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Posted by ブクログ 2023年10月14日
大江山の鬼退治という童話のような伝説ともなっている話を、リアルでありながらファンタジックに、生き生きと描いた小説。
平安時代。
中央集権が進み、宮中文化が栄えた平安時代は、平和でも安心できる世でもなかった‥?
安和の変が起きた962年に物語は始まります。
京の都にも、ほど近い地域にも、「童」と呼ば...続きを読むれる、朝廷にまつろわぬ者たちがいた。「童」というのは、子供という意味ではなく、鬼、土蜘蛛、夷、滝夜叉、山姥などをまとめて蔑んで呼ぶ言葉。
一方的に蔑む権力者に対抗して、乱が起きたのだが、あえなく鎮圧される。
安倍晴明は、皆既日食を凶事と断じ、ゆえに恩赦が出るように事を運ぶ。じつは童と通じていて、囚われた彼らを救ったのだ。
この年この日、越後で桜暁丸(おうぎまる)が生まれた。父は郡司で、流れ着いた異国の女性との間に子をなしたのだ。夷を差別しない人柄だったが、京に目をつけられてしまう。
桜暁丸は父と故郷を喪い、「花天狗」という盗賊となった。のちの「酒呑童子」この童子という名が子供という意味ではなかったわけです。
跋扈する盗賊や、表には出ずに山で暮らす人々との出会い。
それぞれの強さと意気地、はかなさとしぶとさ。
影に日に活躍する女性たちも魅力的です。
実在する人物も、伝承を思わせる内容も出て来て、その描き方がスピーディで熱っぽく、きらきらと輝くよう。
引き込まれて一気読み。
史実でこれほど大規模な闘いがあったのかどうか。
平安時代については、数字的なことがよくわからないのだが。
赤い血の流れる同じ人間でありながら、秩序になじまないという理由で、否定する。
元はそれぞれ離れた土地で、その土地なりに暮らしていただけなのに。
世の制度が整っていくときに起きる残酷さ。
時代の流れとはまた別な、異なるものを排除する心理。
現代でも、根深く、あちこちで起きている現象のようにも思います。
せめて、極端な差別や争いを起こさない方向へ、進んでいけたらと願うばかり。
2019年初読。2023年、文庫で再読。
Posted by ブクログ 2024年04月11日
歴史は勝者により作られる。この事を強く考えさせられました。
室町時代に土蜘蛛、鬼等の化物話しが多くありますが、それらは人であり「京人以外は人では無い」という思想から生まれてたんですね。平将門の首が飛ぶ話しもこれと同様に、京人以外を化物扱いとする事で根絶やしにする口実を与える寓話となります。
欧州でも...続きを読む迫害の歴史が多くありましたが、日本でもこれ程の迫害が罷り通る時代があったとは思いもしませんでした。
歴史の裏を書き出し、その者達の抵抗がどれ程過酷だったかを知る事が出来ます。勿論小説としての面白さは十分。オススメです。
Posted by ブクログ 2023年09月25日
塞翁の盾の前に読むつもりやったけど、予約期限の関係で後回しにした本作を読んで納得。今村翔吾は外したらアカン、フォロー必須の小説家。
日本史の悪役として虐げられてきた化外の人々。ちょっと目線を変えたら彼らこそ被害者、力を持つものに敵視され捕らえられ奴隷とされて忌み嫌われ差別されてきた人々。
「人を...続きを読む分けるな」「人を諦めない」…生まれた場所、地位、性別、趣向、何がどうであっても人は人なのであり、等しく同じく赤い血が流れている。桜暁丸の目指した世の中は千年たった今も達成されてはいないが、それでも俺たちはまだまだ目指していけるはずである。
民俗学や伝承を重層的に構築しなおした設定に難しいテーマを載せている小説だが、痛快でさわやかで少し切ない水滸伝にも通じる名作、個人的には生活圏の山々が舞台となっているのも良かった。
究極の個人主義は無差別社会に通じると思う。俺は俺、お前はお前、必要に応じて連携もするが、基本的にはそれぞれで頑張れ、各々で楽しめ…それでいいじゃないか。
Posted by ブクログ 2023年08月03日
酒呑童子の話を酒呑童子の側から見たお話。
歴史は勝者が語るものなので、こういうことがあってもおかしくはないなと思うものがあります。
登場人物たちが敵味方含めて魅力的な描き方をされているので(一部そうでない人物もいますが…)ぐいぐい惹きつけられるのですが結末が分かっているだけに読み進めるのが辛かったで...続きを読むす。
あとがきを見ると三部作になるらしいので、また出たらきっと読みます!
Posted by ブクログ 2023年07月01日
泣かされた〜!
歴史において退治される側である桜暁丸が主人公に据えられている時点で結末は分かってはいる。
だけどそれでも読む手が止まらないくらい惹き込まれた。
蔑まれた彼らの生い立ちは誰もが皆辛いものだけど、それぞれの立場故に敵対し苦悩もする。
幸せになってほしいのに、そうさせてくれない史実が悲しい...続きを読む…
Posted by ブクログ 2023年06月09日
平安時代、朝廷は体制を維持するためのスケープゴートとして、京人に従わない土着の集団を人間以下の存在と蔑称で呼び、数の力を持って征服していた。同じ人間のはずなのに、この理不尽に憤り、抵抗する人たちの物語。
場所は違えど高橋克彦氏の東北シリーズと類似のテーマです。人間性や武力など個人の能力は優れているの...続きを読むに、最後は朝廷側の姑息さと数によって無念の死を遂げてしまうところも歴史である以上は残念ながら変えられませんが、風の陣を呼んだ時の感動が蘇る素晴らしい作品でした。三部作の構想があるとのことなので、続篇も大いに期待します。
Posted by ブクログ 2022年06月05日
源頼光、渡辺綱が登場し、桜暁丸が酒呑童子だとわかった時点で結末は悲劇であることが知れ、読み進むのが辛かった。語り伝えられている大江山の物語とは違ったラストだったらいいのにな…と少し期待しながら読んでいた。
桜暁丸や仲間たちの覚悟に涙し、桜暁丸の「人を諦めない」という純粋な想いにまた涙。
でも、桜暁丸...続きを読むの夢見た世界は遠い…
この『童の神』は三部作の第一部だそうで。
続編が楽しみだ~。
Posted by ブクログ 2022年05月20日
凄く面白かった✨
「共に生きる」
読んでいて、涙が溢れてきました
人が人として、生きれない人達がいた時代。差別は、いつの時もある、
1000年前の時を感じながら読みました
時は平安時代、貴族達が蔑む人々、鬼、土蜘蛛と呼ばれる土着民がいた。
その総称を童と呼びます。
その童が、人として、差別なき世...続きを読むを作るため、朝廷軍と戦うおはなし
主人公の桜暁丸のかっこよさはもちろんの事こと、皐月、袴垂、晴明、鞠人の息子達のかっこいい事ったら、胸が熱くなりました
Posted by ブクログ 2022年03月26日
朔の日に朧月
は、合っているのか…?
それだけが気になりました。
感想としては面白かった!!
直木賞作家さんとはしらず、『鬼を切った渡辺綱』の話が読みたくて検索してたら辿り着きました。
各ゲームのキャラクターが頭をよぎったりもしますが、史実か、創作か、どちらにしても勉強になったなと思う。
昼休...続きを読むみや帰りのバスで読みながら泣きそうになったりもしました。
全3部作にする、とあとがきに書いてあったので楽しみに待ちたいと思います。はやめに。お願いします。
読んでよかったです。
Posted by ブクログ 2022年02月01日
時代小説好きなおかーちゃんが
読むかもしんないなー
って買っておいた本
子供の神様が大活躍する
ファンタジー
そう思ってたのに
ぜんぜん違った
びっくり
胸アツだし
いろいろ考えたし
滾ったから
星は5つ
Posted by ブクログ 2022年01月31日
今まさに頬を濡らして読み終わりました。
今村さんの先品は火消しシリーズではまりました。
時代物は好き嫌いが出やすく、読み始める時に躊躇しがちなのですが今村さんは間違いない。
この作品も今後2作続くそうなので楽しみにしたいと思います。
直木賞取った作品も読みたい。
Posted by ブクログ 2021年07月04日
そうそうこういう作品がまた読みたかったんだと個人的にはどストライクな小説。
垣根涼介さんの室町無頼が好きな方にはおすすめ。
さて内容はというと主要登場人物のすべてがキャラクターがしっかりあってすごく楽しめる。
桜暁丸や晴明、滝夜叉、連茂、袴垂、鞠人など主人公の味方達だけでなく敵方の満仲のラスボス感...続きを読むや頼光と四天王のキャラクターも良く読み進めるほどどんどんと面白く深くなってゆく。
個人的には藤原道長だけは許せんが。
間違った思想によって虐げられ続ける人達の強い想いや虐げる京人側にも救いになろうとする人や従いながらも迷う人達。
それぞれが一生懸命に生きた生き様が強く印象に残った。
文庫で読んだのであとがきに続編というか安和の変の前と本作の内容の続きの三部作で構成されている様なので楽しみに待ちたい。
絶対読もうと思う。
2021/7
Posted by ブクログ 2021年05月24日
水滸伝を読んでいる様な、合戦や戦闘の臨場感や哀愁、小説としての重厚感!昔話しを見ている様な物語の展開!漫画「キングダム」の山の民や暗殺集団等の奇抜な発想、懐かしい様な物哀しい様な心の動きがあり読み応えのある一冊であった。是非とも続編が出て欲しいと切に願います。
Posted by ブクログ 2021年03月01日
「共に生きる」
何度この言葉が出てきたことだろう。
同じ一つの国の中で生まれ育ち、同じ赤い血の流れる”人”のはずなのに、貴族と庶民、京人と鄙の者、内と外、となにかと区別したがる”人”の弱さを思い知る。
己の地位を確立するため、それを妨げる者を一方的に虐げる”人”の強欲さに胸苦しくなる。
多種多様...続きを読むな人が混じり合い共に生きる、そんな忌まわしき境のない世が、きっと千年の後には出来ているはず、と期待を寄せた桜暁丸。
桜暁丸の生きた世から千年後の世となる現代において、残念ながら桜暁丸の期待には応えられていなくて申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
千年経っても変わらずに存在する、人と人との間を阻む大きな壁を打ち砕く”何か”を見出さなければならない。
最後の最後まで熱き心を失わなかった先人たちに思いを馳せ、胸の奥をぎゅっと掴まれたまま頁を閉じた。
史実とはいえ、結末が悲しすぎる。
桜暁丸たちの魂の炎は、決して消えることはないと信じたい。
『文庫版あとがき』によるとまだこの物語は終わっていない、とのこと。
物語の続編が今からとても楽しみだ。
先に『きつねの橋』を読んでいたお陰で、物語に入りやすかった。
立場や目線が違うとこうも違うのか、と驚いた。
Posted by ブクログ 2020年11月01日
「じんかん」に続き、読んだ。史実をもとに最終的には桜暁丸にスポットを当てた話だったが、ちょっとしたことが差別や憎悪、争いに繋がる世の中を連想した。戦の駆け引きにはドキドキしながらページをめくった。人間味溢れる登場人物にも惹かれた。
本作が三部作の一作目で続編が構想されているという。楽しみである。
Posted by ブクログ 2020年07月15日
民の目を政治に向けさせない為に人を区分けする。大陸から渡って来た人や自分たちと違う生活をする者を蔑視させる。見かけの違いと共に、殊更忌むべきものとする情報操作によって。
化け物ではなく同じ人間だという叫びが胸に迫る。桜暁丸たちの願いは叶っているのだろうか今の世で。
思い出すのは「橋のない川」。少し...続きを読むはましになっているか?本当に?
Posted by ブクログ 2024年05月05日
本作発刊当時から、今村翔吾さんが紛れもないエンタメ作家で勢いのある書き手なのだと理解できました。理屈抜きに楽しめる物語でした。描かれるのは、土着の民たちの、朝廷への抵抗と差別のない社会の希求です。
平安時代「童」と呼ばれ、京人(みやこびと)から蔑まれ虐げられる人々がいました。朝廷の支配に屈しな...続きを読むい先住の者たちです。
その一人、桜暁丸は凶事の日に生まれ、母の来歴や風貌もあり「禍の子」と呼ばれました。父と村を奪った京人への復讐を誓い、同じ境遇の仲間「童」たちと共に朝廷へ闘いを挑んでいく展開です。
今村さんは、神話や伝説を取り入れながら、想像力豊かな作品世界を作り出しています。特に闘いの場面は臨場感あふれ、手に汗握る描写です。人物の書き分けも明確で、心の機微や揺らぎ、変容などの表現も巧みで引き付けられます。
桜暁丸が望んだ差別のない社会、平等で貴賤のない未来を夢見て散った者たちの願い‥。容易に埋めることのできない隔たりに、人間の負の側面を見せ付けられる思いです。
千年後の現在でも、洋の東西を問わず紛争の絶えない人間社会が続いており、彼らの願いが叶えられていない現実が哀しいですね。それでも、未来に希望を抱かせる読後感でした。
Posted by ブクログ 2024年03月22日
味方がいて。
敵がいて。
それぞれに信念があって。
同情すべき過去があって。
裏切りがあって。
四天王がいて。
必殺技のようなものがあって。
こんなマンガがあったらな~って思ったらあったりして。
原作今村先生、原哲夫先生に描いてもらいたかった作品。
Posted by ブクログ 2023年12月31日
平安の世で勃発する差別との闘いの物語。
てっきり、妖怪の話だと思っていたため、本篇を読み始めてから差別の話であることに気づいた。
差別と戦無き世を目指して励む主人公たちの姿が勇ましかった。
Posted by ブクログ 2023年12月13日
今村さんの話は、本当に素晴らしい。思わず引き込まれる。この話、題材から最後が見えてるんだが、そうじゃない最後を期待してしまう私は愚か。しかし、同じような虚しさは今も世界のあちこちで続いているのが悲しい・・・。3部作の真ん中の時代のものと云う構想で今(2023年12月)には出てないようだが、きっと悲し...続きを読むい話になるんだろうなあ。でも、読んでしまう私
Posted by ブクログ 2023年11月25日
大江山の鬼と渡辺綱、源頼光の伝説を、鬼と呼ばれた側から描いた作品。
人を蔑むことによって、自らが蔑まれない立ち位置を確保しようとする都人 その鋭い指摘は、現代にもつながる闇だ。
その蔑みを、自らの誇りをもって打ち破っていく桜暁丸とその仲間たる童たちの熱い想い。
仲間を守り、誇りを守るべく、最期の覚悟...続きを読むをもって闘う姿が心に残った。
Posted by ブクログ 2023年11月22日
悲しい物語でした。
今で言うなら、人権問題に立ち向かった主人公。
どこに住もうが、家系がどうであろうが、人は皆同じであると言う信念のもと戦います。
戦などしたくはないけど、命令に従うしかない都の人々。
いつの世も戦は悲しみしか生みませんね。
Posted by ブクログ 2023年05月20日
インパクト!冒頭のたった一人の登場人物により、興味津々!10P進まないうちにくぎ付けになっていた。晴明に始まり、当時の藤原家の全盛期の時代背景の中で源頼光、渡辺綱、坂田金時と役者たちが次々と登場してくる。そうなれば主人公は酒呑童子?
「童の神」
晴明と結ばれ、子を授かった女人は平将門の遺児。しかし主...続きを読む人公は桜暁丸。癖のある面々を脇に従え、調停を相手に彼の奮闘劇が始まる。これは三日に1Pの割合で進んでいたのだが、4日目にはすべて読み終えてしまった。ついつい読みいってしまう題材でした
Posted by ブクログ 2023年01月10日
平安時代の日本には差別や搾取、不公正が渦巻いている。その象徴が貴族の飽食である。「貴族の食事には飯の他に十ほどの副菜がつく。まず一碗に沢山盛りつければ盛りつけるほど美しいとされている。白米に至っては碗に抑え込んで、一尺(三十センチ)ほどの高さに盛り上げるのだ。全て食うならまだ良いが、どの碗も皿も一口...続きを読む、二口箸をつけてその大半を残す」。これは「意地汚い」と批判される。
安和の変は清和源氏二代目の源満仲が源高明を密告し、満仲の弟の満季が検非違使として藤原千晴を逮捕した。満仲は高明側の人間で、裏切って密告したとの説が有力である。
満仲と満季の各々の子が頼光と致公である。二人は鬼賊の討伐で活躍する。頼光の酒呑童子退治は有名であるが、毒酒を飲ませて弱らせて殺すという、だまし討ちであり、武門の棟梁として称賛されるものではなかった。これらの伝承をベースに物語を仕立てている。因みに致公の子孫から播磨国揖保郡を本拠地とする林田氏が生まれた。
満仲は藤原兼家、頼光は藤原道長に仕えた。平安時代は貴族の時代であり、武士で政治の中心にいなかったが、権力者の近くに存在した。貴族の時代に武士の時代が準備されていた。
Posted by ブクログ 2022年01月26日
源頼光、坂田の金時、渡辺綱に酒呑童子、子供の頃に読み聞かせてもらった御伽噺の類としてしか知らなかった彼らが絵本から飛び出し、血も涙もある肉体と崇高な魂を持って躍動する、権力と民の戦の物語。
Posted by ブクログ 2022年01月22日
終盤になって桜暁丸の京人からの呼び名が酒呑童子であることから一気に全て繋がった。
鬼の頭目である大江山の酒呑童子が源頼光に退治された話は知ってたが、妖怪としての印象しかなく、ここに登場する鬼、土蜘蛛、滝夜叉、犬神などが歴史上、実は人間であり、恐れられたことから妖怪として語られていたのかもという新しい...続きを読む視点を持つことができた。
桜暁丸が上洛した時の掛け声のシーンが1番心が熱くなった。
結末シーンは私は好きな終わり方だった。
めちゃくちゃたくさんの人物が出てきてはバタバタと去っていく。
Posted by ブクログ 2021年11月03日
平安時代中期、安和2年(969年)の「安和の変」に端を発する物語。
この時代のことを知らなかったので、読み終わってからここに登場する人物のことを調べてみたが、源頼光や渡辺綱ら四天王は酒呑童子ら都を荒らす悪党を平定した武人として紹介されており、この本を読んでからそれを知ると、ふ~ん、そうなんだという感...続きを読むじ。
往々にして歴史は勝者によって都合良く書かれたものであるので、通念にある正邪をひっくり返し虐げられた側から書こうとした作者の企てはなかなか興味深い。その根底には人の生きる権利や平等に対する思いが流れているが、それを声高に叫ぶことなく、面白い読み物に仕立てあげられたところに値打ちあり。
それにしても、袴垂に、酒呑童子とその配下、土蜘蛛、子持山姥、滝夜叉姫に安倍晴明…、数多の書物、伝承伝説から御伽草子や能、神楽まで呑み込んで、よくもここまでキャラとつながりを作り込んだものだ。対峙する四天王もそれぞれに個性あふれる人物として描かれ必ずしも悪役でないところもまた良し。
色んな場面で映画のように映像が目に浮かぶ書き振りを楽しんだが、中でも、帝の意思に従い上洛した大江山の一行と京の民との祭りのような一瞬の交わりの場面が白眉であった。
Posted by ブクログ 2020年07月28日
いやおもしろかったわ〜
ほんとうに平安時代のオールスターキャスト登場だった
まずそれぞれのキャラが
じーちゃんから子どもまで
人間離れの強さとカッコよさ
言い伝えでは
酒呑童子は凶悪な鬼の親玉で
倒した源頼光らが英雄だが
鬼の側からすれば彼らこそが巨悪の根元
何故鬼と呼ばれるようになったのか...続きを読む
童の意味とは…
そして戦いの行くえは…
もうやめられないね
ただちょっと難しい漢字が…
最初はかながふってあるんだけど
次に出てきた時は前のページに戻って
確認するはめになった
とくに粛慎(みしはせ)はなかなか覚えられなかったなぁ
Posted by ブクログ 2022年07月06日
平安時代、京を中心とする朝廷は、童と呼ばれ、鬼、土蜘蛛などという古来からの朝廷とは対立する集団の討伐を繰り広げていた。
もしかして、大陸からきていた蘇我氏であったり、蝦夷であったりしていただろう。
平安時代の有名人、安倍晴明、源頼光、頼光四天王、渡辺綱・坂田金時・碓井貞光・卜部季武、酒呑童子など、オ...続きを読むールスターキャストのエンターテイメントに仕上がっている。