体の居場所をつくる

体の居場所をつくる

小説・文芸
2,090円 (税込)

10pt

居場所は、私たちがどのように生きたいか、その価値基準そのものです。
濱口竜介さん(映画監督)絶賛!
「11人の永い回復。それぞれが生きづらいはずなのに、奇妙な快活さと楽天性が本書を貫いている。一人ひとりの「工夫」、それに対する著者の「リスペクト」が織り合わされ、私たちは生を見つめ直す視点をもらう。あえて言いたい、何と面白いのか!」

摂食障害、ナルコレプシー、ALSなどの障害や病気の当事者。診断がつかない人、治療の道がない人、人種的マイノリティ――
本書に登場する11名は、体に「問題」を抱えながら、日々の工夫の積み重ねで、どのように「体の居場所」をつくってきたのか。
一人ひとりから出てくる言葉は、ときに文学のようにファンタジックで、そこには、その人の何十年分かの人生が結晶のように凝縮されています。それに耳をかたむけ、ともに悩み、混沌とした状況を進む手すりとなるような言葉を探すために伴走する――そうして綴られた、生きるための究極の工夫とは?

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本書に収められた十一の章は、居場所をつくり、整え、試すその繊細な営みをつづったものです。
願わくば、本書が、どんなシビアな意思決定の場面でも、世間のプレッシャーにさらされて硬くならず、のびのびと自分の心地よさに問いかけることができるようになるための、余白をつくる手がかりになるとよいなと思っています。(エピローグより)
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【目次】
プロローグ
第一章 体とまた出会いたい
第二章 脂は敵だから好き
第三章 日常にひそむスイッチ
第四章 帝国主義者のまなざし
第五章 電車の中のチマチョゴリ
第六章 希望と分断のお薬
第七章 グニャグニャでいてやろう
第八章 因果関係の外で
第九章 グレーの中で生きる
第十章 ベールの向こうに
第十一章 自分が花みたい
エピローグ

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体の居場所をつくる のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    夢中になって一気に読める、というタイプの本ではなかった。読むのが少し大変なところもあった。でも、とてもinterestingな本だった。

    自分が持っていない視点、自分に欠落しているものを照らしてくれるような本だったと思う。もちろん、もともと自分にない視点なのだから、読んだからといってすぐに分かるようになるわけではない。それでも、「ここにも希望がありますよ」「そんなに単純に考えなくてもいいですよ」と言ってもらっているような気がした。

    できないことや、思い通りにならないことを、単純に不幸や失敗として捉えなくてもいい。その中にも、自分がまだ知らない生き方や、人との関わり方、世界の見え方があるのかもしれない。

    この先を生きていくときに、何かの中に光を見出すきっかけをくれるような本だった。

    この本に出会えてよかった。伊藤亜紗さんが見ている世界を、もう少し読んでみたいと思う。

    0
    2026年10月04日

    Posted by ブクログ

    身体ではなく体。体が意識される以上になる事態が11通り。圧倒される。自分にとってしっくりくる生き方。納得がいく、落ち着く。居場所。自分の居心地のよさ。(そこには周囲の人との/からの関係性も)。数ミリずれただけで違和感、には猛烈に納得する。のびのびと、は行かないかもしれないがても自分の心地よさによって選択することの切実さと難しさよ。憤慨すること、いったん放擲すること、休むこと。自分との和解の試みはせめてものできることだがそれで和解が生まれるかは、という第1章が最後までずっと通奏低音だった。

    0
    2026年09月30日

    Posted by ブクログ

    靴の中に小石が入ったり
    目にまつ毛が入ったりしたら気になって意識がそこに向く
    聞きたい音、見たいものだけ見て
    他はシャットダウンする

    敏感と鈍感
    自動的なオンオフ
    体ってうまくできてるなと思っていたけれど
    「自動的」「程よく」は当たり前のことではなく
    簡単にバランスは崩れ得る

    途端に体はよそよそしく、不気味な「他者」になる
    病を得る
    年を取る
    とはそう言うことなのだろう
    誰もが体と対話をすべき時が来る

    距離の取り方
    原因の外側を模索する

    体は唯一無二で
    同じも絶対もない
    「寄り添う」ことの難しさも忘れずにいたい

    0
    2026年08月24日

    Posted by ブクログ

    フィールドワークを徹底的に行うことを通じて、身体をめぐる思考を深く豊かに展開してきた伊藤亜紗の最新作。
    期待を裏切らない快著だ。
    さまざまな不自由を抱えるインタビュイーの経験の特異性と、彼らの自分の経験への向き合い方の魅力、そして言語化の力に加えて、やはり著者の共感力と分析力の卓越性によって、非常に興味深く読ませる。
    特にALSの新井英夫氏と、PAPA症候群という難病(医者の私も知らなかった稀少な病)の今井美佳氏の話には、心打たれた。
    全篇を読み終え、あらためてこの本が「体の居場所をつくる」と銘打たれていることに、深い感銘を受ける。
    ふだん私たちが自分の体に面と向き合って格闘しなくて済むということ、そもそも自らの体を意識せずに活動できる(自分の体が当たり前に自分の居場所になっている)ということが、どれだけ奇跡的に幸福なことなのかを、あらためて知らされた。
    それにしても、ここに登場する人々の、なんと魅力に溢れていることが。
    生きている、ということを、あらためて慈しみたくなる本。

    0
    2026年05月31日

    Posted by ブクログ

    何だろう、単なるポジティブではないし、空元気でもない、どの方も決して余裕があるわけではないと思うのに、それでもユーモアは生まれてくる。
    伊藤さんの本を読むといつもあたらしい視点を教えてもらえて元気が出る。

    0
    2026年05月20日

    Posted by ブクログ

    率直な思いがそのまま言葉になって真直ぐ心に入ってくるので読むのは難しくない。
    感じることもできる。
    考えるのは難しい。

    0
    2026年04月27日

    Posted by ブクログ

    思い通りにならないものといかに向き合うか。車の運転に苦しみまくった自分としては、おこがましくも、分かるなあという気持ちになる部分が多くあった。
    体に不調を抱える、と一口に言っても、先天的なものか後天的なものか、原因や対処法が明らかかそうでないか、と千差万別。あるものが不要になると他の部分が研ぎ澄まされるというのはどうやら本当のようで、どの方も言語表現が鋭かったように思う。
    インタビューをもとに書かれた本だけど、筆者による補助線のような解説があって、独特の読み口。

    0
    2026年10月09日

    Posted by ブクログ

    三宅香帆さんがおすすめされていた。

    自分の体をコントロールできないもどかしさは、誰もが一度は経験したことがあるのではないだろうか。

    加齢に伴う慢性頭痛やPMSに悩む私もその一人だった。
    「なぜ?」と原因を追求し、医療に頼るのも大切だが、本書を読んで視点が変わった。
    「遺伝だから」「年齢のせいだから」と原因に名前をつけることが、症状固定化させていたのではないか。
    もっと柔軟な視点で自分の体と対話していきたい。

    0
    2026年09月17日

    Posted by ブクログ

    身体そのものが「外部化」してしまうのは、健常の人たちにも熱が出たりだるかったりした時にしばしば起こることだが、ここに出てくる方たちの状況は、苛烈である。
    コロナ後遺症による筋痛性脳脊髄炎の「ともちゃん」が数分のうちに身体がコントロール不能になってしまうさま、壮絶だった。
    だが、ここに出てくる人たちはそれを悲観することよりも、因果関係に落とし込まずに「居場所をつくる」。それしかないといえばそうなのかもしれないが、逃れられない現実から得た強靭さに、人間の持つ、うーん、なんと言えばいいか、崇高さ?みたいなものを感じた。

    0
    2026年08月21日

    Posted by ブクログ

    体も心も居場所を見つけることは難しい。ライフワークだ。極限の状況での模索を共有いただくことでその手がかりをもらう。

    0
    2026年08月12日

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