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教養を高める最も有力な手段は、歴史を学ぶこと。なにしろ歴史には、これまでの人類の営みが凝縮されているのだ。政治も経済も芸術も宗教も、すべて歴史を通じて参照できる。一方で、歴史というと、なんとなく、とっつきにくい印象を抱く人が多いのも事実。そんな人は、ほとんどの場合、年号や歴史上の人物を暗記させるような学校の授業が、「つまらない」と感じて離脱している。
しかし、好きな「時代」や「人物」から興味を広げていけば、確実に歴史を好きになれる。そして、その導入として最適なのが「歴史小説」なのだ。歴史小説の主人公は、過去の歴史を案内してくれる道先案内人のようなもの。面白い・好きな案内人を見つけられれば、歴史の世界にどっぷりつかり、そこから人生に必要なさまざまなものを吸収できる。道先案内人が魅力的かどうかは、歴史小説家の腕次第。つまり、自分にあった作家の作品を読むことが、歴史から教養を身につける最良の手段といえる。
本書では、教養という視点から歴史小説について語っていく。小学5年生で歴史小説と出会い、ひたすら歴史小説を読み込む青春時代を送ってきた直木賞作家・今村翔吾。20代まで歴史とは無関係のダンス・インストラクターとして活動。30歳のときに一念発起して、埋蔵文化財の発掘調査員をしながら歴史小説家を目指したという異色の作家が、歴史小説マニアの視点から、歴史小説という文芸ジャンルについて掘り下げるだけでなく、小説から得られる教養の中身や、おすすめの作品までさまざまな角度から縦横無尽に語り尽くす。
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Posted by ブクログ
歴史小説愛溢れる著者による、歴史小説・時代小説の楽しみ方を様々な角度から掘り下げた本でした。
歴史に興味を持ってくれるなら、入り口はゲームでもアニメでもありがたい、という著者。
本書も、普段はビジネス書や自己啓発書しか読まないサラリーマンにも興味を持ってもらえるよう、ビジネスにも役立つ、人生にも役立つ、と連呼し、タイトルにも流行りの「教養」をつけてターゲット層を広げています。もちろん歴史小説を読みなれていない人が戸惑わないための工夫も随所にみられ、著者の熱さと心意気が伝わり、非常に応援したくなる本でした。
私自身は歴史小説も時代小説も好きですし、面白さも(人生の)お役立ち度も理解しているつもりです。
でも、役立つと思って読んだわけではないのに、結果的に役立つことになった、というのが歴史小説な気がしますね。
単純な例で言うと、「先人たちが苦労して勝ち取った選挙権、無駄にしたくない」と自然に思えるようになったこととか(笑)
あ、最後に一つ。
他の方のレビューの中には、歴史小説ガイドが物足りなかった、というものがありましたが、いやいや貴方、初心者でも楽しく読める本、最初の一冊で歴史小説を好きになってもらえる本、という目線で著者が厳選して選書してくれているのですから王道で当たり前でしょ!とここで反論しておきます。
王道とはいえ、私自身読んでいなかった紹介本もたくさんありました。積読リストに入れました!楽しみが増えた!
Posted by ブクログ
この著者には祥伝社新書の『書店を守れ!』で出会い、そこで初めて彼が歴史小説家であることを知り、二冊目として手に取ったのがこの本だった。歴史小説が教養になるのかと思ってよく見たら見覚えのある著者名、何かを訴えられているような気がしたのを覚えている。奇妙な経緯で今村翔吾を知った珍しい人間だと思う。
当時はたしか、歴史小説については司馬遼太郎の『項羽と劉邦』を通ったばかりで、文字情報としてしか知らない点在した過去を、ある程度一続きの出来事として追体験できたことが面白かった覚えがある。
その体験も手伝い、今村翔吾は歴史小説を読む沼へと私を引き込むことに見事成功したのだ。近近の”買った“はこの著書で紹介された書籍を多分に含む。
最も共感した部分は、日本人なのに日本の歴史に疎いのは如何なものかという視点、過去の出来事を一般化・抽象化することで現代にも通用する思考や道理を学べること、語彙が鍛えられること、旅行がさらに面白くなることである。
時間対効果などが尤もらしく騒ぎ立てられる現代こそ、生涯に亘る財産となりうる読書と教養に時間を使うことが、最も時間対効果が好いのではないかと彼は言う。同意である。
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