最近やっとこの境地に辿り着いた、という実感がある。
自分に自信がなく、これができないあれができない、と劣等感の塊であったが、
近頃はなんだか、自分はこういうことができる、こういうことでヒトの役にたてる、
出来ないことを無理にできるようにしなくても、出来ることを活かせばいいのではないか、
と思うようになってきた。
ただこれも、上の娘は社会人でそろそろ独立、下の娘も大学受験生、妻も安定した収入、
と、ようやく家計的に余裕がでてきたからかもしれない。
起業を志しながらそれが出来ず、宮仕えに甘んじている身としては、
会社に雇ってもらわないと家族を養えない、会社に養ってもらうには何でも出来なくては、
...続きを読む と、いままでは気持ち的に追い込まれていた。
それがなくなってきた。
もちろん、経済的だけでなく、書を読み、友に接する中で、
自分の生き方が見えてきたところもあるといいなあとは思うが。
その意味でこの本、自分の考えをトレースするようで読みやすかった。
先人の知恵が詰まった宗教。
自分は無宗教ではあるが、他の書物を読むように、禅であれなんであれ、
知恵は吸収したい。
今回新たに感銘したのが、夏炉冬扇(かろとうせん)と而今(にこん)。
夏の炉、冬の扇。役に立たないことの代名詞のようだが、そうではなく、
タイミングが合えば役に立つ、ということ。
自分の能力をそうとらえて磨けばよい。
そして而今。三重の名酒「じこん」ではなく「にこん」だ。
大事なのは過去でなく今。今を一所懸命生きなさい、ということ。
主人公、もよかった。自分が主人公なのだ。さだまさしの歌ではないが。
これは他責にしない、ということにもつながるのかな。
トラウマ、とかね。
少しずつわかってきたのかな。
これもこの本ではないが、これで完成、ということはないが。
少なくとも昔よりは考え方が整理されてきたように思う。
まあ、54年も生きてるからね。
はじめに
第一章 劣等感という妄想 ――劣等感をもつ人ともたない人
人には優れているところも劣っているところもある
拠り所になるのは「天のものさし」のみ
日の当たらない仕事でも精いっぱい尽くす
「もっと欲しい」が苦しみを生む
理想像より自分の足元を見つめなさい
“負けられる"人に劣等感はない
優れた人への敵意は無意味
「あれ俺詐欺」は劣等感の裏返し
第二章 他者比較という妄想 ――他人の価値観に振り回されないために
誰かの評価より納得感を大事にする
コツコツ続けることに答えがある
劣っていると思うのは主観にすぎない
「今」なすべきことが、必ずある
自分が「役立つ」ときを待つ
授かった命を、そのままに生きる
頭で考えるより、まずは行動する
評価は聞き流してしまえばいい
人生の「主人公」を生きているか
失敗や挫折は「発見」である
第三章 優越感という妄想 ――人より「上」でいたいという潜在意識を断つ
劣等感と優越感はコインの裏表
煩悩が多いのは悪いことではない
地位も肩書きも賞味期限は三年
苦労をしたことよりも、乗り越えたことに価値がある
アドバイスが押しつけになっていないか
いじめに与しない方法
人を嫌いになるとき
自分の器以上に見られることはない
自分をばかにする人へ
「マウンティング」発言
他人の発言に右往左往する人
第四章 人間関係という妄想 ――怒らない、群れない、広げない「人生のコツ」
怒ってしまう前にできること
顔色をうかがうのではなく、気配を察する
“否定語"には注意する
自分の陰口を知ってしまったら?
感情をコントロールする方法
失言してしまったときは?
タイミングを逸しない心配り
ときには嫌われてもいい
地位も役職もすべて譲ってしまおう
つらさを「幸せ」に変える方法
人の幸せのために尽くす
第五章 妄想しない心 ――ありのままを認め合って生きる
清々しい心で、ありのままに生きる
「敵」ではなく、「ライバル」と見る
今日からでも、人は「変われる」
自分をまっとうしている姿がいちばん美しい
信頼される人とされない人
「ねたむ」前にみずからを振りかえる
お互いのあるがままを認める
第六章 ある青年との禅問答 ――「私の生きづらさについて教えてください」
見たくないのに見てしまう「SNS」
人と「群れる」のはよいことなのか
ライフパートナーが見つからない
親に対する負い目
夢中になれるものが欲しい
人間関係を「広げる」必要はない
自分のやりたくないことはやらない
相続をめぐるきょうだい間の確執
お金をもって死ぬことはできない