歴史・時代ランキング(週間)

  • プロジェクト・ドラゴンキラー(2) 尖閣ロボット大戦
    101位
    中国共産党は膨張政策の行き詰まりを、武力解決に求めた。その結果、東海艦隊を出撃させ、尖閣諸島・魚釣島を占拠するという暴挙におよぶ。国際的非難が中国に寄せられるが、その程度で屈する国ではなかった。一方、日本そして同盟国のアメリカも手をこまねいていたわけではない。協同作戦「プロジェクト・ドラゴンキラー(屠龍計画)」により、対中包囲網は密かに完成していたのである。先端技術の粋を集めた戦闘管制システムと、日本だからこそ開発し得た無人兵器群は、数を頼みとする中国軍に、静かに牙を剥く……。  戦慄の国際政治サスペンス・アクション小説、第2弾。完結篇。 ●高貫布士(たかぬき・のぶひと) 1956年生まれ。神奈川県出身。和光大学人文学部芸術学科卒業。学生時代より軍事評論家・小山内宏氏、航空評論家・青木日出雄氏らが創設した「軍事学セミナー」で軍事学を修得。出版社勤務を経て、軍事アナリスト兼作家として活躍。『図解・ドイツ装甲師団』『大日本帝国海兵隊戦記』シリーズなど、ノンフィクション、小説の著書多数。
  • 第三次世界大戦8 フィンテックの戦場
    102位
    沖縄に押し寄せた数百のロシア製無人機は、あるひとりの天才エンジニアにより、無事撃墜された。しかし、ここで思わぬ事態が。そのエンジニアが提唱した「香港でフェイクニュースを流せ」という案が採用されたことで中国政府が香港のインターネット網を強引に遮断、それが全世界にも波及したのだ。中国ではeコマースが崩壊し、銀行の取り付け騒ぎも発生。戦争どころではなくなった。そんな混乱した状況下で、ハワイでは米中の最後の死闘がはじまる。全世界を巻き込んだ、米中の戦いの行方は――? 「第三次世界大戦」シリーズ、ここに閉幕。
  • 運命 二人の皇帝
    NEW
    103位
    明を建てた洪武帝は、孫を後継者に指名して世を去った。廷臣たちは、気弱な二代目・建文帝を守ろうと、皇族の粛清を進める。これに対し、洪武帝の四男・燕王が兵をあげた。叔父と甥、二人の皇帝の運命はいかに!? 幸田露伴の名作をリライトした中国歴史小説。
  • 高速戦艦「赤城」5 巨艦「オレゴン」
    続巻入荷
    104位
    日本軍は多大な犠牲を払いつつもグアム島を攻略し、米海軍の攻撃先鋒を潰すことに成功した。これを機に、日本政府は英国を通じて講和を打診をするのだが、米国政府からは一顧だにされない。なぜなら、米軍には強力な戦艦や巨大な空母といった新鋭艦が続々と加わりつつあり、次こそは勝利を得られると確信しているのだ。 米軍が戦力を拡大し続けるのであれば、このまま守りに徹していてもいずれ日本軍は押し負けてしまう。であれば自ら決戦を挑み、圧倒的な勝利をもって米国の戦闘意思を挫くしか道はないのか――。 トラックを根拠地とする米海軍主力を撃滅せよ、との難題を課せられた連合艦隊は乾坤一擲の大作戦を開始した。 「米国を和平交渉の場に引っ張り出すためには、決定的な勝利が必要となる。かの日本海海戦に匹敵するほどの勝利が」 連合艦隊司令長官 山本五十六大将
  • 天保艶犯科帖 天女の錦絵
    105位
    幕府による奢侈禁止は庶民の娯楽にまで及び、人々の心はさらに疲弊していった。 そんななか、町道場の師範代・坂木結衣は路上で白昼堂々と幕政を批判する。その神々しい姿に江戸の庶民は拍手喝采。天保の天女と称え、熱狂した。 それを絵師の歌川国芳が錦絵で風刺したことから、騒動はさらに拡大する。老中の水野忠邦は事態を重く受けとめ、腹心の南町奉行・鳥居耀蔵に結衣の捕縛を命じた。 だがそれが本意ではない耀蔵は、水野の命に背き苦肉の策を講じる。 一方、南町同心の倉田彦三郎は、思い人の結衣が神聖化され美しくなってゆく様を尻目に、悶々とした日々を送っていたのだが……。 痛快にして好評の長編娯楽時代小説。書下ろし第三弾!
  • 夢草紙人情おかんヶ茶屋 優しい嘘
    106位
    おかんヶ茶屋で浪人の兵庫助が飲んでいると、芸者の駒乃がやってきた。二人は夫婦の形こそ取っていないものの、ともにかけがえのない存在。駒乃は連れてきた同年配の女の話を聞いてくれと頼み込む。女は駒乃と同じ芸者だったが、七年前、仕事一筋の職人に嫁いでいた。一昨日、かつての馴染客と出会(でくわ)し、芝居見物に誘われたという。そしてその後……女は泣き出しそうな顔で続けた。
  • 新・知らぬが半兵衛手控帖 : 21 金貸し
    107位
    楓川に架かる新場橋で人足姿の若者が迷子になった老人を背負って立ち往生していた。老人を捜していた身寄りの者に無事引き渡す場に居合わせた北町同心の白縫半兵衛は、人足姿の若者が青山伊織という名の武家であることを知る。その数日後、昌平橋の袂で金貸しの義平と取立屋の清次が何者かに斬り殺された。探索を開始した半兵衛は、義平が保管していた借用証文の中に青山伊織の名前を見つける――。「世の中には知らん顔をした方が良いこともあるさ」と嘯く半兵衛の人情裁きを描く、書き下ろし人気シリーズ第二十一弾。
  • 比ぶ者なき
    108位
    彼の名は藤原不比等。自らの野望のために一三〇〇年の間、日本人を欺き続けた男――。ノワール小説の旗手が放つ、衝撃の古代歴史巨編 万世一系、天孫降臨、聖徳太子――すべてはこの男がつくり出した。藤原史(のちの不比等)が胸に秘めた野望、それは「日本書紀」という名の神話を創り上げ、天皇を神にすること。そして自らも神の一族となることで、永遠の繁栄を手にすることであった。古代史に隠された闇を抉り出す会心作。
  • わが故郷アントゥリ―西表・網取村の民俗と古謡―
    109位
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第7弾。 タイトルにある『アントゥリ』とは沖縄県西表島の網取集落のこと。網取は昭和46年の夏に廃村となった。一時は200人もの住民がいた自然豊かな村でした。険しい地形と自然のままの山林に囲まれて、他の集落へ行くにも、自分の田畑へ行くにも舟を使うようなところであった。300有余年の歴史をもつ網取村。村建て以来、いかにして祖先が生活を営み、村を支えてきたのか、お年寄りの方々から聞かされた村の歩みと行事を中心にして、神事、地名、伝説などを僅かながらも盛り込んだ1冊が電子書籍として復刊。 本書の著者は網取集落出身でこの廃村となった網取村を今一度掘り起し、力の及ぶ限り書き綴り、子孫への贈り物にしたいと思いと願った山田武男氏(1986年の初版出版直前に急逝。)著者が亡くなってから10年後の1996年秋、網取の港からほど近い場所に、生前著者が書き遺した言葉が刻まれた、「あんとぅりの碑」が建てられた。そこにはこう記されている『網取村は西表島の最南端に三百余年の歩みを残した。耕地や交通の不便と人頭税の重圧に耐えて村人は父祖の築いた繁栄を守ってきた。しかし、政治の貧困による経済の行きづまりと医療、教育の不備を始めとする孤島苦がつのり、ついに昭和四十六年七月十四日に全員離村を余儀なくされた。ここに私たちは全体の祖先の霊を祀り、四散した村人のよりどころとするためこの碑を建てる。』みんなの力で網取に村の記念碑を建てたい、せめて記録にとどめたいという思いが実現されたのである。 「沖縄が日本に復帰する直前の1971年、西表島西南部にある小さなムラが長い歴史を閉じ廃村となった。そのムラ網取で、かつて人びとはどのように生活し、いかに歴史を伝えてきたのだろうか。忘却の彼方に流されようとしている網取りの姿を、本書は愛情をこめて克明に描いている。一つの、この民俗誌を手にした時、私たちは、沖縄が変動の過程で失ってしまったものの大きさをあらためて痛感せざるをえない。(1986年当時の作品紹介文より)。」
  • 超時空AI戦艦「大和」【2】無人攻撃隊突入せよ!
    110位
    令和日本からの助けにより、史実とは異なる歴史を歩み始めた昭和日本であったが、それでも米国との力の差は容易に埋められなかった。 過去の日本を救わんとする科学者、田伏由佳は、引き続きテクノロジーの提供など過去への干渉を続ける。 そんななか、圧倒的な国力を覆すべく、未来からもたらされた人工知能は、ある作戦を導き出す。それは、米総司令官マッカーサーを捕縛するという、なんとも大胆不敵な奇策であった。 一方、態勢を整えた米太平洋艦隊は、熾烈な反撃を開始。それに対し日本海軍は、無人攻撃機……いわゆるドローン部隊を投入し、戦局の打破を試みる。 そしてついに最新鋭機「震電」が、B24大編隊と激突する!
  • 陽炎の旗 続・武王の門
    111位
    南北合一前夜、男たちの宿運が火花を散らす! ロマンあふれるもう一つの北方太平記 いまや並ぶ者なき力を手にした三代将軍・義満。しかし、海からやってきたある男の出現で、風雲急を告げる。男は、九州に大きな旗を打ち立てた征西将軍・懐良親王の血を継ぐ水師。さらに世を忍び剣で生きる足利直冬の一子が絡んだことから、三つ巴の宿運が時代のうねりを巻き起こすことに……。『武王の門』次世代による南北朝統一をめぐる壮大なドラマ。
  • へぼ侍
    112位
    西南戦争を痛快に描く、松本清張賞受賞作。 大阪で与力の跡取りとして生まれた志方錬一郎は、明治維新で家が没落し、商家へ奉公していた。 時は明治10年、西南戦争が勃発。 武功をたてれば仕官の道も開けると考えた錬一郎は、意気込んで戦へ参加することに。 しかし、彼を待っていたのは、落ちこぼれの士族ばかりが集まる部隊だった――。 解説・末國善己 ※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本『へぼ侍』を加筆・修正した文庫版を底本としています。
  • 時空防衛隊1944
    NEW
    113位
    20××年、東海地方で巨大地震が発生し、突如、自衛隊東富士演習場に小さなトンネルが出現した。調査の結果、トンネルは昭和19年の日本と繋がっていることが判明する。 しかし、向こう側の『昭和世界』は現代世界が知る歴史とは微妙に異なり、山本五十六が首相を務め、連合艦隊も健在というものだった。山本との接触を試みた21世紀の日本は、彼の要請により、第二次大戦で追い詰められていた「昭和日本」を救うため科学技術の援助を決定。 一方で、未来にとって貴重な戦略物資となる遺伝子工学上の発見という、巨大な利権を見出す。 利権獲得のため、昭和日本を護るべく時空防衛隊を結成した未来世界は、太平洋戦争への本格介入を決意した!
  • 新装版 ゲッベルスとナチ宣伝戦 一般市民を扇動する恐るべき野望
    114位
    宣伝省の中に政府がある・・・・・・ 全てのメディアを掌握したプロパガンダの怪物の正体! 15000人の職員を擁した世界最初にして、最大の「国民啓蒙宣伝省」 ヒトラー、ナチ幹部、国防軍、そして市民を従属させた、その全貌を描く。
  • 超武装攻撃編隊【下】超弩級空中戦艦、出撃!
    115位
    昭和17年8月、日本海軍は、ガダルカナル島の奪還に成功したが、日本にとって戦局を有利にするどころか、戦線を維持するため、多くの機材と人材を投入しなければならなかった。 厳しい状況であるにも関わらず、日本海軍は次なる敵地、エスプリッツ・サント島へ奇襲攻撃をしかける。しかし、米航空機隊の猛攻を受け敗北、甚大な被害を受けてしまう。 一気に反撃に出る米機動艦隊は最前線を攻撃し、日本海軍を追い詰めていく。 そんな中、秘かに開発が進められていた六発巨大機が姿を現す。 新兵器を搭載した超弩級「空中戦艦」は、米海軍に起死回生の一撃を与えられるのか!?
  • 山同心花見帖 まねきの紅葉
    116位
    1~3巻 715~726円 (税込)
    将軍慶喜が大政奉還を奏上、戦の足音が迫る幕末。幕府山同心の佐倉将馬は、慶喜暗殺を試みる毒薬遣いの一味を追い、血風吹き荒れる京に入った。新選組とともに毒薬遣いの者を追いながら、将馬の心は激しく揺れる。かつて兄と慕った坂本龍馬の命が危うい。将馬は、龍馬を京から逃がそうとするが……。幕末スター総出演! 新たな日本と民のために戦う若者たちの姿を描く青嵐小説第三巻!
  • 白光
    117位
    日本初のイコン画家・山下りん その情熱と波瀾の生涯! 明治13年にロシアに留学しイコンを学ぶ。一途さゆえ周囲と衝突し芸術と信仰のはざまでもがきながら生きた女性を描く感動長編。 「絵師になりたき一念どうにも抑え難く」茨城県笠間を飛び出した15歳の山下りん。東京で工部美術学校に入学を果たし、西洋画の道を究めようと決意する。ロシヤ正教の宣教師ニコライに導かれ、明治13年、聖像画制作を学ぶため帝政ロシヤに渡るのだが――情熱に従って生きた日本初のイコン画家を描く圧巻長編。解説・酒井順子 ※この電子書籍は2021年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 隠れ医明庵 卍剣
    118位
    梅雨の晴れ間のある日、神田川を越えて散策に出た明庵と小夜。急な土砂降りに見舞われ、稲荷の社で雨宿りしていた明庵たちは、社の堂の中から漏れてくる女同士の睦み合いの声に耳を奪われた。だが堂の中を窺うと、女二人かと思われた片割れは何と美形の少年。しかも女の方は、今まさに少年の命を奪おうとしていた。間一髪、明庵らの双淫の術で少年は窮地を救われる。重之進と名乗る少年は上州の小藩の嫡子で、跡目争いで命を狙われているらしい。自らの命は自分で守らざるをえない重之進。明庵は重之進に双淫の術を伝授し、襲い来る刺客を迎え撃たせようとする。だが、秘術の要である男女交合の修行も半ば、新たなる刺客が明庵たちの前に…!
  • 呉越春秋 湖底の城 九
    119位
    9年の歳月をかけて紡がれた至高の一大叙事詩、ここに完結! 越王・句践が呉の王宮に身を移されてから二年余。 呉が陳へ攻め入った報を受け、越の大夫・范蠡と諸稽郢は、使者として呉へ向かう。 そこで呉王・夫差は、句践の帰国を許すかわりに、二人に呉都にとどまるよう命じるのだった。 伍子胥と范蠡、二人の英傑の運命を雄大に描く中国歴史ロマンの傑作、ついに完結!
  • 兵諫
    120位
    著者代表作にして大ベストセラー『蒼穹の昴』シリーズ第6部。1936年、蒋介石を張学良が拉致した西安事件の胸熱くする真相とは。
  • 光秀の定理
    121位
    明智光秀はなぜ瞬く間に出世し、信長と相前後して滅びたのか――。 厳然たる「定理」が解き明かす、乱世と人間の本質。 各界絶賛の全く新しい歴史小説、ここに誕生! 永禄3(1560)年の京。 牢人中の明智光秀は、若き兵法者の新九郎、辻博打を行う破戒僧・愚息と運命の出会いを果たす。 光秀は幕臣となった後も二人と交流を続ける。やがて織田信長に仕えた光秀は、初陣で長光寺城攻めを命じられた。 敵の戦略に焦る中、愚息が得意とした「四つの椀」の博打を思い出すが――。 何故、人は必死に生きながらも、滅びゆく者と生き延びる者に分かれるのか。 革命的歴史小説、待望の文庫化! 解説・篠田節子
  • 新選組血風録 新装版
    122位
    勤王佐幕の血なまぐさい抗争に明け暮れる維新前夜の京洛に、その治安維持を任務として組織された新選組。騒乱の世を、それぞれの夢と野心を抱いて白刃とともに生きた男たちを鮮烈に描く。司馬文学の代表作。
  • 友情無限
    123位
    「君は兵を挙げよ、我財を挙げて支援す」 現代の貨幣価値にして、じつに数百億円。黎明期の映画ビジネスで巨万の富を作り上げ、一切の見返りを求めることなく、その生涯をかけて「中国革命の父」に資金を提供し続けた日本人がいた!  その男の名は、梅屋庄吉。明治維新後のアジアを新天地に、犬養毅、大隈重信、宮崎滔天といった傑物たちからも愛された日本男児が、革命家・孫文に托した大いなる夢とは。中国と日本との間で交わされた壮大なる盟約と友情の行方を描く、著者渾身の大河小説。
  • 逆撃 大坂冬の陣
    124位
    必勝の軍略は我が胸中にあり――歴史を覆すべく御厨太郎は再び過去へと旅立った。時は慶長十九年。大坂城に陸続と軍勢が結集、徳川・豊臣因縁の合戦は間近に迫っていた。御厨は関ヶ原をともに戦った武将達と、画期的な戦術展開を可能にする三千騎の鉄砲騎馬隊を創設する。狙うは家康の首ひとつ、兵力に劣る豊臣に他の選択はない。御厨の明解な主張に、籠城に固執する秀頼の側近ばかりか、名将真田幸村までが反対を!? 内紛を抱えた豊臣方に勝利はあるのか? 戦国軍略シミュレーション。

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  • 坂の上の雲(八)
    125位
    「本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」。明治三十八年五月二十七日早朝、日本海の朝靄の中にロシア帝国の威信をかけたバルチック大艦隊がついにその姿を現わした。国家の命運を背負って戦艦三笠を先頭に迎撃に向かう連合艦隊。大海戦の火ぶたが今まさに切られようとしている。感動の完結篇。
  • 竜馬がゆく(八)
    126位
    土佐の郷士の次男坊に生まれながら、ついには維新回天の立役者となった坂本竜馬の奇蹟の生涯を、激動期に生きた多数の青春群像とともに壮大なスケールで描きあげる。総発行部数2500万部超! 司馬遼太郎の永遠のベストセラーが半世紀の時を経て、電子版で新たによみがえる! 第8巻/慶応三年十月十三日、京は二条城の大広間で、十五代将軍徳川慶喜は大政を奉還すると表明した。ここに幕府の三百年近い政権は幕を閉じた。時勢はこの後、坂を転げるように維新にたどり着く。しかし竜馬はそれを見とどけることもなく、歴史の扉を未来へ押しあけたまま、流星のように……。「竜馬がゆく」遂に完結!
  • 豊臣家の人々 新装版
    127位
    貧農の家に生まれ、関白にまで昇りつめた豊臣秀吉の奇蹟は、彼の縁者たちを異常な運命に巻き込んだ。平凡な彼らに与えられた非凡な栄達は、凋落の予兆となる悲劇をもたらす。豊臣衰亡を浮き彫りにする連作長編。
  • 梅安冬時雨 仕掛人・藤枝梅安(七)
    128位
    白子屋一味との因縁は、やすやすとは切れない。知略に秀でた敵を倒すための梅安の秘策とは……。著者急逝により未完となった梅安シリーズの最終話。江戸の悪漢(ピカレスク)小説としても自眉のシリーズだけに惜しまれる。
  • 馬駆ける 岡っ引黒駒吉蔵
    続巻入荷
    129位
    甲州黒駒を乗り回す岡っ引・吉蔵が大活躍するシリーズ第二弾 ある時は凧屋の店主、またある時は馬を操る腕利きの岡っ引。 追い求めるのは、父の面影――。 暮れも押し迫るなか、見回りをしていた吉蔵は、 田楽の店を一人で切り盛りする身重のおはると出会う。 彼女には何やら事情があるらしい。 一方、神田堀には心の臓を一刺しにされた死体が浮かぶ。 その男が阿漕な高利貸しの宇兵衛だとわかり……。 黒駒を乗り回し、父への思いが詰まった凧を愛する異色の 岡っ引・吉蔵が大活躍の、シリーズ第二弾!
  • 蒼天見ゆ
    130位
    時代が変われば、生き方も変わるのだろうか――。 武士の世が終わりを告げたとき、“最後の武士”が下した決断とは。 一生を、命を、そして武士の矜持を懸けて挑んだ、日本史上最後の仇討ち! 日本中が開国と攘夷に揺れる時世。 西洋式兵術の導入を進めていた秋月藩執政・臼井亘理は、ある夜、尊攘派により妻もろとも斬殺された。 だが藩の裁きは臼井家に対し徹底して冷酷なものだった。 息子の六郎は復讐を固く誓うが、明治に入り発布された<仇討禁止令>により、武士の世では美風とされた仇討ちが禁じられてしまう。 生き方に迷い上京した六郎は、剣客・山岡鉄舟に弟子入りするが――。 時代にあらがい、信念を貫いた“最後の武士”の生き様が胸に迫る歴史長篇。 「青空を見よ。いかなる苦難があろうとも、いずれ、頭上には蒼天が広がる。そのことを忘れるな――」 ※本作品は 2017年12月20日まで販売しておりました単行本電子版『蒼天見ゆ』の文庫電子版となります。 本編内容は単行本電子版と同じとなります。
  • 幕末
    131位
    「歴史はときに、血を欲した。このましくないが、暗殺者も、その兇手に斃れた死骸も、ともにわれわれの歴史的遺産である。そういう眼で、幕末におこった暗殺事件を見なおしてみた」(「あとがき」より)。春の雪を血で染めた大老・井伊直弼襲撃から始まった幕末狂瀾の時代を、清河八郎、吉田東洋など十二の暗殺事件で描く連作小説。
  • 源頼朝(3) 鎌倉開府の巻
    132位
    伊豆に流されて21年、ようやく決起の時は来た。石橋山の旗揚げに敗れて安房へ逃れた頼朝だが、たちまち大軍を呼集して鎌倉に入った。源平の雌雄を決する富士川の合戦は、水鳥の羽音に怯えて平家敗走。やがて清盛も死に、木曽義仲が京を占領。義経の軍は義仲、平家を滅ぼし、鎌倉時代の幕があける。
  • 現代語訳 雑兵物語
    133位
    武器運び、馬の世話、土木作業、衣類・食糧運び、戦が始まれば最前線で敵と向き合い、集団で槍、鉄砲を扱う。そんな戦場の現場人の役割ごとの声を収録し、多くの武士が戦場心得の参考とした『雑兵物語』。江戸前期に成立し後期の1846年に刊行され一般にも流布した古典を、わかりやすい現代語訳とリアルな挿画で送る。現在の最前線ではたらく人々も切実に読める一冊。
  • 髪追い 古道具屋 皆塵堂
    134位
    遊び人の茂として、ふらふらしていた茂蔵も、巳之助の弟分におさまり、小間物屋・大黒屋で真面目に働いている。その茂蔵が花見の後、酔った勢いで祠の戸を開けて、紐で固く結ばれていた箱を開けてしまう。箱の中にあったのは女の長い髪。するすると伸びて、茂蔵の足に触れたとたん、大音響が響き渡った。逃げるように立ち去った茂蔵は、翌朝、帳場の観音像が真っ二つに割れているのを見つける。観音像が身代わりになってくれたのか。幽霊が見える太一郎によると、「封じ込めている」ものを茂蔵が開けてしまったらしい。祠の場所には昔、三十年前に焼け落ちた履物問屋備前屋の寮があった。今の主の徳五郎によると、先代はかなり悪辣で、借金漬けにして潰した下田屋から寮を強奪したらしい。下田屋の亭主は行方知れず、一人娘も病で失ったお此という不幸なおかみさんが失意の末に自害して、長い髪を残したというのだ。茂蔵が開けてしまったのは、備前屋が封印したお此の髪だった。この世に怨みを残すお此を太一郎や茂蔵は救えるのか? 人気シリーズ第九弾!
  • 墨龍賦
    135位
    建仁寺の「雲龍図」を描いたことで知られる海北友松(かいほう・ゆうしょう)は遅咲きの絵師だが、山水図屏風、竹林七賢図、花卉図屏風、寒山拾得・三酸図屏風など、すばらしい作品を遺している。しかしそこに至る道は、決して平坦ではなかった。近江の浅井家に仕えていた実家・海北家が滅亡。武士に戻りたくとも戻れず、葛藤を抱きつつ絵師の道を選び取った友松は、明智光秀の片腕・斎藤利三と出会い、友情を育んでいく。その利三が仕える光秀が信長に叛旗を翻す。本能寺の変――。しかしその天下は長く続かなかった。利三の運命は……。武人の魂を捨てきれなかった友松は、そのとき何を考え、どんな行動をしたのか。苦悩の末、晩年にその才能を花開かせ、安土・桃山時代の巨匠・狩野永徳と並び称されるまでになった男の生涯を描く傑作歴史小説。著者・葉室麟が、デビュー前から書きたかった人物を、円熟の筆で描き上げている。解説は、作家の澤田瞳子氏。
  • 重耳 全3冊合本版
    136位
    流浪の末、晋を再建し、後に中国・春秋随一の名君と謳われた、重耳(ちょうじ)の生涯を描いた歴史小説。芸術選奨文部大臣賞受賞作が、全3冊セットで登場!
  • 吉原手引草
    137位
    廓遊びを知り尽くしたお大尽を相手に一歩も引かず、本気にさせた若き花魁葛城。十年に一度、五丁町一を謳われ全盛を誇っていたまさにそのとき、忽然と姿を消した。一体何が起こったのか? 失踪事件の謎を追いながら、吉原のすがたを鮮やかに描き出した、時代ミステリーの傑作。選考委員絶賛の第一三七回直木賞受賞作。
  • 江戸繁昌記 寺門静軒無聊伝
    138位
    在野の儒者・寺門静軒は、仕える先も見つからず悶々と困窮の日々を過ごしていた。自分のせいなのか、世間のせいなのか。苦悩する静軒は、漢文戯作で諧謔味たっぷりに江戸の町を活写し出板することを思いつく。思いのたけをぶつけた『江戸繁昌記』は当時のベストセラーとなるのだが……。痛快なる波乱の生涯。
  • 夫には 殺し屋なのは内緒です 2
    139位
    日本橋本石町の薬種問屋・山口屋の手代が殺された。清七という色男で、女癖が悪かったらしい。金は盗られず、正面から一太刀で斬られているので武士の仕業か。読売は「辻斬り」と騒いでいる。隠密同心の要が捜査に乗り出し、清七が悪質な金貸しをやっていたことがわかる。そして、妻の月が殺し屋であることを知らない要は、捜査への協力を依頼する。顔が広まってしまうことを心配しながらも、麦湯売りに扮して情報収集をする月。だが、月には別の「殺しの指令」が……。
  • 黄砂の籠城(下)
    140位
    超人気作家、乾坤一擲の歴史エンタテインメント!東えりか(書評家)―日本は世界の先陣を切って漢人キリスト教徒を義和団から救出したが、西太后は宣戦布告を決断し、公使館区域からの24時間以内退去を通告する。沿岸部からの援軍も到着せず、20万人の義和団と清国軍の前に4000人の外国人とキリスト教徒の命は風前の灯火となる。誇り高き日本人必読の歴史エンタテインメント。
  • 三国志(八)
    141位
    曹真をはじめ多士済々の魏に対して、蜀は、玄徳の子劉禅が暗愚の上、重臣に人を得なかった。蜀の興廃は、ただ孔明の双肩にかかっている。おのが眼の黒いうちに、孔明は魏を叩きたかった。――かくて祁山の戦野は、敵味方五十万の大軍で埋まった。孔明、智略の限りを尽くせば、敵将司馬仲達にもまた練達の兵略あり。連戦七年。されど秋風悲し五丈原、孔明は星となって堕ちる。
  • 照れ降れ長屋風聞帖 : 18 まだら雪 〈新装版〉
    142位
    1~18巻 550~748円 (税込)
    福寿草が雪を割る新春。浅間三左衛門とおまつの長女おすずが嫁入りすることとなった。胸に穴があいたような三左衛門だったが、元風烈廻り同心八尾半兵衛に「幸せと淋しさは背中合わせ」と慰められる。祝言から数日後、七十を過ぎても矍鑠としていたはずの半兵衛の様子がおかしい。妻のおつや曰く、まだら惚けだという。徘徊のすえ、行方知れずになった半兵衛は、倉木主水と名乗る若侍に背負われ屋敷に戻ってくるのだが……。人情長屋の悲喜こもごもを描く傑作新装版、最終巻!
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い
    143位
    どこかに、強い敵はおらんものかな――。平安時代、栄華を極める一門に産まれた藤原隆家は、公卿に似合わぬ荒ぶる心を抱えていた。朝廷で演じられる激しい権力闘争のさなか、安倍晴明と出会った隆家は、国を脅かす強敵が現れることを予言される。やがて花山院と対立し、九州に下向した隆家が直面したのは、熾烈を極める異民族の襲来だった。荒くれ者公卿は、世の安寧を守り抜くことができるのか。血湧き肉躍る戦記ロマン!
  • 童の神
    144位
    「世を、人の心を変えるのだ」「人をあきらめない。それが我々の戦いだ」――平安時代「童」と呼ばれる者たちがいた。彼らは鬼、土蜘蛛……などの恐ろしげな名で呼ばれ、京人(みやこびと)から蔑まれていた。一方、安倍晴明が空前絶後の凶事と断じた日食の最中に、越後で生まれた桜暁丸は、父と故郷を奪った京人に復讐を誓っていた。そして遂に桜暁丸は、童たちと共に朝廷軍に決死の戦いを挑むが――。差別なき世を熱望し、散っていった者たちへの、祈りの詩。 第10回角川春樹小説賞(選考委員 北方謙三、今野敏、角川春樹 大激賞)受賞作にして、第160回直木賞候補作。
  • 帝国海軍イージス戦隊【下】
    145位
    米太平洋艦隊は、戦艦サウスダコタと戦艦インディアナによるガダルカナル島奇襲作戦を企てる。 ガ島の日本軍基地に砲撃を加え、その間に友軍部隊が上陸するという作戦だった。 しかし、帝国海軍は第一一戦隊と、戊型潜水艦および給兵艦もとぶを潜水母艦とした新設の潜水戦隊によって同作戦を阻止。 結果、米海軍はガ島から撤退する。勢いにのる帝国海軍は、米豪遮断作戦のため、エスプリットサント島へ向かう。 そんな中、ガ島を占領した帝国海軍は、損傷した戦闘機二機を結合し、二〇ミリ機銃を八門も持つ双胴機を造り出す。 日米海軍の攻防が続く中、帝国海軍はエスプリットサント島に計五六門の超速射砲砲撃を仕掛けようとするのだが……。
  • 星火瞬く
    146位
    その男が、幕末を動かした――清河八郎 小栗忠順 勝海舟 高杉晋作 動乱の地で会わなければならなかった日本の「革命家」とは、誰なのか?時代小説の正統派が描く、まったく新しい幕末青春小説。作家・葉室麟がどうしても書きたかった時代、人物、物語がここにある。
  • 超武装戦闘機隊【下】米太平洋艦隊奇襲!
    147位
    昭和16年末、日本はマレー作戦、真珠湾奇襲と、連日の戦勝報道に沸いていた。 そんな中、四トンの爆弾を積んで4000キロの航続距離がある四発重爆撃機を開発する四三計画によって、新型の一六式四発飛行艇が完成する。 初任務で真珠湾偵察に向かった同機は、サルベージ作業によって復活しつつある米海軍の姿を目撃。日本海軍はすぐに、米戦艦群に完璧な止めを刺すため、真珠湾再攻撃を決定する。 陽動作戦により、壊滅的な打撃を与えた日本海軍。さらに、米海軍の新たな基地建設の情報を掴むと、爆装した双胴戦闘機「毒蛇」と新型四発重爆を、ラバウルから出撃させるのであった! 新型双胴戦闘機の活躍を描く傑作戦記シミュレーション、怒涛の最終決戦──!!
  • ふうらい秘剣(新装版)
    148位
    かつて火盗改めの鬼と呼ばれた矢沢冬馬は、江戸八丁堀で武芸指南をいとなむ凄腕の剣客。四十なかばにして家督を息子にゆずり、釣り三昧ののどかな日々を送るが、悪を追いつめる激しい気性はなかなかおさまらない。そんなある日、武芸の手ほどきを依頼された冬馬が、約束の場所に向かうと、そこには依頼人の無惨な斬殺死体があった。駆けつけた旧知の同心、須田剣一郎に事情を説明するも、殺しに使われた刀は間違いなく冬馬のもの。嫌疑を晴らすかたわら、失われた秘剣の復活という難題に四苦八苦する冬馬の前に、なんと恋の好敵手も現れて……!
  • 朝ごとに死におくべし 葉隠物語
    149位
    藩内の諍いに巻き込まれた佐賀藩士の田代陣基は、武士の意地を見せるために切腹を決意した。冥土の土産に家中で伝説となっていた山本常朝の庵を訪ねるが、そこで語られたのは驚天動地の武士道観だった。
  • 新装版 柳生非情剣
    150位
    剣に生きる一族として、将軍家指南役となった柳生。連也斎、友矩、宗冬、十兵衛、新次郎、五郎右衛門。尋常でない修行による技、将軍家と関わることによって起こる惨憺たる一族の相克、死を見据えてなお剣の道に生きざるを得ない激烈な生きざまを、乾いた筆で描き切る。作者が生前に世に問うた唯一の短編集。
  • 新装版 アームストロング砲
    151位
    幕末随一の文明藩、佐賀藩の鍋島閑叟(かんそう)は、若い秀才たちに極端な勉学を強いた。近習・秀島藤之助は、世界最新の高性能大砲の製造を命じられ、頭脳の限り努力する。酷使された才能は斃(たお)れたが、完成したアームストロング砲は、彰義隊を壊滅させ、新時代を開いた。風雲の中に躍動する男達を描く、傑作9編を収録。
  • 白山 夜叉の肌
    152位
    八代将軍吉宗の時代、花の吉原を血に染めた花魁殺しをきっかけに、御三家の尾州宗春が謀反? 不穏な噂が流れ、全国の遊里に“白山秘密曼陀羅護符”が大量に出廻って人心を惑わす。お庭番・鈴鹿尼は、弟子の浅尾と加賀国へ潜入。だが、領主・前田家をも揺るがす複雑なお家騒動の渦中で、思わぬ危地に……。秘術の限りを尽くす、くノ一との死闘。
  • 覇者の戦塵1937 黒竜江陸戦隊
    153位
    第二次オホーツク海戦は、ソ連極東艦隊を撃滅した日本海軍の“戦術的圧勝”であったが、意外にも戦略目標を失う結果に終わってしまった。そして、北満州油田を支配下に置くことを目論むソ連は馬占山軍を支援、黒竜江で大規模な軍事行動を展開する……。

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  • 三国志 第十二巻
    154位
    正史に基いたかつてない三国志、ここに完結 後漢、曹操の祖父の時代に原点を求めた新しい三国志はついに蜀の滅亡へ。迫る魏軍に劉禅は降伏を決意し、三国時代はこの日畢った――
  • 日本国憲法の二〇〇日
    155位
    東京大空襲で九死に一生を得た著者は疎開先、茨城県下妻を経て新潟県長岡で日本の敗戦を迎える。そのとき15歳の少年だった。そして日本は、戦後を生きる原理となる新憲法の策定作業に入る。占領政策を決めるGHQ指令が次々と発せられる中、昭和21年3月6日、ついに「憲法改正草案要綱」が閣議決定される。あの敗戦より203日。この苛酷ではあるが希望に満ちた日々を、史家の目に少年の目を織り交ぜつつ、哀切に描ききる。
  • 宇喜多の捨て嫁
    156位
    五冠達成! 驚異の新人、衝撃のデビュー作 戦国時代の備前の国で宇喜多直家は権謀術策を縦横無尽に駆使し、成り上がっていった。 腐臭漂う、傑作ピカレスク歴史小説見参! 娘の嫁ぎ先を攻め滅ぼすことも厭わず、権謀術数を駆使して戦国時代を駆け抜けた戦国大名・宇喜多直家。 裏切りと策謀にまみれた男の真実の姿とは一体……。 高校生直木賞、オール讀物新人賞、舟橋聖一賞、咲くやこの花賞、歴史時代作家クラブ賞の5冠達成! 特別収録・高校生直木賞ルポ。 【目次】 宇喜多の捨て嫁 無想の抜刀術 貝あわせ ぐひんの鼻 松之丞の一太刀 五逆の鼓
  • 耳袋秘帖 妖談かみそり尼
    157位
    お江戸は高田馬場の竹林に棲む、若くて美人で評判の月照尼(げっしょうに)の元には、人生相談に訪れる者がひきもきらない。その庵(いおり)の近くで、女好きの若旦那が死体で発見された。衣服には一筋の剃刀の跡。若旦那は、尼に会いに行くと言い残して家を出たという。やがて尼の周囲では殺人が相次ぐ。なぜか死体には、みな剃刀の跡が──。はたして尼の正体とは。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす、新「耳袋秘帖」シリーズ第二巻。
  • 耳袋秘帖 妖談さかさ仏
    158位
    処刑される寸前、脱走に成功した仏像専門の盗人・庄右衛門(しょうえもん)は、ある寺で仏像をさかさにして拝む不思議な光景を目のあたりにする。同じころ深川では、売り出し中の美人芸者が姿を消す事件が起き、あろうことか木にさかさに吊られた女の遺体が発見された──。川を上る巨大魚の謎、柳の霊が人に憑くなど、南町奉行・根岸肥前守(ねぎしひぜんのかみ)のもとに報告される、不可解な事件の裏には一体なにが? 大人気怪奇シリーズ第四巻!
  • 完本 密命 巻之二十六 晩節 終の一刀
    159位
    上覧剣術大試合のあと、惣三郎は家族に会わぬまま、ふたたび姿を消した。 あれから5年、大目付に任ぜられた清之助は、親子二代にわたる因縁を断つため、吉宗の重大な命を帯びて尾張へ向かう。 驚きの謎が明かされる最終巻。 *この電子書籍は祥伝社文庫から刊行された「完本 密命」を底本としています。
  • 叛鬼<文庫版>
    160位
    北条早雲、斎藤道三よりも早く下克上を成し、 戦国時代の扉を開いた男がいた。 室町時代末期の関東。主君の横暴により全てを失った長尾景春は、下剋上を成し遂げるため立ち上がる。それを阻むのは、幼き頃より兄と慕った名将・太田道灌。そして景春が誰よりも戦いたくなかった相手だった。逆徒、奸賊、叛鬼。悪名を轟かせる景春を中心に、やがて戦国乱世の扉が開いていく――。 戦国前夜をダイナミックに描いた本格歴史小説! 巻末に著者と本郷和人氏の対談を特別収録。
  • 元禄一刀流 〈新装版〉 池波正太郎初文庫化作品集
    161位
    浅野内匠頭の家来、堀部安兵衛と奥田孫太夫に吉良上野介の中小姓である清水一学。同じ一刀流の堀内道場に通いながら、敵味方にわかれざるをえなかった彼らを師の視点から描いた「元禄一刀流」や、新陰流の開祖、上泉伊勢守の戦国武将としての姿を描いた「上泉伊勢守」など、文庫に収録されていなかった作品7編を収録したオリジナル文庫。
  • 高家表裏譚7 婚姻
    162位
    波乱の京から、帰途についた吉良三郎義央は、箱根の関所で思わぬ敵の歓迎を受けた。何者かが三郎を捕らえようとしたのだ。三郎は難なく刺客を撃退し、江戸への道を急ぐ。一方、米沢藩上杉綱勝の妹・三姫に、縁談が持ち込まれた。三代将軍家光の異母弟の保科肥後守が仲立ちした相手は、高家の吉良三郎だという。三郎と三姫の知らぬ間に進められた縁談は、本人たちの思惑をよそに、驚愕の展開を見せ始める。書き下ろし時代小説。
  • 不疑 葉室麟短編傑作選
    163位
    中国の漢の時代、長安の知事と警察長官を兼ねる「京兆尹」という役職があった。謀反を未然に防いだ功によって抜擢された「不疑」は、厳格でありつつも慈悲を忘れず、辣腕と名高い。ある日、天子にしか許されない黄色の隊列を率いた謎の男が宮廷を訪れた。男が反乱によって殺されたはずの皇太子を名乗ったことで、宮廷は混乱の渦に巻き込まれる。書籍化初の中編「不疑」をはじめ、葉室麟が遺した渾身の作品、全6編を収録。
  • 上杉謙信 至誠を貫いた希代の勇将
    164位
    上杉謙信と聞いてまず思い浮かぶのは、どのようなイメージだろうか。あの信長軍団を破った戦国最強の武将、毘沙門天を崇拝する敬虔なる仏教徒、生涯女人を近づけなかった変わり者、大酒飲み、武田信玄の永遠のライバル……。これらの事からわかるのは、まず戦国時代には類を見ない異色の人物だということである。事実、謙信の場合、領土欲から合戦を仕かけるということはなかった。すべての戦いが正義という大義名分のもとになされたのである。著者は取材を重ね、史料に当たるうち、謙信の重大な欠点に気づいたという。それは実に短慮な性格であったということ。気に入らない部下を大勢の前で叱責する、思い通りにならない部下に嫌気がさし責任を途中放棄してしまうなど、明らかにリーダーとしては不適格な一面がある。著者はそこに謙信の武将としての限界を見た。信長と最も異なるのがその点だという。これまでの天才・謙信像を覆し、その内面を赤裸々に描く。

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  • 出世侍(五) 雨垂れ石を穿つ
    165位
    将軍御目見の旗本・香坂家へ婿入りし、新御番衆として、江戸城へ出仕する身分となった藤吉。ある日、徳川家斉の増上寺参拝に同行したその帰路で、将軍の駕籠を襲う狂馬が現れた。藤吉はその場を収める活躍をみせるのだが――。狂馬に将軍の駕籠を襲わせたのは何者か? 農民から武士へと出世を果した藤吉の真価が問われる、シリーズ最終巻。
  • 捻れ家 古道具屋 皆塵堂
    166位
    若い筆職人の念次郎が飲み仲間の取引先の若旦那松助と夜、迷い込んだ大きな料理屋。広い宴席には誰の姿もなく、二階にあがると、なぜか真っ昼間の明るさだった。いったい、ここはどこなのか? いつなのか? そして松助も「煙のように」姿を消した。外に出た念次郎はさんざんさまよったあげく、深川の皆塵堂の大家の清左衛門に救われる。 松助の祖父の亀松は、明和の大火のときに、目黒の料理屋で飲んでいて火事に巻き込まれた。その後金貸しとして儲けるが、十八年後に姿を消し、死体で発見された。松助の父の松蔵は、それから十八年後にやはり突然姿を消し、やはり死体で発見されている。松助は、祖父と父の死について、叔父の継右衛門からくわしくは聞かされていなかった。そして今年は、父の松蔵が死んで、十八年後にあたる。松助は大丈夫なのか? 清左衛門から曰くものを扱う古道具屋皆塵堂を教えてもらった念次郎は、皆塵堂を拠点に、姿を消した松助を探しはじめる。 幽霊の見える太一郎も、さすがに時空がねじれていると、気配が読めず、今回は役立ちそうにない。 料理屋、二階建ての長屋、湯屋、大店など建物にまつわる因縁のある屋敷で繰り広げられる幽霊譚。 大江戸版ホーンテッド・マンションに、皆塵堂の面々は、どう立ち向かうのか?
  • 千住宿始末記 純情浪人 朽木三四郎 仇討ち兄妹
    167位
    体面ばかりの武家勤めに、不満を持っていた、美濃恵那藩士、朽木三四郎。神君家康公から、下賜された茶碗が割れていた事故の罪を負い、藩を離れ千住宿で寺子屋を始めた。宿場の縄暖簾「小春」の若き女将、おはるや娘おさとたちとの人情あふれる生活に、人生の喜びを見出してはいたが、兄から帰藩を勧められ心が揺れ動いていた。そんなある日、兄妹に父の仇と間違われ三四郎は斬りつけられる。がしかし、その境遇に同情し仇を探す手伝いを始めると、事件は意外な進展を見せる「仇討ち兄妹」。他全四編を収録。人気シリーズ第2弾。
  • 決戦!三國志
    値引きあり
    168位
    累計7万部突破「決戦!」シリーズに三国志が登場!舞台は大陸。広大なスケールで贈るファン必読の書き下ろし豪華絢爛! 英雄たちの無双演舞田中芳樹 『アルスラーン戦記』『銀河英雄伝説』東郷 隆 『信長 覇王の海』『センゴク兄弟』木下昌輝 『宇喜多の捨て嫁』『人魚ノ肉』天野純希 『信長 暁の魔王』『破天の剣』吉川永青 『戯史三國志シリーズ』『誉れの赤』
  • 嗚呼 江戸城(下)
    169位
    由比正雪の海外雄飛の計画は着々と進んでいた。太閤遺金のありかをつきとめ、紀州頼宣が軍船を貸してくれることにもなったいま、家光がいつ亡き人となるか……。師石川丈山のいう、まさにその時こそ決行のチャンスと、正雪の胸は大きくふくらむ。対するは徳川に知恵伊豆ありと知られた松平伊豆守の老獪な策略。丸橋忠弥、幡随院長兵衛、大久保彦左衛門、一心太助、天草四郎、巨額な金銀をとりまきうごめく多種多彩な人物の迎えたクライマックスとは。
  • 紫式部と清少納言 二大女房大決戦
    170位
    紫式部は執筆に追われていた。「源氏物語」を餌に、帝の関心を愛娘・彰子へと向けさせたい藤原道長から、続きを催促されているのだ。創作の手がかりが欲しい紫式部は、素性を隠し、荒れ屋で暮らす清少納言の元を訪れる。そこで、皇后定子の霊鬼が宮中を徘徊しているという噂を、うっかり口にしてしまい…。小競り合いばかりの二人が、霊鬼探しでまさかの共同戦線。平安文学好きには夢、超展開の二大女房大決戦! サイテーのライバルがサイコーのバディになる!?
  • 敗走記
    171位
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 戦争を生き抜いた著者がつづる生と死の物語 戦記ドキュメンタリー完全復刻! 昭和19年、南太平洋ニューブリテン島中部、部隊は壊滅的打撃を受けたものの、ひとり生き延び、仲間の鈴木と合流することに成功する。そして断崖を通り抜け道なき道を進み、敗走を続けた。敵に追われ、飢えや渇き、暑さに苦しみながらも九死に一生を得た著者が綴る、生と死の物語。戦記漫画の傑作を6編収録。
  • 生きて候 下
    172位
    慶長の役における蔚山城の戦いや露梁津の海戦での武功により、政重の名は全国に鳴り響いていた。美しく己の命を使い切れ――養父・長右衛門の遺した言葉を胸に、政重は数多の召し抱えの誘いを断り、「徳川どのに戦を挑み、武辺者の意地をまっとうしたい」と、宇喜多秀家の新座衆として天下分け目の合戦に臨むことを決意する! 武辺に生き、義に殉じた男の波瀾万丈の半生を描く戦国巨編。
  • 耳袋秘帖 妖談うしろ猫
    173位
    若い頃は無頼の限りを尽くして悪の道にはまりかけ、しかしいまは「赤鬼」の綽名を持つ南町奉行の根岸肥前守(ねぎしひぜんのかみ)。その奉行のもとに、商いの評判が良かったもろこし屋の主人、伝次郎が殺されたとの知らせが寄せられる。現場近くでは、「かのち」という謎の書き付けを残して失踪した大店の若旦那が目撃されるが…。奇談集「耳袋」を千編も書き記した根岸肥前守(=歴史上実在の人物)が、江戸の怪事件を解き明かす好評シリーズ、新展開の第一巻。
  • 耳袋秘帖 妖談しにん橋
    174位
    深川で、西国雄藩の藩士と石川島から戻ったばかりの無宿人が相次いで不審な死を遂げた。二人とも、満月前後の夜に「四人橋(よにんばし)」を四人で渡り、自分の影だけが消えたと言い残していた。そして、そのことがあった一両日中の死だった…。四人で渡ると死人が出る“死人橋”の噂は、江戸の町に一気に広まった。なぜ影が消えるのか? 裏にうごめく悪の正体を、赤鬼奉行・根岸肥前守(ねぎしひぜんのかみ)が解き明かす! 新「耳袋秘帖」シリーズ第三巻。
  • 酔って候
    175位
    幕末の混迷期、なすすべを知らない三百諸侯のなかで、自らの才質をたのみ、また世間の期待を集めた賢侯たちがいた。土佐の山内容堂、薩摩の島津久光、伊予宇和島の伊達宗城、肥前の鍋島閑叟。「藩主なるがゆえに歴史の風当りをもっともはげしく受け、それを受けることによって痛烈な喜劇を演じさせられた」(「あとがき」より)彼らを題材に、著者ならではの視点で幕末を探る短篇連作。
  • 鬼平犯科帳(二十四)
    176位
    風が鳴った。平蔵は愛刀の鯉口を切る。雪か? 闇の中に刃と刃が噛み合って火花が散った──。 著者の逝去によって「鬼平」シリーズ最終作品となった未完の長篇〈誘拐〉。そのほか、おまさ・お熊が活躍し、平蔵の腹違いの妹・お園の婚礼も登場する女づくしの「女密偵女賊」。おまさの亭主と同名の五郎蔵が役宅の髪結いに。緊張感あふれるなかにも、どこかユーモラスな「ふたり五郎蔵」を収録。また一巻目から読み返したくなる、充実の最終巻!
  • 男振
    177位
    若くして頭髪が抜け落ちる奇病を主君の嗣子・千代之助に、侮蔑された17歳の源太郎は、乱暴をはたらき監禁される。別人の小太郎を名のって生きることを許されるが、実は主君の血筋をひいていたことから、お家騒動にまきこまれることになる。しかし、源太郎は、宿命的なコンプレックスを強力なエネルギーに変えて、市井の人として生きる道を拓いていく。清々しく爽やかな男の生涯。
  • 戦前の日本で起きた35の怖い事件 あなたが生まれるはるか昔に――
    178位
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 あなたが生まれるはるか昔に―― 凶悪犯罪でふりかえる近代日本の裏面史 明治、大正、昭和期前半に国内を震撼させた大事件を写真と資料で完全再現 ●「昔はよかった」と言える昔はなかった 今から80年以上前、日本は無謀な戦争に突入した。 欧米列強の支配からアジアの国を守り独立・繁栄を目指すという 「大東亜共栄圏」を大義名分に近隣諸国を侵略した。 その結果として、軍人に砲弾・病・飢餓が襲い、国中が空襲に遭い、 広島・長崎に原爆投下の惨劇をもたらした。 太平洋戦争の死者は軍人軍属、民間人を合わせて約310万人。 天皇陛下を神と奉り、悲劇への道を疾走した国の指導者の責任は極めて重い。 戦後、日本は民主国家に生まれ変わった。 勤勉な国民性は急速に経済を発展させ世界でも有数の先進国に上り詰めた、 右傾化が懸念される昨今でも、多くの人々は平和を享受し自由を謳歌している。 戦争は二度と起こしてはならない。あの時代に戻ることは決して許されない。 では、戦争前の日本はどんな社会だったのだろう。 果たして、人々の暮らしは幸福だったのか。 昔はよかった、と言える昔があったのだろうか。 答えはノー。 戦前の日本は極めて貧しく残酷だった。 人権意識は低く、農村は生活に窮し、女性を卑しめられ、忌まわしき風習に縛られ、 国家に逆らう主義主張を唱える者は弾圧され、要人テロが横行した。 明治から大正、太平洋戦争が始まる昭和前半までの73年間、 誤解を恐れずにいえば、日本は想像以上に野蛮で愚かな国だった。 本書はそんな時代に起きた、 戦慄・驚愕の35の事件を取り上げた1冊である。 閉鎖的な村社会で孤立し住民の殺戮を図った者、 惚れた芸妓の裏切りに狂気を爆発させた者、エリートによる金と女絡みの凶行、 拷問に近い取り調べで犯人に仕立て上げられた冤罪事件、身勝手な復讐劇。 それらは現代でも起きうる犯罪でも、 やはり根底には時代の空気が色濃く反映され今の世とはまた違う独特の狂い方が確実である。 記事本文には、現代では使わない差別用語や蔑称が頻繁する。残酷な記述もふんだんにある。 が、その言葉をもちいなければ、事件の本質、時代のニュアンスが伝わらないと判断し、 あえて当時の表現をそのまま使用している。あしからずご了承いただきたい。 また巻末には、取り上げた事件当時の社会情勢がわかるよう年表を付記した。 犯人、犯行の動機を知るうえでの参考にしてほしい。 鉄人ノンフィクション編集部
  • 突きの鬼一
    179位
    殿さま出奔!頼みは秘剣“滝止”と博打!?  尾張徳川家の北隣、美濃北山三万石のあるじ百目鬼一郎太の楽しみは月に一度の賭場通いだ。九歳のみぎり、江戸下屋敷の中間部屋で博打を見聞して以来二十年、負けたことがない。どういう天の配剤か、賽の目が事前に脳裏に浮かぶのだ。もっとも、一郎太には別の目論見もあった。密かに城下に遊べば、民百姓の本音が聞けるからだ。北山藩は特産の寒天が藩の財政を底上げして、実収十万石。だが、年貢は依然として六公四民で、藩は百姓の犠牲の上に胡坐をかいていた。そこで一郎太が百年の計として打ち出した年貢半減令だったが、これが大きな災厄をもたらすことになる。ある晩、秘密の抜け穴を通り、城下外れの賭場に現れた一郎太は数十人の暗殺隊に襲撃される。頭格は大垣半象、北山三羽烏といわれた二天一流の遣い手で、国家老・黒岩監物の配下だ。突きの鬼一と異名をとる一郎太は二十人以上を斬り捨てて虎口を脱するが、襲撃者の中に年貢半減令に賛同する城代家老・伊吹勘助の倅・進兵衛がいたことに愕然とする。忸怩たる思いの一郎太は藩主の座を降りることを即刻決意、実母・桜香院が偏愛する重二郎に後事を託して江戸に向かう。だが、事はこれでは収まらなかった。
  • 小説 後藤新平―行革と都市政策の先駆者
    180位
    これからの日本、こんな指導者がほしい! 東北の没落平民から身を起こし、医師、行政マンを経て台湾・満鉄の経営、東京市の大改革、関東大震災からの復興――。大胆な先見性をもとに新しい政策を次々に打ち立て、行革を断行した後藤新平。無私と実行力に貫かれた生涯をいきいきと描く。
  • 新装版 お腹召しませ
    181位
    えっ、その責任おれがとるの!? 仕事と、家庭と、世の中と――戦う男の本分とは。 司馬遼太郎賞・中央公論文芸賞受賞。 『一路』『流人道中記』の浅田次郎が贈る、笑って泣ける傑作時代小説。 婿養子が公金を持ち出し失踪。不祥事の責任を取りお家を守るため、妻子や部下に「お腹召しませ」とせっつかれる高津又兵衛が、最後に下した決断とは……。武士の本義が薄れた幕末期。あふれ出す男の悩みを、侍たちはどう乗り越えたのか。表題作ほか全六篇に書き下ろしエッセイを特別収録。
  • 三河雑兵心得 : 13 奥州仁義
    182位
    秀吉の命令により、北条氏の旧領である関東に移封となった徳川家。家康に従い、一族郎党を引き連れて江戸にやってきた茂兵衛だが、辺りは葦が生い茂る湿地ばかりのうえ、あちらこちらで土を掘ったり埋めたりと喧しい。そんな中、陸奥国、南部家の家臣、九戸政実が秀吉の奥州仕置に異を唱え反旗を翻した。井伊直政の寄騎として出陣することになった茂兵衛は、家康から例によって難題を押しつけられる。戦国足軽出世物語、反乱勃発の第十三弾!
  • 慶安太平記
    183位
    東海道は由比の宿。才気煥発な紺屋(こうや)のせがれである与四郎の夢は「公方様になる」ことだった。彼は、長じて由比民部之助橘正雪(ゆいみんぶのすけたちばなのまさゆき)と名を改める。由比正雪である。泰平無事の世とはいいながらも、巷には多くの浪人があふれ、時の執政に対しての不満が鬱積していた。幕府の転覆を企てた憂国の軍学者の、その波瀾万丈の生涯を描いた傑作時代小説。「慶安事件」始末記!
  • 麗しき花実
    184位
    江戸琳派の仲でも近年、鈴木其一の人気が高まっている。 その鈴木其一が、作品中、重要な役割を果たす。 主人公・女蒔絵師・理野と其一が、それぞれのジャンルで、美を求めて切磋琢磨する関係から…。 物語の中で、「夏秋渓流図屏風」の着想を得る重要なシーンあり。 女と男の結ばれないまま、続く交情が感動を呼ぶ。 江戸琳派の世界、華やかな文化人交流には共に素晴らしい女性達の存在が…。 当時の根岸には、美術工芸や画家、文人などの一流の人々が集っていた。 その中に蒔絵にすべてを注ぐ女が一人。 美を生み出す陰に大量生産の工房システムがあり、主人公も其一もその矛盾に悩みつつ、独自の美を追究する。 …「夏秋渓流図屛風」は其一が正面から師、抱一と対峙した制作と位置付けられるだろう。 この作品は「噲々(かいかい)其一」の署名から、三十台半ばから四十代半ばの間に描かれたと知られる。 抱一の没後師風から解放され、其一なりの光琳画風の展開や、西遊の成葛飾葛飾北斎などの浮世絵風景画の 影響も指摘される。 しかしこの屛風の迫力に富む描写を目の当たりにした時、その根底に自然の景観を前にした其一の実体験があったことは充分可能考えられよう。 日記には宇治川の急流や布引の滝などほかの水流の写生も残されている。 一方其一が松江に寄った事実は「癸巳西遊日記」現行本からは確認することができない。けれども何処であれ、其一自身がその眼で見た実景、筆で掴み取った形態、心に刻み込んだ感動が「夏秋渓流図屛風」に確かに生かされていることをこの小説から教えられた。 こうした其一の清新な作風は、近年ようやく江戸絵画の中でもひときわ異彩を放つ存在として多くの人々に知られるようになった。 制作の複雑な背景を浮き彫りにしたこの小説に触発された読者も多かろう。 (解説より) 文政5年、蒔絵師の娘・理野は、兄と共に松江から江戸の原羊遊斎の工房を目指した。 羊遊斎の工房で、急逝したが、女の蒔絵師として、下絵から仕事が許される。工房の数物を作りながら、新しい美をもとめる理野。情念を込めた独自の表現を目指し、全てを蒔絵に注ぐ。 江戸琳派の酒井抱一、鈴木其一など実在の人物を絡め、描かれる美術工芸の世界と、やるせない恋。そして、職人魂を貫く潔い女の生き方が感動を呼ぶ。 ラストシーンで、其一の代表に連なる松江の山道からの風景が想像をかき立てる。凜と生きる女の潔さと情念が印象的な時代長編。
  • まぼろしの城
    185位
    越後の上杉、甲斐の武田、小田原の北条。関東管領が実質的な力をなくし、覇を争う武将たちに取り巻かれながらも、上野の沼田万鬼斎はしたたかに生き抜こうとしていた。しかし愛妾・ゆのみとその父・金子新左衛門に翻弄され、一族は過酷な歴史の渦に飲み込まれていく。小国の衰亡に光を当てた凄絶な戦国雄編。
  • 大奥梟秘帖
    186位
    徳川十代将軍家治の暗殺事件を惹起した田沼意次。彼が権勢を誇る時代の賄賂と毒殺による、血にまみれた大奥の陰謀。それを察知した尼僧お庭番衆VS田沼一族、さらに大奥老女との暗闘。将軍と大奥女性との房中秘事や、世継ぎ誕生のからくりを記した『大奥梟秘帖』をめぐって、男と女が闘う狂乱の花模様。官能伝奇ロマンの極致を描く、尼僧お庭番シリーズ、遂に完結!
  • 耳袋秘帖 小石川貧乏神殺人事件
    187位
    年明け早々、小石川で一家心中が発生したらしい。どうも江戸でもこの界隈に夜逃げや倒産などことさら不景気の風が吹いているようだ。牛天神に祀られていた貧乏神が怒っている。奉行の根岸は配下の宮尾にこの一件の探索を命じた。宮尾の調べが進むにつれ、他にも不可解な出来事がいろいろと起こっているようで……。
  • テンペスト 第四巻 冬虹
    188位
    昼間は孫寧温として王府に勤め、夜は側室に戻るという二重生活を送っていた真鶴。ある日、尚泰王の子を身籠もったことが発覚。女として産むべきか、男として目を背けるべきか。悩んだ末、真鶴は母になることを決意する。近代化の波が押し寄せ、王国は崩れようとしていた。数奇な運命を背負った母子の未来に、希望の虹は架かるのか!? 忘れがたき雅博との恋の行方は!? 嵐吹く波瀾万丈の人生が、いよいよクライマックスを迎える!
  • 入り婿侍商い帖(三) 女房の声
    189位
    旗本家次男の角次郎は縁あって米屋に入り婿した。関宿藩の藩米横流し事件解決に助力した角次郎に、関宿藩勘定奉行配下の朽木升之助から極秘の依頼が持ちこまれる……。妻と心を重ね、米屋を再興していく物語。
  • 鬼神の一刀 刀剣目利き 神楽坂咲花堂
    完結
    190位
    ついに三種の神器、揃い踏み! 綸太郎は使命を果たせるか! 市中で辻斬りが頻発していた。死体の斬り口を見た咲花堂の上条綸太郎は、得物(えもの)が上条家から徳川家康に奪われた三種の神器の一つ、“宝刀・小烏丸(こがらすまる)”ではと疑う。一方、老中・松平定信も、自らが将軍になるという野望のため、小烏丸を狙っていた。三つそろえば世を変革するといわれる驚愕の神器を巡る攻防の行方は……(『鬼神の一刀』)。刀剣目利きシリーズ第10巻、ここに堂々の完結!
  • 火狐 八丁堀捕物始末
    191位
    快男児か、稀代の悪党か――。江戸の華・町火消を追え! 江戸は下町の商店で若い娘が立て続けに押し込み強盗に殺害され、数十両の金が奪われた。現場に残された紙片には狐の絵が描かれていたことから、盗賊は「火狐」と呼ばれる。南町奉行所同心・大沢源之進は間もなく火狐一味を捕らえるが、真の下手人はほかにいると睨み、やがて町で評判の火消・多助に目をつける…清張賞作家が放つ時代サスペンス! 「多助の女 盗賊火狐捕物控」改題。
  • 蒼穹の艦隊(3)
    192位
    米国は日本の戦力を分散させ、南方へ注意をひきつけるべく、ガダルカナル基地へ最新鋭機P-51D「マスタング」、P-47D「サンダーボルト」を投入、ラバウルへ猛攻撃をかけてきた。このアメリカの挑発に対し、山本五十六首相は、直ちに「い」号作戦を発令。第一航空艦隊の空母部隊と基地航空隊を南方に送り、ガダルカナルとポートモレスビーを攻撃させた。さらに“見えない空母”から発進した「晴嵐」によるアメリカ本土爆撃、さらに南雲中将率いる第二機動部隊によるミッドウエイ攻撃など、矢継ぎ早に作戦を展開。果たして日米総力戦の行方は……。 ●菅谷 充(すがや・みつる) 1950年静岡県富士市生まれ。1971年『仮面ライダー』(原作・石ノ森章太郎)でマンガ家デビュー。代表作に第28回小学館漫画賞受賞作となった『ゲームセンターあらし』『こんにちはマイコン』など。1985年からパソコン通信を始め、87年よりNIFTY-Serveでモータースポーツ情報を発信するオートレーシング・フォーラムを主宰。1987年、パソコン通信発展に寄与したことが認められ第1回ネットワーカー大賞(株式会社アスキー)を受賞。2004年にはネットワークで通じてモータースポーツの発展に貢献したことが認められ第1回モータースポーツ大賞(社団法人日本自動車工業会)を受賞。1996~2008年まで、米国のインディカーシリーズとインディ500のテレビ解説も担当した。1994年、菅谷充名義で小説の執筆活動を開始し、『漆黒の独立航空隊』(有楽出版社)で小説家デビュー。以後、モータースポーツ小説、架空戦記小説を中心に60作以上を発表。2011年、60歳で早稲田大学大学院人間科学研究科修士課程を修了し、2013年より2021年まで京都精華大学マンガ学部教授。近著に『ゲームセンターあらしと学ぶマンガ版「こんにちはPython」』(日経BP)、『コミカライズ魂』(河出新書)など。
  • 大久保家の人びと 直参旗本の娘の結婚
    193位
    三河以来の直参旗本の大久保家。徳川家康・秀忠・家光と三代の将軍に仕え、天下の御意見番として有名な彦左衛門。 その末裔は、なんと子沢山の大家族。 直参といえど、豊かな生活ではなく、かなり厳しい。でも、当主の機転と才覚、女房の明るさで、乗り切っていく。 幕末の天災飢饉や諸外国の来訪で混乱した世の中を、逞しく生きていく大家族を描く、書下し痛快時代小説。 新シリーズ開幕!
  • コンスタンティノープルの陥落
    194位
    東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。
  • 神君幻法帖<新装版>
    195位
    徳川家に盤石の安泰をもたらすため、捨て石となれ――。 神君こと徳川家康を祀る日光東照宮周辺を舞台に繰り広げられる、「幻法者」たちの血で血を洗う腕比べ。 魔多羅一族vs山王一族。あい争うは、修羅のさだめ! 生き残るのはどちらか? そして天海大僧正の思惑は……? 山田風太郎忍法帖の忠実なるパスティーシュ。時代伝奇説の極北。 装画は、単行本時も好評だった、かつて風太郎忍法帖を多く手掛けた佐伯俊男氏。 解説は縄田一男氏。 ※本作品は、「神君幻法帖」を加筆修正した新装版です。
  • つむじ風お駒事件帖
    196位
    名人と言われる四代目松井源水を父にもつ曲独楽(きょくごま)師「ひらがなげんすい」ことお駒は、おきゃんで一本気な十五歳。前髪を垂らし、茶筅形に束ねた総髪の男装で舞台に立つ。ある日お駒は、怪しい二人連れに後を尾けられる。折しも江戸では香具師(やし)殺しが立て続けに起きていた。狙いは母の形見の鬼の根付らしい。生前掏摸(すり)の名人だった母親譲りの鮮やかな手口で男から巾着を盗んだが……。(『疾風独楽 つむじ風お駒事件帖』改題)
  • 用心棒血戦記 上州密殺旅
    197位
    1~4巻 680~715円 (税込)
    溜池沿いで松坂藩士が斬り殺された。下手人も同じ藩士で手練の業だ。数日後、江戸屋敷から藩士四人が密書を携えて国もと上野(こうずけ)国にむけて旅立った。松坂藩では改革派と門閥派が国を二分する争いを繰り広げていた。幕府隠密の葵十三郎は廻国修行の兵法者・神林弥五郎とともに四人と同道する。一刀流免許皆伝の十三郎と、真気流槍術の遣い手・神林が獅子奮迅の活躍! 長篇時代剣戟。
  • どうした、家康
    値引きあり
    198位
    人質から天下人へ。徳川家康のドラマチック人生! 幼少で母と生き別れ、少年時代は人質として各地を転々とした徳川家康。戦国の世を勝ち抜き、天下人として幕府を開くまでに、何度も訪れる人生の節目で、都度難しい選択を迫られた。織田家に囚われてから大坂の陣まで、歴史時代小説の精鋭十三人が趣向を凝らす、歴史改変もありの短編集。〈文庫オリジナル〉 織田家の人質となっていた少年時代 桶狭間の戦い 三河一向一揆 三方ヶ原の戦い 本能寺の変後の伊賀越え 小牧長久手の戦い 関東移封 関ヶ原の戦い 大坂夏の陣 など。 徳川家康の節目となった事績や事件をテーマに、ついに天下を手中に収めるまでの分かれ道を彼がどう切り抜けたか、史実に忠実な作品だけではなく、「あのときこうなっていたら」という歴史改変ものも含むバラエティー豊かなラインナップで、超短編を集めました。
  • 大逆転! 幻の超重爆撃機「富嶽」8~原爆投下を阻止せよ!~
    199位
    ヒトラー救出作戦失敗! 富嶽隊、壊滅! 戦局はついに最終局面に達しようとしていた。米軍は原子爆弾の開発に成功し、テニアン島に実戦配備した。原爆投下阻止のため、日本軍は試作機として残存するたった一機の富嶽で、テニアン島空爆をはかる。護衛機もない富嶽に乗った近藤正己隊長は、はたして日本の〃運命の日〃を阻止できるのか! シリーズ堂々の完結編。
  • 足引き寺閻魔帳
    200位
    京都、堺町綾小路に名ばかりのお堂と小さな庫裡をかまえる地蔵寺。東山知恩院の末寺で、檀家もないこの寺には、もうひとつの顔があった。怨みを抱く相手の足を引っぱり、ひそかに誅伐を加えてくれる<足引き寺>――。闇の仕事師は住職の宗徳、町絵師のお琳、羅宇屋の与惣次、西町奉行所に出仕する蓮根左仲、そして紀州犬の豪。今日も地蔵寺の賽銭箱に、願文と銭が投げ入れられる……。傑作時代連作。

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