元首相を撃った本当の理由、その心中とは――。 「はじめに」より 私は判決公判の翌週、意を決して拘置所を訪ね、面会室で対面した山上徹也被告に、直接あの言葉が持つ強烈な違和感が示していたものの正体を確認することができた。 ――被告人質問の徹也さんの発言のなかに、気になっているものがあります。 ほぼすべての公判を傍聴し、さらには判決公判前後に山上徹也被告と拘置所で数度にわたり面会し、私なりに事件の真相に迫ることができた。本書では、そこに至る過程を示し、世間やメディアがいまだ知ることのない山上被告の真実を追っていきたい。 (目次) はじめに 序章 はじめて対面した山上徹也 第一章 初公判 第二章 検察側と弁護側の攻防 第三章 第一回被告人質問 第四章 二回目の被告人質問 第五章 三回目の被告人質問 第六章 安倍昭恵入廷 第七章 最後の被告人質問 第八章 求刑 第九章 山上徹也との対話 終章 統一教会系議員たちの復権 おわりに -
パンが大好き コミック&イラストアンソロジー
焼きたての物語に癒される。 「パン」をテーマに9人の作品を収録。 とびきりガーリーな夢のパン屋さん。 お別れの日のパンパーティー。 ドイツパンの食べ歩き。 パンがあれば、毎日がちょっと幸せ。 参加作家 kametomo/くらはしれい/染町/トコロコムギ/ながらりょうこ/Nanai umi/双森 文/meeco/みぞグミ絵璃 -
営繕かるかや怪異譚
「家に興味がない、ということは、自分を守ってくれる場所に興味がない、必要ない、ということと同義です」建物にまつわる超自然的な現象を解決するため、営繕屋・尾端は死者に想いを巡らせ、彼らを鎮めるための方法を導き出す。恐怖と郷愁を精緻に描く、建築怪談シリーズ第4弾!単身者用の集合住宅に住む拓史は、工事現場でスマホを見つける。呼び出しに応じると、雑音に交じり男の声が。以来、耳障りな雑音が聞こえ、人影を見るように。(「忍びよる」)文美は上司から覚えのない嫌がらせを受ける。家では「内神様」が祀られ、亡き祖母と文美だけが暗がりに蹲る黒い「猿」を視ていた。やがて猿は職場にも現れる。(「迦陵頻伽」)仲川はギャラリー用に幽霊屋敷と呼ばれる廃屋を買う。リフォームを依頼された稲葉が、柱に打ち付けられた藁人形を大量に発見すると、仲川は人形を残そうとする。(「鉄輪」)他、全6篇を収録。 -
贄の森
エドガー賞、ブラム・ストーカー賞ファイナリスト 親友の結婚パーティのため、しぶしぶ故郷の寂れた町に戻ってきたリズ。そしてパーティの夜、親友の娘が会場の森で姿を消した。それはリズのトラウマにも関わる過去の事件と酷似しており、恐怖したリズは独自に捜査を開始することに。やがて、この地に潜む恐ろしい秘密が明らかになるのだが……。解説/杉江松恋 -
LOVE 30
木原音瀬作家生活30周年記念――。 深く記憶と心に刻まれる木原音瀬の幻の雑誌掲載作品「青春狂走曲。」をはじめ、未書籍化の作品を厳選し収録した珠玉の作品集。 それぞれ各作品ごとに単行本書き下ろし小説を収録、全3巻構成の第3巻。 大人気豪華漫画家陣が、卓越した文章力と確固たる作家性が生み出す 木原ワールドをイラストで描く。 【期間限定特典 2026年4月17日~2027年4月16日まで】 3冊購入してパスワードを集めると書き下ろし小説が読める★ 「HUG 30」「KISS 30」「LOVE 30」3巻購入特典「木原音瀬作家生活30周年記念書き下ろし小説」 ※紙書籍と電子書籍の特典は同じです。 -
多類婚姻譚
一緒に生きる。わかりあえないあなたと。 一番近くにいる他人-こいびと-。どうして結婚はこんなに難しくなってしまったのだろう。 『流浪の月』『汝、星のごとく』で二度の本屋大賞を受賞した著者が描く、今そこにある愛のかたち。 セクシュアリティ/ジェンダー、金銭感覚、世代間格差、成育環境…… あらゆる価値観の対立の中で現代を生きるわたしたちの祈りと叫び。 【凪良ゆう コメント】 「文芸書としては『星を編む』から2年半、ようやく新刊をお届けできます。 今作は結婚について。 婚姻譚と銘打ちながらも、婚姻への道のりがはてしなく遠い!! これは果たして婚姻譚と言えるのか、と担当さん達と首をかしげる場面もありました。 読んでくださった方たちと”現代の結婚”について語り合ってみたいです。」 【収録作 紹介】 「Thank you for your understanding」 家族の期待に応え、ついに恋人と帰省する決意を固めた華。 「Beautiful Dreamer」 結婚したい。ありふれた夢のはずなのに、東京ではこんなにも遠い。 「小鳥たち」 離婚して、実家の書店を継いだ一葉。そこに偶然、初恋の人がやって来て--。 「Position Talk」 入籍を目前にした男女。性差を越え、個としてわかり合える日は来るのか。 「C'est la vie」 仕事も恋も、魂を分けあった二人。だが、夢のような時間にはいつか終わりが来る。 -
その手は明日を紡ぐために
★『ぼくが生きてる、ふたつの世界』映画化 ★『「コーダ」のぼくが見る世界』が「第71回 青少年読書感想文全国コンクール課題図書」(高等学校の部)に選出 今注目の著者・五十嵐大による、初の半自伝的お仕事小説! 「え? ちょろっと文章書いてもらうだけなのに、そんな金取んの?」 耳が聴こえない両親のもとで育った聴こえる子ども・コーダである伊賀紡(いが・つむぐ)は、自分のことを“ふつう”に見てもらえない環境に嫌気がさし、親元を離れ、東京でライターとして活動することに。ところが、そのライター業でも無力感に苛まれる出来事ばかり。両親を地元に残したまま“逃げてきた”自分への罪悪感が募る一方だ。こんな状態ならば、親のために生きるべきなのではないか……。そんな紡にとっての心の支えは、紡と同じように地元を出てきた共に暮らす親友、柏樹優平。ともに苦労を分かち合うことでなんとか日々を過ごしてきた。 ある日、ヤングケアラーとして育った過去を持つ実業家・蓮音美羽の取材で、彼女の様子がおかしいことに気がついた紡はある質問を投げかける。このことがきっかけとなり、紡は少しずつ自分が進むべき道を見出し、自信をつけていく。しかしそんなとき、優平から思いもよらない言葉を投げかけられ……。 居場所を探す全ての人に贈る、まっすぐ心に届く感動作 -
花ざかりの方程式
方程式の末端に咲く花。宇宙の全思考を重ねる究極理論。孤独な父子とチェス。無名数学者の発見。未来を過去で迎え撃つ天文台。驚異的な着想とリリカルな叙情で綴られた、大注目の新鋭による初SF傑作集。 『その謎を解いてはいけない』『理系の読み方』で、ミステリ・SF・純文学の三界から注目を集める大新鋭による、待望の初SF作品集! 「はじめから わたしたちは みんなここにいる。」 空から降り注ぐ未来を撃ち落とす天文台から放たれた過去、 無名数学者が発表したカフカの『変身』をめぐる異常論文、 全宇宙の可能性を統合する究極理論と東京オリンピックテロ事件、 方程式の末端に咲く花を発見した博士とその家族の数奇な人生…… 論理と切なさがまじわる、SFと文学のあいだをひらく9つの物語。 【池澤春菜さん・齋藤明里さん推薦!】 世界は、気づかれないまま何度も再計算されている この物語もまた、そのひとつだ ――池澤春菜(作家・声優) 全ての物事は、どこかの時間で、 どこかの世界で、繫がっているのかもしれない ――齋藤明里(女優・読書系YouTube「ほんタメ」MC) 【全9編 内容紹介】 「未来までまだ遠い」 天文台から過去を打ち上げ未来を撃ち落とす世界の「未来」で生きる、ふたりのおさななじみの夢と希望を描いた物語。 「騎士たちの可能なすべての沈黙」 異貌の数学者の父とその子がチェスで不器用な対話を交わす、数学の中の孤独をめぐる物語。 「ソナタ・ルナティカOp.69」 退屈すぎるがゆえに「究極」となったソナタとその作者、音楽と不可能性をめぐる逸話。 「誘い笑い」 就活がうまく行かない大学生がある特異な芸風の夫婦漫才師にのめり込む、読点のないお笑い小説。 「ザムザの羽」 無名の数学者が発表したカフカ『変身』にまつわる「異常論文」風メタ数学/文学ミステリ小説。 「演算信仰」 2021年、究極の思考理論に目覚めた男が起こした東京オリンピック自爆テロ事件の顚末を暴く、思考実験SF。 「コロニアルタイム」 とおい未来に占領され、世界が不可知の塊となった時空間での多元性を叙情的に描く物語。 「白い壁、緑の扉」 H・G・ウェルズの同題の短編1本丸ごと作中に織り込み一人の男の哀切な人生を描き切った超絶技巧の怪作。 「花ざかりの方程式」 2次項の末端に花が咲く方程式を発見した数学者とその家族たちの、美しく切ないファミリーヒストリー。 〇イラスト:北村みなみ 〇デザイン:アルビレオ -
まつとおね
吉岡里帆 蓮佛美沙子 主演。能登演劇堂の震災後初の公演で約1万人を動員。 被災地・能登で生まれた伝説の舞台が待望の小説化。 前田利家の妻「まつ」と豊臣秀吉の妻「おね」が戦乱の世で築いた平和と友情の物語 「秀吉が亡くなったら、すぐにでも天下に号令をかけさせなさい。次の天下人は、前田利家だと」 ――京の醍醐寺で、天下人・秀吉の死が近いことを悟ったおねは、こう告げた。乱世に生きる武将の妻として、次の花を咲かせるのはまつだと。おねの言葉を聞き、菩薩と言われながらも自らの心のうちに真っ赤な炎が燃えていることを知るまつが下した決断とは!? 能登演劇堂復興祈念公演で被災地を勇気づけた物語が、小説としてさらに感動的になり蘇る!! -
たったひとつの雪のかけら
大学入試のためにソウルに転居した女子高生のアンナ。古びた下宿で暮らしながら、大人になる前の通過儀礼ともよべる、切ないクリスマスを体験する――「ほかのすべての雪片ととてもよく似た、たったひとつの雪片」 ユリとマリは、美しいながらも性格が真逆な姉妹だった。波瀾万丈の人生を送ってきたマリは、完璧で順風満帆に見えたユリが76歳で自殺したことを知る。2014年黄順元文学賞受賞作――「金星女(クムソンニョ)」 小さな星々はみな宇宙でたったひとりだけれど、その光は星座となって夜空に瞬きあう。韓国を代表する作家のひとりウン・ヒギョンが、生きる孤独と哀しみ、そして人と人の一瞬の邂逅を描く、6篇の珠玉の短編集。 【著者プロフィール】 ウン・ヒギョン(殷煕耕)1995年に中編「二重奏」でデビューする。同年発表した初の長編小説『鳥のおくりもの』で第1回文学トンネ小説賞、1998年に短編「妻の箱」で第22回李箱文学賞を受賞。その後韓国小説文学賞、韓国日報文学賞、怡山文学賞、東仁文学賞など多くの賞を受けた。本書収録の短編「金星女」は2014年に黄順元文学賞を受賞。既訳に『美しさが僕をさげすむ』(呉永雅訳/クオン)、『鳥のおくりもの』(橋本智保訳/段々社)など。 【訳者プロフィール】 オ・ヨンア(呉永雅)2007年に第7回韓国文学翻訳新人賞、2023年にチョ・ヘジン著『かけがえのない心』(亜紀書房)で韓国文学翻訳大賞を受賞。訳書にウン・ヒギョン著『美しさが僕をさげすむ』、キム・ヨンス著『世界の果て、彼女』(以上クオン)、イ・ラン著『悲しくてかっこいい人』(リトルモア)、パク・サンヨン著『大都会の愛し方』(亜紀書房)、ファン・ジョンウン著『続けてみます』(晶文社)、『百の影』(亜紀書房)などがある。 -
体の居場所をつくる
居場所は、私たちがどのように生きたいか、その価値基準そのものです。 濱口竜介さん(映画監督)絶賛! 「11人の永い回復。それぞれが生きづらいはずなのに、奇妙な快活さと楽天性が本書を貫いている。一人ひとりの「工夫」、それに対する著者の「リスペクト」が織り合わされ、私たちは生を見つめ直す視点をもらう。あえて言いたい、何と面白いのか!」 摂食障害、ナルコレプシー、ALSなどの障害や病気の当事者。診断がつかない人、治療の道がない人、人種的マイノリティ―― 本書に登場する11名は、体に「問題」を抱えながら、日々の工夫の積み重ねで、どのように「体の居場所」をつくってきたのか。 一人ひとりから出てくる言葉は、ときに文学のようにファンタジックで、そこには、その人の何十年分かの人生が結晶のように凝縮されています。それに耳をかたむけ、ともに悩み、混沌とした状況を進む手すりとなるような言葉を探すために伴走する――そうして綴られた、生きるための究極の工夫とは? --------------------------------------------------------- 本書に収められた十一の章は、居場所をつくり、整え、試すその繊細な営みをつづったものです。 願わくば、本書が、どんなシビアな意思決定の場面でも、世間のプレッシャーにさらされて硬くならず、のびのびと自分の心地よさに問いかけることができるようになるための、余白をつくる手がかりになるとよいなと思っています。(エピローグより) --------------------------------------------------------- 【目次】 プロローグ 第一章 体とまた出会いたい 第二章 脂は敵だから好き 第三章 日常にひそむスイッチ 第四章 帝国主義者のまなざし 第五章 電車の中のチマチョゴリ 第六章 希望と分断のお薬 第七章 グニャグニャでいてやろう 第八章 因果関係の外で 第九章 グレーの中で生きる 第十章 ベールの向こうに 第十一章 自分が花みたい エピローグ -
物が全てを教えてくれる 日本初の女性化学者・黒田チカ
“寅ちゃん”より30年前に 「知」の門を叩いた女性がいた。 日本初の女子帝大生・黒田チカ。 彼女の研究は、百年後の私たちの健康につながっている。 学ぶことを選び続けた女性化学者の挑戦。 大正時代、日本の帝国大学は男だけの学び舎だった。 それでも彼女は、学ぶことを諦めなかった。 幼い頃から学問への熱い想いを抱いていた黒田チカは、学齢前に尋常小学校に入学、姉のクラスで授業を受ける。 佐賀師範学校、東京女子高等師範学校を経て、チカは東北帝国大学理科大学(現在の東北大学)へ入学を果たす。 女性初の帝大生のひとりとなったチカの研究テーマは天然色素。 世間の嘲笑と制度の壁を前に「知」を選び続けたチカは長年の研究で数々の賞を受賞、 なかでもタマネギの皮に含まれる〈ケルセチン〉の血圧降下作用―― それは百年後の現在も、私たちの健康を支えている。 彼女の名は若き化学者たちの後押しとなる「黒田チカ賞」としていまも残されている。 日本の化学史に刻まれた、ひとりの女性化学者の確かな挑戦の物語。 カバーイラスト:シシヤマザキ 【目次】 第一章 五歳の小学生 第二章 門をひらく 第三章 紫の結晶 第四章 色を追う日々 第五章 玉葱の力 -
罪人に死を
帰郷した男を待ち受ける、脅迫、失踪、殺人事件 幼馴染と不倫中の男に届いた不倫を咎める手紙。相手の夫の仕業と疑うも、夫は殺され、幼馴染も失踪してしまう。エドガー賞受賞作 -
馬体は語る2
「一口馬主」のための出資馬選びにおける馬体の見方について、実例を交えながら詳しく分かりやすく解説する「馬体は語る・応用編 ロングセラーとなった「馬体は語る」の続編。著者がサイト「一口馬主DB」にて「馬体の見かた講座」として連載中のコラムを書籍化。いわゆる「一口馬主」のための、出資馬選びにおける馬体の見方について、実例を交えながらできる限り詳しく、分かりやすく解説する「応用編」。最新活躍種牡馬別の馬体の見かた、あいまいな言葉シリーズ、関係者へのインタビューなどをはじめ、「母の馬体」など本書書き下ろし原稿も。単に「一口馬主」だけのためでなく、サラブレッドの奥深さを伝えることで、POGファンをはじめ、初心者からマニアまでを満足させるような、「馬体の見かた完全読本」の応用編を目指す。 治郎丸 敬之(ジロマルタカユキ):新しい競馬の雑誌「ROUNDERS」編集長。「週刊Gallop」、「一口馬主DB」「キャロットクラブ会報誌」、「ウマフリ」等にコラムを連載中。単なる馬券検討ではなく、競馬の持つ様々な魅力を広く伝えることをモットーとしている。好きな馬はシンコウラブリイ、ヒシアマゾン、ブラックホークなど。 一口馬主DB(ヒトクチウマヌシデービー):会員数5万人を超える、国内唯一最大の一口馬主の総合情報サイト。膨大なデータ集に加え、各クラブの募集馬横断検索、出資成績集計ツール、出資馬検討ツールなど、初心者からベテランまで、一口ライフをより便利に楽しくするためのコンテンツを提供中。2007年開設。 【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 -
風を織る
おちえ、危うし―― 人気時代シリーズ第4弾! 深川の縫箔(刺繍)屋・丸仙の娘、おちえが、不吉な模様の小袖を大店「出雲屋」別邸に届けると、邸内で突然五人の男に襲撃される。 同行した丸仙の職人・一居となんとか応戦するが、ふたりの前に老女が現れて――。 「出雲屋」の過去と、おちえにはどんなかかわりがあるのか。剣を愛するおちえと、武家の家を捨て刺繍の道を志す一居が真相に迫る。 『風を繍う』『風を結う』『風を紡ぐ』に続く、大好評〈針と剣 縫箔屋事件帖〉シリーズ、緊迫の第4弾! 〈目次〉 一 風花飛鳥模様 二 紅牡丹火車模様 三 白菊残陽模様 四 再びの花折枝模様 五 白無地 六 井桁模様 七 藤花下飛燕模様 八 青海波模様 装画/田尻真弓 -
アメリカ 崩壊の地をゆく
カローラを駆って365日、 トータル2万6000キロ。 素顔のMAGAに会ってきた! 2024年11月のアメリカ大統領選で共和党のトランプが再選された。 選挙前後のアメリカには何が起きていたのか? いまだやまぬ、20年大統領選の選挙不正論、とめどなく拡散する偽情報や陰謀論、 容赦なき移民狩り、そして求心力を失ったレガシーメディア......。 アメリカの民主主義は崩壊の一途をたどっている。 それでも、アメリカはトランプを選んだ。 トランプ信者・MAGAの本音とは? なぜ、民主党は負けたのか? アメリカにはいかなる未来が待っているのか。 大統領選を境に365日、アメリカ各地を巡った著者による渾身のリポート。 -
ここにいるよ
中日新聞、東京新聞など連載で感動を呼んだ話題作! 痛みよ、希望よ、届け 「能登は遅れている」――いわれなき非難に押し込められる小さな声。 「比べたら、あかん」教師・小野寺は、被災地の小学校で子どもたちやその親たちが抱える、苦悩と希望に向き合い続ける。 2024年1月1日16時10分――。巨大地震が能登半島を襲った。 その時、元教師・小野寺徹平は、かつての教え子が女将をつとめる旅館に滞在していた。おとそ気分は吹き飛び、恐怖と不安の中で迎えた「最初の夜」、小野寺はこれから始まる被災地の日々を思い、心が沈んだ。 阪神・淡路大震災で家族を失い、東日本大震災で応援教師として被災地の子どもたちを励ましてきた小野寺には、能登半島で被災した人々の長い苦悩の道が痛いほど分かったからだ。 つらく苦しい非日常との闘いが始まる一方で、社会からの関心は徐々に希薄になり、過去の震災の被災地と比べられ、「復興が遅い」「無気力」と責める声すら上がる。 小野寺は再び被災地で、子どもたちと向き合う決意をする。 -
ウエハース君
もう、気分は最高だ! 子どもが翼をつけて生まれ(「ウエハース君」)、宝石でできた蚊が人間の血と一緒に楽しかった記憶を吸い込み(「ジュエリーモスキート」)、結婚していない私が結婚した私を訪ね(「アナザーストーリー」)、健康な異性愛者だけを選別し、それ以外にはキノコになる液体が配られる(「キノコの国で」)……。 イ・ユリが描く14の世界を一つずつ通過すると、苛立ちや悩みはしばし遠くに追いやられ、私たちの手元から離れていた日常は鮮明になる。唯一無二のSFワールドに魅了される、韓国の大人気作家の傑作短編集。 大好評「I am I am I am」シリーズ、第4弾! -
こだま標本箱
【『思い出のとき修理します』の著者が贈る、珠玉の伝承ミステリー】 古くからの言い伝えを調べる伝説収集家との出会いが、 大切な人を失った百絵の未来を変えていく――。 ****************************************** 人にしかできない癒しと再生の物語が優しく胸に響きます。 マルサン書店サントムーン店 原田里子さん ****************************************** 【著者より】 「こだま」は「木霊」と書きます。森の中に反響する音に、昔の人は木々の魂を感じたのでしょうか。 現代でも、御神木や謂れのある木など、大切に守られています。 日常のそばに、伝説は意外とあふれているのではないでしょうか。 伝説収集家の賀見社と、現実的な感覚の百絵、二人のやりとりも読みどころです。 どうして賀見社が伝説を集めるのか、身近な伝説に触れ百絵が何を得るのか、ぜひお楽しみください。 【あらすじ】 路地裏にひっそりとたたずむ「喫茶こだま」で働き始めた百絵。 雇い主の賀見社は、古くからの言い伝えを調べる「伝説収集家」なのだという。 姉の魂を連れていった井戸の神さま、 切ってはいけない呪われた木の秘密――。 賀見社のもとに舞い込むのはこの世の理では解くことのできない謎ばかり。 思いがけず彼を手伝うことになった百絵だが、 すべては、自らの切ない過去につながっていき――。 奇跡に満ちた救いの物語が、あなたの心にこだまする。 【目次】 1 幸せの香 2 水を染める色は 3 木々の声音 4 柳の下に眠る 5 神隠しの山 -
時の家
第174回芥川賞&第47回野間文芸新人賞受賞作! ここで暮らしていた人々の存在の証を、ただ、描きとめておきたい。 三田文學新人賞でデビューした注目の小説家が、傑出した完成度で紡いだあたらしい建築文学。 ********************** いしいしんじ氏&松永K三蔵氏、推薦! 「大切に建てられた一軒の家に、ひとの気配がやどる。流れる時のすきまから、あまたの声がもれだしてくる。いつかまた、この本のなかに帰ってこようと思った。」 ――いしいしんじ 「紐解かれていく「時の家」の記憶は、語られなかった想いに繋がる。物質(モノ)がこれほど繊細に語り得る小説を私は知らない。」 ――松永K三蔵 ********************** 青年は描く。その家の床を、柱を、天井を、タイルを、壁を、そこに刻まれた記憶を。 目を凝らせば無数の細部が浮かび、手をかざせば塗り重ねられた厚みが胸を突く。 幾層にも重なる存在の名残りを愛おしむように編み上げた、新鋭による飛躍作。 【装幀】水戸部 功 -
私たちに残されたわずかな永遠
人類は、もしかしたら一度滅んでいるのかもしれない。 月面の居住施設「ルナアーク」。 奇妙な社会性生物と人間が共存する町「ドゥマレ」。 2つの世界が交差する、スチームパンク×SF小説! 生き延びて欲しいの。 今のあなたとは違う形になったとしても。 時は2131年。13歳のアリサは「ルナアーク」と呼ばれる、月面の居住施設に住んでいた。アリサが5歳の頃、両親とともに地球から移住してきたのだ。地球からの転校生、ケンジと仲良くなるが、その矢先、とんでもない事件が起こり――。 一方、教会暦918年。ドゥマレの町では「アッザ」と呼ばれる、奇妙な社会性生物と人間が共存していた。この町に住む13歳の少女メルはアッザの捨てたゴミの山から発見された捨て子だった。 アリサとメル、ルナアークとドゥマレ――交わるはずのない2人と2つの世界が交錯したとき、戦慄する事実が明らかに……。 -
命の横どり
【これは、他人事ではない。緊迫の医療サスペンス小説】 心臓病の専門病院で、適切な臓器の斡旋を行う臓器移植コーディネーターとして働く立花真知。 彼女は、五輪金メダリスト候補として注目を集めるフィギュアスケーター・池端麗を担当することになる。 麗はスケートの練習中に倒れ、拡張型心筋症と診断されていた。 副院長の一ノ瀬や主治医の市田の治療を受けながらドナーの心臓を待っているが、麗の血液は珍しく、大多数の心臓を移植することができない。 しかし、くも膜下出血で倒れ脳死判定を受けた男性ドナーの心臓が、麗に奇跡的に合致すると連絡が入る。 真知らは早速臓器の提供に向けて動き出すが、ドナーの母親が臓器提供に納得していないことが判明。真知は「禁断の方法」に手を出そうとする――。 ドナーとレシピエント、互いの思いが複雑に混じり合ってできた大きな渦は、とある男の登場によって社会問題へと発展し始める。 医師であり、これまでにも医療の現状にメスを入れてきた著者が描く「日本の心臓移植」の現実と未来。 【著者略歴】 久坂部 羊(くさかべ・よう) 1955年大阪府生まれ。医師・作家。大阪大学医学部卒業。 2003年『廃用身』で作家デビュー。2014年『悪医』で第3回日本医療小説大賞、2015年「移植屋さん」で第8回上方落語台本優秀賞を受賞。ドラマ化されベストセラーとなった『破裂』『無痛』『神の手』の他、小説に『テロリストの処方』『介護士K』『芥川症』『悪い患者』『絵馬と脅迫状』など、新書に『日本人の死に時』『人間の死に方』『寿命が尽きる2年前』『人はどう死ぬのか』『人はどう老いるのか』『人はどう悩むのか』など、著書多数。 -
天馬の子
『貸本屋おせん』で日本歴史時代作家協会賞新人賞受賞、 『梅の実るまで』で山本周五郎賞候補となった注目の新鋭が満を持して放つ感涙の長編時代小説! 南部藩の村に生まれたリュウは馬と心を通わせる10歳の少女。厳しい自然のなかで名馬「奥馬」を育てる村では、時に人よりも馬が大切にされていた。リュウの家にも母馬が一頭いるが、毛並みの良い馬ではない。優れた馬乗りだった兄が二年前に亡くなり、家族は失意のなかにあった。祖父は孫娘に厳しく、母は小言ばかり。行き場のない言葉を抱えたリュウが馬の世話の合間に通うのは「柳の穴」と呼ばれる隠れ家だった。姉のようにリュウを見守る隣村の美少女セツ。村の有力者の優しくてドジな次男坊チカラ。「穴」に住む家無しのスミ。そこでは藩境を隔てて隣り合う村の子どもが集まり、自由な時を過ごしていた。 ある日、片腕のない見知らぬ男が「穴」に現れる。「仔は天下の御召馬になる」。馬喰(馬の目利き)の与一を名乗る男はリュウの育てる母馬を見て囁いた。将軍様の乗る御馬、即ち「天馬」。しかし天馬は天馬から生まれるのが世の道理。生まれにとらわれず、違う何かになることなどできるのだろうか? リュウは「育たない」と見捨てられた貧弱な仔馬を育て始める。 村を襲う獣、飢饉、「穴」の仲間や馬たちとの惜別。次第に明らかになる村の大人たちの隠しごと。与一との出会いから大きくうねり始めるリュウと仔馬、仲間たちの運命。なぜ人の命も馬の命も、その重さがこんなにも違うのか。馬も人も、生まれや見た目がすべてなんだろうか。いつか大人になったら、すべてわかる日が来るのだろうか? 生きることの痛みも悔しさも皆、その小さな体に引き受けながら、兄の遺したたくさんの言葉を胸に、少女と仔馬は生きる道を切り拓いていく。 -
心に沁みる大人の日本旅情
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 まったり、しっとり、ゆったり。 さぁ、旅に出よう。 長い歴史のある温泉宿、 山中の情緒深い湯治場、 かつて遊廓だった旅館。 北海道から九州まで、40軒を厳選して紹介。 いい場所、いい風呂、いいお宿。 あぁ⋯⋯心が求めていた旅は、まさにこれだった―― 日本各地に点在する「鄙びた」雰囲気の残る宿に実際に泊まり、旅の記録と、宿の雰囲気を伝える大人の旅ガイド。 日本の風情が息づく、静かな時間。鄙びの宿で心をほどく―― 《北海道·東北》 光栄旅馆 濁川温泉 新栄館 賢治ゆかりの自炊部 湯治屋 温湯温泉 後藤温泉客舎 岡崎旅館 強首温泉 樅峰苑 鉛温泉 藤三旅館 飯坂温泉 なかむらや旅館 黒湯の高友旅館 旅館 十一塩屋 《関東·中部》 法師温泉 長寿館 四万温泉 積善館 信州渋温泉 歴史の宿 金具屋 旅館 萬集閣 崖の湯温泉 山上旅館 花舞 竹の庄 地獄谷温泉 後楽館 竜宮閣 恵那はなれの宿 《近畿·中国》 海洋楼 伊勢河崎の町宿 星出館 二見浦 麻野館 福寿旅館 御旅宿 月屋 洞川温泉郷 桝源旅館 旅館 橋本の香 一楽旅館 旅館たえだ GUESTHOUSE 醫 湯抱温泉 中村旅館 旅館 お多福 旅館みくにや いろは家族館 《四国·九州》 旅館さくらき 岬観光ホテル 川又屋旅館 Chez利太郎 割烹旅館 海喜荘 球磨川温泉 鶴之湯旅館 旅館 山城屋 -
ルポ M&A仲介の罠
代表者失踪、事業停止、内部留保ゼロ――知らないと危なすぎるM&A(合併と買収)トラブルの全貌。仲介業者が莫大な利益を得る傍ら、売り手と買い手が大損害を被る事例が急増。その実態を描く。朝日新聞デジタルの人気連載に大幅加筆。 -
爆心を見つめて 広島の88歳医師、隠れた真相を追う
「生涯虐待」。放射線による人体影響の研究で世界的に名を知られる鎌田七男(広島大学名誉教授)の独自の感慨だ。爆心地500メートル以内で生き残った78人の追跡調査や、数千人に及ぶ被爆者治療で実感した言葉である。88歳になる今も原爆の非人道性を訴える。まとめは元朝日新聞記者。 -
給水塔から見た虹は
あなたと私は違う。だから、一緒にいよう――。 『ふがいない僕は空を見た』『夜に星を放つ』の著者が、今を生きる人々に贈る感動作。 【各界からの反響続々!】 なんて誠実な小説なのだろう。今、この時代に、この本と出会えてよかった。――武田綾乃(作家) 白か黒かでしか断じない、この時代に絶対に有効な“あわい”の物語。――早見和真(作家) 何度も胸が潰されそうに痛かった。彼らの日々に、どうか幾重にも虹がかかりますように。――町田そのこ(作家) その人の涙のわけを知らない。分からない。けど私たちは何かを思うことが出来るから見つめながら目を逸らさずに、あなたの話を聞きたい。――山本奈衣瑠(俳優) 【あらすじ】 中学二年生の桐乃は、団地での暮らしに憂いていた。 郊外にある古い団地群には、様々な国にルーツを持つ人が生活している。そのせいか桐乃のクラスは衝突が絶えず、ベトナム人のクラスメイト・ヒュウがいじめの標的になっていたのだ。 家に帰っても、母の里穂は団地に住む人々を国籍問わず日夜助けており、「娘の私より、他人を優先するんだ」という思いがどうしても消えない。この場所で生活することに対する桐乃の嫌悪感は、日々強まっていく。 そんな中、中学校で起きたとある出来事をきっかけに、桐乃はヒュウと話すようになる。ヒュウは、理由は違えども、桐乃と全く同じことを望んでいた。 「この団地から出て、遠くに行きたい」と。 はじめてできた友達、母とのすれ違い――。 桐乃・ヒュウ・里穂のそれぞれの視点から、社会に蔓延る様々な分断に翻弄される2人の“こども”が少しずつ“おとな”になるひと夏を描いた、ほろ苦くも大きな感動を呼ぶ、ある青春の逃避行。 【著者略歴】 窪 美澄(くぼ・みすみ) 1965年東京都生まれ。2009年「ミクマリ」で女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞。受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれる。また、同年に同作で山本周五郎賞を受賞。12年『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞を受賞、19年『トリニティ』で織田作之助賞、22年『夜に星を放つ』で直木賞を受賞。他の著書に『夏日狂想』『タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『ルミネッセンス』『ぼくは青くて透明で』などがある。 -
対決の記者
追うべきは、殺人事件か、企業スパイか―― 事件記者と調査報道班の相克 吉川英治文学新人賞受賞作『ミッドナイト・ジャーナル』に続く、渾身の社会派ミステリー! 「社長は人として許されないことをした。だから告発しようと思った――」 中央新聞長野支局の事件記者関口豪太郎は、一人の青年の訃報に耳を疑った。 昼間知り合ったばかりの好青年が、深夜に溺死体となって発見されたというのだ。しかも青年は偽名を使っていた。疑念を抱いた豪太郎は取材に乗り出す。 一方、東京本社の調査報道班は、ある新興企業の不正疑惑を追っていた。やり手の社長が犯した“人として許されないこと”とは? 内部告発者が突然の失踪を遂げるに及び、調査報道班は社長のルーツを辿って長野へ向かう。 絡み合うそれぞれの事件の先に見えてくる真相とは――? -
新版 就職しないで生きるには
働き方・ライフスタイル本の原点 自分のリズムにあわせて働き、好きなことで生計を立てる。 40年以上にわたり若者たちを励ましてきた不朽の名著。 仕事と生き方に悩むすべての人に。 解説=辻山良雄(本屋Title店主) 「わたしがまだ二十代で(…)明日なんてないという気になっていたころ、仕事というのは憎悪すべき単語だった。だが(…)わたしも中年の三十路をむかえる。そして「仕事」は美しいことばになり、それこそが最良の「あそび」になった。仕事こそいのちだ。それ自身が報酬だ。その仕事がいいものなら、それを感じることができ、充実感がある」(本書より) 【目次】 はじめに 小さな本屋さんをはじめた 法律なんかこわくない したたかな友人たち 心をなくして客をなくす 愛は一軒の家から…… 訳者あとがき 解説 -
強い組織は違いを楽しむ CQが切り拓く組織文化
【本書の内容】 ビジネスパーソンの必須教養 “CQ/⽂化の知能指数”の実践的バイブル 近年、組織⽂化の重要性がますます⾼まっています。 BANI(※)という不確実性の時代において、組織の成⻑や競争優位性を確⽴するためには、組織⽂化を意図的に醸成し⽂化を戦略の“良きパートナー”とすることが必要不可⽋だからです(どんなに素晴らしい戦略を立てても、組織文化と相反すれば、実行のスピードは鈍ってしまいます!)。 本書 『強い組織は違いを楽しむ CQが切り拓く組織⽂化』 では、組織⽂化を戦略の推進⼒として捉えています。そして、強い組織を築くために必要になるのはパーパスだけでなく、個⼈の価値観と⼀⼈ひとりの違いを活かすことだと提唱します。 そのために必要なのが、リーダーの CQ(⽂化の知能指数)です。 これからの時代は、CQを⾼めて⽂化を使いこなすことが重要になっていきます。CQは多様な⼈々を尊重し、共創する組織⽂化を育むブースターとなり得るのです。 では、いかにCQを使いこなすか――本書では、⽂化と経営の⽗、ヘールト・ホフステードに師事し、カルチャーの専⾨家として多くの組織⽂化変⾰を実現した著者の体験や、組織⽂化変⾰を実現した企業の実例を交えながら、その具体的手法を紹介します。 BANI(※1):BANIのBはBrittle(もろい)、AはAnxious(不安)、NはNon-Linear(⾮線形)、IはIncomprehensible(不可解)を指す。 【目次】 第1章 組織文化とは何か 第2章 不安定な現代への対処 第3章 組織と個人の関係性 第4章 多様性のつまずき 第5章 どこで誰とでも効果的に働くためのCQ 第6章 組織とCQ 第7章 共創の組織文化を醸成する 第8章 分極化の時代に 第9章 組織文化を語る -
ノー・アニマルズ
【俗世というジャングルをサバイブする男女はアニマルか。グランドホテルならぬグランド古マンション形式の物語は、混沌として続いてゆく。――桐野夏生氏】2025年に取り壊しが決まっている期限つきの“棲み処”。自ら鎖のない生活を選んだはずが、「しがらみ」となる犬を飼いたい気持ちが抑えきれない鮎美。与えられた「長男の権力」を放棄したい小学生の李一。母の恋人のことが心底気にくわず、二人を別れさせたい女子高生の羽衣。40歳目前、人生の選択を先送りする最良の方法だと考え卵子凍結を始めた有希子・・・・・・。さまざまな「欲望」を抱える7人の物語を収録。 -
ちぐはぐなディナー
人生の曲がり角は、真夏のパリの晩餐にあった。 ジゼル・アリミ賞を受賞した「反逆へ向かう女性たちを描く、一触即発の密室劇」 8月の暑い夜。パリのラスパイユ大通りにある高級アパルトマンを1組の夫婦が訪れた。エティエンヌが旧友のレミと、レミの妻のジョアルを招いたのだ。エティエンヌの妻のクローディアを交えて、4人でディナーを囲む。弁護士で自信に満ちたエティエンヌ。運動療法士で内気なクローディア。経済学の教師で社交的なレミ。IT業界で成功を収める思慮深いジョアル。それぞれの胸に秘めた思いを抱えながら、ディナーは進行していくがーー。 踏み出してみれば、なんてことのない一歩だった。 -
飯舘村の母ちゃんたち 福島・女性たちの選択
原発事故後、全村避難を強いられた飯舘村は、もともと「日本で最も美しい村」に認定され、ブランド牛の産地としても名高い、畜産や酪農も盛んな村。原発事故のために手塩にかけて育てた牛を屠畜に出し、家族も暮らしも突然奪われた。絶望的な状況のなかで、悩み、苦しみ、それでも明るくたくましく生きる女性たち――この春公開のドキュメンタリー映画『飯舘村 べこやの母ちゃん それぞれの選択』の監督による最新刊。 伝統の食や素朴で豊かな暮らし、戦争や開拓についての貴重な聞き書きなど、映画では表せない内容も豊富に描かれている。 「ここで全部やめたら、なんか悔しいんだよね。負けるような気がするの、東電と国に。 殺されるような、ほんとにおめら死ねって言われてるような気がする」 -
下垣内教授の江戸
ほんとうに人を斬ったのか──幕末から戦前までを駆け抜けた、日本美術家の生涯。近代美術のすごみが横たわる圧巻の長篇時代小説! 東京美術学校の発足に携わり、帝国博物館でも要職を務めるなど、「日本美術」の目利きと称された下垣内邦雄が、関東大震災、金融恐慌、世界恐慌に襲われたあとの1931年、歴史の大きなうねりの中で亡くなった。思い起こされるのは、ある新聞記者による4年前の単独取材だった。美術に関する意図とおりの質問のあと、下垣内教授は自らの半生について語り始める。「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」。凡百の出世物語とは似ても似つかぬ、幕末活劇とはまったくちがう話に、記者はかっさらわれたのだった……。 -
翳りゆく午後
「人を轢いたかもしれない」 厳格な父親からの一本の電話。それが悪夢の始まりだった―― 80歳目前の武は、教職退任後、市民講座で教える地元の名士。父の武と同じ教職に就く敏明は、妻の香苗と反抗期の息子・幹人との平凡な生活を送っていた。 このところ父の愛車に傷が増え、危険運転が目に余るようになってきたため、敏明は免許返納を勧めるが武は固く拒絶する。 さらに、市民講座の生徒である西尾千代子と武との親密な関係を怪しむ噂が広がり、敏明は悩みを深めていた。 そんなある日、近隣で悪質な轢き逃げ事件が発生。 「あれって――まさか」 疑念に駆られ、事件の真相を探る敏明が辿り着いた“おぞましい真実”とは? 『悪寒』『不審者』『朽ちゆく庭』に続く、不穏で危険な家族崩壊サスペンス! -
幻肢痛日記 無くなった右足と不確かさを生きる
切断したはずなのに、足のあった場所が痛む…。 世にも奇妙な現象〈幻肢痛〉とつきあいながら、視界の外に広がる世界を思索する4年間の記録。 ■白石正明さん(「ケアをひらく」編集者)推薦■ 「ない」と「ある」の間には、いまだ名付けられぬ荒野が広がっている。 “幻”と“現”が交錯するそんな幽冥の地を、彼は嬉々として探検する。 その足跡を辿っていくと、私たちもすでに「ない」と「ある」のグラデーションの上にいることに気づいてしまう。 それは端的に気持ちいい。 【内容紹介】 12歳から骨肉腫により人工関節だった著者の青木さんは30歳の時、感染症の罹患を機に太腿から下を切断することを決めます。人工関節ゆえに曲がらない脚、感染症のリスクから切断には前向きでしたが、噂に聞いていた〈幻肢痛〉を身をもって体験することになります。 切断した後の足を火葬して骨壷に入れてもらい、骨壷を眺めながら考えます。 「無いものの存在」に耳を傾けること。 それは例えば、社会の中で抑圧されるマイノリティや、不安に苛まれる人の声と重なるのではないか…。闘病記や当事者研究の書を超えて、自身の痛みに向き合いながら世界を思索する一冊です。
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