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「世を、人の心を変えるのだ」「人をあきらめない。それが我々の戦いだ」――平安時代「童」と呼ばれる者たちがいた。彼らは鬼、土蜘蛛……などの恐ろしげな名で呼ばれ、京人(みやこびと)から蔑まれていた。一方、安倍晴明が空前絶後の凶事と断じた日食の最中に、越後で生まれた桜暁丸は、父と故郷を奪った京人に復讐を誓っていた。そして遂に桜暁丸は、童たちと共に朝廷軍に決死の戦いを挑むが――。差別なき世を熱望し、散っていった者たちへの、祈りの詩。
第10回角川春樹小説賞(選考委員 北方謙三、今野敏、角川春樹 大激賞)受賞作にして、第160回直木賞候補作。
Posted by ブクログ 2023年10月14日
大江山の鬼退治という童話のような伝説ともなっている話を、リアルでありながらファンタジックに、生き生きと描いた小説。
平安時代。
中央集権が進み、宮中文化が栄えた平安時代は、平和でも安心できる世でもなかった‥?
安和の変が起きた962年に物語は始まります。
京の都にも、ほど近い地域にも、「童」と呼ば...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月11日
歴史は勝者により作られる。この事を強く考えさせられました。
室町時代に土蜘蛛、鬼等の化物話しが多くありますが、それらは人であり「京人以外は人では無い」という思想から生まれてたんですね。平将門の首が飛ぶ話しもこれと同様に、京人以外を化物扱いとする事で根絶やしにする口実を与える寓話となります。
欧州でも...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月03日
酒呑童子の話を酒呑童子の側から見たお話。
歴史は勝者が語るものなので、こういうことがあってもおかしくはないなと思うものがあります。
登場人物たちが敵味方含めて魅力的な描き方をされているので(一部そうでない人物もいますが…)ぐいぐい惹きつけられるのですが結末が分かっているだけに読み進めるのが辛かったで...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月01日
泣かされた〜!
歴史において退治される側である桜暁丸が主人公に据えられている時点で結末は分かってはいる。
だけどそれでも読む手が止まらないくらい惹き込まれた。
蔑まれた彼らの生い立ちは誰もが皆辛いものだけど、それぞれの立場故に敵対し苦悩もする。
幸せになってほしいのに、そうさせてくれない史実が悲しい...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月09日
平安時代、朝廷は体制を維持するためのスケープゴートとして、京人に従わない土着の集団を人間以下の存在と蔑称で呼び、数の力を持って征服していた。同じ人間のはずなのに、この理不尽に憤り、抵抗する人たちの物語。
場所は違えど高橋克彦氏の東北シリーズと類似のテーマです。人間性や武力など個人の能力は優れているの...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年03月26日
朔の日に朧月
は、合っているのか…?
それだけが気になりました。
感想としては面白かった!!
直木賞作家さんとはしらず、『鬼を切った渡辺綱』の話が読みたくて検索してたら辿り着きました。
各ゲームのキャラクターが頭をよぎったりもしますが、史実か、創作か、どちらにしても勉強になったなと思う。
昼休...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年07月04日
そうそうこういう作品がまた読みたかったんだと個人的にはどストライクな小説。
垣根涼介さんの室町無頼が好きな方にはおすすめ。
さて内容はというと主要登場人物のすべてがキャラクターがしっかりあってすごく楽しめる。
桜暁丸や晴明、滝夜叉、連茂、袴垂、鞠人など主人公の味方達だけでなく敵方の満仲のラスボス感...続きを読む
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