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中国の漢の時代、長安の知事と警察長官を兼ねる「京兆尹」という役職があった。謀反を未然に防いだ功によって抜擢された「不疑」は、厳格でありつつも慈悲を忘れず、辣腕と名高い。ある日、天子にしか許されない黄色の隊列を率いた謎の男が宮廷を訪れた。男が反乱によって殺されたはずの皇太子を名乗ったことで、宮廷は混乱の渦に巻き込まれる。書籍化初の中編「不疑」をはじめ、葉室麟が遺した渾身の作品、全6編を収録。
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Posted by ブクログ
著者が早逝して早や7年。 しかし、いまだに初書籍化作品が読めるというのは、読者冥利に尽きる。 しかも、短編傑作選という本書は登場人物がバラエティに富んでいて、時代小説の楽しみが味わえる。 『鬼火』は、新撰組の沖田総司。 『鬼の影』は、忠臣蔵の大石内蔵助。 『ダミアン長政』は、黒田如水の息子黒田長政。...続きを読む 『魔王の星』は、織田信長。 『女人入眼』は、北条政子。 表題作の『不疑』は、なんと前漢中国の雋不疑。 時代も古代中国から戦国時代そして幕末へと、歴史を駆け巡るかのよう。 著者の未書籍化作品は、まだあるのだろうか。
短編それぞれが 力強い作品。ラストの不疑は中国の漢の時代の話。葉室さんが亡くなった後に見つかった話だそう、、、
葉室麟の未発表作品「不疑」を含む、短編集。全六作品だが、「不疑」が一番良かった。と思うと共に、ここからの作品が読めなかったことを本当に残念に思う。
葉室麟さんの作品は、北国の厳しい環境の中で耐えて生きる武士の姿をイメージするけれど、それだけじゃない、凄く広大な世界があるのだと思う。
沖田総司は、幼少期に浪人に辱めを受け、その辱めを雪ぐために、試衛館に入り武術を身につけたという設定。 新選組では、隊組織内では敵である芹沢鴨に気に入られる。近藤や土方からは見張りに丁度よいとされるが、芹沢鴨暗殺の時には、一緒にいた妾に嫉妬心を抱く。 大石内蔵助は、赤穂藩筆頭家老。藩主浅野内匠頭は、...続きを読む勅使饗応役として江戸で任務にあたるが、松の廊下で刃傷におよび即日切腹になる。 仇討ちをすぐにでもしたい、堀部安兵衛を筆頭にしたグループに、お家再興を願う穏健派内蔵助は襲撃を受ける。 信頼する家臣小野寺十内に、安兵衛の扱いを相談する内蔵助は、安兵衛暗殺を企てる、腕のたつ安兵衛を剣で勝つことは難しいと、十内は、毒殺用の薬を用意する。しかし、やわらかなる心を忘れないようにと。 毒入り茶を用意し、安兵衛と対したが、内蔵助の武士らしさを知り、思いとどまるが、実は十内が用意したのは毒ではないと、その茶を飲み干す。 その後再度安兵衛の名を語り、内蔵助を暗殺しに来たのは、実は吉良の縁者のものだった。内蔵助は、何人もの剣客と対するが、安兵衛や不破数右衛門の助けで難を逃れる。この後、決断を固くし、討ち入りを決行する。 黒田長政は、父如水から智謀に長けたものは、誰からも信頼を得られないから、猛将になれと言われ育った。 関ヶ原の戦いの時には、家康が最も警戒する福島正則を味方にいれたり、毛利両川を説き伏せたりと、その智謀を存分に発揮していた。 それは、実は仲が悪いとされていた石田三成の真意(卒啄同時)を汲み取っての活躍であった。 蒲生忠三郎は、信長の娘冬姫を嫁としていた。 忠三郎は、星を見るのが好きで、彗星のことをオルガンティノが連れてきた、天文に詳しいティコ・ブラーエに質問する。また、アモーレというキリスト教の言葉に心酔し、キリシタンに興味を抱くようになる。やがて、謀反で有岡城に立て籠もった、荒木村重と寄騎高山右近を攻撃する信長は、南蛮寺の宣教師を磔にし、キリシタンの右近を屈服させようとする。それに対し、忠三郎も信長に意見をし、怒りをかう。 北条政子は、実朝に子がおらず、朝廷と仲の良い実朝の跡継ぎを親王宮将軍をたてるべく京にのぼる。対応したのは、卿の局こと藤原兼子。鎌倉への帰り道、政子は昔夫頼朝とともに朝廷への関係を強化させるために、娘大姫を後鳥羽帝の后へと考え、上洛を果たしたことを思い出す。しかし、朝廷側は野蛮な東国武士の娘を嫁になどしたくはなく、大姫に冷たくあたる。大姫は、心も体も病み、鎌倉に帰るが、亡くなってしまう。政子は、その後西方に恨みを抱く。 その後も、頼朝は落馬が元で亡くなり、息子2人は将軍になるが、自らの父の時政の策で頼家は出家後暗殺され、実朝も頼家の息子公暁に暗殺される。 親族間の争いの中で、生涯を生き抜き、争いが起こらないためにも、親王(実際は、藤原氏貴族から)を将軍に置きたいという考えを貫く。自分の意思を継ぐ、鞠子(頼家の娘)にその後の鎌倉を託す。 雋不疑は、中国漢の時代、京兆尹という知事兼警察長官の役割をになう役人であった。 武帝の死後、昭帝が即位した時に斎王の孫が反乱を起こし、これを鎮圧した功で京兆尹に抜擢された。 そんな折、9年前に死去したはずの武帝の長子衛太子が現れる。 不疑は、この衛太子が本物かどうかを解き明かす任務を任される。 すべて主人公の、ある一部分を切り抜いたに短い文の中に凝縮した内容は、フィクションではあるだろうけど、本当にこうだったんじゃないかと思わせるようで、どんどん読み進められるように仕上がっているのが、さすが葉室氏だと思いました。 特に、北条政子の話は大河ドラマを思い起こさせてくれました。名作です。
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