墨龍賦

墨龍賦

730円 (税込)

3pt

3.8

建仁寺の「雲龍図」を描いたことで知られる海北友松(かいほう・ゆうしょう)は遅咲きの絵師だが、山水図屏風、竹林七賢図、花卉図屏風、寒山拾得・三酸図屏風など、すばらしい作品を遺している。しかしそこに至る道は、決して平坦ではなかった。近江の浅井家に仕えていた実家・海北家が滅亡。武士に戻りたくとも戻れず、葛藤を抱きつつ絵師の道を選び取った友松は、明智光秀の片腕・斎藤利三と出会い、友情を育んでいく。その利三が仕える光秀が信長に叛旗を翻す。本能寺の変――。しかしその天下は長く続かなかった。利三の運命は……。武人の魂を捨てきれなかった友松は、そのとき何を考え、どんな行動をしたのか。苦悩の末、晩年にその才能を花開かせ、安土・桃山時代の巨匠・狩野永徳と並び称されるまでになった男の生涯を描く傑作歴史小説。著者・葉室麟が、デビュー前から書きたかった人物を、円熟の筆で描き上げている。解説は、作家の澤田瞳子氏。

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墨龍賦 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年09月25日

    海北友松の若年時代をメインに描いた作品。彼の名前と代表作の「山水図屏風」は知っていたが、彼が大器晩成型の画家だったこと、表紙の「雲龍図」は知らなかった。
     
    澤田瞳子さんの解説にもある通り、本作は武士に戻りたくてたまらない友松が人生の目標に悩み続けた結果、絵に全てをかける思いに至る過程を描いていく叙...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年04月29日

    絵師海北友松が主人公の小説だから美術小説かとの予測は、いい意味であっけなく覆った。
    兄により仏門に入れさせられた友松が、武門に還俗することを願いながら絵の道を選択する。
    その過程で出会う狩野永徳や安国寺恵瓊それに斎藤内蔵助との交流により、時代に深くかかわって行く。
    世間から嘲られようと、人として美し...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2020年07月04日

    この本が上梓されてから10ヶ月後に亡くなられた葉室さん。
    端正な語り口が好きです。
    本作では明智光秀が好人物として描かれています。
    2020年の大河ドラマがコロナウイルス対策の為中断しているなかで複数の視点から明智光秀と主人公、海北友松を考えるのも良いかも知れません。

    0

    Posted by ブクログ 2022年03月30日

    2022.3.30完了
    武将でない人の視点はおもしろい。
    きっとこんな人もいたろうなと考えさせられる。
    葉室氏らしい読み易さもあって’良い’。

    0

    Posted by ブクログ 2022年01月22日

    安土桃山時代の物語
    実在の人物で建仁寺の「雲龍図」を描いた海北友松の生涯の物語。
    その「雲龍図」は知っていましたが、作者のひととなりは知りませんでした。
    これまた、どこまでが史実なのか分かりませんが、特に後半部分はワクワク楽しめました。

    ストーリとしては、
    武士の家に生まれながら仏門に入ることにな...続きを読む

    0

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