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若い頃は無頼の限りを尽くして悪の道にはまりかけ、しかしいまは「赤鬼」の綽名を持つ南町奉行の根岸肥前守(ねぎしひぜんのかみ)。その奉行のもとに、商いの評判が良かったもろこし屋の主人、伝次郎が殺されたとの知らせが寄せられる。現場近くでは、「かのち」という謎の書き付けを残して失踪した大店の若旦那が目撃されるが…。奇談集「耳袋」を千編も書き記した根岸肥前守(=歴史上実在の人物)が、江戸の怪事件を解き明かす好評シリーズ、新展開の第一巻。
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Posted by ブクログ
殺人事件シリーズを読み終えるところ(あと1冊のみ!)で、妖談シリーズも読み始めました。 根岸などのいろんな人生観が、自分の年齢になると、とても共感できます。 殺人シリーズも好きですが、最後の方は、なんか書き急いでいるような感じです。 これは、このシリーズ1巻目なので、ゆったりしたペースで、読みやすい...続きを読むと思います。 椀田と宮尾の雇入れがわかります。
変わったものが好物な元ワルなお奉行の根岸、彼の手足となって動く部下二人、イケメンなのにブス専と言う曲者な宮尾、約182センチの腕力自慢で体育会系な椀田、3人のチームワークの小気味よさと、ユーモア探偵の体の中に漂う妖しい事件簿、文句なしに面白い!!ユーモアの中に漂う不気味さ・怖さが引き立っていて、エン...続きを読むターティメントと言う意味合いで凄くよく出来ている!!(上から言ってる訳ではない)時代小説なんて普段滅多に読まないけど、非常に読みやすい。謎が幾つも散りばめられていて、それが明らかになった時の爽快感、清涼感。猫好きにもタマラン!猫のうしろうが何故人間に後ろ姿しか見せなかったのか、と言う部分が明かされた時は自分で予想していた以上の感動があった。根岸の孫がうしろうにとっては…とか、ああ、そう言う事だったのか、と。「蚊の知」はここにもかかってるのかな、と。猫=畜生、って思う人間もいるだろうからなぁ。根岸の人徳がなせる業、とも言えるが、根岸の「ちょっと変わった大勢の人の中で生きにくそうな人間を見る目」と言うのが凄い。根岸にはそんな意識は全くないだろうが、彼に必要な人間は自然に彼の周りに集まってしまうんじゃなかろうか。宮尾と椀田の質の違う盾ぶりがカッコいいんだ、これが!!お奉行の根岸、誰の声かなぁ…飄々としてて柔らかさの中に男っぽさがあって渋い、と言う声は…俺の超個人的な好みは運昇さんだ(笑)。椀田はあんげんしかいないだろうなぁ。宮尾は読んでて登場した瞬間に海外ドラマでよく聴くトーンの内田夕夜さんだった。自分がいかつい容姿しているから、色男系には疑り深くなる椀田www お姉ちゃんに頭が上がらない系の椀田(笑)。細かく言うとあんげんと違う部分も多いけど、いやホント面白い『妖団うしろ猫』。ユーモア探偵ものとしてさくさく読めるのに薄っぺらくないのは短い描写でもキャラ立ちしてる作風だからだ!
どうしようもない話だけど、 案外奥が深い風野真知雄の時代物好きです。 根岸肥前守はいい味出してるし 配下となった二人を 椀田と宮尾と名付けた風野さんのセンスも好き。 このシリーズ沢山でているので、長く楽しめそうです。
本やさんの新刊でこの方の本を初めて手に取ってみた。 たくさんの本を出されていたことを知って1から読んでみようと思って購入した1冊。 さらっと読めてどこかあたたかい。 次も読んでみよう。
この話の主人公、根岸肥前守は実在の人物で実際に「耳袋」という、世間話を書き綴った随筆集を出版している。「耳袋秘帖」の実在はわからないけれど。この本では「耳袋秘帖」の方に書かれるであろう珍妙な事件が発生し、根岸肥前守の知識と、2人の部下の腕力で無事解決??なかなか面白かった。タイトル「うしろ猫」なのに...続きを読むあんまり関係ないのかな?と思っていたら、人に顔を見せない猫「うしろう」も最後に大活躍。一瞬だけど、この活躍がなければこのシリーズ続かないから。後はホントに後ろ向いてるだけだけど。孫の篤五郎もなかなかいいキャラで、今後の活躍に期待。
にゃんこ頑張った!かわいい! これの前があるのを知らずに最初に読んでしまったけど、次どうしたものか… 宮尾さんと椀田さん和む
前作よりもちょっと怖い気がする。人が怖い。 それにしても、この人は言葉が気持ちいね。いよっ。江戸っ子だね。
妖談うしろ猫・妖談かみそり尼・妖談しにん橋の3冊を読んだ どうやら…「だいわ文庫」という所から、「文春文庫」へと移籍したらしい 今回も奇談集「耳袋」を書いた赤鬼奉行こと 南町奉行の根岸肥前が、自身が見聞きした不思議な話しを織り交ぜながら 江戸の町に起こった事件を解決していくお話しなのだが… 出...続きを読む版社が移転したからだろうか? なんぞ問題でもあったんじゃろうか? 主人公の赤鬼奉行を水戸黄門に置き換えると その脇を固める「助さん」「角さん」の両名が、コロっと変わってしまっていた。 シリーズで行くと「妖談うしろ猫」で11作目となるのだが 10作目まで登場していた「坂巻弥三郎」と「栗田次郎左衛門」が、何のご挨拶もなく消え 11作目からいきなり「椀田豪蔵」と「宮尾玄四郎」なる者に取って変わられておった。 ちょっと驚いたので、本文もソコソコに「あとがき」を見たが、まったくのスルー(笑) 前作までの「坂巻と栗田」を結構気に入っていた私しゃ、ちょっとショックであった。 なかなか馴染めぬ二人の登場に、頭が付いていかずに混乱したが… 椀田は背丈が六尺(約180cm)。 剣の腕は立つが嫁に行かない姉がおり、この姉がまた怖い(笑) 母を早くに亡くし、姉に育てられた部分もあるので、頭があがらない状態。 幼少時に姉に驚かされた記憶があるので…幽霊が苦手である(笑) 根岸と共に幽霊ありな、このシリーズ。どうやって乗り切るんじゃろうか? 少々、意地悪く楽しみでもある(ハハハハ) 宮尾は手裏剣の名手。最近根岸家の家来となった。超が付く美男子である。 が…女に持てることこの上ないのに、なぜか美人に目もくれず いわゆる「ブス専門」を貫いているところが、たまらなく面白い。 椀田の姉が宮尾に一目惚れしたようなのだが…美人ではない姉であったため 脈ありっと見られる(笑) 二人の行く末が気になるの~ お話しの殆どを引っ張る二人が変わってしまったので 話しが持つ雰囲気も少々変わってしまった感がある。 とはいえ、妖しい雰囲気をかもし出しつつ、不思議と思える事柄も その裏側、真実の部分には「人」が居る。ってな話しの展開には変わりがない。 むしろ「新」と銘打てば、なんの違和感もなく受け入れてしまったかもしれない。 今回のシリーズでは、「闇の団体さん」が行脚している。 シッポは見えているが…なかなか本体が拝めない。 これ等と根岸が、どう決着をつけるのか? それも楽しみの一つとなった。 文章がシッカリとしている作品なので、江戸モノ作品に興味がある方は 必見な作品だと思う。 ところで「耳袋」と言うと妖しい話ばかりと思われるが、そうとも言えない 根岸が見聞きした、「このまま忘れるには惜しい」っと言う話が載っているのである。 内容も笑い話、英雄・豪傑の逸話、よく効く薬、人情話に教訓話と多彩で 有名になってしまった「怪談話」ばかりではないのだ ちょっと笑えるのが「お金を貯める工夫のこと」 風雨や地震などがあると家来を呼び 「昨夜の嵐で屋敷にどれほどの損害があったか?」と尋ねる。 家来もそれに応じて『このような被害が生じ、修理には何十両かかります』と答える。 これを、修理したつもりになって貯金するのだ。 ばかばかしいようだが、贈答、冠婚葬祭、朝夕昼夜、すべてにわたり このようなきまりを設けていたので、だんだん金が貯まるのだということである。 また、これから仕事を進めるにあたり、心得ておくことは何か?っと問うた者に 「すべて人に相対するときは身分の上下に関わらず、 ひとつ心で接することを心がけるべきでありましょう。 しかし、最も肝心なのはその際、真心をもって接することであると存じます」 っというような答えを出したとの逸話や 片目の妻を貰った夫が、つい、ケンカした折に妻の目のことをなじった時 「みめよきは夫の為のふた眼なり女房は家のかためなりけり」っと詠った 意味は… 妻の容姿が優れているのを夫は喜ぶものですが、 家の固め(片目)となることこそ本来の役目です こんな風に妻に切り替えされたら、夫はグーの根も出ない(笑) など、う~~ん、と唸るような作品も沢山載っている。 「耳袋」っと言えば「怖い話」っと現代では位置づけられているが そうともいえず、現代でも十分に役に立つ話が載っているので少し勿体ない(笑) 機会があれば、「耳袋」を読んでみるのも面白いと思う
出版社が変更になっての第1版 新しく配下として椀田豪蔵と宮尾玄四郎の両名に変わるのか。 ストーリーの展開の仕方はあまり変わりなく、面白い。 うしろ猫と闇の殺し人との関係、拷問好きの与力との関係、最後まで読むとなるほど。 亡妻おたかは今後登場してくるのか
実際にある江戸時代の奇談集である耳袋の著者である根岸備前守を主役とした物語。人間の闇と妖しさの詰まった事件を解いていく短編集。 端々のセリフで語られる人間観にほっとしたり、はっとしたり、愉しく心に染みる物語。
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耳袋秘帖 妖談うしろ猫
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