中央公論新社作品一覧

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  • 見果てぬ夢 満州国外史
    3.0
    満洲国の実力者「二キ三スケ」の一角を占め、国務院総務長官を務めた大蔵官僚による率直な回顧録。 一九三二年の建国に際し、新たな通貨や租税制度をどう作ったか。 「満洲五カ年計画」をどのように実行したか――。 執政溥儀、高橋是清、東條英機、岸信介らの人物描写も興味深い、貴重な証言。
  • 空の王
    3.0
    1巻1,375円 (税込)
    昭和11年夏。新聞社の飛行士・鷲尾順之介、満州国奉天の町で、謎めいた美女・宋麗林の命を助けた。 一方、関東軍参謀本部の梶清剛大尉たちは極秘計画を進めていた。 そして、運命の糸が絡み始める――。 行方不明機を発見した順之介は、突如現れた梶に銃を突きつけられ、内蒙古から「荷物」を空輸しろと命令される。 そこには麗林の姿が……。 航空冒険小説の傑作!
  • 能を考える
    3.0
    「判官びいき」とは?「翁」とは誰か?  谷崎、折口、和辻、柳田などの研究を手掛かりに能に潜む精神性をみつめ直し、世阿弥の企図や芸能の原点・伝承について新たな視点で問い直す。
  • 植物の〈見かけ〉はどう決まる
    3.0
    花の色、葉の形、茎の長さなど植物の「見かけ」はどのように作られているのか。種の多様性はどうして生まれるのか。 「遺伝子による制御」という視点から、疑問が解明されつつある。 その鍵を握るのが、突然変異体の研究である。 栽培品種作出にも重要なこの研究は、新材料アラビドプシス(和名シロイヌナズナ)を得て世界的ネットワークへと拡大した。 野外研究とバイオテクノロジーの融合が生んだ遺伝子解析最前線の息吹を生き生きと伝える。
  • 桜島・狂い凧 兵隊小説集Ⅰ
    3.0
    1~2巻1,760円 (税込)
    自身の戦争体験を通して人間心理を追求し、鋭敏な感性で作品に昇華した梅崎春生。戦後派を代表する著者の戦争を描いた主要作品を収める小説集(全二巻)。第Ⅰ巻は、敗戦直後に書き上げた出世作「桜島」、芸術選奨文部大臣賞受賞作「狂い凧」を含む十七篇と、関連エッセイを収める。〈解説〉真鍋元之/日和聡子 目次 桜  島 水兵帽の話 万  吉 蟹 年  齢 眼鏡の話 埋  葬 崖 ある失踪 演習旅行 山伏兵長 生  活 無名颱風 上里班長 歯 赤い駱駝 狂い凧 巻末エッセイ 『桜島』あとがき 『桜島』のこと 八年振りに訪ねる――桜島 『桜島』――「気宇壮大」なあとがき 解説Ⅰ真鍋元之 解説Ⅱ日和聡子
  • 古代農民忍羽を訪ねて 奈良時代東国人の暮らしと社会
    3.0
    「フーテンの寅さん」で有名な葛飾の柴又は、奈良時代は下総国葛飾郡大嶋郷嶋俣里に属した。 正倉院に残っている養老五年(721)の戸籍によれば、この地は孔王部忍羽(あなほべのおしは)とその一族が住んでいた。 都から遠く離れた東国の地で忍羽を始めとする庶民の大地に根付いた暮らしと社会はいかなるものだったのか。 探求心に後押しされた著者は時間を越えて忍羽の元を訪れる。 そこには自然の中で実直に生きる人びとがいた。 目次 第1章 孔王部忍羽の古里(古代葛飾の世界;大嶋郷戸籍の世界;大嶋郷逍遙) 第2章 子供の頃の記憶—遊びと労働(忍羽生まれる—お産の周辺;遊ぶ少年忍羽;村から国へ) 第3章 忍羽、生きていく(揺れる青春を走る;忍羽、結婚の祝い;日々の暮らし ほか) 終章 忍羽、信仰世界に入る
  • よみがえる文字と呪術の帝国 古代殷周王朝の素顔
    3.0
    いまから120年程前、ふとした偶然から甲骨文が発見された。 これを機に研究が劇的に進み、殷・周の国の姿がうっすらと立ち現れてきた。 ところが解読の過程で、重大な誤りがまぎれこんでしまった。 正されたと信じられた古代史像にも歪みが生じた。 古代中国の年代矛盾を全面的・系統的に解決した著者は、天文学や数学的手法をも駆使して、厚いヴェールに覆われた殷周王朝の素顔に迫る。 いま明かされる真実とは――。 目次 はしがき 第1章 文字と呪術の時代 夏・殷・周三代 殷王朝の国家構造 周代の暦 散氏盤の年代と製作の経緯 第2章 殷滅亡の年代  周が殷を滅ぼした年代  前1023年克殷の史料  伐殷から克殷へ  『国語』の木星記事  再度『竹書紀年』を考える 第3章 霊的威圧による支配から官僚による支配へ  周の東遷  春秋時代の覇権  盟書の出現  律の登場と中央意識  文字と呪術の帝国 余話 あとがき
  • 書とはどういう芸術か 増補版 筆蝕の美学
    3.0
    書は紙と筆と墨の芸術である。墨跡には深度・速度・角度と力が秘められている。 書の美は草書体に萌芽し、楷書体とその基本運筆「三折法」の成立により完成したが、そこには石と紙の争闘史があった。 筆と紙の接点に生じる力(筆蝕)こそ書の美の核心で、文字でなく言葉を書くところに書の価値はある。 甲骨文から前衛書道までを読み解き、書の表現を歴史的、構造的に解明したロングセラーに、新章「現代の作家の書」を収録。 ■本書の目次 増補版発刊にあたって はじめに 序章 書はどのようなものと考えられてきたか 「書は美術ならず」論争/「書は文字の美的工夫」/「書は文字の美術」/「書は線の美」/「書は人なり」/その他の書論/従来の書論を超えて/書は筆跡、書字跡である/書は肉筆である 第一章 書は筆蝕の芸術である―書の美はどのような構造で成立するか 肉筆と筆蝕/筆蝕とは何か/書は「深度」の芸術である/書は「速度」の芸術である/書は「角度」の芸術である/深度と速度と角度のからみ合い/書は「力」の芸術である/構成 第二章 書は紙・筆・墨の芸術である―書の美の価値はなぜ生じるのか 紙・筆・墨の前史/抽象的表現空間、「白紙」の発見/抽象的刻具、毛筆の発見/楷書体の成立/抽象的刻り跡、墨の発見/紙が石に勝利する条件/草書体、行書体、楷書体/三折法の逆襲/つながる草書、狂草/顔真卿「顔勤礼碑」の意味/黄庭堅「李太白憶旧遊詩巻」の 革命/書の芸術性の根拠 第三章 書は言葉の芸術である―書は何を表現するのか 書は漢字文明圏の芸術である/日本の書と中国の書/日本の書と背景/書は文学である 第四章 書は現在の芸術でありうるだろうか―書の再生について 書の近代/現代の書/近代詩文書/伝統書道の変貌/素人の書/書の再生 第五章 現代の作家の書 戦後の書の語られ方/作家たちの書をどう見るか/岡本かの子の書/川端康成の書/松本清張の書/三島由紀夫の書/中上健次の書 あとがき 増補版あとがき 図版出典
  • 名医に聞く健康法
    3.0
    〈専門医の最新知見〉と〈私の健康法〉  和田秀樹、小林弘幸、浦上克哉、坪田聡、能勢博、小川郁ほか  スーパードクター17名が解説 予防医療や健康術が世の中にあふれていますが、 何をどう選ぶのが正解でしょうか。 この本では17人の医師が 専門領域の最新知見と有益な健康情報を解説します。 「認知症」や「がん」など生活に影響する病気、 「筋力低下」「不眠」「聞こえ」「メンタルの不調」など 中高年が気になる症状を医療記事に定評のある『婦人公論』から厳選。 さらに医師自身の〈私の健康法〉は書籍オリジナル。 専門医ならではの知恵ある健康習慣を披露します。 長生きを支えるヒントを凝縮した一冊。 ◆「認知症」「老人性うつ」初期症状は似ている ◆よく噛むと自律神経が安定  ◆高血圧に10歳若返る速歩き ◆腰ひざ痛前屈みスマホ姿勢が原因 ◆70代は5割が難聴。衰えは30代から ◆朝までぐっすり眠れる脳冷まし ◆100歳で元気な人真面目でハデ好き  ◆歯周病ケアで糖尿病リスク減 ◆免疫力を高めるネバネバ成分  ◆動脈硬化引き金は腸の腐敗ガス  ◆運動習慣で緑内障リスク5割減  ◆顔は洗うな泡を置くだけでいい ◆大人アレルギー疲労やストレスでも発症 ◆誤嚥性肺炎を防ぐ歯ぐきマッサージ
  • 60代、変えていいコト、変えたくないモノ
    3.0
    鍋が重たい、本の字が読めない。 少し前までできていたことができない 。困りごともいろいろ起きる。振り込め詐欺、通信トラブル、そしてまさかの感染症。 とまどう中で気づきます。 昔と同じやり方が今の自分の最適解とは限らない。 変えていいコトと変えたくないモノがつかめたら、よりよい60代を送れそう。 単行本『ふつうでない時をふつうに生きる』を改題
  • 漱石が見た物理学
    3.0
    漱石の生きた半世紀(1867-1916)は、X線、電子が発見され、量子論が誕生し、特殊相対性理論が発表されるなど、古典物理学から現代物理学へと移行する激動の時代であった。 理科が得意で、自らも建築家志望であった漱石は、寺田寅彦と科学談義を楽しみ、作品にも最新の話題が登場している。 本書は文学者漱石の旺盛な好奇心に従って、熱、光、量子、時間と空間について物理学発展のあとを辿り、乖離する文科と理科の交流を目指す。 ■□■目次■□■ 序章 漱石と物理学―文科と理科の交流 1章 古典物理学の完成―激動の嵐の前 2章 新しい自然観の台頭―19世紀から20世紀への転換 3章 量子仮説の提唱―人間からの離脱 4章 量子力学の誕生―極微の世界に向けて 5章 相対性理論の誕生―時空概念の変革 終章 再び漱石と物理学―文学の中の“自然法則”
  • ミミのこと 他二篇
    3.0
    あの夜、ミミはどこからはいりこんできたんだろう――。 パンパン狩りから逃げてきた耳の不自由な女性との純愛「ミミのこと」。 戦災孤児を集めて暮らす「浪曲師朝日丸の話」。 上記の直木賞受賞作に候補作「自動巻時計の一日」を併せて収める。 戦後の混乱期を生きる人々を、鋭くも温かい筆致で描いた全三篇を一冊にした初の作品集。〈解説〉滝口悠生
  • ブラック・ムーン
    3.0
    1巻1,100円 (税込)
    「百舌」シリーズの逢坂剛が放つ、 至高のエンターテインメント、ついに完結! 新選組副長・土方歳三は箱館で落命した――はずだった。 頭部に被弾し記憶を失った土方は、内藤隼人と名を変え、 彼を慕う時枝ゆらとともにアメリカ西部へと渡る。 隼人は自らの命を狙う元新撰組隊士・高脇との 決闘の末、谷底に落下した。 瀕死の隼人を救ったのはトウオムア(黒い月)と名乗る謎の女性。彼女の目的は一体? そして隼人の行方不明により、ゆら、ピンキー、ボナーらにも、 大きな転機が訪れる。 サムライたちの旅路は、ついに終着点へ! 書き下ろし短篇「死者の手札」を特別収録。
  • 神道とは何か 増補版 神と仏の日本史
    3.0
    日本〈固有〉の民族宗教といわれる神道はどのように生まれ、その思想はいかに形成されたか。 明治維新による神仏分離・廃仏毀釈以前、日本は千年以上にわたる神仏習合の時代だった。 本書は両部・伊勢神道を生みだした中世を中心に、古代から近世にいたる過程を丹念にたどる。 近代の再編以前の神をめぐる信仰と、仏教などとの交流から浮かび上がる新しい神道の姿とは。 補論「神道と天皇」を収録し、新たに補注を加えた増補版。 序 章 「神道」の近代 第一章 神と仏 1日本の神 2神と仏との出会い 3神仏習合の発生 4本地垂迹説の形成 第二章 中世神道の展開 1中世神道説の濫觴 2中世神道説の形成と展開 3鎌倉仏教と中世神道 4神観念の中世的変容 第三章 新しき神々 1人神信仰と御霊信仰 2人神信仰の展開 3渡来神と習合神 4女神信仰の展開 第四章 国土観と神話 1国土観の変遷 2中世神話と中世日本紀 3中世神話の諸相 第五章 近世神道へ 1吉田神道 2天道思想とキリスト教 3近世神道の諸相 4国学への道 終 章 「神道」の成立 補 論 神道と天皇 補注 あとがき 増補版 あとがき 参考文献
  • がんを病む人、癒す人 あたたかな医療へ
    3.0
    「あなたは癌です」と告知される時代になった。 診断や治療方法の進歩で、かつて恐れられた癌もはるかに治りやすくなった。 しかし、技術が進めば進むほど、最先端の機器に囲まれた患者は、医療者のあたたかさを求めている。 癌治療の最前線で、医学教育の現場で、いま何が必要なのだろう。真のクオリティー・オブ・ライフとは何だろう。 医療する側と受ける側へのきめこまかな聞き書きから、21世紀の医療を問う。
  • シャネル 人生を語る
    3.0
    孤高の少女時代からモード帝国を築くまでが、自身の肉声により甦る。清新な全訳と綿密な注釈により恋愛遍歴や交友録が明らかに。唯一の回想録。
  • たまごだいすき
    3.0
    ※以下の作品は、『たまごだいすき』(電子版)には収録されておりません。 『たまごだいすき』(中公文庫)にのみ収録されていますのでご了承ください。  ・「フライパン問題と目玉焼き」江國香織  ・「親子の味の親子丼」東海林さだお  ・「卵焼きキムパプ」平松洋子 生卵は、王様みたいだった――西加奈子 ありふれているようで唯一無二の食材、たまご!  思い出の料理、忘れられない記憶、その姿が訴えかけてくる謎など、 多種多様なエッセイを読めば、 もっとたまごが好きになるはず。 ■電子版収録作品 「卵」辰巳芳子 「玉子」高山なおみ 「極道すきやき」宇野千代 「プレーンオムレツ」阿川佐和子 「おうい卵やあい」色川武大 「ピータンのタン」新井一二三 「未観光京都」「続・卵焼きサンド」「卵サンド、その後のその後」「たどり着いたほんものの味!」角田光代 「幸福の月見うどん」稲田俊輔 「卵料理さまざま」阿川弘之 「鏡タマゴのクレープ」「神父さんのオムレツ」「タイの焼きタマゴ」玉村豊男 「残り物の白身を使ってフリアンを」甘糟幸子 「温泉玉子の冒険」嵐山光三郎 「たまごを数式で表した偉人たち」小林真作 「冷凍食品の話」西村淳 「たまごシールとわたし」ひらいめぐみ 「卵酒」小泉武夫 「ゆで卵」鎌田實 「ジャンクスイーツの旅」「迷路の卵」若菜晃子 「塗り椀の卵 微妙に重い」片岡義男 「オフ・ア・ラ・コック・ファンタスティーク―空想半熟卵―」森於菟 「鶏卵」矢野誠一 「ねェねェ私のこと好き?」佐野洋子 「茹玉子」水野正夫 「スポーツマンの猫」堀江敏幸 「やんなった」千早茜 「ゆでたまご」向田邦子 「カイロの卵かけごはん」西加奈子
  • 後水尾天皇
    3.0
    朝幕対立の時代に即位した青年天皇は、徳川和子を妃に迎え学問と芸道を究める。 幕府の莫大な資金を引き出しながら宮中の諸儀式を復させ、修学院離宮を造営する。 〈葵〉の権力から〈菊〉の威厳を巧みに守りつつ、自ら宮中サロンを主宰。池坊専好、千宗旦、本阿弥光悦らを輩出した、雅と風流の寛永文化を花開かせた帝の、波瀾の生涯を描く評伝の決定版!
  • 聖母
    3.0
    知性と美貌に恵まれた女教祖は、容赦ない制裁で村の秩序を保っていたが、愛憎劇の渦中に。歪んだ愛は狂気と化し、凄惨な結末を迎える。 ドゥルーズが絶賛したマゾッホの知られざる傑作を初邦訳。
  • 尖閣喪失
    3.0
    中国・台湾が領有権を主張する尖閣諸島。 中国が実力行使に出た時、日本は……。 政治的影響を睨みつつ展開される水面下での熾烈な駆け引きと日中の軍事作戦の行方を、迫真の筆致で描く。 C★NOVELS版には著者あとがきと、安田忠幸氏の描き下ろし挿画入り。
  • 松本人志とお笑いとテレビ
    3.0
    松本人志は、なぜ30年近くにわたってトップに立ち続けていたのか。そして「ポスト松本」時代のお笑いとテレビは、どう変わるのか。
  • 荒地/文化の定義のための覚書
    3.0
    「四月はいちばん無情な月」で始まる長篇詩「荒地」と代表的な文化論の定評ある名訳を一冊にし、巻末に深瀬基寛の評論「エリオットの人と思想」を収めた充実の決定版。 《古典名訳再発見》第5弾。解説・阿部公彦 【目次】    荒 地 Ⅰ 死者の埋葬  Ⅱ チェス遊び  Ⅲ 劫火の説教  Ⅳ 水死  Ⅴ 雷の曰く 「荒地」自註  文化の定義のための覚書 第1章 「カルチュア」の三つの意味 第2章 階級と「エリット」 第3章 統一性と多様性:地域 第4章 統一性と多様性:宗派と祭式 第5章 文化と政治についての一つの覚書 第6章 教育と文化についての覚書一束及び結語 附 録 ヨーロッパ文化の統一性  エリオットの人と思想(深瀬基寛)
  • 世界史の叡智 勇気、寛容、先見性の51人に学ぶ
    3.0
    古代ローマには、人はいかに考え、ふるまうべきかを示す規範が存在した。 この「父祖の遺風」に沿って我が子を教育することは、ローマの人々、とりわけ貴族階層の父親にとって何より重要だった。 古代史家である著者は、父祖の遺風を重んじたローマ人にならい、歴史をひもといて古今東西の事例を渉猟。 古代エジプトのファラオから戦後日本の国民的スターまで、現代の日本人が知っておきたい五一人の生涯と事績を紹介する。
  • 懐かしい未来 甦る明治・大正・昭和の未来小説
    3.0
    1巻1,980円 (税込)
    1、夢の月世界旅行(「月世界跋渉記」江見水蔭、「月世界競争探検」押川春浪) 2、いつも世界は滅亡する(「太陽系統の滅亡」木村小舟、「超α線とQ家」南沢十七)3、革命的に実現する理想社会(「下女の時代」生方敏郎、「建設義勇軍」宮野周一)4、完全無欠の医学神話(「人工心臓」小酒井不木、「人間の卵」高田義一郎)5、全知全能のロボット伝説(「人造恋愛」蘭郁二郎、「ロボットとベッドの重量」直木三十五)6、幻想は未来を造る(「夜のロマンツェ」中谷栄一、)7、摩訶不思議な発明(「地軸作戦」海野十三、「試薬第六〇七号」竹村猛児)α
  • 公安調査庁秘録 日本列島に延びる中露朝の核の影
    3.0
    日本列島周辺に音もなく忍び寄る危局。東アジアの深層で生起する異変をいち早く察知するべく動く情報機関、これが公安調査庁だ。中露朝が核戦力を背景に日本を窺う実態を、現職のインテリジェンス・オフィサーが初めて実名で明らかにする。ウクライナとパレスチナ、二つの戦争に超大国アメリカが足を絡めとられる間隙を衝き、中露朝は攻勢に転じた! 日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す現状に警鐘を鳴らす。【解説・佐藤優】 ■中露朝が接する危険な「三角地帯」の現在 ■ロシアに渡った北朝鮮のミサイル ■北朝鮮とイスラエルとの極秘交渉 ■核・ミサイルの資金源を追え! ■カジノを使った資金洗浄の手口 ■標的は暗号資産
  • 美食の歓び
    3.0
    ある時は料理の起源を、ある時はユゴー、バルザックなど食通の逸話を、又はカレーム、サヴァランの想い出話を…。料理芸術に纏わる奇観と変哲のエッセイ。 今と昔の女性美食家 立体派料理 コニャック讃歌 隠れた偉人 パリの食通クラブ 大衆とスープ カニバリズム じゃがいものスフレの奇蹟 誇り高きマレンゴ風若鶏 牡蠣 百年前のレストラン 辛辣な料理批評家グリモ・ド・ラ・レニエール  ブリヤ・サヴァラン  フォア・グラとトリュフについて  音楽と美食術  パルマンテイエの伝説  精進料理  殺人的爆発料理 ルイ。フイリツプとご馳走 料理建築家アントナン・カレーム 演劇と美食術 食通の決聞 食通バルザック 主顕節 昔の観光客と美食家 フォークと皿 最初の「食味旅行家」
  • 天平の三姉妹 聖武皇女の矜持と悲劇
    3.0
    聖武天皇には三人の娘がいた。 生涯不婚を定められ、孝謙天皇(重祚して称徳天皇)となって権力を振るった阿倍内親王。 光仁天皇の皇后でありながら、夫を呪詛したとして大逆罪に処された井上内親王。 恵美押勝の乱に加わった夫を失った後、息子たちの謀反に連坐、流罪とされて没年すら伝わらない不破内親王。 凄惨な宮廷闘争の背景にあったのは何か―。 皇位継承の安定のために人生を翻弄された、三人の皇女の物語。
  • 占領神話の崩壊
    3.0
    日本の敗戦前後、あまたの公文書が焼却されたと言われている。しかし、決裁文書などを除く多くが「私文書」として個人の手許に残されていた。これらの資料を、占領期に積極的に収集したのが、フーヴァー研究所東京オフィスであった。  フーヴァー研究所は、スタンフォード大学の第一期卒業生であった第31代米国大統領ハーバート・フーヴァーが1919年に設立した研究機関。戦後、フーヴァー自身、占領下の日本、ドイツに赴き、占領政策にコミットした。その一環として、資料収集計画があった。  駿河台の東京オフィスを拠点に、1945年11月から1951年3月まで、書籍・専門書・新聞などを含む1468箱が海路米国に持ち出された。これらの資料には、「GHQ直筆・日本国憲法の原文」「東京裁判の宣誓供述書」「関東軍特務機関の阿片政策」「日本共産党員の獄中手記」「特高警察の極秘史料」などの一次史料が多数含まれ、「フーヴァー・トレジャーズ」(Hoover Treasures)と呼ばれることになった。  本書は、こうして形成された「フーヴァー・トレジャーズ」から占領秘史にせまろうとするものである。そこで浮かび上がるのは、日本国憲法制定をめぐるGHQと吉田茂の取り引き、東京裁判における天皇免訴をめぐる暗闘、満洲国の財政を支えた阿片政策とそれを担った三菱・三井、日本国内での阿片栽培……などの新事実である。  戦後に改竄された「歴史の欺瞞」を炙り出す試みであり、『國破れてマッカーサー』の続編、発展版とも言える著作である。
  • 法王の牙 病院サスペンス集
    3.0
    黒岩重吾生誕100年企画。「病院」「医療」を背景にした作品は、直木賞受賞作『背徳のメス』(長篇ミステリ)に代表される、黒岩重吾の初期作品の真骨頂。著者自身の戦争体験、戦後の小児麻痺による闘病を色濃く投影し、社会の底辺から、病院に巣くう権力構造、愛憎、欲望、人間の業を描き出す。ミステリ寄りの作品であっても、人間を描くところに妙味があり、また、関西舞台の作品にも味わいがある。以下6篇を収録。「病葉の踊り」「深夜の競走」「法王の牙」「さ迷える魂」「造花の値段」「最後の踊り」
  • 中華文人食物語
    3.0
    東坡肉に宋代の詩人・蘇東坡の名前が冠されているのはなぜ? 中華料理の複雑な味わい、山海珍味の調理法には、歴史を彩る文人、皇帝、民衆たちのエピソードが秘められている。食と酒を愛する著者が、中国・日本の各所で口にしてきた美味佳肴とともに中華料理の奥深さを語るエッセイ。文庫化に際し「酒虫と消麺虫」他を増補。〈解説〉平松洋子
  • 軒猿の娘
    3.0
    大人気シリーズ「剣神」の岩室忍が描く、痛切なる忍びの世界! 「鶴、信長を殺せ」若き女忍び逆鶴に託されたのは、軍神上杉謙信の密命。密命を果たさねば死、それが加藤段蔵率いる忍び衆「軒猿」の掟であった。謙信の密書を携え京へ向かった逆鶴は、足利義昭、近衛前久らとの邂逅を経て、ついに織田信長への接触を果たすが……。本能寺の変前夜、明智光秀の蜂起を歴史の裏舞台から描く! 文庫書き下ろし 目次 対馬谷の鶴/仏の胸/将軍義昭/設楽ヶ原/お化け公家/蛇石/軍神の死/乱丸/逆鶴の愛/小猿の死/黒坊主/大天主/五郎山/珠光小茄子/三職推任/白雲寺/本能寺/嵯峨野 文庫書き下ろし
  • 尖閣有事 中国「戦狼外交」の行方
    3.0
    1巻2,090円 (税込)
    「尖閣有事」は必ずやって来る──。2023年3月、異例の3期目に突入し、強国・強軍的な「戦狼外交」を推し進める習近平政権。30年以上にわたって中国をウォッチしてきた著者は、遠くない時期に尖閣をめぐって有事が起きると予測する。日本を米国に従属する一部とみなし、「上から目線」の対日外交を進める中で、米中新冷戦の新局面という文脈からも、中国を脅威とするNATOに対する文脈からも、また東アジアの地政学の面からも、尖閣有事が差し迫った危機であることを論じると同時に、中国外交の今後を展望する。
  • ササッサ谷の怪 コナン・ドイル奇譚集
    3.0
    シャーロック・ホームズはここから始まった? 幻のデビュー作「ササッサ谷の怪」から、最後の小説となった「最後の手段」まで。探偵小説のみに留まらない希代のストーリーテラー、ドイルの魅力を再発見する名短篇全十四編を収録。〈解説〉北原尚彦
  • 蓼喰ふ虫
    3.0
    互いに愛人がいながら離婚にふみきれない中年夫婦の、一見おだやかな日常を古典への愛をとりまぜて描いた傑作。小出楢重の挿絵八十余点を完全収載。 〈解説〉千葉俊二〈註解〉明里千章 愛することは出来ない までも慰(なぐさ)み物には しなかつたつもりだ
  • ロシアとは何ものか 過去が貫く現在
    3.0
    ロシアは過去一〇〇年ほどのあいだに、帝政から共産党独裁へ、そして大統領制国家へと変転を遂げた。だが、ロシア史を貫く基本構造は同じである――。ロシア史を大づかみにとらえた上で、ロシア革命期の自由主義政党カデットや社会主義者最左派のボリシェビキの活動の実態から、プーチン政権の権力のあり方までを考察。そこに生きた人間の運命を通して、世界史の今後にとって大きな意味をもつ「ロシアとは何ものか」を見極める。
  • ブルックナー譚
    3.0
    泥臭い野心と権威への追従――。残念に生きたその人は、いかにして巨大かつ精緻な交響曲を生んだのか? 21世紀の今、多くの聴衆に支持され、時代と響き合うに至った作曲家の実像。その生涯から場面(エピソード)を小説化、事実記録(伝記)と組み合わせたハイブリッド評伝。【ブルックナー生誕200年記念企画】 *目次より 序 第一章 出生から教師時代まで(1824-1855) 第二章 リンツでの修業時代(1856-1868) 第三章 ヴィーンでの苦難の日々(1868-1878) 第四章 遅れに遅れた名声(1879-1889) 第五章 晩年(1890-1896) エピローグ 死後の名声 後記
  • ヴィジュアル版 沖縄文化論 忘れられた日本
    3.0
    身体全体がふくれあがるような日々だった。ふれるものすべてに問題を発見し、ぎりぎり集中して行った。――一九五九年に本島、久高島、宮古島、石垣島、竹富島、そして六六年に久高島を再訪。沖縄に恋をした芸術家が見た舞踊、歌、そして神事からの日本再発見。毎日出版文化賞受賞作。著者撮影による写真口絵六四ページを収録。 〈随筆〉岡本敏子 〈解説〉外間守善/赤坂憲雄 (目次より) 沖縄の肌ざわり 「何もないこと」の眩暈 八重山の悲歌 踊る島 神と木と石 ちゅらかさの伝統 結 語 増補 神々の島 久高島 本土復帰にあたって あとがき  「一つの恋」の証言者として岡本敏子  新版に寄せて 岡本太郎の『沖縄文化論』を読む外間守善  解説赤坂憲雄

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  • 戦後フランス思想 サルトル、カミュからバタイユまで
    3.0
    第二次世界大戦後、ナチ・ドイツから解放されたフランスの思想界には、時代を牽引する書き手が台頭した。サルトルを筆頭にカミュやボーヴォワール、メルロ=ポンティ、バタイユらが次々と作品を世に問い、論戦も繰り広げた。本書は、哲学と文学を架橋して展開された彼らの創作活動に着目。実存主義が世を席巻し、知識人や芸術家の政治的社会参加(アンガジュマン)が唱えられた時代の知的潮流は、何をもたらしたのか。その内実を描き出す。
  • うちゅういちの たかいたかい
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【書店員が選ぶ絵本新人賞2023特別賞】 ぼくは「たかいたかい」が大好き。お父さんはわが子のリクエストに応えて、腕を目一杯鍛えます。どんどん“たかく”なるお父さんの腕。ビルを越え、山を越え、ついには宇宙に飛び出す「たかいたかい」に立ち塞がるのは――巨大な隕石!
  • なぜ、無実の人が罪を認め、犯罪者が罰を免れるのか 壊れたアメリカの法制度
    3.0
    ◎もくじ 1 大量収容の弊害 2 なぜ無実の人々が罪を認めるのか 3 なぜ目撃者の証言はしばしば間違っているのか 4 死刑制度はなくなるのか? 5 科学捜査の誤りと未来 6 脳科学と法律―相容れない仲間たち 7 高い地位にある重役が訴追を免れる理由 8 司法の延期は正義の否定 9 法的監視の縮小 10 「テロとの戦い、の法との戦い 11 行政府に対する最高裁判所の不当な服従 12 裁判所をあてにしてはならない 13 法廷に立つ日は来ない   コーダ   謝辞   訳者解説   索引
  • 陽炎の旗 続・武王の門
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    南北合一前夜、男たちの宿運が火花を散らす! ロマンあふれるもう一つの北方太平記 いまや並ぶ者なき力を手にした三代将軍・義満。しかし、海からやってきたある男の出現で、風雲急を告げる。男は、九州に大きな旗を打ち立てた征西将軍・懐良親王の血を継ぐ水師。さらに世を忍び剣で生きる足利直冬の一子が絡んだことから、三つ巴の宿運が時代のうねりを巻き起こすことに……。『武王の門』次世代による南北朝統一をめぐる壮大なドラマ。
  • 老後の家がありません シングル女子は定年後どこに住む?
    3.0
    独身、57歳、現在フリーランスの元会社員。「悪条件」の私でも、 老後まで住み続けられる家は見つかるでしょうか。 賃貸物件は高齢だと借りられないというけれどホント? 購入するなら、ローン審査は通る? 通らない? 地方移住はリアルな選択?  元会社員、物件大好き、引っ越し魔のフリーライターが、 住み道楽の経験値をフルに活かして ひとり老後を楽しむための家を探します。 東京の物件事情や、買える物件価格の割り出し方、 シングル女性が家を買うとき・借りるときに 知っておきたいポイントも学べます。
  • ヤマトタケルの日本史 女になった英雄たち
    3.0
    1巻2,420円 (税込)
    英雄は勇ましく猛々しい・・ってホンマ? 本書は、日本の歴史、文化史をつらぬく「女になった英雄像」へ迫るものである。大日本帝国海軍にまで、女装の文化は伝えられていたという。著者のまなざしは現代の性別越境者にも向けられる。なぜ英雄は「美女」でないと困るのか? 文献史料や風俗画、古写真を博捜した著者が、日本人の隠れた精神性を描き出す。私たちのあこがれの正体をつきとめたいと本書に熱い気持ちを込める井上氏。優雅な文章に図版を収め、見て楽しい読んで学べる一冊にする。
  • 統帥権の独立 帝国日本「暴走」の実態
    3.0
    帝国陸海軍の作戦行動の指揮・決定権限である統帥権。天皇大権に属し、その「独立」は内閣からの干渉を阻止した。そのため満洲事変以降、陸軍の暴走をもたらした最大の要因とされてきた。しかし近年、通説の見直しが進む。明治政府はなぜ「独立」を必要としたのか。否定論者がいながら、なぜ「独立」は維持されたのか。海軍の役割とは。本書は、軍事の特殊専門意識に着目、明治からアジア・太平洋戦争敗北までの通史を描く。
  • 武王の門(上)
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    儂は九州をひとつの国にする ――読み継がれる北方歴史文学の原点 叡山を出て六年余、一三四二年のその日、後醍醐天皇の皇子にして十四歳の征西将軍・懐良は、ついに九州の地を踏む。 それは九州全土を南朝の旗の下に統べるという途轍もない戦いの始まりであった。 薩南で島津と対峙していた時、菊池武光という若者が訪ねてきたことから、 懐良の運命は加速する……。
  • 文豪と女 憧憬・嫉妬・熱情が渦巻く短編集
    3.0
    無垢な少女から妖艶な熟女まで一一。鴎外、花袋、荷風、漱石、谷崎、安吾、太宰たちが、憧れ、翻弄された女性たちを描く。女性は思春期を経て、恋愛・婚約・結婚に。悩みや荒みを抱えながら、やがては倦怠または不倫へと至ることも? 時代の変化に応じて、社会的自立や自覚が芽生えた主人公の生き様からは、近代日本の「女の一生」がみえてくる。 (収録作品) 森鴎外「杯」 田山花袋「少女病」 立原道造「白紙」 永井荷風「庭の夜露」 山川方夫「昼の花火 泉鏡花「雪の翼」 夏目漱石「硝子戸の中」 中島敦「下田の女」 谷崎潤一郎「青い花」 芥川龍之介「なぜソロモンはシバの女王とたった一度しか会わなかったか?」 高見順「強い女」 堀辰雄「辛夷の花」 坂口安吾「いずこへ」 久生十蘭「姦」 太宰治「葉桜と魔笛」
  • 漱石の読書と鑑賞
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    僕の門下生からこんな面白いものをかく人が出るかと思うと先生は顔色なし。――新刊の感想から、門下生の作品添削、雑誌への売り込みまで。漱石の書簡に現れる同時代文学評を、佐藤春夫が編年でまとめ、解説を付し、「書簡中に見る諸家作品選集」を編集する。 〈巻末付録〉エッセイ=内田百閒/漱石宛て書簡=芥川龍之介・久米正雄
  • ひとりは平気。だけど、君とは一緒にいたい
    3.0
    眠る前に読る一編で、毎日、幸せな夢を――。 ちゃんと仕事をして、好きなことにお金を使う。こんな日常に満足だけど、ふとした時、誰かと一緒にいる時間を想像したり……。 「そういえば、恋ってどんなものだっけ?」 無意識に呟いてしまった時、読んでほしい九編を集めました。 なくても困らないけど、あったらより楽しくなるときめき。 『5分でとろける恋物語 ときめきスイート編』改題
  • 毛沢東 革命と独裁の原点
    3.0
    1巻3,300円 (税込)
    習近平が統べる現代中国はなぜここまで強権的な独裁国家になったのか。それは、習近平が強烈に意識し、模倣してきた建国の父・毛沢東自身の躓きに由来するのだ。 毛沢東にとって共産主義は、究極の「選択」だった。しかし、たとえ「救国」のためであっても、民主主義の理想をかなぐり捨てて暴力革命を選んだツケを、中国は今日まで払い続けている。若き毛沢東が書いた手紙、新聞記事、論考および旧ソ連の史料等をもとに、中国共産主義の原点を説き明かし、現代中国が類を見ない独裁国家になった遠因を炙り出す。
  • 本の神話学 増補新版
    3.0
    あらゆる書物は見えない連関(ネットワーク)で結ばれている。その解読の驚きと愉しみ、秘術と実践。 自分だけの「知の見取り図」は、いつの時代も蔵書から生まれる。20世紀前半、人文知再編の震源地となったアビ・ワールブルクの研究所およびワイマール文化を発端に、本書自体が、文化人類学的思考を通じてオルタナティヴな精神史・思想史を発見するための架空ライブラリーとして展開する、著者の代表作。 美術、演劇、音楽、文学、宗教学、人類学……さまざまな文化/学問領域の隠れたネットワークを、おびただしい過去の書物をたぐりながら曼荼羅のように描き出す、みずみずしい驚きに満ちた知的アクロバット。 1970~80年代のニューアカデミズム・ブームを牽引し、後世に巨大なインパクトを与えた伝説の一冊にして、普遍的な知の技術を示し/実践した名著を凱旋復刊。 まさに「文庫の中の文庫」といえるコンパクトにして圧倒的な情報量が詰まったこの神話的迷宮は、21世紀の今も来る者すべてに開かれている。 巻末に、「図書館」に関する講演録・エッセイを新たに増補。 〈解説〉山本貴光 【目次】 第一章 二十世紀後半の知的起源 第二章 ユダヤ人の知的熱情 第三章 モーツァルトと「第三世界」 第四章 「社会科学」としての芸能 第五章 もう一つのルネサンス 補 遺 物語作者たち [新増補] 歴史と記憶(1995) 図書館との出遭い(2000) 解説 山本貴光
  • 何年、生きても
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    どこかで別れた大切な人を想うとき、相手もまた、あなたを想っているかもしれない。       ――宮島未奈(『成瀬は天下を取りにいく』) 磯貝美佐、39歳。妊活がうまくいかず、母親離れができない優柔不断な夫・要一郎との生活に見切りを付けるべく、家を出た。東京の下町・谷中の六畳一間で、アンティーク着物のネットショップ「蔦や」を一人で切り盛りしている。友人は、恋愛対象が男性の美しき骨董屋、関くんだけだ。 ある日美佐が実家の蔵を整理していると、箪笥に大切に仕舞われた、祖母・咲子のものにしては小さすぎる着物を見つける。そして、抽斗の二重底に隠されていた3冊のノートと、見たことのない美少女が写った古写真も……。 この少女はどこの誰で、咲子とはどのような関係だったのか? ノートを読み始めた美佐はやがて、着物と少女の謎を突き止めた。咲子の生涯を懸けた「思い」を知った美佐は、ある決断をする――。ベストセラー『妻の終活』の著者が贈る、永遠の「愛」の物語。 『花は散っても』改題。
  • 新装版 朱唇 中華妓女短篇集
    3.0
    莫迦にするんじゃあ、ないわよ――。金陵一と謳われた美妓の最期。血よりも濃い花街の絆。纏足をほどいた女の覚悟。唐から清へ、幾百年にわたる歴史の渦のなか、強く気高く自分の足で歩き続ける妓女たちの愛と矜持を描く全七篇。〈解説〉佐藤信弥 ◇目次 ・朱唇 ・背信 ・牙娘 ・玉面 ・歩歩金蓮 ・断腸 ・名手 ・新装版 あとがき ・解説 佐藤信弥
  • バロック美術 西洋文化の爛熟
    3.0
    西洋文化の頂点、バロック様式。17世紀を中心に花開いたバロックの建築・彫刻・絵画は、ルネサンス期の端正で調和のとれた古典主義に対し、豪華絢爛で躍動感あふれる表現を特徴とする。本書は、カラヴァッジョ、ルーベンス、ベルニーニ、ベラスケス、レンブラント、フェルメールらの代表的名作を網羅。美術史上の位置づけ、聖俗の権力がせめぎ合う時代背景など、バロック美術の本質を読み解く。カラー写真200点以上。
  • おどるでく 猫又伝奇集
    3.0
    1巻1,320円 (税込)
    室井光広とは誰だったのか? 誰でもない。宇宙を吹き渡るコトバの元気(げんき)、天籟(てんらい)だった。 ――辻原登 こんな凄い小説が書かれていたことに驚きました。 生きる悲しみが言葉の奥底に繋がっていることを知りました。 貪るように読みました。 ――町田康 カフカ、ボルヘス、ジョイスといった先達を読み/書くことを通して、日本という「辺境」から世界文学の最前線へ。詩と小説と批評の三位一体を追求した現代文学最高の精華が、ここに再生する――。 辻原登氏 町田康氏 多和田葉子氏 推薦! 表題作は第111回芥川賞(1994)を受賞しながらも、その余りに独特な内容と形態によって「はたしてこれは小説なのか?」と賛否両論を巻き起こした伝説の傑作。そのほか、著者の故郷・南会津を舞台にした関連作を「猫又」サーガとして初集成/初文庫化。 古今東西の博識を呼び込み、「言語」と「小説」そのものの謎を探究する室井光広の目眩くテクストによって、日本語文学は何を目指し、何を実現したのか。 遺作『エセ物語』へのイントロダクションともなる、まさに「室井入門」として最適な一冊。 今こそ、時代は室井光広に追いつくことができるか――? 【目次】 [本編] 猫又拾遺(1991) あんにゃ(1992) かなしがりや(1993) おどるでく(1994) 大字哀野(1994) 和らげ(1996)(初書籍化作品) [巻末資料] 単行本版あとがき(1994) 万葉仮名を論じて『フィネガンズ・ウェイク』に及ぶ(1994) インタビュー 室井光広氏と語る(1995) 巻末エッセイ=多和田葉子「海に向かえ山に向かえ言葉に向かえ」 解題=川口好美 《あらゆる翻訳は最終的に原作の行間にただようおどるでくを読者の心底にうつすことを目的とするといっていいだろう。そのうつし方は、病気をうつすようにしてなされる。私は再度キリシタン版の中にうつし方の現場をさがしにゆく。おどるでくをうつされるのを好む人は何よりも「写す」行為をいやがらないと露文氏はいっている。》――表題作より
  • 古事記誕生 「日本像」の源流を探る
    3.0
    今からちょうど千三百年前、『古事記』が誕生した。令の制定や平城京遷都など、古代日本の急速な近代化が進められるなかで、なぜこのような「時代に遅れた書」が作られたのか。縄文・弥生時代に遡る神話が、国家成立期にまで生き残ったのはなぜか。「記序」贋作説を検証しながら分析する。さらに、アメノイワヤト神話を例に、歌垣、酔っぱらい体質、銅鏡と鉄鏡の違いなど、多様な視点から新旧の層に区分けして解読する。
  • ゼッタイ! 芥川賞受賞宣言 ~新感覚文豪ゲームブック~
    3.0
    1巻1,980円 (税込)
    こりゃいける、と君は思う。君は自分が本気を出せば、近いうちに文学賞を獲れると確信する。いや、芥川賞も夢ではないと思う。君は芥川賞を獲って君の好きな女の子の神になり、いけすかないインテリ風読書家どもを圧倒し、彼女に愛を告白しようと決めた。(本文より) 君は、美人読書家を振り向かせるため、彼女が神の如く崇める芥川賞作家を目指すことにした――。 君の選択で運命が変わる。最短2ターンでゲームオーバー(!)。抱腹絶倒、死屍累々の新感覚文豪ゲームブック誕生!
  • 政治家 石橋湛山 見識ある「アマチュア」の信念
    3.0
    戦前日本を代表する自由主義者、言論人だった石橋は、戦後、活動の場を政界に移す。大蔵大臣、通産大臣などを歴任し、1956年には自民党総裁に当選、首相になるも、病気のため、65日で辞任した。石橋は、自らの政治理念を現実政治の中で実現できたのか。没後50年、その真価を問う。 目次より 第一章 政治家・石橋湛山の誕生 第二章 運命の七票――一九五六年の自民党総裁選 第三章 明暗を分けた閣僚人事 第四章 「私の政治的良心に従います」――65日間の内閣 第五章 日中国交正常化への努力 第六章 理想主義者から現実主義者への転回 終 章 晩年の石橋湛山
  • 日日雑記 新装版
    3.0
    十九年ともに暮らした愛猫の玉が死に、深沢七郎、大岡昇平ら友人たちを送った昭和最後の三年間。映画や食べ物、小旅行、富士山荘での暮らしなど、身辺のできごとや気持の照り降りを、簡潔で心に響く文章で綴った、著者最後のエッセイ集。 〈巻末エッセイ〉武田 花
  • 戦争とデータ―死者はいかに数値となったか
    3.0
    戦争全体の把握にはデータが肝要だ。特に死者数のデータは、戦争の規模、相手との優劣比較で最も説得力を持つ。ただ発表されるデータが正しいのかは常に疑念があるだろう。ウクライナ戦争での戦死者数についても、ウクライナ、ロシア双方から発表される数字は異なる。では、そうしたデータはどのように集められてきたのか。  戦場での死者数は、総力戦となった第1次世界大戦以降、国家による将兵だけの把握では難しくなり、赤十字国際委員会、国際連盟といった国際機関が介在していく。しかし第2次世界大戦後、特定地域での内戦・紛争・ゲリラ戦が頻発。政府側・反政府側で異なる数字が発表されていく。大国間対立で国連が機能不全に陥るなか、国際的な人道ネットワークが、先進各国や国連の支持を受け、死者数の調査・精査を行い発表していく。  本書では、特に1960年代以降のベトナム戦争、ビアフラ内戦、エルサルバドル内戦から、第3次中東戦争、イラン・イラク戦争、旧ユーゴ紛争、そして21世紀のシリア内戦、ウクライナ戦争を辿る。その過程で国際的な人道ネットワークが、統計学や法医学の知見を取り入れ、どのように戦争データを算出するようになったか、特に民間人死者数に注目する。また、データをめぐる人々の苦闘にも光を当てる。
  • 飼えたらすごい生きもの図鑑 家で飼ったら、どうなる?
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 犬や猫、小動物から昆虫、エキゾチックアニマルまで、日本ではたくさんの生きものを飼うことができます。しかし、どの生きものも飼うとなったら思いもよらない生態が見つかることも。飼う前に知っておいてほしい生きもののあれこれを1冊にまとめました! 本書では、60を超える生きものについて、飼うにあたってのポイントや生態を、ポップなイラストとわかりやすい文章で、楽しみながら教えます。食事や寿命、大きさなどの基礎知識も充実。監修は動物園の園長を務めた経験もある小宮輝之先生。子どもにもわかりやすく丁寧な解説で、親子で安心して楽しめます。全ての文字はルビ付きで、子どもだけでも読むことができます。【教養が身につく中央公論新社の児童書シリーズ】
  • じじぃは蜜の味
    3.0
    1巻1,650円 (税込)
    「年寄りは自分達しか味わえない快楽を隠しながら生きている」 人気バンド・チューリップを率いた財津和夫も今年七五歳。夜中トイレに起きるし、病気自慢もしたいけど、老人になった今なぜか“ワクワク血湧き肉躍る気分”。頭の悪い不良だった一〇代、田舎っぺのままデビューした20代も振り返りながら、年寄りになってこそ見える音楽と人生、“老い楽”の面白さを語るエッセイ集。
  • 所有とは何か ヒト・社会・資本主義の根源
    3.0
    本やスマホ、土地や家屋、雇用や資産。自分のモノとして持っていることが「所有」であり、衣食住や商品取引、資本主義の原点である。こんにちシェアやレンタルがあるのに、ヒトは所有せずにいられない。他方でヒトの自由を守る所有権が、富の偏在を生む元凶となっている。なぜだろうか? 経済学や社会学、人類学の最新知見をふまえ、所有(権)の謎をひもとき、人間の本性や社会の成立過程、資本主義の矛盾を捉えなおす意欲作。
  • 「般若心経」を読む
    3.0
    人はなぜ「生」に執着し「色」に執着するのか。幼少時代の誦読と棚経を回想、一休和尚や正眼国師(盤珪禅師)の訳や解釈を学び直し、原点から人間の性を見つめ直す。色と欲に煩悶した日々を顧み、生き身のありがたさ、女性は弥勒菩薩など独自の境地に辿り着く。愚かさを見すえ、人間の真実に迫る水上版「色即是空」。<解説>高橋孝次 「般若心経」全文 序 章 「まかはんにゃはらみたしんぎょう」 第一章 漢字「般若心経」にめぐりあう 第二章 正眼国師の『心経抄』と私 第三章 一切は「空」である 第四章 私版「色即是空」の世界 第五章 一休における「色即是空」の世界 第六章 死して百日紅や椿の花となる 第七章 不浄を美しいと思うときもある 第八章 六根・六塵の本体は無である 第九章 無明とは何か 第十章 四苦八苦を成敗するには 第十一章 のたうちまわって生きるしかない
  • ぼくのミステリ・マップ 推理評論・エッセイ集成
    3.0
    一篇の詩を生むためには、 我々はいとしいものを殺さなければならない これは死者を甦らせるただひとつの道であり、 われわれはその道を行かなければならない ――(「四千の日と夜」より) 『荒地』同人として鮎川信夫らとともに日本の戦後詩をリードした国際的詩人にして、早川書房の初期編集長兼翻訳者として海外ミステリ隆盛の基礎を築いた田村隆一(1923-1998)。 アガサ・クリスティの翻訳に始まり、「ハヤカワ・ポケット・ミステリ」の出発、「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」の創刊……その比類なき体験による、彼にしか語りえない数々の貴重なエピソードとユーモアは、詩(ポエジー)と戦慄(スリル)の本源的考察を通して、やがて21世紀の我々をも刺し貫く巨大な文学論・文明論へと至る――人類にとって推理小説(ミステリ)とは何か? 聞き書き形式でポーからロス・マクドナルドまでのクラシック・ミステリをガイドするロング・インタビュー(旧版『ミステリーの料理事典』『殺人は面白い』所収)を中心に、クロフツ『樽』やクイーンの四大『悲劇』といった翻訳を手がけた名作の各種解説、クリスティとの架空対談、江戸川乱歩や植草甚一にまつわる回想、生島治郎・都筑道夫ら元早川出身者との対談など、推理小説に関する著者の文章を単著初収録作含め精選し大幅増補した、まさに田村流ミステリ論の決定版。生誕100年記念刊行。 【目次】 Ⅰ クラシック・ミステリ・ガイド(インタビュー) Ⅱ 訳者解説(F・W・クロフツ/アガサ・クリスティ/ジョルジュ・シムノン/エラリイ・クイーン) Ⅲ エッセイ・対談(×生島治郎「諸君、ユーモア精神に心せよ」/×都筑道夫「EQMMの初期の頃」) Ⅳ 資料編 〈解説〉 押野武志
  • カラー版 最後の辺境―極北の森林、アフリカの氷河
    3.0
    地図上の空白地帯が失われてしまった現在も、文明の侵食を許さない隔絶された土地は存在する。ヒマラヤの高山氷河、アマゾン源流の大瀑布、アフリカ最奥部の密林地帯――人の手が地球上の隅々にまで及ぼうとするなか、厳しくも美しいこれら辺境こそ、豊かな自然の最後の砦だと言えよう。日本を代表する自然写真家が半世紀にわたって追い求めてきた最後の辺境を、見る者の心を強く揺さぶる写真で紹介する。
  • 事務次官という謎 霞が関の出世と人事
    3.0
    事務次官、それは同期入省の中から三十数年をかけて選び抜かれたエリート中のエリート、誰もが一目置く「社長」の椅子だ。ところが近年、セクハラ等の不祥事で短命化が進み、その権威に影が差している。官邸主導人事のため省庁の幹部が政治家に「忖度」しているとの批判も絶えない。官界の異変は“頂点”だけに止まらない。“裾野”も「ブラック」な労働環境や志望者減、若手の退職者増など厳しさを増す。いま日本型組織の象徴と言うべき霞が関は、大きな曲がり角を迎えているのだ。事務次官はどうあるべきか? 経験者や学識者に証言を求め、歴史や法をひもとき、民間企業や海外事例と比較するなど徹底検証する。長年、大蔵省・財務省をはじめ霞が関を取材し尽くした生涯一記者ならではの、極上ネタが満載。 プロローグ――霞が関の「聖域」 1章 その椅子のあまりに軽き――相次ぐ次官辞任劇の深層 2章 「名誉職」に過ぎないのか――事務方トップの役割を探る 3章 社長と次官――「組織の長」を比較する 4章 冬の時代――先細る天下り先、激減する志望者 5章 内閣人事局の功罪――幹部人事はどうあるべきか 6章 民間と女性の力――改革なるか人事院 エピローグ――「失敗の本質」
  • 世界警察1 叛逆のカージナルレッド
    完結
    3.0
    全4巻814~1,012円 (税込)
    警察小説史上最大スケール、圧巻の新シリーズ、始動。 21世紀末。全ての国家の軍隊は解体。国連は「世界連邦」として機能し、平等で民主的な理想社会が実現した……はずだった。一方でテロリストたちも過激化。警視庁の刑事・吉岡冬馬は日本を拠点とする地下組織「イザナギ」メンバーの変死体を発見する。これが日本を襲う、壮大なテロ計画の入り口であった――。 徹底した非武装・非暴力で犯人を投降させることから、「説教師」の異名を持つ冬馬。最先端の兵器を保持するテロリストに、彼はどう立ち向かうのか?
  • 168時間の奇跡
    3.0
    沢口涼也はある出来事の贖罪のため、街金会社の支店長の職を捨て、5年前に保護犬施設「ワン子の園」の運営を始めた。今では4人のボランティア仲間と心と体に傷を負った犬たちを癒やし、里親が現れるのを待つ毎日だ。しかし涼也は犬の幸せを願うあまり里親希望者の見極めに慎重で、断ることもしばしばだった。そんなある日、恋人で動物愛護相談センターで働く華の元に、「犬を虐待し闇業者へ売りさばいているペットショップがある」という通報が。犬と人間の共生が抱える闇と希望を描く、心温まる長編小説
  • 愛と快感を追って あきらめない女たち
    3.0
    婚外恋愛、性感マッサージ、出張ホスト、乱交パーティ、ハプニングバー。女たちはセックスに何を求めているのか。その本音に迫ったルポルタージュ。
  • 男と女… セックスをめぐる五つの心理
    3.0
    男と女を隔てる心の壁と肉体の壁。それらを乗り越え、悦びへと至る方法はあるのか? 数百人の男女を取材してきた著者が炙り出す現代セックス事情。
  • 入門 開発経済学 グローバルな貧困削減と途上国が起こすイノベーション
    3.0
    世界は今なお悲惨さに満ちている。飢餓、感染症、紛争にとどまらず、教育、児童労働、女性の社会参加、環境危機等、課題は山積みだ。途上国への支援は、私たちにとって重要な使命である。一方、途上国自身にも、新たな技術革新の動きが生じている。当事者は今、何を求め、それはどうすれば達成できるか? 効果的な支援とは何か? 開発経済学の理論と最新の動向を紹介し、国際協力のあり方や、今こそ必要な理念について提言する。
  • 高齢期を楽しむ脳と体づくり 「ストレス・フリー」が健康寿命を延ばし認知症を防ぐ
    3.0
    1巻1,540円 (税込)
    脳と身体の老化を遅らせ、健康寿命を伸ばすには、「ストレス・フリー」の運動習慣とバランスのとれた食生活が基本だ。中年以降に多い肥満を避け、生活習慣病の予防に努める日常活動が、認知症を防ぐ。さらに、運動習慣は、脳(記憶の中枢である海馬)の神経細胞の生まれ変わりを促し、記憶力の維持に働き、高齢者の健康寿命を5年も延ばす。人生100年時代の高齢期を楽しむのに役立つ、老化科学の研究成果を、80歳でエイジシュートを達成した医師が、自ら実践した運動習慣、健診結果とともに紹介する。
  • 健康寿命をのばす 脳と食べものの大切な話 誰でもできる100歳超え
    3.0
    1巻1,540円 (税込)
    70歳、80歳の人でも、これから先まだまだ20年から30年も健康で長生きできる。脳神経外科医が自らの患者たちをみつめつづけた結論は、「適切な食事さえとれば、脳は100歳まで成長しつづける」「脳の回復には笑顔が大事」ということだった。運動と笑顔を日課にして、毎日毎食適切な食事をすれば、百寿者、そして100歳以上でも健康な道すじがはっきりと開けてくる。
  • 流人道中記(合本)
    3.0
    累計50万部突破! 『一路』『壬生義士伝』の浅田次郎が贈る、新たなる国民的時代小説。 万延元年(1860年)。姦通の罪を犯したという旗本・青山玄蕃に、奉行所は青山家の所領安堵と引き替えに切腹を言い渡す。だがこの男の答えは一つ。 「痛えからいやだ」 玄蕃には蝦夷松前藩への流罪判決が下り、押送人に選ばれた一九歳の見習与力・石川乙次郎とともに、奥州街道を北へと歩む。口も態度も悪い玄蕃だが、道中で行き会う抜き差しならぬ事情を抱えた人々を、決して見捨てぬ心意気があった。この男、仏か、罪人か?
  • 卍どもえ
    3.0
    1巻1,100円 (税込)
    時代と向き合い、社会を書く、ということ。 現代日本最高峰の作家は、〈平成〉を舞台に何を描き出すのか――。 人の世が綾なす芳醇の最新作! 〈解説〉阿部公彦 あらすじ―― 東京・青山にデザイン事務所を構える瓜生甫と妻のちづるは、セックスレスの関係にあった。ちづるはある日、知人に紹介された年下のネイリスト塩出可奈子に誘われて、性愛の関係を結ぶ。 また甫には、旅行会社のプランナー中子毬子と古い付き合いがある。毬子の夫・中子脩は語学学校の経営者だが、女性関係が派手で夫婦の仲は冷えて久しい。中子夫妻は自宅のパーティーに瓜生夫妻を呼び、そこでちづるは毬子と意気投合する。 後日、ちづるから毬子を紹介された可奈子は、毬子も誘って三人でホテルに行かないかと、ちづるに提案する――。 都会の喧噪の中で交わされる、優雅で淫靡な秘密のささやき。錯綜する彼らの思惑がたどり着く先とは。
  • 出張料亭おりおり堂 あつあつ鍋焼きうどんと二人の船出
    完結
    3.0
    全1巻902円 (税込)
    一緒に幸せになってくれるか――? 老舗旅館の開かずの間は、仁と孝、二人の兄弟の秘密の過去に繋っていた。そして山田を排除し仁にすり寄る美女・エリカの目的も……。だが、虎之助やラウルという新たな人物の関与と山田の頑張りにより、仁を絡め取っていた因縁がほどける。そして、久々に振る舞う料理とともに、やっと自分の気持ちを打ち明けた仁に対し、山田の返事は――。 人気シリーズ最終巻!
  • 「私のはなし 部落のはなし」の話
    3.0
    日本にいまだ残る「部落差別」を丸ごと見つめ、かつてないドキュメンタリー映画として多くの観客を集めた『私のはなし 部落のはなし』監督による初エッセイ。大阪芸術大学での原一男監督の講義から学んだこと、若松孝二監督の撮影現場での体験、屠場(とじょう)とそこで働く人々を写した初監督作品『にくのひと』(2007年)が各地で上映され好評を博すも、劇場公開を断念し作品を封印せざるをえなかった経験、そこから12年を経て、今作公開に至るまでの歩みを綴る。プロデューサーの大島新氏、配給会社「東風」の木下繁貴氏との鼎談、角岡伸彦氏の解説を付す。
  • 世界のマネージョーク集 笑って学ぶお金とのつきあい方
    3.0
    累計100万部突破の人気シリーズが、「マネー」をテーマに新登場。風刺・ユーモアを通して、お金についての知識や教養を深めることができる「本邦初?」の異色の一冊。そもそもお金とは、人間にとっていったい何? 欲望やいやらしさ、それでも憎めないところなど、お金があぶり出すものは、まさに人間の本質か。お金をめぐるニュースも絶えない現代。日本経済の混迷や「働き方」、格差問題、そして消えない将来不安……。ジョークの力で笑い飛ばそう! 【目次】 序章  お金とは何か? 第1章 「働き方」を笑い飛ばそう 第2章 経済をユーモアで 第3章 貧しい人も富める人も 第4章 ギャンブルは是か非か 第5章 お金を巡る罪と罰 第6章 お金を巡る人間模様 最終章 欲と知恵 ――あとがきに代えて
  • 食われる国
    3.0
    1巻1,980円 (税込)
    この国にはもう、抵抗する力がない。 人種差別、AI裁判、民間刑務所、洗脳教育―― 俺たちは、求められるようにしか生きられないのか。 2050年。日本の国力は低下し、海外資本が大量に流入。人口も減少し、かつて栄えた都市も今や廃墟と化していた。刑事である谷悠斗は池袋で発生した外国人拉致事件を追ううち、中国資本「未来集団」が経営するカジノに潜入することになる。これが地獄の始まりだった。 不当逮捕された悠斗は民間刑務所に収監される。洗脳とも言える教育の果てに「未来集団」の一員として、日本国土の買収を繰り返すことになる――。 悠斗に、この国に希望はあるのか? 荒廃が待つ未来の中に微かな光を示す傑作長編。
  • 中公新書60周年小冊子
    無料あり
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【中公新書 創刊60周年記念】 1962年11月に創刊した中公新書は、おかげさまで2022年に60周年を迎えます。それを記念して、小冊子『中公新書の60年』を編集いたしました。 2700点以上を数える中公新書の海をゆく羅針盤として、識者の方々に政治、経済、日本史、世界史、思想・哲学、科学の各ジャンルのお勧め作品を挙げていただきました。 また人気シリーズになぞらえて「物語 中公新書の歴史」と題した読みものを収録しました。編集部員も知らなかった秘話を通して、当レーベルをより身近に感じていただければ幸いです。 《目次》 ●ここから始める中公新書   1 政治編 北岡伸一(東京大学名誉教授・国際協力機構〔JICA〕特別顧問)   2 経済編 坂井豊貴(慶應義塾大学教授)   3 日本史編 澤田瞳子(小説家)   4 世界史編 君塚直隆(関東学院大学教授)   5 思想・哲学編 若松英輔(批評家・随筆家)   6 科学編 渡邊十絲子(詩人)  ●物語 中公新書の歴史   創刊前夜  いよいよ創刊  停滞から再興へ  そしてこれから ●中公新書略年譜

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  • ここに住みたい
    3.0
    安ブドー酒を呑むと少くとも僕は真実に出会った気がするのだ――絵本作家・アートディレクターとして一時代を築いた著者が描く、旅の文とスケッチ。フランスで安宿グルメにハマり、メキシコでおもちゃに散財、ある日はスペインで巨匠ダリとふいに遭遇! 知らない町をぶらぶら歩く楽しさが染みわたる。新たなイラスト・コラムも満載し、初文庫化。
  • 中国の古代文学(一) 神話から楚辞へ
    3.0
    1~2巻1,257~1,309円 (税込)
    中国文学の原点である『詩経』と『楚辞』の成立、発想、表現を、『記紀万葉』と対比し考察する。古代共同体的な生活が破壊され、封建制が根付いたとき、人々はそれぞれの運命におそれを抱き、そこに古代歌謡が生まれる――。この巻でとり扱った時期は、古代中国人が神を発見し、また失う過程を示すものである。斬新で美しい論の展開、すべてを網羅した知識、知的興奮が味わえる白川静の世界へようこそ。  427ページ
  • 日本の海の幽霊・妖怪
    3.0
    海妖伝承を系統立てて研究した民俗学者の遺稿集。私家版としてごく少部数のみが刊行され、「幻」とまで評された名著がついに復刊!  305ページ
  • 疎開日記 谷崎潤一郎終戦日記
    3.0
    第二次世界大戦下、激しい空爆をさけて疎開した文豪が、きれぎれに思いかえす平和な日の記憶。表題作と、戦後すぐに発表した随筆を収めた『月と狂言師』をもとに、文庫初収載になる戦時下の永井荷風、吉井勇との往復書簡などを増補した谷崎版「終戦日記」。 〈註解〉細川光洋〈解説〉千葉俊二
  • 在原業平殺人事件  新装版
    3.0
    早川明子は通称「在原業平の寺」十輪寺で大学助教授の細川和也と知り合い、彼の所属する文学部の新年会に誘われた。そこで出席者の一人が服毒死する。さらに長岡京跡でも遺体が……。派閥抗争か、学説の対立か、それとも教授の令嬢をめぐる愛憎劇か。山村美紗の遺作を西村京太郎が書き継いだ、ミステリー界二大巨頭伝説の合作。〈解説〉山前譲
  • 天安門ファイル 極秘記録から読み解く日本外交の「失敗」
    3.0
    1989年6月4日―。強権独裁「習近平中国」のルーツはここにある。日本の外交官たちはその日、「人民の流血」をいとわない中国共産党の本質を見抜くべきだった。「今孤立させると排外的になる。いずれ民主化する」。計3・6兆円の援助を注ぎ込んだ日本政府は皮肉にも中国を排外的な「モンスター」に変えてしまった。 建国以来最大の危機だった天安門事件を通じて「強国」となった中国。その背景には、中国共産党と裏で手を握る米国、実利優先の欧州、常に米中の「呪縛」から逃れられない日本の存在があった。ウクライナ戦争・台湾有事で中国はどう動くか。その答えは、33年前の極秘記録にある。日本はどうすべきか。歴史の教訓を読み解く。 日中国交正常化50年の節目に一石を投じる渾身のドキュメント。
  • 全国クセすご水族館図鑑
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 “さかなのおにいさん”として全国各地で活躍する著者が、かわいいイラストとツッコミ満載の4コマまんがで、水族館の愛すべき魅力を伝えるイラストエッセイ。 本書では、「ある朝起きたらトドが増えていた」「まるでラッセン! 夕日に染まるイルカプール」「学校の屋上プールにサメが泳ぐ!」など、日本全国40館の水族館の推しどころをフルカラーのイラストと4コマまんがで紹介。訪れたことのない施設も、読むだけで楽しめて、思わず笑顔になってしまう1冊です。 <「はじめに」より> ここだけの話、日本は「水族館王国」なんです! 人口あたりの水族館数が世界一と言われるほど、全国、北海道から沖縄までたくさんの水族館があります。 海に近すぎて野生のトドが檻に入ってくる水族館や、山の上の変わったイルカショー。都会の真ん中にある美術館のような水族館や、辿り着くのがやっとの秘境水族館。果ては生き物より飼育員さんが個性的な水族館もあったり…… どの水族館も「みんなにさかなを好きになってほしい!」という生き物への愛情と熱い気持ちを持っていて、それぞれが素敵な個性を生んでいます。個性を知ることで人は初めてファンになります。 この本ではそんな水族館の個性を「クセ」と呼んで、みなさんにガイドブックに決して載っていない今までとは違った「水族館の真の魅力」を知っていただきます。 オモロイこと大好きな関西人のさかな好き、さかなのおにいさん かわちゃんならではの目線で、全国各地にある水族館の愛すべき「クセつよ」ポイントをご紹介! この本を読み終わったあと、行ったことのないはるか遠くの水族館のことも、きっとファンになっているはず。 ツッコミの準備はよろしいですか?それではめくるめく「クセつよ」水族館の世界へ……!
  • キサキの大仏
    3.0
    民のため、国の未来のため、巨大な御仏を造りたい――聖武天皇の理解者は、皇族以外から初の皇后となった光明子ただ一人。奈良の東大寺大仏に秘められた夫婦愛と葛藤の物語。
  • たぶん、おそらく、きっとね
    3.0
    1巻1,320円 (税込)
    1967年、東京。キャバレーのバンドマンとゲストの女性歌手として出会った二人は、どちらともなく鏡の中で視線を重ねた。三日後、男は部屋に電話が設置されると、番号を知らせるべき相手を紙に列挙し始める。それもまた、日常の一場面のはずだった――。
  • プール葬
    3.0
    1巻660円 (税込)
    灰は灰に、塵は塵に、猫はプールに。100万回より、もっと生きるかもしれない猫たちの物語。主人公の僕は猫屋敷の神様でもあるプール管理員。ある朝、プールが誰かに汚されていることに気づき、犯人を突き止めようとする。登場してくるのは、ありふれて死ぬ野良猫たちとプールを夢見る一匹の白猫。3万人の悪魔に怯える引きこもり青年。恋人を自分の居場所にしていたストーカー女。無限の神の定理で悟りをひらいた放浪老人。その神たちがタイプライターを永遠に打ち続ける限り、猫たちも僕も無限の回数よみがえるのかもしれない。
  • 新装版 終電へ三〇歩 帰れない夜の殺人
    3.0
    リストラされた係長、夫の暴力に悩む主婦、駆け落ちした高校生カップル……。駅前ですれ違った他人同士の思惑が絡んで転がって、事件が起きる!  北風の冷たい夜。柴田秀直は、リストラされたことを家族に告げる勇気が出ず、居酒屋で飲んだくれていた。店を出て駅に向かうと、上司の永井絢子が常務とホテルから出てくるところを見かけて……。ふとしたきっかけで巡り会った人々の会話や行動が新たな事件を呼び、やがて事態は殺人を引き起こす! ほろ苦く、のち心温まる、赤川ミステリー。
  • ブラックホール 宇宙最大の謎はどこまで解明されたか
    3.0
    ブラックホールとは、重力がきわめて強く光すら脱出できない天体だ。原理は18世紀には考え出されたが、長く存在証明は困難だった。本書は前半で、存在が確認されるまでの歴史をたどりながら基礎をわかりやすく解説。後半では、最先端の物理学からブラックホールの内側に迫る。「別の宇宙」と、そこへの抜け道である「ワームホール」、さらには熱力学との関係など、さまざまな謎を解き明かす。面白く不思議な、最新の宇宙論。
  • 新版 大化改新 「乙巳の変」の謎を解く
    3.0
    皇極四年(六四五)、中大兄皇子と中臣鎌足は蘇我蝦夷・入鹿父子を武力で排除した。この乙巳の変が国政改革「大化改新」の序幕だったという筋書きはあまりにも有名である。だが、これに関して残された史料は中大兄・鎌足中心に事件を描く極めて偏ったものだった。クーデターの真の目的は何か。その首謀者は誰だったのか。本書は、王位継承をめぐる路線対立に着目して旧版を大幅改稿し、熾烈な権力闘争の内実に迫るものである。
  • 数学の世界
    3.0
    1巻1,056円 (税込)
    対談、座談の多い印象のある森だが、この本はその中でも出色の一品。大抵の場合、森毅のキャラクターが場の空気を制圧して、対談全体がゆるくホニャララなものになってしまうところ、終始冷静な竹内啓は森が出す論点(そして小ネタやとぼけ)のことごとくに異論をとなえ冷水を浴びせかける。  こうして、森の面白おかしいネタへの脱線と、それに応じない竹内の生真面目な切り返し、森の縦横無尽に展開する雑学と竹内の実用知の経験とが混じり合い、絶妙の汽水域を作り出していて、数学の純粋な楽しみと応用の豊かさ、そして自由さや厳密性がモザイクと化して、数学の多面的な魅力を描き出し、数学オンチの自分が、それでも諦め悪く数学と付き合い続けるルーツとなっている。 (読書猿――〈web中公新書〉「私をつくった中公新書」より) 人間の考えることがつねに不完全である以上、数学にも人間の考えの「不完全さ」がいろいろな形で反映している。数学は「絶対に正しい」ものではない――。 教育にも深く関わる数学者と、数学の社会的役割に関心をよせる統計学者による討議から、人間の文化を豊かにする数学の多面的な魅力が浮かび上がる。 解説は、『独学大全』の読書猿。 【目次】  はしがき  竹内 啓 第一部 数学の世界を獲得する  数学と論理  基数・序数・自然数  たす・ひく・かける・わる  連続量と実数  関数  代数系 第二部 数学の世界をふりかえる  ギリシャ 数学の世界の誕生  イスラム 代数の発達  十六、十七世紀 数学の世界の大展開  十八世紀 偉大な職人の世紀  十九世紀 専門家の時代  現代 構造解明の数学 第三部 数学の世界を楽しむ  あとがき  森 毅  文庫版のためのあとがき 竹内 啓 解説 読書猿
  • 盲目のピアニスト
    3.0
    殺人者とすれちがった盲目の美しいピアニストの不安と疑惑の心象世界を鮮やかに描く表題作など、華麗なロマネスクミステリー五篇。
  • ふらふら日記
    3.0
    ぼくは自分の生まれたところを、これまで知らないでいた――。自身のルーツである教会を探すも、なぜか中々たどり着けない。それでもコミさんは気にしない。うまくいかなかったときのほうが、しゃべったり書いたりして楽しいのだ。 温泉地で目の前に来た列車に飛び乗り、海外でもバスでふらふら。気ままな旅のエッセイ。 初文庫化。 〈解説〉末井 昭
  • 赤い死の舞踏会 付・覚書(マルジナリア)
    3.0
    「赤い死」が蔓延するなか、千人の友達と僧院に避難したプロスペロ公は壮麗な仮装舞踏会を催した。そこへ現れたひとりの仮装した人物が、人々の間に狼狽と恐怖と嫌悪を呼び起こす――死に至る疫病に怯えおののく人々を描いた表題作のほか、処女作「メッツェンガアシュタイン」など短篇小説十篇と、蔵書の行間に書き込んだ思考の断片「覚書(マルジナリア)」を収録。 巻末に解説「ポォの作品について」を所収。 吉田健一の名訳が愛好した作品が名訳で甦る。
  • 酒宴/残光 吉田健一短篇小説集成
    3.0
    1巻1,430円 (税込)
    翻訳から批評へ、随筆から小説へと自在に横断し、独自の文学世界を築き上げた文士・吉田健一。その小説家の誕生を告げる第一短篇集『酒宴』(一九五七年)と第二短篇集『残光』(一九六三年)の全一七篇を収める初期短篇小説集成(『吉田健一全短編集』改題)。〈解説〉富士川義之 ■目次 逃げる話/マクナマス氏行状記/夏は暑い/アドニスとナスビ/マッチ売りの少女/沼/百鬼の会/酒宴/ロッホ・ネスの怪物/国籍がない大使の話/春の野原/辰三の場合/流れ/出廬/残光/空蟬/邯鄲
  • パーパスのすべて 存在意義を問うブランディング
    3.0
    近年多くの企業がブランドコンセプトの上位概念に据えている「パーパス」という発想。世界や日本におけるその潮流や事例を紹介する。
  • 道誉なり(上) 新装版
    3.0
    毀すこと、それがばさら――。六波羅探題を攻め滅ぼした足利高氏(のち尊氏)と、政を自らつかさどらんとする後醍醐帝との暗闘が風雲急を告げる中、「ばさら大名」佐々木道誉には、毀したいものがあった。数々の狼藉を働きつつ、時代を、そして尊氏の心中を読む道誉。帝が二人立つ混迷の世で、尊氏の天下獲りを支えながらも、決して同心を口にしようとはしなかったが……。 【目次】 第一章 激流 第二章 京より遠く 第三章 いかなる旗のもとに 第四章 征夷大将軍 第五章 猿の皮

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