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1989年の因果 昭和から平成へ時代はどう変わったか
天皇崩御、与党の大敗、消費税導入、冷戦終結、東西ドイツ統一、天安門事件……世界的な激動の年であった1989年=平成元年の変調は、年を経て、形となって影響をおよぼすようになった。当時の記録をいまの視点からあらためて問い直す。『検証・平成維新』改題 -
PARTNER
憧れのNY市警本部殺人課に異動した新米刑事セシル。初出勤日、女性刑事ドロシーを相棒と紹介されるが、第一印象はお互い最悪。でも事件は二人を待ってはくれなくて――。前途多難なコンビの行く末は!? -
クレムリン秘密文書は語る 闇の日ソ関係史
一九九一年末のソ連邦解体後、新生ロシアは鉄の扉に覆われた秘密文書を積極的に公開した。日本関連の文書も明らかになり、秘められた真相公表が日ソ関係史の書き替えを迫っている。本書は、戦前の社会に衝撃を与えた女優・岡田嘉子の越境亡命事件、日本共産党と日本社会党のソ連資金疑惑、北方領土など日ソ交渉の舞台裏をソ連公文書を基に解明し、理想と幻想の国家・ソ連に憑かれた日本人の悲喜劇を描くノンフィクションである。 -
翡翠の封印
同盟の証として北方の新興国に嫁がされた王女セシアラ。緑の瞳と「ある力」ゆえに心を閉ざす王女は悲壮な決意でヴェルマに赴くが、この地で奔放に生きる少年王と出逢い……第4回C★NOVELS大賞受賞作 -
追憶の詩 魂葬屋奇談
「そこには、近付かない方がいいよ。死にたくなければね」通り魔が頻発する地区で、使い魔を連れた男女に出会った深波。それを聞いた時雨の警告が意味するのは――?人気シリーズ登場! -
刻印の魔女
魔女ウォレスに弟子入りした心優しき少女トリシャは、忽然と姿を消した師匠を追い、旅に出た。時を同じくして、辺境では魔導士による殺戮事件が起こり――!? 第一回CN大賞受賞者の受賞第一作登場! -
光降る精霊の森
故郷で事件を起こし潜伏する青年エリは、行き倒れ寸前の半精霊の少女と生意気な猫の精霊を拾ったばかりに、鷹の女王を訪ねる旅に巻き込まれ――第一回C★NOVELS大賞受賞作! -
契火の末裔
理化学の町〈キサ〉に留学中の、精霊の国〈セア〉の第二王子ティーダ。急に決まった兄の即位式のため、キサの民ミヤギを護衛に付けてもらい帰国の途についたが……。少年の冒険が始まる!《第3回C★NOVELS大賞特別賞受賞作》 -
偽神の花嫁 山妖奇伝
都人に占拠されている北の村。長の跡取りユキヒラは、村を彼らの手から救うため、妖の民を連れてくると約束。禁足地である山に入っていく。そこでトウサイと名乗る青年と出会い……。 -
熱砂の星パライソ
賞金稼ぎレーンは、ひとり怪物に立ち向かう少年を助ける。姉を助けに行くと語るルディを見捨てられず、同行を引き受けたが……二人の長く危険な旅が始まる! SFガンアクション、開幕!! -
ヴィクトリア朝の性と結婚 性をめぐる26の神話
ヴィクトリア文化は性を抑圧する文化であり、性に対するとりすました淑女ぶり、お上品主義である――このような考え方は、今世紀のみならず、当時からすでにあった。「中流階級の女たちは不感症に育てられる」「娼婦に落ちたら死ぬまで娼婦」「避妊を知らない」「未婚の母は召使に多い」など、本書は現在まで多くの人が受け入れている「神話」を26とりあげ、その虚構性を当時の日記や書簡、新聞の投書や漫画などの資料を通して検証する。 -
ドラゴンキラーいっぱいあります
軍人時代の元上官と偶然再会したココ。過去の顔を見せるココに苛立つリリィだが……。ますます暴走ハードボイルド・ファンタジー! C★NOVELS大賞特別賞受賞後第一作! -
ドラゴンキラーあります
元軍人ココは早撃ちの腕は最高だが、戦時の記憶に悩まされ、しがない便利屋として暮らしている。そんなある日、亡命中の王女と護衛の女ドラゴンキラーに出会う。ヒーロー未満のハードボイルドファンタジー!《第3回C★NOVELS大賞特別賞受賞作》 -
アメリカ分断
崩壊寸前の米国に冬が訪れた。欧州からの救援物資をあてにできない東部の住民達は、日本からの物資に満ちた西海岸を目指す。それは過酷な旅路だった。 -
シャーロック・ホームズの凱旋
「天から与えられた才能はどこへ消えた?」 舞台はヴィクトリア朝京都。 洛中洛外に名を轟かせた名探偵ホームズが…… まさかの大スランプ!? 【文庫限定音声特典】「登美彦氏、ヴィクトリア朝京都を語る」(QRコードを収録) ----- この手記は脱出不可能の迷宮と化した舞台裏からの報告書である。 いつの間にか迷いこんだその舞台裏において、私たちはかつて経験したことのない「非探偵小説的な冒険」を強いられることになったわけだが、世の人々がその冒険について知ることはなかった。スランプに陥ってからというもの、シャーロック・ホームズは世間的には死んだも同然であり、それはこの私、ジョン・H・ワトソンにしても同様だったからである。 シャーロック・ホームズの沈黙は、ジョン・H・ワトソンの沈黙でもあった。 -----(本文より) 謎が謎を呼ぶ痛快無比な森見劇場、ついに開幕! 目次 プロローグ 第一章 ジェイムズ・モリアーティの彷徨 第二章 アイリーン・アドラーの挑戦 第三章 レイチェル・マスグレーヴの失踪 第四章 メアリ・モースタンの決意 第五章 シャーロック・ホームズの凱旋 エピローグ -
定年前後のキャリア戦略 データで読み解く60代社員のリアル
30年、40年、それ以上にもわたる会社員生活。 60歳以降もなぜ働くのか、どう働くのか。 お金のためか、惰性か、それともやりがい? 今の会社で再雇用、転職、それともフリーランス? 渦中の60代はもちろん、「明日はわが身」の50代にとっても、人生後半戦における「働くこと」との向き合い方を考えるうえで欠かせない1冊。 本書では、企業勤めの50代後半~60代、約5000人を対象とした調査をベースに、シニアの働き方の今を追う。20年以上にわたり、「ずっと正社員だった人」は、どのように働いているのか、後輩たちの中でどうふるまうのか、仕事や報酬に対してどう感じているのかをアンケートから明らかにする。また、企業側は60代人材に何を思いどう運用しようとしているのか、今後どうなっていくのかを調査結果から明らかにする。50代からできる準備や対策のヒントも提示する。 -
たまごだいすき
※以下の作品は、『たまごだいすき』(電子版)には収録されておりません。 『たまごだいすき』(中公文庫)にのみ収録されていますのでご了承ください。 ・「フライパン問題と目玉焼き」江國香織 ・「親子の味の親子丼」東海林さだお ・「卵焼きキムパプ」平松洋子 生卵は、王様みたいだった――西加奈子 ありふれているようで唯一無二の食材、たまご! 思い出の料理、忘れられない記憶、その姿が訴えかけてくる謎など、 多種多様なエッセイを読めば、 もっとたまごが好きになるはず。 ■電子版収録作品 「卵」辰巳芳子 「玉子」高山なおみ 「極道すきやき」宇野千代 「プレーンオムレツ」阿川佐和子 「おうい卵やあい」色川武大 「ピータンのタン」新井一二三 「未観光京都」「続・卵焼きサンド」「卵サンド、その後のその後」「たどり着いたほんものの味!」角田光代 「幸福の月見うどん」稲田俊輔 「卵料理さまざま」阿川弘之 「鏡タマゴのクレープ」「神父さんのオムレツ」「タイの焼きタマゴ」玉村豊男 「残り物の白身を使ってフリアンを」甘糟幸子 「温泉玉子の冒険」嵐山光三郎 「たまごを数式で表した偉人たち」小林真作 「冷凍食品の話」西村淳 「たまごシールとわたし」ひらいめぐみ 「卵酒」小泉武夫 「ゆで卵」鎌田實 「ジャンクスイーツの旅」「迷路の卵」若菜晃子 「塗り椀の卵 微妙に重い」片岡義男 「オフ・ア・ラ・コック・ファンタスティーク―空想半熟卵―」森於菟 「鶏卵」矢野誠一 「ねェねェ私のこと好き?」佐野洋子 「茹玉子」水野正夫 「スポーツマンの猫」堀江敏幸 「やんなった」千早茜 「ゆでたまご」向田邦子 「カイロの卵かけごはん」西加奈子 -
海神の島
一九九九年、沖縄。花城泉は、気が合わぬ姉と妹に挟まれ窮屈さを感じていた。ある日、祖母の漣オバァが三姉妹に告げる。誰かが海神の墓を守れ──と。三人は即座に拒否したが、二十年後、図らずも彼女たちは失われた「海神の秘宝」を追うことに。 汀・泉・澪――一騎当千の花城三姉妹が、沖縄、東京、九州、山口、台湾を縦横無尽に疾駆する! 三人の凄まじいまでの欲望と日米中の思惑が錯綜する、空前絶後の冒険小説。 読売新聞、毎日新聞、日本経済新聞、産経新聞、週刊文春、週刊新潮、サンデー毎日、週刊朝日、小説現代、ミステリマガジン、SFマガジン、STORY BOX、ダ・ヴィンチ、CREA、ニュータイプ、沖縄タイムス、琉球新報ほか……各紙誌絶賛。山田風太郎賞受賞作家渾身の超大作が待望の文庫化。 カバーイラスト:mocha 【目次】 第一章 失われた秘宝 第二章 三姉妹の夢 第三章 相続人の行方 第四章 古墳は囁く 第五章 銅鏡と貝輪 第六章 暗躍する男 第七章 純白の平和と黒いアイドル 第八章 海神島の正体 第九章 見捨てられた疎開船 第十章 海底の決闘 第十一章 禁断の島へ 第十二章 太古からのメッセージ 解説 爆走するパワフルな冒険小説~「宝探し」の物語~ 阿津川辰海 -
純文学とは何か
芥川賞と直木賞の候補作選びにはじまり、村上春樹はノーベル文学賞をいつとるのか、など、季節ごとに繰り返される文学的時事ネタがある。話題の根底にあるのは、「文学」そのものへの関心であり、境界がみえなくなりつつあるといわれる「純文学」と「大衆文学」の違いである。しかし、本当に「純文学」と「大衆文学」の区別はなくなったのだろうか。 日本における「純文学」と「大衆文学」それぞれの歴史を、過去の具体的な作品をとりあげながら考察する。また、専門分野である比較文学の立場から、ノーベル文学賞をはじめとする海外での文学賞のあり方や、とくに特徴的な英語圏における「文学」の定義づけ、そして映画、コミック、ラノベなどのジャンルにおける今日的「文学」のあり方を描く。 -
午後三時にビールを 酒場作品集
求めたものは一杯の冷たい麦酒(萩原朔太郎)、呑まぬくらいなら蕎麦屋へは入らぬ(池波正太郎)、おしまいにひとロライスカレー(向田邦子)。酒友との語らい、行きつけの店、思い出の味……。銀座、浅草の老舗から新宿ゴールデン街、各地の名店まで酒場を舞台にしたエッセイ&短篇アンソロジー。 文庫オリジナル ■目次 虚無の歌 萩原朔太郎 【酒友のいる風景】 はせ川(井伏鱒二) 中原中也の酒(大岡昇平) 青春時代(森敦) 酒の追憶(太宰治) 酒のあとさき(坂口安吾) 池袋の店(山之口獏) 音問(檀一雄) 詩人のいた店(久世光彦) 後家横町/酒のこと(小沼丹) 【行きつけの店】 タンタルス(内田百閒) 藪二店(池波正太郎) 私と浅草/札幌の夜(吉村昭) 鯨の舌(開高健) 「ままや」繁昌記(向田邦子) ほろ酔いの背に響く潮騒(安西水丸) 新宿飲んだくれ/焼酎育ち(田中小実昌) 【文士の集う場所】 「ぼるが」に集う人人(石川桂郎) 昼間の酒宴/ある酒場の終焉(寺田博) 深夜の酒場で(中上健次) バーの扉を開けるとき(島田雅彦) てんかいそうろう(戌井昭人) 【酒場に流れる時間】 海坊主(吉田健一) 幻想酒場〈ルパン・ペルデュ〉(野坂昭如) 花の雪散る里(倉橋由美子) ゆうすず(松浦寿輝) -
狩場の悲劇
「五月の朝に詩的な《赤いワンピースの娘》に出会って以来、おびただしい数の犠牲者が、人生の暗い波間に、永久に姿を消し去った」……モスクワの新聞社へ持ち込まれた、ある殺人事件をめぐる小説原稿。そのテクストの裏に隠された「おそろしい秘密」、そして読み終えてなお残り続ける「もう一つの謎」とは何か? 近代ロシア文学を代表する作家が若き日に書いた唯一の長篇小説にして、世界ミステリ史上に残る大トリックを駆使した恋愛心理物語の古典。巻末に、江戸川乱歩による評論を収録。 江戸川乱歩――「チェーホフともあろう作家の、こういう作品を知らなかったのだから、われわれの全く気づかない面白い探偵小説が、まだどれほど残っているかと思うと楽しくなる。……探偵小説のトリックの歴史から考えても、相当大きな意味を持つ」。 解説・佐々木敦 -
山へようこそ 山小屋に爪楊枝はない
「爪楊枝が、山小屋にはなぜないのだろう?」。山で感じる些細な疑問の数々に答えます! 道具の選び方や、山小屋でのマナー。おすすめのストレッチ法や大自然との触れ合い方、そして、一歩上の山の愉しみ方……。50年近く山登りに親しんできた著者による、山へのいざない。 【目次】 第1章 さあ、山歩きを始めよう! 第2章 山小屋に泊まってみよう! 第3章 登山に向けて、体を整えよう! 第4章 自然現象に強くなろう! 第5章 大自然と触れ合おう! 第6章 さらに、山へ踏み込もう! -
遙かなる虹の大地 架橋技師伝
架橋技師――彼らは最前線に立ち、軍を敵地に誘導するため橋を架ける。戦地に赴く新米架橋技師だが……。第5回C★NOVELS大賞受賞作 -
「コミュ障」のための社会学 生きづらさの正体を探る
人づきあいが苦手な「コミュ障」(コミュニケーション障害)。この呼び名で、あなたは自虐的に振る舞っていますか? それとも知人をからかっていますか? 悩みを抱える読者は自分自身のメンタルを掘り下げる心理学に関心があるかもしれません。しかし、本書は「社会学」という道具を使って、自分の視野を広げて「壁」を取り払うためのポイントを紹介します。私たちは、なんらかの情報や知識、あるいは年齢や職種といった属性から、異なる「メガネ」をかけています。このメガネの存在に気づかせてくれるのが社会学の諸理論というわけです。また、著者自身が他者と分かち合えなかった具体的なエピソードを絡めながら、少しずつ自分の見方を広げていく知の旅を提供します。著者は「岩本先生の授業が一番人気の理由がわかった」と内田樹氏からもお墨付きをもらった人気講師。面白くてためになる白熱教室へようこそ! -
みなさんの爆弾
シングルマザーで官能小説家、初恋に暴走する中学生など、不器用な愛が弾ける女性たち。生きづらさも涙も明日の力こぶに変わる! はちきれそうな人生の輝きを詰め込んだ短篇集。 「初恋」 …12歳の体の中を暴れまわる“恋する本能”。女性同士だって関係ない。 「譲治のために」 …聡明で可愛い息子が、いつしか私の人生を狂わせていく。 「メアリーとセッツ」 …長いひきこもり生活が、正体不明の少年に打破されて―― 「官能小説家の一日」 …乳飲み子をあやし、今日も私はエロの本能を呼び覚ます。 「世界裏」 …若書きのホラー小説が、恐ろしき日常の裏面をくつがえし…… 「戦うなと彼らは言った」 …ファンタジー小説家は、いじめられた男子生徒の前でなにができるのか。 -
受難の三兄弟
辺境の村で暮らす魔力・知力・体力にそれぞれ恵まれた三兄弟。平穏な暮らしを守るため隠してきた三男の〈秘密〉が露見しそうになり、解決策を求め異界へ向かう……新シリーズ開幕! -
占い師の正体 人はなぜ占いに惹かれるのか
一兆円産業といわれるほどの巨大なマーケットを持っている占い。「占いなんか信じない」と多くの人が思いながら、その需要が尽きないのはなぜなのか。「占いが当たる」とはいったいどういうことなのか? 占いは、科学や統計学なのか? 病か、それとも救いか? 稀代の占い師「鏡リュウジ」の数奇な運命を一種の狂言回しにして、人間にとって占いとはなにかを正面から問い、占いという謎めいた営みの魅力、魔力、その本質に迫る。 東畑開人氏 絶賛! 「高度成長、バブル、オウム、コロナ。 不安な僕らは、いつだって鏡さんに占ってもらってきた。 そう、鏡さんは時代を映す〈鏡〉なのだ。 だから、鏡さんが自分を語ると、社会的な占い論の傑作ができあがる。 本書は類を見ない戦後日本論だ」 (目次より) ◇占星術とはなにか ◇なぜ占いブームは起きたのか ◇西洋占星術は学問なのか ◇国家を動かした星 ◇日本の芸術はなぜ星を描かないのか ◇正統派の科学が占いを引き寄せる ◇淋しい占い師 ◇占いは人心を惑わしている? ◇占いは当たるのか ◇ホロスコープを吐き出し続ける部屋 ◇星のいたずら ◇運命は変えられるか ◇AIの登場は占いをどう変えるのか ◇占い師の日常 ◇占いの当たり方 ◇「占いが当たる」という感覚の正体 ◇人間は占いをする動物である ◇崩れつつあるバッファーゾーン ◇星空と孤独 -
戦国日本の資源戦略 秀吉・家康が求めた鉛、硫黄、硝石
電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 鉄砲伝来後、日本ではほとんど採れない黒色火薬の原料である硝石の確保が戦国大名たちの死活問題となった。戦略物資である鉛や大砲、戦艦、水銀についてもイエズス会などと交渉が繰り広げられる。一方で国内で豊富に産する硫黄や銀をめぐって利権確保の駆け引きが続く。大名どうし、さらにはポルトガルやスペイン、中国などとの間で資源争奪戦はどう展開したのか。そして家康はいかに「平和なアジアの海」を実現したのか。 ■□■目次■□■ はじめに 序章 ポルトガル船の東アジアへの出現 明との国交回復ならず/福建貿易の活気/ポルトガル船の跋扈 第一章 ポルトガルの大砲と硝石、硫黄 必須の軍需物質、鉛 大友宗麟の大砲/長篠の合戦での鉛銃弾/銀精錬、灰吹法は鉛を 用いる 黒色火薬の主成分、硝石 国産では足りない硝石/キリシタン大名と硝石/大友宗麟の受洗/有馬晴信の受洗/イエズス会による硝石提供/信長と硝石/家康と鉛、硝石/睦平鉱山をめぐる信玄との攻防/小牧・長久手合戦の補給線/伊勢の安濃津は日本三津の一つ 硫黄は輸出品 大友氏の硫黄輸出/土木の変/伊勢神宮と水銀 東海道と伊勢湾 東海道の繁栄と金/伊勢湾ルートの重要性/倭寇の密貿易と『日本一鑑』/『日本一鑑』の示す日本貿易路/「中道」ルート/「右道」ルート/日本海ルートの可能性 小牧・長久手と富士金山 家康には硝石を輸入できる港がなかった/家康の金山/家康の関東経営/秀吉の能力主義/関ヶ原へ――硫黄戦争としての関ヶ原 第二章 九州の硫黄をめぐる攻防 御蔵入地と石田三成 秀吉の蔵入地/石田三成の辣腕/島津領内の取り仕切り 豊後の硫黄問題 大友義統の改易/臼杵城と杵築城の城主/三成による硝石、鉛、硫黄の統制 薩摩の硫黄輸出港 硫黄生産地・鬼界ヶ島/藤原惺窩の鬼界ヶ島行き/硫黄を求める南蛮船 加藤清正弾薬飢饉 弾薬は自弁/加藤清正のルソン貿易/豊後の分割/太田一吉の豊後領と阿蘇火山 第三章 文禄・慶長の役と三成、長政、そして家康 石田三成と浅野長政の争い 太閤渡海と浅野長政/姜沆『看羊録』/福原長尭の「讒言」/なぜ戦線縮小か?/関白秀次厭戦気分/再び硫黄、そして家康 鉄装甲船、太閤御渡海 秀吉御座船の「威容」/一時停戦/御座船は危うい/家康の兵船建造/兵船用の木材調達/秀次弁護/細川忠興の借金/「なんの働きもない」三成/石垣原の戦い 第四章 御座船と「ふすた船」――海軍力の問題 「ノアの箱舟」――鉄製浮かぶ砲台 巨大艦とその武装/慶長の役の日本艦隊の海軍力/山田長政の「がれうた船」 名護屋に来航した明使節と密偵 和平か継戦か/関白秀次の「謀反」/密偵が見た秀次/秀次処刑 博多の「ふすた船」 秀吉の来訪目的/ポルトガル沈没船、フッガー商会の銅/フスタ船の購入交渉/伴天連追放令/名護屋への各国船の到来/名護屋来航のカンボジア船 第五章 大戦争で、硫黄が最大の利権に 川中島の硫黄 森忠政を川中島に封じる/上杉から川中島を奪った三成/なぜ森忠政は川中島を得たのか 上杉謙信と川中島の硫黄 謙信、秘伝書を授けられる/川中島の硫黄はどこに運ばれたか/リーフデ号漂着と関ヶ原の合戦 改易、領地召し上げ、小早川秀秋の場合 漢城進撃と稷山の戦い/明軍の唐津到着/蔚山の戦いと秀吉の激怒/小早川秀秋の減封事件/博多町衆の進物/戦績報告の再吟味 水銀入手の問題 銀精錬法の革新/水銀は誰が運んできたか/戦争は終わったが 第六章 平和の海の構築へ 家康の全方位貿易戦略 朝鮮との和議/御朱印貿易の精神 スペインとの国交 家康の平和/サン・フェリペ号漂着 家康のスペイン外交模索とウィリアム・アダムズ イギリスによるマニラ・ガレオン襲撃/カルヴァリン砲の入手 第七章 家康のフィリピン外交 関東寄港の要求 ジェズスの書簡/造船技術者の招聘依頼/メキシコとの交易/カンボジアの硝石 水銀、鉱山技術者、メキシコ 大久保長安と水銀輸入/浦賀―アカプルコ貿易路 三浦按針の活躍 エスピリット・サント号の漂着/小サンティアゴ号の来航/アダムズが案内/アダムズ、マニラへ 水銀は、運ばれたか? イエズス会への補償/オランダvs.ポルトガル/総督の来日/水銀輸入の合意/貿易で繁栄を/バラストとして積載?/サン・ブエナ・ベントゥーラ号の建造/鉱山技術の問題 終章 家康の平和 本書関連年表 -
超甲巡戦記
日本海軍が竣工から二五年を超える金剛型戦艦の後継とするべく計画した新型艦が、機動性をより重視した戦艦と巡洋艦の中間的性格を持つ艦――超甲巡洋艦である。それまでの甲巡洋艦(重巡洋艦)を超える新艦種、超甲巡洋艦「雲仙」はこうして誕生した。 昭和一五年、日本に対し中国大陸から撤兵要求などの圧力をかけるため、米海軍はフィリピンに太平洋艦隊の主力を前進させていた。さらにアメリカの対独参戦を促したいイギリスは、自国の東洋艦隊を米国アジア艦隊に合流させる。 南太平洋の軍事的緊張が高まる中、台湾・沖縄の防衛を担当する第三艦隊に配属された「雲仙」と米英戦艦群との激闘が開始される! 米太平洋艦隊との決戦に際しては、機動力が重要となる。 海軍大臣 米内光政大将 -
カラー版 皇室のお宝
伊藤若冲「動植綵絵」、狩野永徳「唐獅子図屏風」、横山大観「日出処日本」……。 長い時間をかけて大切に受け継がれてきた名宝には日本人の感性が息づいている。 豪華絢爛な作品の背景にある歴史的事実とは……? 2026年リニューアルオープンの皇居三の丸尚蔵館を中心として、皇室にゆかりのある絵画作品や工芸品を、「日本史王」の著者が一挙紹介。 歴史家の「目」をもって作品の背景を読みとけば、日本人の自然観や宗教、政治的思惑が浮かび上がる。 皇居三の丸尚蔵館グランドオープン記念刊行! 図版30点、全頁オールカラー。 由緒正しき超一級品、ずらり集結! 伊藤若冲「動植綵絵」/高階隆兼「春日権現験記絵」/「蒙古襲来絵詞」/豊臣秀吉「豊臣秀吉朱印状(八条宮宛)」/藤原定信筆「金沢本万葉集」/葛飾北斎「西瓜図」/邨田丹陵「大政奉還」/和田英作「憲法発布式」/海野勝珉「蘭陵王置物」/横山大観「日出処日本」/伝狩野永徳「源氏物語図屏風」……など 【 目次 】 第1章 貴族と寺社のお宝 ――伊藤若冲《動植綵絵》・藤原定家《更級日記》・高階隆兼《春日権現験記絵》など 第2章 武家のお宝 ――《蒙古襲来絵詞》・狩野永徳《唐獅子図屏風》・《豊臣秀吉朱印状》・葛飾北斎《西瓜図》など 第3章 明治と昭和のお宝 ――邨田丹陵《大政奉還》・和田英作《憲法発布式》・横山大観《日出処日本》など 第4章 天皇家に伝わったお宝 ――《聖徳太子二王子像》・王羲之《喪乱帖》・伝狩野永徳《源氏物語図屏風》など -
マンション高騰の真実 都市部の「非居住化」が街を壊す
★マンションを買っているのは誰だ? 徹底調査で実態を解明。どうりで家が買えないはずだ! 都心、駅地下に住みたい人、必読です。 誰がどんな目的で、好立地の高額マンションを買っているのか。著者は登記簿等を徹底解析し、国内外の富裕層や法人が、新築のみならず中古まで買い漁っている実態を明らかにした。多くは転売・資産保有等の目的で抱え込まれ、住まないうえに売却時も住みたい人には売られない。どうりで買えないはずだ。非居住化問題は、この先、マンション管理や都市政策に多大な影響を及ぼしかねない。住宅を住みたい人の手に取り戻せ。 -
知って得する、体内時計のはなし
生物はすべて〝リズム〟に支配されている――ありとあらゆる不調の鍵を握る「内なる時計」を徹底解説。 日々の生活でなんとなく知っている気になっている「体内時計」。本書はその役割をより詳しく体系的に解説する1冊。「健康を保つには何が必要か」「よく眠るためにはどうすればいいのか」という実用的な関心に応えつつ、実は人間を含むすべての生物の根源に関わる重要な機能を持つということを、過去に行われてきた研究成果を例に科学的かつわかりやすく述べます。 著者は、時間生物学会にて20年以上研究を続けてきた立場から、専門的な知識は備えつつ平易な文章で執筆。 「ヒドラの睡眠」や「無生物のリズム」「断眠チャレンジ」「睡眠と拷問」などのコラムも交え、体内時計に関する雑学も満載。 〈目次〉 第1章 私たちは〝内なる時計〟に左右されているる 第2章 概日リズムのメカニズムとその性質 第3章 日常生活のあれもこれも体内時計と関係しているる 第4章 体内時計をもっと知って活用する -
新・消費論 コト消費、性的消費、応援消費……誰もが語りたがる「神話」の正体
コト消費、性的消費、応援消費、体験消費、トキ消費…… 次々と生まれる新たな「●●消費」によって、私たちは新しいビジネスの形を理解したり、議論されるべき社会問題の存在を知ったりする。 しかし、そこで〈消費〉はあまりに融通無碍に、あるいは単に自説を知的に見せる。 語彙として使われている可能性はないのか。 そして、かのボードリヤールはなぜ〈消費〉を一つの神話と見なしたのか。 1980年代から現代まで、〈消費〉をめぐる語りの謎を鮮やかに論じ、終わらない「神話」を終わらせる。 【目次】 序 章 〈消費〉を知ってはいるけれど 第1章 コト消費の時代――曖昧な〈消費〉の居場所 第2章 性的消費をめぐる謎――失われているものの在処 第3章 応援消費の論理――消費が変えるのは自分か社会か 終 章 〈消費〉という謎からのエクソダス -
多崎礼公式ガイドブック 煌夜祭20年の軌跡
衝撃デビューからの20年を、装画全点、秘蔵の初期設定公開など弊社刊行作品紹介で辿る。著者主催のSNS煌夜祭の様子、書下ろしを含む『煌夜祭』外伝九篇をも収めた愛読者必携の一冊。 (目次より) ◇20周年に寄せて 多崎礼 ◇20年の軌跡 第二回C★NOVELS大賞発表/SNS煌夜祭について/煌夜祭質問箱 ◇『煌夜祭』外伝 SNS煌夜祭発表短篇……煌夜祭へ/人であれ/言わずが花/ありきたりな幸運を/ぼんくらな島主/泣き男/赤い炎/災禍の魔女 20周年特別書き下ろし短篇……水平線の蛇 ◇作品紹介 煌夜祭 Die Geschichten von den Achtzehn Inseln 【イラスト】山本ヤマト/六七質/凪かすみ/山影麻奈 〈本の姫〉は謳う The Princess of Books Awakens(全四巻) 【イラスト】山本ヤマト 夢の上 Because You Tread on My Dreams(全四巻) 【イラスト】天野英/アリストレーター/六七質 八百万の神に問う I ask you, I ask the Myriad Spirits.(全四巻) 【イラスト】天野英 叡智の図書館と十の謎 The Library of Wisdom and Ten Riddles 【イラスト】田中寛崇/六七質 -
神風連とその時代
明治九年、熊本の旧士族約一七〇名が決起し、政府に反旗を翻した神風連の乱。 彼ら敬神党はなぜ軍事的成算をかえりみずに蜂起したか。 神秘的秘密結社とも解される彼らの祖師、国学者・林櫻園の思想を読み解き、その「反時代的反乱」の淵源にせまる。 著者による、執筆当時の未公開日記を初収録。 〈巻末エッセイ〉橋川文三 〈解説〉髙山文彦 〈目次〉 第一部 神風連伝説 蜂起のあと 神風連百年 第二部 神風連とその時代 第一章 見神者 第二章 肥後冨勤皇党 第三章 熊本敬神党 第四章 反乱 第五章 予兆 註(第二部) あとがき 新版のためのあとがき 日記抄 解説 髙山文彦 巻末エッセイ 『神風連とその時代』にふれて 橋川文三 -
本郷菊富士ホテル 新装版
大杉栄と伊藤野枝が同棲し、谷崎は千代夫人から逃避。 夢二が代表作「黒船屋」を描き上げ、宇野千代と尾崎士郎が出会った運命の舞台……。 さらに、宇野浩二、広津和郎、坂口安吾など数多くの作家・芸術家が止宿し、そこから数々の名作を生み出した、文豪たちの巣「本郷菊富士ホテル」。 綿密な取材で作家たちの交流と生活を鮮やかに描き出す大正文学側面史。 〈解説〉小松伸六/〈新装版解説〉「丘の上のまぼろしの城」森まゆみ -
「ぼくは鬼がこわいと思いました。」 主人公自ら語る童話集
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 《2018年グッドデザイン賞受賞の絵本 「一人称童話」シリーズ3冊が、 児童書にリメイクされて復刊! まとめてお得に楽しめます!》 もしもあの童話の主人公が自らの口で語ったら。 もしもその目で物語の世界を見たら。 本書は、スタンダードな昔話を 文字通り「主人公目線」で描き直した作品です。 視点が変わると自ずと浮かび上がるのは、主人公の胸の内。 お届けするのは「桃太郎」「シンデレラ」「浦島太郎」の3作。 眺めて楽しんでみたら、オリジナルの「心」を想像してみよう。 さらに自由に物語を創ってもらっても。 楽しみ方を広げるきっかけになる1冊です。 絵を手掛けるのは『パンどろぼう』作者の柴田ケイコさんをはじめ、岡村優太さん、ニシワキタダシさんという人気イラストレーターたち。ステキな絵とともに、ワクワクしながら童話を楽しもう! -
おひとりシニア、1年生
今のうちに備えつつ、今を楽しむ! 賢く、無理なく、持続可能な「おひとりシニア」生活を考える。 日経新聞の人気エッセイ連載「人生後半、はじめまして」を収録。 ◆目次(一部) 視力がどんどん悪くなる たいへん! 髪の現実 顔のリアルもすごかった 基礎トレがだいじ 動けるうちに 「ここぞのとき」は今である 非常用持ち出し袋 電話はほぼ詐欺 家事という労働 趣味でも実は疲れている 風邪を引いてわかったこと 五年ぶりの加圧 ゆらゆらスクワット 小さな旅にときめいて 恐る恐るeチケット ひとりごはんに向く店は 重いけど防災ポーチ ワークライフバランスを考える A4トートにお別れ セミリタイアという始め方 シニアでデビュー 老後には早すぎる AIと私の明日 -
太陽の男 石原慎太郎伝
『太陽の季節』で日本中を熱狂させた「無意識過剰」「価値紊乱者」の石原慎太郎は、社会に何を警告したのか。 三島由紀夫を動揺させ、多大な影響を与えた慎太郎。 交錯、衝突し、天皇制と国家観をめぐって離反した二人の天才を考察し、慎太郎がその作品群に込めた真意に迫った。 著者と石原慎太郎、鹿島茂との対談も収録。 〈解説〉井上隆史 プロローグ――「君が代」と「我が日の本」 第1章 敗戦の子 第2章 ヨットと貧困 第3章 公認会計士の挫折と裕次郎の放蕩 第4章 運をつかむ 第5章 スター誕生 第6章 ライバル三島由紀夫 第7章 拳闘とボディビル 第8章 『亀裂』と『鏡子の家』 第9章 「あれをした青年」 第10章 挑戦と突破 第11章 石原「亡国」と三島「憂国」 第12章 嫌悪と海 第13章 天皇と核弾頭 エピローグ――価値紊乱は永遠なり -
悪魔くん 見えない学校と十二使徒
前代未聞の大天才といわれる“悪魔くん”こと埋(うも)れ木(ぎ)真吾。 “見えない学校”に招かれた悪魔くんは、メフィスト2世を召喚し、12の妖怪や妖精と力をあわせて、人間の幸せを奪う魔物たちに立ち向かう! 〈収録作〉見えない学校の巻/ゴーレムの巻/ピラミッド妖怪の巻/怪蝶モスの巻/カルマの巻/ズーの巻/トン=フーチンの巻/目玉椰子の巻/全9話収録 「オカリナ、風呂敷、魔法陣。 それからエロイムエッサイム! 漫画連載当時、街は姿や仕草の真似をする「リアル悪魔くん」であふれていたことでしょう。 本作は、子どもたちのために描かれた冒険活劇。 水木しげる先生の原点であり、ひとつの集大成をご堪能ください」 声優・梶裕貴さん推薦! (Netflix世界独占配信アニメ『悪魔くん』埋れ木一郎役) -
撤退戦 戦史に学ぶ決断の時機と方策
ガリポリ(WWⅠ)、ダンケルク(WWⅡ)、スターリングラード(WWⅡ)、ガダルカナル、インパール、キスカ‥ 各戦地において、政府と軍統帥機関、そして現場指揮官が下した決断と背景との因果関係・結果を分析。 窮地から脱するための善後策を探る―! -
鳥たちの横切る空 辻邦生短篇選集 Ombre
第二次大戦の癒えぬ傷を抱く学生たちの一夏を描く初期作品から、晩年の知的企みに満ちた意欲作まで。ひたすらに真実を求める人生の陰翳を描き出す精選六篇。生誕一〇〇年記念出版。全二巻。 今回、生誕一〇〇年を記念して、この膨大な作品群から四六判二巻本のアンソロジーを編む役割を仰せつかった者としてみずからに課したのは、できるだけ幅広い時期から選出すること、執筆時期や舞台が異なっても相通じる要素のある作品を二作ずつ組んで流れをつくり、その色合いと感触で陰と陽にふりわけることだった。最初にお届けする本書『鳥たちの横切る空』に翳り「Ombre」、次巻の『竪琴を忘れた場所』に明るみ「Lumière」と副題を付けたのはその結果である。 (堀江敏幸「空に織り込まれること――『鳥たちの横切る空』解説にかえて」より) (目次から) 洪水の終り 聖堂まで 献身 探索者 叢林の果て 鳥たちの横切る空 空に織り込まれること――『鳥たちの横切る空』解説にかえて(堀江敏幸) -
文章教室
「してヤラれた」と思った「雪国」の冒頭。生きている文章の書き手、志賀直哉。さりげない文体の名人、井伏鱒二。繰り返し読んで飽きない「陰翳礼讃」――。最後の文士とよばれた芥川賞作家が、多種多様なスタイルの名文を小説家ならではの視点で読み解き、すぐれた文章とはいかなるものかを綴る。読書案内にして名文鑑賞の書。〈解説〉蜂飼耳 目次より(一部抜粋) 自然のエロス――川端康成『雪国』 生き物の死――志賀直哉「城の崎にて」 感覚とモンタージュ――横光利一『上海』 光と影――谷崎潤一郎『陰翳礼讃』 ある死生観――尾崎一雄「虫のいろいろ」 詩美的感覚――梶井基次郎「檸檬」 性の描写――山本周五郎『青べか物語』 抑制と恥じらい――伊藤整『若い詩人の肖像』 ユーモアとペーソス――井伏鱒二「山椒魚」 典型的自画像――太宰治『人間失格』 切腹の描写――三島由紀夫「憂国」 戦場の死と生――大岡昇平『俘虜記』 絶体絶命の時――吉田満『戦艦大和の最期』 女であること――林芙美子「晩菊」 砲丸を投げる――小林秀雄「オリムピア」 夢を描く――内田百閒『冥途』 老年のエロス――結城信一「空の細道」 女人礼讃――室生犀星「えもいわれざる人」 着物を描く――芝木好子「京の小袖」 新しい血――三浦哲郎『初夜』 一語の重さ――佐多稲子『夏の栞』 戦場を見る――開高健『輝ける闇』 沈黙と虚無――佐藤春夫「『風流』論」 リング上の闘い――沢木耕太郎『ドランカー〈酔いどれ〉』 吉行淳之介『女のかたち』抄 死への鎮魂――吉村昭『星への旅』 厄介な生き物――阿部昭『言葉ありき』 生命の復活――北條民雄『いのちの初夜』 古都の異人――島村利正『奈良登大路町』 老いの果て――耕治人『天井から降る哀しい音』 完結した人生――司馬遼太郎『歴史と小説』 美しいものとは――岡部伊都子「青磁」 海景の中の人生――水上勉「寺泊」 権威を笑う――井上ひさし「パロディ志願」 物狂おしさの果て――瀬戸内晴美『放浪について』 土への夢――深沢七郎「生態を変える記」 ある狂熱者――棟方志功『板極道』 手でつかむ――柳宗悦「雑器の美」 芸術とは?――吉田秀和「ヨーロッパの夏、日本の夏」 エロスの詩――野口冨士男『なぎの葉考』 官能描写――田久保英夫「蜜の味」 -
兵隊小説集
自身の戦争体験を通して人間心理を追求し、鋭敏な感性で作品に昇華した梅崎春生。戦後派を代表する著者の戦争を描いた主要作品を収める小説集(全二巻)。第Ⅰ巻は、敗戦直後に書き上げた出世作「桜島」、芸術選奨文部大臣賞受賞作「狂い凧」を含む十七篇と、関連エッセイを収める。〈解説〉真鍋元之/日和聡子 目次 桜 島 水兵帽の話 万 吉 蟹 年 齢 眼鏡の話 埋 葬 崖 ある失踪 演習旅行 山伏兵長 生 活 無名颱風 上里班長 歯 赤い駱駝 狂い凧 巻末エッセイ 『桜島』あとがき 『桜島』のこと 八年振りに訪ねる――桜島 『桜島』――「気宇壮大」なあとがき 解説Ⅰ真鍋元之 解説Ⅱ日和聡子 -
よみがえる文字と呪術の帝国 古代殷周王朝の素顔
いまから120年程前、ふとした偶然から甲骨文が発見された。 これを機に研究が劇的に進み、殷・周の国の姿がうっすらと立ち現れてきた。 ところが解読の過程で、重大な誤りがまぎれこんでしまった。 正されたと信じられた古代史像にも歪みが生じた。 古代中国の年代矛盾を全面的・系統的に解決した著者は、天文学や数学的手法をも駆使して、厚いヴェールに覆われた殷周王朝の素顔に迫る。 いま明かされる真実とは――。 目次 はしがき 第1章 文字と呪術の時代 夏・殷・周三代 殷王朝の国家構造 周代の暦 散氏盤の年代と製作の経緯 第2章 殷滅亡の年代 周が殷を滅ぼした年代 前1023年克殷の史料 伐殷から克殷へ 『国語』の木星記事 再度『竹書紀年』を考える 第3章 霊的威圧による支配から官僚による支配へ 周の東遷 春秋時代の覇権 盟書の出現 律の登場と中央意識 文字と呪術の帝国 余話 あとがき -
小説を書くということ
フィクションとは、はじめ私が考えていたような、作者の勝手気ままによって、どのようにもなるというものではなく、むしろ、ある必然の動きをもって作者に迫ってくるものだ、ということができます。フィクションとは、全体の真実を、生きた形で表わすための、必要な新しいパースペクティヴなのです――作家志望者に向けた講座(「言葉の箱」)、フィクション論から自作歴史小説での史料活用法まで。貧血化し機能化する散文に対する、豊饒な文学世界の実現へと誘う創作講義。文庫オリジナル。 〈あとがき〉辻 佐保子〈解説〉中条省平 (目次より) 言葉の箱 Ⅰ 小説の魅力 Ⅱ 小説における言葉 Ⅲ 小説とは何か フィクションの必然性 「語り」と小説の間 小説家への道 小説家としての生き方 なぜ歴史を題材にするか 『春の戴冠』をめぐって 歴史小説を書く姿勢 『言葉の箱』あとがきほか 辻佐保子 あとがきにかえて――記憶と忘却のあいだに 文庫版へのあとがき 中条省平 解説 -
書とはどういう芸術か 増補版 筆蝕の美学
書は紙と筆と墨の芸術である。墨跡には深度・速度・角度と力が秘められている。 書の美は草書体に萌芽し、楷書体とその基本運筆「三折法」の成立により完成したが、そこには石と紙の争闘史があった。 筆と紙の接点に生じる力(筆蝕)こそ書の美の核心で、文字でなく言葉を書くところに書の価値はある。 甲骨文から前衛書道までを読み解き、書の表現を歴史的、構造的に解明したロングセラーに、新章「現代の作家の書」を収録。 ■本書の目次 増補版発刊にあたって はじめに 序章 書はどのようなものと考えられてきたか 「書は美術ならず」論争/「書は文字の美的工夫」/「書は文字の美術」/「書は線の美」/「書は人なり」/その他の書論/従来の書論を超えて/書は筆跡、書字跡である/書は肉筆である 第一章 書は筆蝕の芸術である―書の美はどのような構造で成立するか 肉筆と筆蝕/筆蝕とは何か/書は「深度」の芸術である/書は「速度」の芸術である/書は「角度」の芸術である/深度と速度と角度のからみ合い/書は「力」の芸術である/構成 第二章 書は紙・筆・墨の芸術である―書の美の価値はなぜ生じるのか 紙・筆・墨の前史/抽象的表現空間、「白紙」の発見/抽象的刻具、毛筆の発見/楷書体の成立/抽象的刻り跡、墨の発見/紙が石に勝利する条件/草書体、行書体、楷書体/三折法の逆襲/つながる草書、狂草/顔真卿「顔勤礼碑」の意味/黄庭堅「李太白憶旧遊詩巻」の 革命/書の芸術性の根拠 第三章 書は言葉の芸術である―書は何を表現するのか 書は漢字文明圏の芸術である/日本の書と中国の書/日本の書と背景/書は文学である 第四章 書は現在の芸術でありうるだろうか―書の再生について 書の近代/現代の書/近代詩文書/伝統書道の変貌/素人の書/書の再生 第五章 現代の作家の書 戦後の書の語られ方/作家たちの書をどう見るか/岡本かの子の書/川端康成の書/松本清張の書/三島由紀夫の書/中上健次の書 あとがき 増補版あとがき 図版出典 -
田中小実昌哲学小説集成
田中小実昌 生誕100年記念刊行 『ポロポロ』から『アメン父』へ――。 幼少期、従軍、復員ののち東大哲学科入学。 米軍基地のアルバイトで暮らし、翻訳家、小説家となって後も、コミさんは哲学に関心を持ち続けた。 映画館への途中で、バスの旅で。カバンに忍ばせた文庫本に、文句と注釈をつけながらも読み続ける。 そんな日々が、いつしか「小説」となる……。 「哲学」「宗教」「小説」の三位一体のかんけいの謎を追究し、著者晩年の代表的シリーズとなった「哲学小説」を初集成(全三巻)。 第Ⅰ巻は『カント節』『モナドは窓がない』。 巻末に対談を付す。 (刊行予定) 2025年1月 第Ⅱ巻(『なやまない』『ないものの存在』) *第Ⅰ巻と同時刊行 2025年3月 第Ⅲ巻(単行本未収録短篇集) -
名医に聞く健康法
〈専門医の最新知見〉と〈私の健康法〉 和田秀樹、小林弘幸、浦上克哉、坪田聡、能勢博、小川郁ほか スーパードクター17名が解説 予防医療や健康術が世の中にあふれていますが、 何をどう選ぶのが正解でしょうか。 この本では17人の医師が 専門領域の最新知見と有益な健康情報を解説します。 「認知症」や「がん」など生活に影響する病気、 「筋力低下」「不眠」「聞こえ」「メンタルの不調」など 中高年が気になる症状を医療記事に定評のある『婦人公論』から厳選。 さらに医師自身の〈私の健康法〉は書籍オリジナル。 専門医ならではの知恵ある健康習慣を披露します。 長生きを支えるヒントを凝縮した一冊。 ◆「認知症」「老人性うつ」初期症状は似ている ◆よく噛むと自律神経が安定 ◆高血圧に10歳若返る速歩き ◆腰ひざ痛前屈みスマホ姿勢が原因 ◆70代は5割が難聴。衰えは30代から ◆朝までぐっすり眠れる脳冷まし ◆100歳で元気な人真面目でハデ好き ◆歯周病ケアで糖尿病リスク減 ◆免疫力を高めるネバネバ成分 ◆動脈硬化引き金は腸の腐敗ガス ◆運動習慣で緑内障リスク5割減 ◆顔は洗うな泡を置くだけでいい ◆大人アレルギー疲労やストレスでも発症 ◆誤嚥性肺炎を防ぐ歯ぐきマッサージ -
漱石が見た物理学
漱石の生きた半世紀(1867-1916)は、X線、電子が発見され、量子論が誕生し、特殊相対性理論が発表されるなど、古典物理学から現代物理学へと移行する激動の時代であった。 理科が得意で、自らも建築家志望であった漱石は、寺田寅彦と科学談義を楽しみ、作品にも最新の話題が登場している。 本書は文学者漱石の旺盛な好奇心に従って、熱、光、量子、時間と空間について物理学発展のあとを辿り、乖離する文科と理科の交流を目指す。 ■□■目次■□■ 序章 漱石と物理学―文科と理科の交流 1章 古典物理学の完成―激動の嵐の前 2章 新しい自然観の台頭―19世紀から20世紀への転換 3章 量子仮説の提唱―人間からの離脱 4章 量子力学の誕生―極微の世界に向けて 5章 相対性理論の誕生―時空概念の変革 終章 再び漱石と物理学―文学の中の“自然法則”
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